※この作品はR-18です。

パワポケアブノーマルss集   作:艶 紫苑

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デスマス×朱里、陵辱、寝取り注意です。
どうにかして主人公視点で書いたら、寝取られを名乗れるようになるのかな?NTRの定義にはあてはまらないかもしれないですけども、そんな内容ですのでご注意を。

デスマスさんをちょっとあれしすぎました。
嫉妬とか愛女とか性欲とか。ふくれあがってます。
たぶんある能力者のイタズラで心のバランスをいじられたんだと思います。
そういうことにしておいてください。

昔書いたものを偶然発見して手直ししまくったものなのでネタが古いです。
ばっさりカットしてもよかったのですが、面倒だったので
マネキンチャレンジなんて、いったい何年前のネタ


【寝取り】元ヒーローの人妻とかつての敵ひねくれた能力者【陵辱】

休日に、プロ野球選手である旦那の試合の生中継をリビングで見ていると、インターホンの音が鳴った。

 

(もうっ、こんなときに……誰?)

 

カメラの映像をみる。

 

玄関の前には坊主頭の男が立っていた。

 

(この男、どこかで……)

 

見覚えがあるような気がした。

 

同時に嫌な予感もする。

 

迷っていると、急かすように、ピンポンと再び音が鳴った。

 

男がカメラの方に顔を向け、女が見ているのを知ってか知らずか、微笑してみせる。

 

口が何かつぶやくように動いた気がした。

 

玄関へ足を運ぶ。女は開けてはいけないと思いつつ、チェーンすら外して扉を開けてしまう。

 

「お久しぶりですね」

 

男はにっこりと笑った。

 

女は目を丸くする。

 

髪型や雰囲気が変わっていて一瞬わからなかったが、見覚えがあるというのは気のせいではなかった。

 

ヒーローとして活動していたときに何度も対峙し、さんざん苦汁を飲まされた男。

当時の彼氏であり現在の旦那と協力し、どうにか退けた。

 

とうの昔に死んだと思っていたのだが、まさか生きていたとは。

 

眼鏡のレンズ越しにもわかるくらい、動揺が表に出た。

 

「なんであんたがここに……?」

 

「理由は二つ。久しぶりにあなたに会いたくなった、というのが一つ目の理由です」

 

男はからからと笑った。

 

女は眉をひそめる。

 

好意を抱いている人物に今の台詞を言われたら嬉しいだろうが、この男に言われても不気味なだけだ。

 

つい身構えてしまう。

動揺を見破られるのも癪なので、つとめてぶっきらぼうに言葉を返す。

 

「あらそう。で、二つ目の理由は?」

 

「マネキンチャレンジ、というのはご存知ですか?」

 

女は首をかしげる。

 

何年かまえに、テレビか何かでそんなことを取り上げていたような気がする。

 

カメラが回っている間マネキンのように静止した状態でいる、というようなものだっただろうか。

 

「知ってるわよ。なんとなくだけどね。それが何?」

 

「ここにきた二つ目の理由。それを貴女とやってみたいと思ったからです」

 

「はあ?」

 

思わず刺々しい声を漏らしてしまう。

 

男は薄笑いを浮かべている。

 

女はため息をついた。

 

「つまらない冗談ね。それに、そのマネキンチャレンジとかいうのが流行ってたのって、何年前だと思ってるの。冗談にしたって、ネタが古すぎるわ」

 

「異国の戦地を渡り歩いていたもので、そういう情報はかなり遅れて入ってくるのですよ」

 

「はいはい。で、本当の目的はなに? そんなくだらないことを言うためだけに姿を見せたわけじゃないでしょ」

 

「ジョークなどではありませんよ。本気で貴女とやってみたいと思ったのんです」

 

男は困惑の、しかし笑顔のままで言葉を続ける。

 

「やりませんか?」

 

「やらないわよ。誰があんたなんかと」

 

眉間にシワを寄せ、きっぱりと断る。

 

「ちょっとアレンジを加えてみようかと思っているんです。あなたはマネキンのように静止し、そして、私がそれを妨害しますから、あなたがいつまで耐えられるかという……」

 

「趣味の悪いゲームね。そんなもの絶対にやらないわ」

 

「残念です。とても残念ですが貴女が嫌だというなら、強制はしません」

 

「そうね。嫌よ。そういうことだから、さっさと帰ってくれる? 私も暇じゃないから」

 

 

冷然と言い放つ。

 

 

男は耳を澄ました。野球中継の音を拾い、

 

「愛しい彼の活躍を見逃したくない、というわけですね」

 

「うっ、うるさい! そんなんじゃないわよ!」

 

「お熱いですねえ。仕方ありません、マネキンチャレンジは中止。今日のところは退散しますか」

 

男は残念そうに肩をすくめた。

 

やっとあきらめたか。と思い女は扉を閉めようとする。

 

「私は帰ります。ですから、早く”ドアを閉じてください”」

 

男の言葉を耳にした瞬間、女の動きが止まった。

 

扉を閉めようとする手が止まってしまう。

 

女は狼狽した。

 

その隙に男は女を扉の内側へと押しやり、自分も部屋の中へ入り込んで扉を閉める。

 

「いけませんね。さっさとドアを閉めないと。最近は物騒な輩が多いですから危ないですよ」

 

「あんたが閉めさせないようにしたんでしょうがっ……」

 

女は舌打ちした。

 

眼鏡の奥の青い瞳が怒りに染まる。

 

「ノーノー。それは濡れ衣です。むしろ私はドアをちゃんと閉めるよう注意を促したのですから。忠告されると、それに抗いたくなる、あなたがそんな子供じみた性質をもっていたとは驚きです」

 

「それはこっちの台詞よ。能力がまだ健在だったとは驚きだわ」

 

 

男は特殊な能力を持っている。ざっくり言えば、彼の言葉に従えなくなる、というもの。今の場合だと、ドアを閉めてくださいと言われたので、ドアを閉めることが出来なくなってしまった。

 

「能力? ちょっと何を言ってるか分からないですねぇ」

 

 

男は、にやにやと笑った。女はかっとなる。

 

「ごちゃごちゃ言ってないで早く出ていってくれないかしら」

 

「イライラするのは体に毒ですよ。ゲームでもしてリラックスしましょう。マネキンチャレンジです。動かないで……」

 

「ふざけたこと言わないで! さっさと出ていって!」

 

「おお、怖い。わかりました。ゲームはなしです。どうぞ自由に”動いてください”」

 

「あっ……」

 

まるで本当にマネキンにでもなってしまったかのように体が動かせなくなる。

驚いた瞬間の表情で固まってしまった。あっ、と発した形のまま、唇が動かない。罵声すら浴びせられない。

 

指一本すら動かせないでいると、男がぬらりと接近してきた。身を屈め、眼鏡ごしの瞳をのぞきこんでくる。

 

「どうしました、ミス浜野? マネキンチャレンジは中止ですよ?」

 

 

「……っ!」

 

自由に動いてください、と男が女の耳元に顔を寄せ、ささやく。先の方がくるんとなった癖っ毛を持ち上げられ、頬に指を這わされた。

 

触れられた頬から悪寒のような痺れが広がり、ぞくぞくっと戦慄が背筋を駆け降りていく。

 

 

「マネキンチャレンジを私とやる気になってくれましたか?」

 

(……そんなわけないでしょ)

 

拒絶の言葉をぶつけようとするが、口が動いてくれない。

 

「何も言わないなら肯定と受けとりますが、よろしいですか?」

 

(くっ……ううっ……いいわけ、ないでしょうがっ……)

 

頬を撫でていた指が、顔の輪郭をなぞり、くすぐったさを伴いながら顎へと到達した。その指に力が込められ、顔を上向きにされてしまう。

 

「私に触れられてもマネキンのように静止したまま。上手ですねえ」

 

(まさか……この格好って……)

 

顎を持ち上げられ、男に顔をのぞきこまれる。嫌な予感がして、鼓動が早鐘を打つように激しくなった。

 

夫の顔が脳裏に浮かぶ。こんな男に汚されるわけにはいかない。必死の想いに体が動きかけた、その瞬間、男がにんまりと嗤った。

 

「ほら、どうしました? 唇を奪ってしまいますよ。チャレンジは失敗になってしまいますが、嫌なら”抵抗してください”」

 

そう言われた瞬間、動きかけたかに思われた体が、またしても固まってしまった。

 

しかし、男の言葉で、あることを思い出した。

 

