※この作品はR-18です。

適当に考えた短編とかその辺を放り投げる場所   作:米ビーバー

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ふっと飛んできた電波なので実質初投稿(強弁)


ダンカイとユトリの世代のはなし(ふぁんたじー?)

 『―――はい。本日の成果、オークロード1体と取り巻きのホブゴブリンが6体で***円。素材買い取り金額が***円で総額*****円になります♪』

「―――はい」

 

 ニコニコ営業スマイルの受付お姉さんからスマホを受け取る。財布に貨幣を持ち歩いてた時代も今は昔、現代を生きる人間にとってのオサイフは、今やスマートフォンと電子マネーにとって代わられた。

 

 

 ―――俺たちが生まれるずっと昔……と言っても100年も経っていないが、その昔―――

 

 “唐突に、世界が変わった”らしい。

 

 日本、ロシア、中国、アメリカ、イギリス、主要国を始め、世界各国で突然【異形】が溢れ出し、世界はさながらラノベと化したそうだ。俺たちの世代ではダンジョンだの魔法だのそんなのがありふれてるし、冒険者養成所や学園(アカデミー)が存在して幼いころからダンジョンやモンスターの危険性が周知されているのだから今更「だから何?」程度の認識でしかないが、当時は大変だったらしい。

 

 現代機械が通じない相手に逆無双されて小国は軒並み滅び、海上を往くモンスターに囲まれて詰んだと思われたイギリスに、大昔から眠り続けてたという神話存在の王様が復活して国を救ったり、海岸線から侵略されていたアメリカに精霊信仰が巻き起こったり、天使が降臨したりした―――らしい。

 神話の世界からやってきたような生物たちの弱点はやはり同じ神話世界の武器や存在らしく、人類は銃を捨て、剣を取り戦った。それが俺たちの曾爺ちゃん婆ちゃんの世代~爺ちゃん婆ちゃんの世代だという。

 

 彼らのことは「ダンジョンで怪物と戦う魁の世代」略して「ダン怪(だんかい)の世代」と呼ばれている。

 

 当時を振り返り、未だ現役気分でいるウチの爺ちゃんは「昔はよかった」と繰り返す。当時ダンジョンから持ち帰られるお宝やモンスターの素材は文明が半壊して死に体だった国体の高度経済成長と相まって莫大な財産となったし、冒険者と呼ばれる職業ができた先駆けであるその世代の報酬額は国が亡ぶかどうかの瀬戸際だったこともあり、まさに「働けば働くだけ景気が良くなる!金が増える!」というゴールドラッシュ時代だったそうな。

 いまや数が多く耐久性が高いオークなどグラムいくらの【はずれ】枠で、ロードと呼ばれる王様はいるだけで周囲のオークを強化するので要討伐対象になっている程度のウザい敵でしかない。

 

 ―――きゅっと、思考を巡らせている俺の手を優しく包む感触。

 

受付のお姉さんが俺の手を両掌で包むようにして、上目使いで見ていた。

 

『―――あの、今日の報酬(リザルト)で……どうですか?ダン活*1の後って、色々溜まってるでしょう?』

 

蠱惑的な瞳で上目使いに見つめられるとムラムラしないでもない。が―――

 

「あ、俺“耐心の装身具”(対魅了属性)持ちなんで」

『――――チッ』

 

 ジャラッと腕に下げたシルバーアクセを見せると小さく舌打ちしてフイッと顔をそむける。受付嬢の尻と椅子の間からチラリと垣間見えてた悪魔の尻尾が左右に振れた。

 

『“ユトリ”はこれだから……』

「すいませんねーwww」

 

 ブツブツと文句をこぼす受付嬢に煽りを忘れず俺はスマホをポケットにねじ込んで【区役所】(ギルド)を立ち去った。去り際の背中に刺さるような視線を感じたが、いつものことである。

 

