パワポケアブノーマルss集 作:艶 紫苑
ご注意ください
本人かもしれないし、本人じゃないかもしれない
ソープに行くと、高校のときの野球部のマネージャーにそっくりな女の子が現れた。
茶髪のショートカット。くりくりとした目。困り眉。
童顔に似合わず胸が大きい。
――ユキちゃんもこのくらい……っていうか、本人だよな?
他人の空似かと思ったが、その子も偶然野球部のマネージャーをやっていたらしい。
高校の名前を言うと彼女は変な顔をした。ずばりと言い当てられて動揺しているようだった。
彼女は否定したが構わず、自分も野球部にいた、名前は――。名乗ったが彼女はぴんときていないようだった。そんな人いませんでしたと繰り返すばかり。
動揺のあまりその高校だと認めているのだが、そんなことより、そんな人はいないと言われたことがショックだった。
――覚えてないなんて……俺ってそんなに存在感薄いのか……。いや待てよ、これは演技だ。ソープで働いているって知られたくないから、しらをきってるわけだな
ひとり納得して、うんうんとうなずく。
――しかし、もし、この娘がユキちゃんだとしたら……佐藤のやつ……
彼女と結婚した男の不甲斐なさに憤慨する。
――ああ、柔らかい……それにあったかい……天国だ……
体と体がふれ合う。
大きくて柔らかな乳房が泡泡とスポンジのように体を洗ってくれる。
乳房に若い女性特有の固さはない。
もしこの娘がユキちゃんだとして、この柔らかさが佐藤や他の客に手垢をつけられ唾液をしみこまされた末のものだと考えると複雑な気持ちになった。
――でも、気持ちいい……
泣きべそをかきながら勃起させる。
女体の感触、泡まみれの裸体の眺めもさることながら、真面目で清純だと思っていた彼女が、品のない格好で体をまたいだり、乳房や股で、腕や背中、下半身をぬるぬると洗ってくれることが嬉しい。
乳房だけではなく、もうひとつ。女の子の部分を擦り付けて体をきれいに洗ってくれる。
――ああっ、最高……ユキちゃんのマンコの感触……
内側の感触も味わいたい。
欲望が頭をもたげる。
仰向けになった体に馬乗りになった彼女が腰を前後させる。
お尻を向けたときは、彼女が上体を深く倒していたせいで、こちらの体で潰れるお尻と背中しか見えず何か滑稽な生き物にも見えたが、それがユキちゃんのものだと思うと滑稽ささえ興奮につながった。
向かい合わせで体をふれあわせる際には顔が近くて純粋にドキドキとする。
まるで恋人のような距離だ。
ずっと想いを寄せていたのに、他の男の三人の子を出産したらしい彼女をぎゅっと抱き締めたくなる。
憧れの女の子そっくりな娘が体をおこした。腰にまたがっている。一物はぴんと勃起していた。
すでにゴムを装着されたペニスが彼女の膣内にのみこまれていく。
――ああ、気持ちいい……
薄膜ごしに感じる膣内の感触に体が反応する。
しかしあることを思い出して暗い気持ちになる。
佐藤とユキちゃんの間には三人の子供がいるらしい。
最低3回。実際はもっとやっているだろう。
生でハメてユキちゃんの膣内の感触をたっぷりと味わったあと中出ししたのだ。
対して自分はゴム有り。お金を払ってやらせてもらっている。しかも本人かどうかすらもわからない――本人だとするならば、佐藤や他の客に散々汚されたあと。
悔しさに鼓動が激しくなる。
そのおかげか陰茎がかつてないほどに固くなった。
――佐藤なんかに負けるなんて……くそっ……くそっ!
彼女を抱き寄せ、挿入したままディープキス――嫌そうな顔をされたが構わず、舌をねじこみ、歯茎を舐め回す。
敗北感を薄めようと必死に舌同士を絡ませ、腰を振った。
泣きながら射精する。
佐藤の精子はユキちゃんの卵子にたどり着いたのに。
自分の精子はゴムの中。すぐに汚物として捨てられる運命だ。
――なにやってるんだろう、俺は……
彼女への想いは所詮、愛情ではなく性欲でしかなかったのだろうか。
すっきりとして、空しさが押し寄せてきた。
目の前にいる、さっきまで体をつなげていた女性が、ユキちゃんなのか、ただのそっくりさんかだなんて、もうどうでもよくなっていた。
――いまにして思えば、ユキちゃんって性格悪いよな。好意を持ってる男には優しいけど、他は……
他人を貶めて心の平静を保とうとする最低の逃避行動に出た。
そうでもしなければ脳が壊れてしまいそうだった。