(抵抗するんじゃなくて、後ろに倒れるだけ……)

 

久方ぶりの対峙、そして突然の襲撃で冷静さを欠いていたため、すぐには対処できなかったが、命令に従えなくなるという男の能力は、解釈を変えさえすれば、打ち破ることができる。

 

硬直させられ必死に抵抗していたせいで足が棒のようで、また、普通に後ろに逃げるだけではすぐに対応されてしまうだろうと考え、後ろに身を投げた。あとは後頭部を打たないよう受け身をとって、逃げ出すだけ。

 

男が、動くな、から、抵抗するなに縛りを変えてきたのは都合がよかった。動くな、のままだと、受け身をとる際にも、起き上がる際にも、逃げ出す際にも……とにかく体を動かそうとする度に、いちいち屁理屈をこねなければならなくなる。

 

こういうときは、倒れるだけのほんの短い時間がスローモーションのようで妙に長く感じる、と思った矢先、

 

 

「おっと、危ない」

 

素早く反応した男の腕がするりと腰に回された。倒れかけていた体が、ぐっと抱き起止められる。体が触れ合い、男の顔が近くなった。

 

「くっ……」

 

「どうしました? 私にキスをされるとわかって、嬉しさのあまり気を失いかけてしまいましたか?」

 

「バカなこと言ってんじゃないわよ!」

 

「生娘のように初々しく生意気な反応! いいですねぇ。旦那さんがうらやましい!」

 

しっかりと抱き締められ、身動きがとれなくなった。

 

「少し重くなりましたね。幸せ太りですか?」

 

「うっ、うるさいっ! そういうこと言うな!」

 

 

ぐっと抱き起こされ、体が密着する。

 

おぞましい抱擁を振りほどきたいのに、男の能力がまだ生きているのか抵抗できない。

 

「前言を撤回しましょう。華奢ですねえ。力を込めたら折れてしまいそうだ。さっきのは貴女が倒れかかっていたから、それに私の腕力がなまっていたから。そういうことにしておきましょう」

 

「そんなことはどうでもいい! 離しなさいっ」

 

「ダメです。マネキンチャレンジ失敗の罰ゲームということで私の好きにさせてもらいますよ」

 

「はあ? 罰ゲームなんて聞いてないわよっ! そもそもくだらないゲームにのった覚えもないし…」

 

「何も言わないなら肯定と受け取ると言ったとき、あなたは無言だった。つまり――」

 

「それは、あんたがそう……」

 

自分勝手な言い種に反論しかけていた口を塞がれてしまう。

唇と唇が触れ合い、ぐにっと歪んだ。

 

湿った体温とぬめりが伝わってくる。

 

何が起こったのかわからず、女は目を丸くした。

眼鏡のレンズの向こう、すぐ近くに男の顔があった。

 

少しして、男が離れていく。ぬくもりも遠ざかった。

女は呆然としていた。

 

「前からあなたとこうしてみたかったのですよ」

 

「はあ!?」

 

ねっとりとした声を耳に流し込まれ、背筋が震える。

 

ぎゅうっと抱き締められ、鳥肌の立つうなじに、そっと触れるものがあった。

 

「んんっ……」

 

「いい香りだ。あの頃の戦う女性、といった感じの泥臭い香りもよかったですが、戦いから解放され女性らしく甘い香りはまた格別ですね」

 

「うるさい! なに嗅いでるのよ! んぅぅっ……気持ち悪いこと言わないで!」

 

密着した体から湿り気を帯びた男の熱と鼓動が、抱き締めてくる腕からプロ野球選手である旦那をも上回る力強さが伝わってくる。

 

この状態では恐らく能力を使われなくても脱出は不可能だろう。

 

暴れたところで、この男には敵わない。

 

精々、男の体を押して密着をほんの少しだけ緩める程度しかできない。

 

怒りのこもった目で男を見上げ、にらみつける。

 

「良い目だ。それでこそあなたです。ぞくぞくしますよ」

 

男はむしろ嬉しそうに、きゅっと口の端を持ち上げた。

 

サディスティックな笑みを満面に広げ、眼鏡越しに、青い瞳をのぞきこんでくる。

 

男の大きな手が腰をつうっとなぞり、可愛らしく張り出したヒップをデニム生地越しにむぎゅっと鷲掴みにした。

柔らかさを確認するように何度も指が沈み込む。

 

「あ……ううっ……」

 

反対の手で頭を撫で、逃げようとする顔の向きを男と至近距離で見つめあう格好を強要した。

 

大きな手のひらが、女の体の曲線をなぞる。緊張をほぐそうとするかのように、ときおり、柔肉に指が沈められる。

 

「ほら、旦那様以外の男にハグされ、体を撫でまわされるなんて嫌でしょう? “抵抗してください”」

 

「やっ……あっ……」

 

「可愛いらしい反応ですねぇ。旦那さんとするときも、ちょっと体を触っただけで、こんなにいやらしく悶えるのですか?」

 

髪を弄びながら顔をのぞきこんでくる。

 

「うっ、うるさい! 見るな!」

 

「そんなに恥ずかしいのなら、”顔をそむけてください”」

 

「あ……」

 

見えない手に固定されるように、首が動かせなくなる。

 

紅潮する顔をのぞきこみ、男は女のクセっ毛に指を通し、くるくると弄んだ。

 

「髪もあの頃とは違いますねぇ。あの頃はあの頃で頽廃的な魅力があった。幸せな日々を送るあなたの手入れの行き届いた髪もまた美しい……」

 

男はうっとりと目を細めた。

 

髪ばかりか耳や顔の輪郭まで撫でられ、ぞくっと痺れるような感覚が全身に広がっていく。

 

 

「ぐ……ううっ……」

 

優しい愛撫に顔が緩みそうになる。まるで愛しい飼い猫にするように顎を撫でさすられると、至近からのぞきこんでくる男に、旦那にしか――いや、旦那にも照れ臭くて見せたくない、とろけた表情を見せそうになってしまう。

 

頭もぼうっと痺れはじめていた。

 

「んっ……んんっ!?」

 

そのせいで、またしても男にあっさりと唇を奪われてしまった。

 

一瞬なにが起きたのかわからなかった。

 

唇に、柔らかなものを感じて目を見開き、男の顔が目の前にあるのを確認して、それでもなお信じられず、何拍子か遅れて、ようやく理解した。

 

この有り様では、仮に能力を使われていなかったとしても旦那ではない、この男に唇を奪われていただろう。

 

男の手によって、顎を持ち上げられ、腰を抱かれ、冷静に見ればきっと短い、しかし、動転した頭には永遠にも感じられるほど長く、唇をぴったりと押し付けられていた。

 

「あなたと二度目のキスですね」

 

「うっ、うるさい! どういうつもりよ!」

 

恥辱に震える顔を、唇を離した男がのぞきこんでくる。

 

依然、男の腕に抱かれたままなので顔が近い。

 

「以前、言ったじゃないですか。私は、あなたのファンだと」

 

「はあ……? だからって、こんなことが、許されると思ってるの!?」

 

「そんなに怒らなくてもいいじゃないですか。愛情表現ですよ。あなたもまんざらでもなさそうでした」

 

「どこをどう見たら、そうなるのよ! 嫌に決まってるでしょ! 」

 

「そうですか? そんなに嫌がっているとは思いませんでした。では、私を勘違いさせないよう、全力で”抵抗してください”」

 

「ぐっ……んうぅっ……」

 

能力を使われ、からだが硬直した。また唇を奪われてしまう。今度は一度ではなく、何度も何度も。

 

ちゅっちゅっと、頭がどうにかなってしまいそうなほどいやらしい水音が鼓膜を震わせる。

 

夫の姿が脳裏に浮かぶ。リビングから野球中継の音が、聞こえてくる。彼は頑張っているというのに自分は卑劣な男にまんまと唇を奪われている。

 

彼と永遠を誓った唇が他の男に汚されていく。

 

男の手が女体を這い回った。キスをしながら、ヒップや腰、背中を。反対の手で顎や頬、首筋や頭をねっとりと愛撫された。

 

(なんで……こんなの、いやなのに……)

 

デニムの上からお尻の山をぐにぐにと揉まれるのはそうでもないが、唇を擦り合わさせながら、くせっ毛に指を通され、頬に手を這わされ、反対の手で背筋や脇腹を撫でさすられると、ぞくっと震えが走った。

 

顎、頬や首筋に手を添えられキスをされると被虐感がわきあがる。

 