 “ダンカイの世代”でもう一つ特筆すべきことがある。それが【半魔】と呼ばれる存在についてだ。ダンカイの世代の冒険者は兎角情報が無さ過ぎた。世界に溢れ出たモンスターたちを水際防衛線で刈り取りつつ、人類生存圏を作り上げる冒険者たちの後方で、情報を集め精査する政府の連中が見つけ出したのが「ダンジョン」と呼ばれる連中の巣の存在。ダンカイの世代のダンカイの世代たる名称の所以はここで決定された。

 当時はダンジョンアタックなど行ってみれば「死に覚えゲー」状態で、未発見のダンジョンに最初にアタックする冒険者は、大抵再起不能か、未帰還。死んでいるのが当たり前で、生きて帰って情報を持ち帰った連中は今や莫大な財産を得て上級国民として息子孫の世代に至るまで上層部で仕事もせず生きているらしい。

 

 ―――話がそれたが、ダンカイの世代のダンジョンアタックにより生まれた存在が所謂【半魔】なのだ。何を言ってるかわかんない人がいる場合、くっころ系のノクターン系ラノベとかエロゲとかそういうのを想像してほしい。

 

 

 

 ―――だいたいあんな感じです(CV:宮野〇守)

 

 

 

 脳まで精子が詰まってるとか言われてた時代もあるオークだの、女子供を襲うことしか考えてない知能の低いゴブリンだの、ダンジョンで生まれて魔物以外の強者を見て肉食系に火が付いたサキュバスだの。そう言うアレな方々がハッスルして、苗床にされた女性たちや肉棒扱いの男どもがハッスルした結果、ハーフエヴィル、いわゆる【半魔】と呼ばれる存在が生まれた。当時は本当に酷かったそうだ。法整備が敷かれていない世界での最初の半魔の世代は、モノとして扱われ、人権など存在しなかった。肉の壁として、性奴隷として、はたまた再生能力の高い半魔などは食肉として切り刻まれたものもいたらしい。

 んで、20年くらいかけて法整備を整えてようやく半魔に人権が用意された。

とはいえ、まだまだ浸透はされておらず、半魔の方々は肩身の狭い思いをしているし、ヤクザな商売あたりにしか就業できないため、人権擁護団体とかが日々盛大に騒ぎまくってこの国(にほん)の寛容さにより―――

 

 

 ―――全世界の【半魔】と呼ばれる存在の7割がこの国で生活していたりする。この国マジ歪みねぇな(確信)

 

 

 

……ちなみに、受付嬢が言ってた【ユトリ】っていうのは俺たちのような世代のことを指すらしい。いわゆる「ダンジョンが危険だった時代を過ぎ、安定して狩りをしてるだけで生活できるゆとりある世代」という意味らしいんだが……

 

「―――定職に就きてぇわ」

 

 心からの言葉が漏れる。日雇い労働者よりも割合は良い賃金ではあるが、【癒しの泉】(かいふくじょ)サービスなどを必要とする大怪我など、ダンジョンでの傷病は保険適用外だし、ダンジョンに挑めなくなってしまっても失業手当などありはしない。

結局のところ、地に足の着いた生活をしている人間ってのが一番盤石―――ではあるのだが、文明半壊から100年も経っていない現在……インフラ整備などの公共事業で人手が必要だったのも今は昔。冒険者ラッシュも収まった今、一般的な定職に就ける確率はアホほど低く、ニートしてるくらいならと手を出したダンジョンに適合してそのまま冒険者になってしまった連中も少なくない。

 

 兎角この世は要領の良い奴が生きやすい世の中であると言えよう―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――夕方、仕事が終わって帰り支度してる受付嬢に声かけて一緒に食事とかしました。一晩契約の肉体関係より彼氏彼女の関係のが健全じゃない?(雑感)

 

 

 明日は“トウキョウエキ”を上野方面に探索してみるかなぁ……。

 

 

*1:
ダンジョンでのアルバイト活動(間引き)の略




いやーほんとなんでこんな話が飛んできたんだか……(困惑)
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