自分でもいやになるぐらい、びくっとからだがはねた。鼻から浅ましい吐息をもらしてしまう。

 

旦那ではない男とのキスの回数が何回かわからなくなってきたころ、男が舌をねじこんできた。

 

「ふ……うっ……」

 

びっくりして目を開ける。

 

男と目があった。

 

キスをしているので、間抜けな顔で勝ち誇ったように笑っている。

 

キスをしながら視線を絡ませるなど夫ともしたことはない。

 

耐えきれなくなって、視線をそらす。ぎゅっと目を閉じた。

 

男が満足そうに笑う気配があった。

 

経験、そして、口の中にすら、新たな汚辱を塗り込まれてしまう。

 

ジーパンをむちっと張りつめさせているヒップを撫で回し、わしづかみにして、何度ももてあそびながら、口内をちろちろとまさぐってくる。

 

ぴちゃぴちゃという卑猥な水音が、今度は内側から、頭蓋を震わせた。

 

頭の後ろ側が、痺れたようになっている。

 

男と密着するからだに、じっとりと汗をかいていた。

 

心臓がどきどきと、狂ったように大きな音を立てる。

 

ねとねとと口内に舌を擦り付けられ、たっぷりと唾液を飲まされ、また、それと同じか、それを上回るくらい舌を吸われ、唾液を啜られてしまう。

 

不気味に生暖かくぬめる口に吸い付かれ、そのまま食べられ丸呑みにされてしまいそうなほど生々しく激しいキス。

 

ごくりと唾液を飲み下した男が口を離す。顔をみっともないほど緩ませていた。

 

「ああ、これはいい。美しいあなたは唾液まで美しい味がする……美味とは、こういう味のことを言うのでしょう」

 

「は……なに言ってるのよ! 気持ち悪い! バカじゃないの?!」

 

能力が切れかかっているのかわからないが、からだが動く。

 

暴れだそうとしたが、すぐに男に強く抱き締められてしまった。

 

じたばたと、無意味にあがくことしかできない。

 

「ぐっ……ううっ……離しなさいっ」

 

「お断りします。もう少しだけ、この美味を堪能させてもらいますよ」

 

顎をくっと持ち上げられ顔が上向く。卑劣な男とまた見つめあってしまう。

 

片腕で体の動きを抑え込まれているのが悔しくてたまらない。

 

「”口を閉じてください”」

 

「くっ……はあっ……あがっ……」

 

口が開く。男に向けて、舌どころか口蓋までさらすほど大きく口を開かされてしまう。歯科で治療を受ける患者のように。

 

「いけませんねぇ。人妻が他の男にこんな大胆に口の中をさらしては。”口を閉じて。その可愛らしい舌を口の中にしまっていてください”」

 

「くぅっ……うあ……」

 

見えない手にひっぱられるように、べろを口の外に突き出してしまう。

 

空いている手で、男がその舌に触れる。そっとつかみ指で舌をもてあそんだ。

 

「可愛い舌だ。綺麗なピンク色です」

 

「あふっ……あがぁっ……」

 

「舌にはその人の健康状態がでるといいます。詳しい見方は知りませんが……綺麗な舌だ。色もいい。血流がいいのでしょう。きっとあなたは健康そのものですね。新婚生活で心身ともに満たされているおかげですかね」

 

舌をつまみ、軽く持ち上げたりして、表も裏も視姦される。情けなさにからだが熱くなる。

 

「あ……う、うぅあぃっ!」

 

口を開きっぱなしのため、怒りの声も間の抜けたものにかわった。

 

「何を言っているのかさっぱりですよ」

 

男は笑いながら、舌に指を這わせる。

 

「ぬるぬるですねぇ。愛液……おっと膣をいじっている気になっていました。ここはお口ですから唾液ですね。いやらしい口だ。愛液のように唾液がわいてきますよ」

 

芝居がかった口調で言う。

 

「ほら、見えますか?」

 

唾液をすくい、わざと糸を引くようにして、見せつけてくる。

女は眉をしかめた。

 

(それだけ擦られたら、つばも出るわよっ)

 

怒鳴りたいが、べろを突き出した間抜けな状態ではしゃべることすらできない。

 

舌を指で愛撫など旦那にもされたことがない。粘膜をぬるぬると擦られていると、なんだか妙な気持ちになってくる。

 

「指がよくすべるようになりました。この舌のざらざらが、くすぐったくてたまりません。これは下半身にきますね」

 

ときおり、唾液まみれの指を見せつつ、舌をいじくりまわす。唾液を潤滑油に味蕾と指紋がにゅるにゅると擦れあい、くすぐったさが生まれる。

 

口のなかを愛撫されているうちに女は妙な気分になってきた。頭がぼーっとして、胸が苦しくなる。お腹の奥がきゅっと疼いた。

 

 

 

指が口の中から抜かれていく。指先にまとわりついた透明な糸が伸びて、ぷつんと切れた。

 

(やっと終わったのね……)

 

舌や歯茎、内頬といった粘膜や歯列まで丹念に擦られ、女は疲れ果てた気分になっていた。

 

体から力が抜け、男に抱かれていなければ立っていられないほど。

 

女は上がり框に腰かけさせられた。

 

ピンクのカーディガンをはだけられ、ブラウスのボタンを外され、ブラをずりおろされる。

 

 

「なにっ、してるのよっ……」

 

「すばらしい。ミルクのような白さに、先端はピンク。張りも形もグッド! 男のロマンをつめこんだような理想のバストですね。これを好きにできる旦那さんが羨ましい」

 

「くっ……ううっ……」

 

まろびでた乳房を男は子供のように大喜びして、もてあそぶ。

 

親指や人差し指で、あるいは指の間や指の股で挟んで、乳首も刺激する。

 

ぴんと弾いたり、くりくりとつまんだり、乳輪に押し込むように優しくにじってみたり。

 

男の指に触れられ、女の乳首はむくむくと起き上がっていく。

 

色も可愛らしい色から赤みを増した大人っぽいピンクへ。

 

「勃ってきましたね。ここをいじられるのがいいんですか?」

 

「……勃ったからって、感じてるとはかぎらないでしょ……」

 

「そうですよねぇ。ですが……」

 

「な、なによ……」

 

男が顔をのぞきこんでくる。

 

固くなった乳頭をいじられると体がくねってしまう。

 

自分でも嫌になるくらい、いやらしい吐息がもれて、女はどぎまぎする。

 

感じていると顔に書いてありますよ。

 

男の言いたいことが視線から伝わってくるようだった。

 

「貞淑な人妻らしく、”本音を隠してください”」

 

「うっ……」

 

女は口をぱくぱくとさせた。言葉を飲み込もうと精一杯口を閉じようとするが、口が勝手に言葉を紡ごうとしてしまう。

 

「きもち、いい……」抵抗空しく、ぽろっと言葉が押し出された。

 

「もっと詳しい説明を……と、いけませんねぇ。私としたことが。女性にそんなことを聞いては。詳しい状況説明は”心にしまっておいてください”」

 

「……うっ、ああっ! だ、旦那以外の、男にぃ! おっぱい、触られて……ちっ、乳首っ、くりくりされてぇ……きっ、きもちいい……」

 

旦那以外の男に愛撫され感じていることを認めてしまった。

 

それをあろうことか口に出してしまった。

 

能力を使われたとはいえ、その事実が女の胸を強く締め付ける。

 

「あははっ、そうですか! なら、もっと触ってあげますよ」

 

無邪気な子供のように喜んで乳房を弄ぶ。

下からそっと持ち上げるように触ったり、綺麗な丘の付け根の部分に指を食い込ませたり、表情こそ子供っぽいが手つきはいやらしい。

胸がどんどん熱くなって、内側から何かふくれあがってくるようなものがあった。切ない気持ちが染み広がっていく。

 

 

胸とまるで連動するかのように子宮がきゅんと疼いた。

 

「手に吸い付いてくるような感じですね。肌の感じ、サイズも、私の手にぴったりです。まるで私のために存在しているかのようだ」

 

認めたくはないが、胸のふくらみは、この男の手にぴったりとフィットしていた。

 

指が優しく沈められる。

 

ちょっと触られただけなのに甘い痺れが広がって頭が真っ白になり胸がドキドキする。胸を触られてこんな感覚を味わうのは初めてだった。

 

男を喜ばせたくなくて、女は口をつぐむ。

 

男が破顔した。

 

「嘘も方便ですよ。旦那さんをたてるために”嘘をついてください”」

 

大きな手で頭を撫でられ、耳元に囁かれ、ゾクッと背筋が震えた。

 

「旦那に触られてるときよりも、いい……こんなこと、はじめてよ……なんで……うあぁっ、信じられない……」

 

不思議な感覚だった。旦那に触れられるときよりもしっくりくる。肌が合うということだろうか。

 

――あ、あたし、なんてことを……

 

言葉を口にして、後悔が胸に広がっていく。

 

「それは嬉しいですねえ。私たちはきっと相性がいいんですよ」

 

乳房を男の手が優しく包み込んだ。

 

「バカなこと言わないで……なにが相性よ……」

 

緩みそうになる顔を必死に引き締め、男をぎろりとにらみつけた。

 

 

 

 

隣りに腰かけた男に肩を抱かれ、唇を奪われた。何度かの口づけ、唇が吸われたあと、舌がじゃれついてくる。絡み合い、ぴちゃぴちゃと濡れ音が響く。

 

男はキスをしながら、女の体をまさぐった。

武骨な手が髪や肩、腰に這わされる。

 

ズボンに男の手が入り込み、ショーツを盛り上げ下腹部のラインをなぞり柔毛に触れた。

 

「あなたにはルッカ女史の人格が使われていると聞いていたのですが、これは……心は日本人というわけですか。剃っていないですね」

 

「ぐううっ……触るなあ!」

 

 

陰毛をつままれ、縮れをとかすように愛撫され、恥ずかしさと怒りに女の顔がみるみる赤くなった。

 

男はおもちゃ箱を漁る男の子のような表情で女の秘部をいじくりまわす。

 

ふっくらとした大陰唇にタッチし、割れ目に指を沈めた。

 

「はっ……あっ……」ひだをかきわけ、内側にぬるりと侵入される感触に女は体をびくんとはねさせた。

 

同時に、その感触で自分の秘部が淫らに濡れているのがわかり、ぞくっと背筋が寒くなった。

 

 

「おやおや、びしょ濡れじゃないですか。いいんですか? こんなに濡らしてしまって」

「うそ……濡れて、なんか……」

 

顔を耳まで赤くして、わなわなと震える。

 

「まさかここまで濡れているとは思いませんでした。私の愛撫で感じてもらえたようで嬉しいですよ」

「えっ……ちょっと……何を……」

 

笑みを深くした男に押し倒される。

上がり口にごろんと仰向けになった。

 

「まさか……」

「あなたが何を想像しているのかはわかりませんが、恐らく、そのまさかです」

「ちょっと……やめてっ!」

 

逃げ出そうとしたが、男に能力を使われ、動けなくなる。

ジーンズもショーツも脱がされてしまう。

女は消え入りたくなるような羞恥に体を縮こまらせた。

 

「恥ずかしそうですねぇ。これは可哀想だ。私も鬼ではありません。あなたの意思を尊重しましょう。”股をしっかり閉じてください”」

「は……」

 

男の視線から秘部を守るようにぴったりと門のように閉じ合わせていた脚が見えない力に引っ張られて左右にこじ開けられていく。

上がり口についた臀部を中心に、脚を左右に思い切り広げ、まるでひっくりかえされたカエルのような格好にされてしまう。

 

「ううっ……」

「これははしたない。”恥ずかしい部分を隠してください”」

「くっ……ああっ、もうっ! なんてこと言うのよっ!」

「おや、隠さないのですか。なら、芸術品のような女性器をじっくり見させてもらいますよ」

 

悔しさに歯ぎしりする。男に秘部を見られる恥ずかしさで頭が爆発してしまいそうなのに、体は動いてくれない。

 

「これはすごい。クールなあなたが、こんなにいやらしいものを隠していたなんて」

 

開脚によって無防備になっている秘部に視線が這いまわる。

まるで視線に焼かれたかのように、そこがかあっと熱くなった。

 

「見るなっ……ああっ、もうやめて……」

 

男の指が割れ目をなぞる。花びらをめくりかえしながら行ったり来たりして粘膜を摩擦する。

 

「やめてと言うわりには、赤く色づいたここは涎を垂らして物欲しそうにひくついていますよ。どちらの口が嘘をついているのやら」

「変なこと言わないで! 嘘を言ってるのはあんたでしょ!」

「女性器をひくつかせているという事実が信じられませんか? なら、よく見えるようにしてあげますよ」

「え……? ちょっと……」

「人妻にこの格好は酷でしょうから、嫌ならどうぞ、私に”逆らってください”」

「待ちなさいっ……うっ……ああぁっ!」

 

みずみずしい脚を持ち上げられかと思うと、膝小僧が顔の横にくるほど倒された。

女は自らの股座をのぞきこむような羞恥姿勢をとらされる。

 

「さすが元ヒーローは違いますね。体が柔らかい。抵抗もなかったので楽にこの体勢にできましたよ……ほら、あなたの女性器が涎を垂らし、ひくついているのが見えるでしょう」

「うっ、うるさい! こんなの、見せなくていいわよっ!」

 

想像以上にひどい有り様になっている秘部を目の前に突きつけられ、女は取り乱した。

顔を背けると、男がぐぐっと力を込めてくる。

顔の近くにまで倒された脚がさらに近づき、体勢的にお尻が一番高い位置に突き上げられて恥部が上を向いた。

 

「目をそらさずに自分のアソコがどうなっているのか、よく確認してください」

「いやっ……」

 

旦那以外に愛撫され、ぐずぐずにとろけている秘部を見ていると自分の淫らさを突きつけられているようで、いたたまれなくなる。

 

「ぐちゃぐちゃに濡れている女性器のまわりを、適度に整えられたアンダーヘアが飾っているというのも乙なものですね。艶やかな毛が肌の白さも引き立てる。こうして見ていると、この国の女性の多くがすべて剃ってしまわずに残している理由がわかったような気がします。新たな性癖に目覚めてしまいそうです」

「目覚めなくていいわよ、バカッ……あううっ、もうっ、触んないでっ!」

 

陰毛をつまみ、しごきあげられる。

陰部とそこを飾る毛を弄ばれ、女はあまりの恥ずかしさに顔を真っ赤に、目を涙で潤ませて荒く言い放つ。

 

「声もとろけてきましたね。まるで主人に甘える子猫のようだ。そんな声で罵倒されてもくすぐったいだけですよ」

「誰がそんな……甘えてなんかぁっ……」

 

否定しようとしたところで秘芽をいじられ、声が情けないくらいに跳ね上がってしまう。

自分でも嫌になるくらい、いやらしい声だった。

 

「くぅっ……ううっ……」

「腰も動いていますよ。ここも大洪水だ。入れてほしくてたまらないんでしょう」

「違うっ……入れてほしくなんか、ないっ」

 

男の指に弄ばれる陰核から、びりびりと甘い痺れが広がって腰がビクビクと反応し、内腿にも力が入る。緊張と弛緩を繰り返す腰が跳ね回って、男の手に秘部を押し付けようとしているのか、逃げようとしているのか、わけがわからなくなる。

声がさらに甘くとろけて、食い縛った歯の間から熱っぽい吐息が次々とあふれだした。

 

 

「私ももう我慢できなくなってきましたよ」

 

男が下半身をあらわにする。

その凶悪さ、巨大さに女は目を丸くした。

女が驚く顔を見て、男は頬を持ち上げる。

 

「どうしました? 男のものをみるのは初めてではないでしょう? なぜそんなに驚くのです?」

「い、いきなりそんなものを見せるからでしょうがっ! しまいなさいっ! そんなもの出して、いったいどうするつもりよ」

「生娘でもあるまいし、わかっているはずですよ。濡れたヴァギナと固くなったペニス。やることは一つです」

 

だらしなく顔を緩めた男が一物を見せびらかしてくる。

 

「旦那さんのものとどちらが大きいですか?」

「う……それは……」

 

そんなの言えるわけないじゃない、と女は内心で喚き散らした。

それを見透かしたかのように、男は、

 

「おっと。デリケートな問題ですから、何も言わなくていいですよ。”沈黙してください”」

「うあっ……い、いや、そんなのっ……言わせないでっ……」

 

言葉が喉の奥から這い上がってくる。口を閉じても少しずつ少しずつ外に出ようとしている。

沈黙できなくなったというだけなので、言葉を吐いてなんとか耐える。

 

「嘘も方便……とはいえ、今日まで一点の曇りもなく清廉潔白に生きてきたあなたにとっては嘘をつくのは辛いでしょう」

 

高校時代の噂も聞いていますと男は嫌みったらしく笑って女の顔をのぞきこんだ。

 

「沈黙は金。いとしい旦那さんを立てるために、残酷な事実は旦那さんとあなただけの"秘密にしてください"」

 

女は口を固く閉じようとする。

だが、まるで言葉が質量を持っているかのように内側からふくれあがって、唇がこじ開けられた。

 

「ああっ! もうっ! 旦那のより、あんたの方が大きいわよ!」

 

能力に抗えず、女は大声を出した。

 

(言っちゃった……こんな男の思い通りになるなんて……)

 

言った後で罪悪感に胸を締め付けられる。

男は白々しく首をかしげて、

 

「大きい? 何のことだかわかりませんねぇ。あなたの顔の紅潮具合からして恥ずかしいことだということはわかるのですが……もっと具体的に言ってもらえますか?」

「は……?」

「おっと、失敬。人妻に破廉恥な言葉を言わせるわけにはいきません。嫌ならいいですよ"黙っていてください"」

「う……ぐうぅっ!」

 

こみあげてくる言葉を必死にのみこもうとするが、黙っていられない。

朱色の唇が自分のものではないかのように動いてしまう。

 

「チンコよ! チンコ! チンコの話!」

「チンコ? ペニスのことでしたっけ。それが何ですか?」

「なにって……」

「怒っていますねぇ。不躾な質問をしてしまいました。くだらない質問ですから、どうぞ、"無視してください"」

「このっ……」

 

 

そんなこと言いたくはないのに、次の言葉を少年のようなで笑顔で待っている男を無視できなくなる。

 

「ううぅっ……旦那の、チンコより、あんたのチンコの方がおっきいの! これで満足!?」

「どの程度違いますか?」

「そんなの知らないわよっ」

「言えませんか。確かに人妻にそんな残酷なことを説明させるわけにはいきません。口を閉ざして、”黙してください”」

 

言葉が、次から次へと喉から這い上がってくる。

 

「ほんとうにわからないの!」

「ほう。どうやら、嘘はついていないようですね」

「でも……」

 

脳が勝手に言葉を探す。

抗おうとわななく唇を無理やり開いて、わからないなりに男の喜ぶ事実を伝えてしまう。

 

「ぱっと見ただけで、わかるくらい、あんたの、チンコの方が大きいわ……こっ、これで満足!?」

 

女は目を涙で潤ませながら、男の質問に答えた。

最後はヤケクソ気味に吐き捨てる。

男はくっくっと肩を震わせた。

 

「ぱっと見ただけで、ですか。アハハッ。それはいい。その言葉は嬉しいですよ。はじめにわからないと言ったのはひょっとして具体的な長さでも考えていたのですか? 最初から今のように言えばよかったのです。シンプルイズベストというやつですねぇ。下手に言葉を重ねられるよりも、そうやって短い言葉で誉められた方が喜びは大きいかもしれません」

「ううっ……」

 

もし夫が今の言葉を聞いていたらどう思うだろう。

罪悪感に苛まれ声が震える。泣き出しそうになってしまう。

対照的に男は優越感に浸り、声が弾んでいる。

 

「ぱっと見ただけでわかる、ということは、私のペニスの方が圧倒的に大きいということですよねぇ」

「ふ、ふんっ……大きければいいってものじゃないわ。大きすぎたら、痛いだけだし……」

 

ジャジメントにいたころ、下卑た研究員たちにもてあそばれた屈辱の経験すら思い出して、夫を庇う言葉を必死に絞り出す。

巨根を自慢する男に犯されたが、ただただ痛いだけ。好きでもない男に犯され、膣を抉じ開けられた最悪な記憶。

 

「なるほど、そういうこともあるかもしれません。男は大きさにこだわりますが、その女性にあったちょうどいい大きさというものがありますよね」

 

男は180度近くにまで開かれた人妻の脚の間に腰をおろした。

女は身を竦める。仰向けの体勢で震え、初夜にのぞむ花嫁のように緊張した面持ち。

 

「しかし、まさか貴女がそんな話題を口にするとは思いませんでした。人は変わるものですね」

「あんたが言わせたんでしょう! ……いい加減にしてっ」

 

男がにやにやと笑いながら腰を接近させてくる。

 

「ちょっと、なに、してんのよ……」

「あなたの膣と私のペニスの相性を調べようかと思いまして」

「そんなことしなくていいわよっ!」

「素直じゃありませんねぇ。いいですよ、嫌なら”逃げてください”」

 

男の手が女の腿裏に食い込み、脚をさらに開かせた。

腰をせりだす。

肉のほころびに男の切っ先が間近まで迫る。

 

女は腰をよじることすらできない。

男は何を考えているのか、性器同士が触れるか触れないかの距離で腰をとめた。

獲物を追いつめ、いたぶり楽しむ冷酷な笑顔から、悟りを開いた僧のような穏やかな笑顔になる。

 

「……情欲の赴くままにここまで来ましたが、これはやはりいけないことだ」

「どうしたのよ、いきなり……? いまさら、許しを請うつもり……?」

「あなたが私とそういう行為をしたいという気持ちはわかります。ただ旦那様に申し訳がない」

「はぁ?! なに、あたしのせいにしてるのよっ!」

「性器を触れ合わせさえしなければ一線を越えていないと言い訳できるかもしれません。マネキンチャレンジ第2ラウンドです。このまま静止していてください。寸止めを楽しみましょう」

「人の話を聞きなさい! なにあたしがしたがってるみたいな話にしてんのよ!」

 

 

 

逃げるのではなく戦う。

男の命令を曲解して大暴れするが、男に押さえ込まれてしまう。

能力を使われなくても力の差は歴然だった。

仰向け裸の女体を押し潰すように密着され、両手を頭上にひとまとめに押さえられる。

女は男の力強さを思い知らされる。まるで喉元にナイフをぴたりと突きつけられているかのような威圧感に寒気が走った。

 

(うあっ……おっきい……それに、熱い……なんなのよ、これ……)

 

縦筋に熱く固いものが触れる。

どきりと胸が苦しくなる。

 

「触れ合ってしまいましたね。これはいけない。マネキンチャレンジは中止です」

 

少しだけ腰を引いて、ほころびた花弁に触れるか触れないかの距離にする。

なにを企んでいるのか、挿入してこようとはしない。

 

「私のぺニスから遠ざかるように、”腰を引いてください”」

「うわあっ! だめぇ!」

「間違いが起こらないように、早く腰を引いてください。不倫はいけないことですよ。旦那様をはじめまわりの方を悲しませてしまう。”貞操を守ってください”」

「ひいいいっ!」

 

女は男を欲しがる痴女のように腰を突きだした。

ぶにっと不気味な弾力があり、それでいて芯の通った熱いものが股間に接触する。

粘膜同士が触れ合い、男の生々しい感覚が伝わってくる。

 

「いいんですか? ゴムも付けていないペニスがあなたのナカに沈んでいきますよ」

「はぅううっ……だめぇ……」

「気持ちいいですね。ここまでとは予想外です。すぐにいってしまいそうだ」

「だっ、だめよっ……それだけは、絶対にっ」

 

女はびくんと大袈裟とも思えるほどに腰を跳ねさせた。

 

「マネキンチャレンジは失敗。貞淑な人妻としての日々もおしまい。どうして腰を動かしてしまいました?」

「あんたの、せいっ……能力を解きなさいっ……うああっ!」

「能力? はて、なんのことやら。……意味不明なことを言っていないで、”腰を引いて、不貞行為を中断してください”」

「ああっ! だめっ、こんなのぉ……」

 

欲求不満の不倫妻のように腰を男に押し付けた。

ちゅっとキスをした性器同士の結合がどんどん深まっていく。

女は腰を卑猥にくねらせ、膣でじっくり味わうようにしながら男のものを呑み込んでいく。

夫を裏切る行為をやめられなくなる。

 

濡れた粘膜に包まれ、男はため息をもらした。

 

「こんなことをされては理性が保てそうにない。そうなったとしても、全部あなたのせいですよ」

「ちがう、あんたのせいよ……ああっ……」

「ノーノー。あなたは人のせいにしてはいけません。私は腰を引いてくださいと言ったんですよ。その前には嫌なら逃げるようにとも言いました。それなのにあなたは……淫乱ですね」

「……あんたの能力で、そう、させたんでしょうが!」

「おかしいですねぇ。私の力に信念を覆すだけの力はない。なのに貴女は私の能力に抗えなかった。ということは私とセックスするのは、まんざらでもない、ということですよね?」

「ふざけたこと抜かしてんじゃないわよ!」

 

男は女の腿をそれぞれ脇にかかえ、持ち上げる。

女の体が折り曲げられ、膝が乳房の横辺りまできた。

臀部は浮き、自らの陰部をのぞきこむような体勢をとらされる。

 

「ほら、ゴムもつけていない生のペニスがヴァギナの奥まで入ってしまいますよ。まだ半ばまでしか入っていません。いまならギリギリ言い訳もできるんじゃないですか?」

「まだ、全部入ってないの……!?」

 

男は上から見下ろし一物を引き抜いた。

半ばまで濡れている一物を女に見せつけたあと、その先端を濡れている女の部分に擦り付け、割れ目をなぞった。

びらびらがかき分けられ、先端がくぼみに沈みそうになる。

しかし男は焦らすように割れ目をなぞり往復させた。

 

「旦那さん以外のペニスを入れられてもいいんですか? 貞淑な人妻らしく私の暴挙を止めてください」

「くううっ…」

 

 

 

人妻の割れ目に男のものがぬるぬると擦り付けられる。

避妊具も何もつけていない剥き出しの状態での触れ合いに、女はぞわっと背筋を凍りつかせた。

 

「いますぐやめなさいっ! こんなことが許されると思ってるの!?」

 

鋭い視線で男をにらみつける。

男は笑った。

 

「昔、貴女は言いましたよね。私の能力には信念を覆すほどの力はないと」

 

「……言ったわ。それが、なに?」

 

男は怒張に手を添えて、位置を調節する。

 

「くっ……やめっ……」

 

「噛み砕いて言えば、私の能力に強い想いを覆すだけの力はないということ。私との性行為が本気で嫌なら、能力を打ち破ることができるはずです」

 

「そ、それは……」

 

「ほら、早く、”逃げてください”逃げないのなら私との性行為を望んでいると受け取りますので、そのつもりで」

 

早く動いて、と囁かれ、体が動かなくなる。

 

「股を開いたまま動かないということは……よっぽど私とセックスしたいみたいですねぇ。人妻の身でありながら悪い娘だ。あなたが淫らな欲望を隠しているとは意外でしたよ」

 

「ふざけたこと言ってんじゃないわよ! 卑怯者! 能力を解きなさい!」

 

女の耳に男がある言葉を囁いた。

怒りと羞恥で赤くなっていた女の顔から血の気が引いていく。

性器同士が目に見えない強い力で引き寄せられるようにじりじりと近づいた。

 

「私とのセックスが嫌……もしくは浮気をして旦那さんを悲しませたくないと本気で思うのなら、能力を無効化できるはず。さあ、”抗ってください”」

 

 

男は歌うように言って、陰茎に手を添える。

肉のほころびに男の切っ先が間近まで迫った。

 

「くぅぅ……ううぅっ……」

 

腰を男の方へせり出してしまう。綻んだ肉花と赤く燃える肉の鏃が急接近した。

 

(なんで……なんで能力に逆らえないのよっ……あのときは、できたのに……)

 

男の能力を知らない者が見れば、女が自ら腰を動かして男を迎え入れようとするも、挿入の直前で旦那のことを思いだし、罪悪感に襲われ躊躇しているように見えるかもしれない。

 

「驚異的な精神力ですね。旦那さんを裏切るのがそんなに嫌ですか?」

 

「当たり前でしょっ……それに、あんたとなんか、したくっ、ないからっ」

 

「ずいぶん嫌われたものですねぇ。しかし口ではそう言っても、私のペニスのすぐ近くにあるヴァギナは逆のことを言っていますよ。旦那さんには秘密にしておいてあげますから、濡れた肉体の燃える欲求に従いましょう」

 

「うっ、うるさい! あんたなんかとは……ぜったいにぃっ……」

 

性器同士が触れるか触れないかの距離にまで近づく。どちらかがちょっと腰を前に出せば先端が入り口に食い込むだろう。

 

(止まって……こんなやつと、したくなんかないのにっ……)

 

眉間に苦悩の皺を刻む。

その様子を男は楽しそうに見下ろした。

 

「そうですか。では精々、”貞淑な人妻でいてください”」

 

「ああっ!」

 

男の能力によって、貞淑な人妻ではいられなくなる。自宅の玄関で、旦那以外の男を自ら迎え入れる淫らな女へ変えられ、腰を突き出してしまう。

 

「はっ……うああっ……やっ、やだっ……」

 

「おやおや、そんなに私と浮気セックスがしたかったとは……旦那さんに悪いと思わないのですか?」

 

肉の先端が濡れた入り口を通り再度、中へと侵入した。

肉ひだをこじ開けられ、内側に押し込まれる。

焼け爛れそうな熱が奥の奥まで擦り付けられた。

 

「ほう、これはすごい……ようやくひとつになれましたね」

 

「なにっ、言ってるのよっ! バカ!

抜きなさい!」

 

眼鏡の奥の瞳を涙に濡らして、怒声をあげた。

熱い杭を含まされる感覚に身をくねらせ、いやいやするように髪を振り乱す。

 

男が身を乗り出してきた。顔に余裕の笑みが貼りついている。

 

「そんなに怒らないでくださいよ。そもそも、あなたが腰をこちらに突きだして迎え入れてくれたのですよ? なぜ怒っているのか、さっぱり……」

 

「能力を使われたから……それさえ、なかったら、誰があんたなんかと……ううっ」

 

男が身を乗り出したせいで、挿入が深くなる。

腿裏に手を当てられ、脚を左右に広げられた。

 

「さっきも言ったじゃないですか。私の能力は強い想いを覆すことはできない。能力を無効化できず、私と性器を触れ合わせてしまった、ということは、あなたは私との行為が嫌ではない、そして旦那さんのことはそれほど……裏切って他の男とひとつになっても構わないと思っている、ということです」

 

「そんなわけないわ……」

 

レンズ越し、涙を浮かべた目で男を射殺さんばかりににらみつける。

 

「どうでしょうねぇ。……それにしても、今思えば、昔のあなたは未来の旦那さんの前で他の男の思うがままになっていたんですよねえ。いけない人だ。淑女には程遠い」

 

腿裏に押し当てられた男の手に力がこもり、膝が胸の近くにくるほど開脚させられる。

 

「くっ……あっ……変な風に言わないでっ」

 

情欲に燃える肉鏃で浅瀬をかき回される。

つるりとした頭が粘液にまみれ擦れて、湿った音を立てた。

 

「今は旦那さんはいませんよ。思い切り乱れましょう」

「いやよっ……誰が、そんなことっ……」

「ずっと前……あなたを初めて見たときから、この瞬間を夢見ていた。なのに、まさか、あんなぽっと出の男に盗られてしまうとは思いませんでした。もっと早くこうすべきでしたね」

 

眼鏡をかけた人妻の可憐な膣口を巨大な逸物に馴染ませようとするかのように、男はねっとりと腰を揺さぶる。

女はあっけにとられ少し遅れて男の言葉を理解した。

 

「なにっ、言ってるのよ……んぅっ……あんたがやってるのはレイプよ? あぅぅっ……もっと早くあたしをレイプしとけばよかったって言いたいわけ?」

 

女体の中心を少しずつ拡張され蹂躙される感覚に喘ぎながらも不敵な笑みを作って言葉を吐き出した。

 

「その通りですが、なにか?」

「え……?」

 

あっけらかんと予想外の答えを返され、女は言葉を失った。

 

「心の底から欲しいと思うものを手に入れるためには多少強引な手段をとらなけばならないときもあります。綺麗事ばかり言っていては何も手にすることはできませんからね」

 

笑顔で見下ろしてくる。

 

「正義だって同じでしょう? ヒーローとして活動していたあなたなら分かるはずだ。綺麗ごとばかりでは何も為すことはできない。誰も救うことはできない。称賛、そして自己満足感を手に入れたいのであれば、無慈悲に、心を鬼にして事を進めなければならないときもある」

「それとこれとは、話が別よっ……くぅっ……」

「そうでしょうか?」

マシになっていた男嫌いがぶり返して、吐き気がこみあげてきた。

 

「あうっ……うぅっ……女をものとしか見てないみたいね……あんたがそんなやつだっただなんて……見損なったわ……」

「オウ!……それはショックですね」

 

肉の鏃が肉ひだをかきわける。

人妻のぬかるんだ花園は十分にほぐれ、奥まで入れようと思えば、入れられるはずなのに男は焦らすように浅瀬ばかりを掻き回していた。

 

「少し過激なことを言いましたが、本当はあなたが本気で嫌がるようなら、途中でやめるつもりだったんです」

「は……? 何言ってんの」

 

やめてないじゃない、と殺意すらこもった目で男を見上げる。

 

「……望まぬ”性行為を中断し、私を拒絶してください”」

「くっ……あっ……はっ、ううううぅっ」

 

言葉が脳裏に染み渡っていく。細腰が勝手に動き始め、中断も拒絶もできず、男を喜ばせる腰遣いを披露し出した。

侵入を浅瀬で止めていた男を、自ら奥まで迎え入れてしまう。人妻失格の烙印を捺すかのように子宮口に鈴口がぐちゅりと押し当てられた。

怒りをあらわにしていた顔がとろけ、悩ましい表情に変わる。

 

「ほら、この有り様だ。重要なことなので何度も言いますが、私の能力が効いているということは、あなたは私とこういう関係になることが、まんざら嫌でもないということ。本気で嫌なら、性器を触れ合わせ腰を振り合うことなどなく、能力を打ち破ることができるはずです」

「うそっ、なんで……」

 

自らの肉体の反応が信じられず、女は目を見開いた。

 

「これはレイプではない。同意の上の行為です」

「勝手なこと言ってんじゃないわよ!」

「”私のことを嫌ってください。憎んでください”」

「うあっ……ああぁっ!」

 

卑劣な凌辱者に対して怒りも憎しみも抱けなくなる。

荒れ狂う激情が行き場をなくした。なのに、心拍数はどんどんあがっていく。

 

――なんでこんな気持ちに…

 

服をはだけさせられた。綺麗な乳房があらわになる。

長い指がそのふくらみに食い込んだ。

胸を弄ばれつつ、陰部をかき混ぜられる。

 

怒りも憎しみも抱けなくなった。

ただし心拍数は急上昇したまま。行き場をなくしたたかぶりを、体が勝手に恋のドキドキと勘違いして胸がときめいてしまう。

子宮がいとおしいひとの遺伝子を求めてキュンキュンと脈動してしまう。

 

「なっ、なによこれぇ……」

「白い肌がどこもかしこも湯上がりのように赤く染まっていますねぇ。乳首ははち切れんばかり。ヴァギナのぬめり、うねりも素晴らしい。そんなに締め上げられるといってしまいますよ」

「あうぅっ……それだけは、ダメっ……」

 

ぐっと強めに胸に指を食い込まされ、つきんと刺激が突き抜ける。

胸の先をいじられると、痛みと甘い痺れとが混ざりあい溶け合って、心拍数をさらに上昇させる。

 

「あははっ、これはいい。きゅうきゅうと甘美に締め付けてきますよ。私のことを嫌っているとは思えませんね」

「あんたの能力のせいよっ……勘違いしないでっ……」

 

顔を必死にしかめて、男をにらみつける。

男は肩をすくめた。

 

「何度言えば分かるんですか? 私の能力には――」

「うるさいっ!」

「私のことが好きになってきたんじゃないですか?」

「そんなわけないわっ……あんたなんか、嫌いよ……嫌いっ……♥」

 

男が挿入をぐうっと深くしてくる。

同時に膝裏に手を当てられ、脚を倒された。

奥をかき混ぜられ、女は身を縮こまらせる。

 

嫌い、嫌いと口にして、怒りの感情を抱こうとするが逆効果。

どんどん気持ちが燃え上がっていく。

口からもれるうわ言のような声も、素直になれず、けれど悔しくてツンとしてみせようとする女の声になってしまう。

 

「体にいやらしい痙攣が走っていますねぇ。子宮の位置も浅くなっているようだ。いとしい私の精液が欲しくてたまらないようですねぇ」

「くだらないっ……そんなでたらめで、あたしを惑わせると思ってるの?」

「でたらめ? はたしてそうでしょうか」

「ちょっ……ひぃいいいっ!」

 

脚がぐっと深く倒される。膝小僧が顔の横に。

丸々と口を開け、端から涎のように愛液を垂らしながら、凌辱者のものをくわえこまされている秘部をのぞきこむ体勢にされ、女は顔を真っ赤にする。

その体勢で奥地を肉棒で突かれたのだからたまらない。

 

「ほらっ、わかりますか? 熱く火照った子宮が位置が浅くして、私の精液を飲みたがっていますよ」

「知らないわよっ、そんなのっ……あうぅっ……うそに、きまってるわっ……」

「あははっ、とぼけても無駄です。今日初めて交わった私がこの短時間で実感してしまうほど劇的な反応! ペニスにはっきりと伝わってきていますよ」

「あひぃいいいっ! い、いやっ……もうやめてぇ!」

 

ずんずんと地中を掘削する機械ののように肉棒が突き下ろされる。

強い感覚が弾けて、全身に広がっていく。体がぐずぐずに溶け崩れてしまいそうな危機感と暴風の中に放り込まればらばらになってしまいそうな恐怖が押し寄せてきた。

あと一歩で絶頂に達するという瞬間、

 

「見えるでしょう? あなたのエキスでペニスがぬるぬるです。私との浮気セックスであなたが気持ちよくなっている証拠ですよ」

 

焦らすように男が腰の動きを緩めた。

 

「私はまだ射精していないというのに、これは……」

「う、うそよ……こんなの……」

 

ねっとりと抜き差しして、本気汁に白く汚れた肉棒を見せつける。

恥ずかしいやら悔しいやらで女は目をそむけるが、男に「私のペニスから視線を外してください」と能力を使われ、凝視せざるをえなくなった。

 

「しっかり見ていてください。旦那さんよりはるかに立派なペニスを。そのペニスにヴァギナをぐちゃぐちゃにかき回される様を」

「いやっ……そんなの、見たくない……」

「そう言わずに。あなたの体がどれだけ淫らな反応をしているか見て自覚するのです。そして心まで堕ちていきなさい」

 

ねちゃねちゃと水音を立て、結合部から泡立った体液があふれでる。

男のものが本気汁と泡立った体液にまみれていく。

嫌だと思うのに、能力の影響下にあるせいで濡れた肉穴に抜き差しされ粘膜をめくりかえされる様子から目を離せない。

 

「くうっ……私としたことが、もうイキそうですよ。あなたのナカが良すぎるせいだ。このあたたかくとろけた肉の奥に出しますよ」

「だめっ……そんなの……」

「あなたに久しぶりに会えると思って、しばらくためてきました。旦那さんを裏切り続けるヴァギナに飲ませてあげますよ」

「うあっ……だめっ……あああっ……あああああっ!」

 

男が本腰を入れる。

猛烈なピストンを打ち込まれる、まんぐり返しの女体にびくびくと痙攣が走り始めた。

 

意識が真っ白に染まっていく。

体がこわばり、背を反り返らせ顎を上向けて、かつての宿敵へ無防備に喉をさらしてしまう。

 

 

 

男根が膣から抜け、ぶるんと天を向く。

先端から放たれた白濁液が放物線を描き、女の顔めがけて飛んだ。

眼鏡にべちゃりと貼りつく。

 

男はすぐに男根を膣内に入れ直した。

外に放ったのはほんの一部。

大量の精液を女の膣内へびゅるびゅると注ぎ込んだ。

 

「失礼しました。眼鏡が汚れてしまいましたね」

「ううっ……ううぅっ……」

「わかりますか? 私のペニスから勢いよくザーメンが噴き出しているのが。あなたの体の奥深くを満たしていますよ」

「ああっ……いやぁっ……ぬいて……もうっ、ださないで……」

 

脚をぎゅうっと倒され、顔の近くに。鞄に詰め込む前の荷物みたいに体を折り畳まれた惨めな体勢で深々と貫かれ精液を注ぎ込まれる。

悶え、喘ぎ声をもらすことしかできない。

肌が紅潮し、汗が噴き出して、くるりと巻いた癖っ毛がべったりと濡れている。

 

泣き顔を男に見られてしまう。

 

「強いあなたでも、こんな顔をするんですね」

「あううっ……やだっ……みないで……」

 

旦那よりも大きな手が女の頭を撫でる。

もう能力は使われていないのに、達したばかりの体は全然動いてくれなかった。

男にされるがままになってしまう。

 

精液をかきだすこともできず。

男をはねのけることもできず。

恋人同士がするようなキスさえ受け入れてしまう。

 

 

 

「んちゅ……んむ……」

 

いつしか舌を絡ませ、唾液を交換するディープキスを強要されていた。

男の手が女の薬指をとらえた。

そこに光る指輪を抜き取った。

 

女は目を見開いた。

男はキスを中断し、奪い取った指輪をしげしげと見つめる。

 

「ちょっ、ちょっと……なにを……?」

「ちょっとした儀式ですよ」

 

男が指輪を女の股間へと近づけた。

 

「ひぃっ!」

 

何をするのかと思えば、愛液と精液をたたえる膣に指輪をぐりぐりと擦りつけ始めた。

 

「やめなさいっ……なにやってるのよ、ばかぁ!」

「すぐに終わりますよ。あなたと彼のこの指輪を生まれ変わらせるのです」

「そんな……」

 

中出しされたばかりの肉の中に指輪が沈められる。

器用に動かして指輪全体に生臭い液が付着するようにしていた。

 

「どうですか、美しいでしょう」

 

愛液と精液。和合水まみれになった指輪を女は呆然と見つめる。

男はエキスを少しでも染み込ませようとしているのか、濡れた指輪をぬるぬると丹念に擦っていた。

輝きが濁り、臭いが染み付き、悪臭が取れなくなってしまいそうだ。

 

「なんてことするのよ! かえしなさい!」

「言われなくともそのつもりです」

 

男が指輪を女の指に戻そうとする。

「ひっ」と女は思わず手を引いた。

 

「どうしました? 大事な結婚指輪でしょう? いらないんですか?」

「いるわよ! いるに決まってるわ……でも……」

 

男の体液まみれにされてしまった指輪を前に女は躊躇した。

男がにやりと笑う。

 

「私がはめてあげますよ」

 

手首を男につかまれ、指輪をはめられてしまう。

二人の体液は輪の外側にも内側にも塗り込まれていて、はめられる女の指をよごしていった。

 

「あ……ああっ……こんな……」

「どうですか? 私とあなたの体液により生まれ変わった結婚指輪は?」

 

女はひきつった顔で指輪をはめられた手を見つめる。

まともな言葉が出てこない。

 

「このリングを見るたび、あなたは今日のことを思い出すのです。旦那さんではなく私のことを。彼と結ばれた日よりもずっと刺激的な今日のことをね」

 

悪魔のような微笑を見せ、男が立ち上がった。

 

 

 

「記念撮影といきましょうか」

 

男がカメラを取り出す。

 

「うっ……や、やめて……こんな姿、うつさないで……」

 

絶望にうちひしがれながらも、なんとか言葉を絞り出した女を嘲笑うかのように男が口を開いた。

きゅるりと機械音のようなものが響いた。

 

「え……ちょっと……なに、したのよ……なんて言ったの?!」

 

女の意思を無視して見えない糸で操られるように体が勝手に動く。

 

「さあ、なんでしょうねぇ? 予想してみてください」

「うあっ……ああぁっ……なによっ、これぇ……」

 

体勢はまんぐり返しのまま、股はさらに大胆にだらしないVの字に開き、ゆるくにぎった両の拳はそれぞれ顔の両脇辺りに、人差し指と中指を立てピースの形に。

「ひいいいっ!」

抗おうとするが、まったくあらがえない。

瞳がぐりんと上を向き、口は開き、舌をだらしなく外に垂らしてしまう。

「くくくっ、すばらしい。カメラを向けられているというのに…人妻とは思えない下品なポーズですね」

「あんひゃがぁ…ひゃひぇひゃんひぇひょひゃ!」

「何を言っているのかさっぱりですよ」

 

男は満悦に顔を緩め、人妻の痴態を撮影しまくる。

性器をアップにしたもの、卑猥な表情をメインにしたもの、一歩引いて全身を納めたもの、他。

 

「動画でも残してあげますよ。……旦那様を裏切りたくないのなら、”股を閉じていてください”」

「もぉ、やめて……」

 

女は涙目で股を広げる。

 

内腿が筋張るほどの大開脚に男がカメラを向け動画として記録していく。

 

「おやおや、そんなに旦那様を裏切りたいのですか」

「うらぎりたくなんかぁ……」

「私の能力に逆らえないということはそういうことですよね。なにを言っても無駄ですよ」

「あうっ♥ ううううぅっ♥」

 

カメラを持つのとは反対の手で秘部をいじられる。

女は雷に打たれたかのように身を反り返らせた。

 

リビングの方から野球中継の声が聞こえる。

状況はわからないが、ちょうど彼の名前を呼んでいた。

他の男の指で絶頂に押し上げられた女の耳にはそれは聞こえていなかった。

 

「なにやら騒がしいですねぇ。……どうやら彼がいいプレーをしたようだ」

 

気をやったばかりで、ぐったりとしている女を男が軽々と抱き上げた。

意識が途切れていたのか状況がつかめず困惑している女に笑顔を向ける。

「旦那様のプレーを一緒に見ましょう」

「うっ……いやっ、そんなの、ぜったいに……」

「そんなに嫌がらないでくださいよ。私と楽しい時間を過ごしたいのはわかりますが、活躍を見てあげないと。頑張っている旦那さんがかわいそうだ」

「イヤじゃない! ……あんたと見るのがイヤなの!」

 

お姫様抱っこでリビングまで運ばれてしまう。

宿敵の侵入をあっさりと許してしまった。

 

はだけさせられ体を隠すという役割は早い段階で放棄していたものの、体にまつわっていたカーディガンとブラを外され、

 

「可愛らしい靴下ですねぇ。彼の趣味ですか? それとも彼と結ばれることで女らしくなったあなたの趣向ですか? これは残しておきましょう」

「なんでそうなるのよ、変態……」

「全裸がいいですか?」

「そういう意味じゃない……うあっ」

 

靴下だけ残したほぼ全裸の格好で男の膝の上に乗せられ、彼のプレーを見ることになる。

しかし、それはわずかな間の話。

男にちょっかいを出され、何度も何度も絶頂に押し上げられてしまう。

野球中継など目に入らなくなる。

 

「眼鏡が少し邪魔ですね。汚れてしまいましたし、テーブルに置いておきましょう」

「汚れてって……あんたが汚したんでしょう……」

「私のザーメンでね」

 

眼鏡と顔にかけられたことを思い出し、女は唇を噛む。

彼女が身に付けているものはこれで指輪と靴下だけ。

 

「おや、旦那様が映っていますよ。応援しないと」

 

テレビの画面に夫の顔が映るたび、そちらを向かされ、

テレビの前にあるテーブルに手をつかされ、後ろから犯される。

眼鏡は外されてしまったが、伊達なので問題なく旦那の姿は見える。

 

「はっ♥ はっ♥ はっ♥」

 

ガツガツとした杭打ちを犬のような体勢で受け、体温を調整しようとする犬の呼気のようなよがり声をもらすばかりで、声援など送れない。

テレビ越しとはいえ、こんな姿で旦那の姿を見ているという異常な状況に心拍数がはねあがる。

彼がこっちを見ているような気がして、どきんと心臓がはねた。

 

「締まりが一段と良くなりましたねぇ。やはり彼は特別ですか。妬けますよ」

 

腰をしっかりと抱えられた。

尻肉をばちんと打たれる。

 

「ひあっ! いたぁっ……あひっ!」

「ほら、旦那様があなたのことを見ていますよ。こんなことをしていていいんですか?」

「見て、ないぃ……あんたが、むりやり……はぅううぅっ♥」

 

尻肉を叩かれながら、膣内をえぐられる。

ずしんと奥まで貫かれ、子宮をぐっと持ち上げられ、息がつまる。

強い酩酊感とともにめまいに襲われる。

 

ふと、テレビの画面に映る夫がこちらを見ているのに気がついた。

冷静に考えれば、たまたまカメラ目線になっただけなのだが、なんだか淫らな自分を見咎められているような気がして、女は胸が締め付けられるような気持ちになった。

彼女に非はないのに、凌辱者をはねのけられず、好き放題されている自分の不甲斐なさに罪悪感を感じていた。

 

切なさに下腹を疼かせて、凌辱者のものを食い閉めてしまう。

 

「うあっ♥ ああっ♥」

「イキなさい。大好きな旦那様の姿を見ながら、他の男のペニスで!」

「いくっ♥いくぅうううううううっ♥」

 

リビングに女の獣のような悲鳴が響き渡った。

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