パワポケアブノーマルss集 作:艶 紫苑
ネタバレ注意です。
Rが発売する可能性があるので。
あと、虫注意です。
クモです。
食べます。
男は夢を見ていた。
プロ野球球団寮の前に男が立っていた。
(あれは……俺!?)
高い位置から自分を見下ろしている。
夢の中の自分はなにか考えごとをしているようだった。
その足元に誰か倒れている。
(……倒れているのは犯人かな? ええと……?)
男は愕然とした。
犯人は普段お世話になっている人物だった。
その人物が倒れているのに、夢の中の自分はなにか他のことを考えている。
恐らく事件のこと。
違うことを考えている可能性もあるが少なくとも彼女を心配しているようには見えない。
(これが、俺? なんだよ、これ……これじゃ心のない機械みたいだ……)
あるプロ野球球団の寮。
「おはようございます♪」
「お、おはようございます……」
「……? どうしたんですか? ……もしかして体調がよくないとか?」
「い、いえ、そういうことではないですよ」
夢の中であなたを逮捕していたから気まずいなんて、そんなことは言えない。
(小野さんがサイボーグだなんて、そんなのありえないよな……)
自分に言い聞かせながら食事をとる。
「小野さんを意識しているでやんすね」
突然囁かれ男はぶーっと噴き出した。
「……びしょ濡れでやんす」
突然囁やいてきたのはチームメイト。
「ご、ごめん!」
男は即座に謝罪する。
「ふふふ、まあいいでやんす。――君も相当意識しているでやんすね。なんてったって今日は、おっと……」
時間でやんす、と彼はどこかへ行ってしまった。
用事があったのだろう。
男は食事を続ける。
食事のあと、男は呆然としていた。
「ええと、これは?」
「私からのプレゼントです♪」
「あ、ありがとうございます!」
チョコレート。
蜘蛛の形をしていた。
まわりにハート型のチョコがあるが、真ん中にどかっと鎮座しているのは蜘蛛のチョコ。
寮母さんがニコニコと笑っている。
そういえば今日はバレンタインデー。
このチョコは寮母さんからのプレゼントだ。
「食用ですから大丈夫ですよ?」
「え!? ……ってことはこれ蜘蛛の形をしたチョコじゃなくて、食用の蜘蛛にチョコをコーティング……」
言われてみればよく見ればリアルすぎる。
蜘蛛の脚に毛が生えていた。
「アマゾンで手に入れました♪」
「アマゾン!?」
(小野さんって意外とロックなのか……?)
男はぐるぐると思考をめぐらせる。
そしてある可能性にたどり着いた。
(まさか小野さんはサイボーグ同盟の一員!? で、俺をこのチョコで亡きものにしようとしてる!? 今日見た夢は正夢!? 絶対そうだ! じゃなかったらこんな奇抜なチョコをプレゼントなんて、そんな……)
男はサイボーグ対策室の一員。この球団に潜んでいるという情報を得て現在は調査のために選手として潜入している。
寮母さん小野さんがもしも違法サイボーグたちの組織の一員だとしたら。
男を消しにかかっても不思議ではない。
(いやいやいや! もし小野さんが脱走したサイボーグだとしても、そんなひどいことをするわけがない……
だって小野さんだぞ?
これはきっと自白だな。
小野さんの名前は映子。小野映子さん。映子……えいこえいこえいこ……英語! で、その映子さんが蜘蛛型のチョコをくれた。蜘蛛は英語でスパイダー、スパイだー……つまり私はスパイです。
良心の呵責に耐えられなくなった小野さんがバレンタインを利用してメッセージを……)
男は小野さんをちらりと見た。
「どうしました?」
「あ、いえ、なんでも……」
小野さんの笑顔から目をそらす。
まぶしい笑顔。
けれどどこか陰があるような気がする。
(でも、もしそれが正解だとして、こんな遠回しな方法で真実を伝える必要は……)
脳裏に小野さんが蜘蛛の糸にとらえられている光景が浮かぶ。
人間関係という名の糸に丸裸にされ雁字搦めに縛り上げられている小野さん。
ヱッチだ。
(いやある! あるな! 仲間を裏切るわけにはいかない。しかしもう良心の呵責に耐えられない。だから私の正体を暴いて逮捕してください。このチョコは自白できない小野さんからのメッセージだ!)
今度は小野さんを逮捕する光景を思い浮かべる。
(子持ちの人妻を逮捕……いや、ここはあえて逮捕せずに正体をばらされたくなかったら裸エプロンでご奉仕をしてもらおうなんて……グヘヘ……は!? いかんいかん! 俺はなんて妄想を……)
ぶんぶんと首を振る。
「すみません、クモは苦手でしたか?」
妄想を振り払う男を小野さんが心配そうにのぞきこむ。
「あっ、いや、そんな……」
「バレンタインだからって少し張り切りすぎちゃいましたね……」
(張り切りすぎるとこんなことに!?)
メッセージではなくて、穏やかな笑顔の裏に実はロックな心を隠していただけなのではないかという疑念が浮かぶ。
(それはそれでありだけども。たぶんこれはメッセージ。小野さんからのSOSだ!)
男は目の前のチョコをみつめる。
「いただきます」
「無理しなくて大丈夫ですよ?」
「いえ。クモは食べたことがないのでちょっとびっくりしましたけど、小野さんが一生懸命作ってくたものですから――」
絶対においしいはず。
男は意を決してチョコを食べた。
サクサク。エビふりゃーの尻尾みたいだ。苦みもある。しかしそれがチョコとのマリアージュを果たし甘さが引き立てられている。初蜘蛛がこれなので蜘蛛は甘いものだと脳に刻み込まれ、次から蜘蛛を見るたびに涎を流してしまいそうだ。
「ん~、おいしい!!!」
「!? ありがとうございます♪」
(あれ? 小野さんが一瞬びっくりした表情になったような……? あ、俺が大声を出したせいだよな! 毒が効かなかったからとかそういうことではない)
「よかった」
小野さんがほっとしたように笑っている。
その顔を見て男はドキドキとした。
体が熱い。
頭がふわふわする。
「小野さんもおいしそうですね」
「え?」
(ん? あれ? 俺は何を言ってるんだ!?)
意識がふわふわだ。
小野さんがびっくりしている。
「おいしそうですね、本当に」
「冗談はやめてください……おばさんをからかっちゃダメですよ……」
「おばさんだなんて、そんなことないですよ」
小野さんのお尻を撫で回す。
ジーンズの硬めな生地の向こうにとろけるような柔らかさがある。
チョコには媚薬的な効果があるらしい。
それに蜘蛛が合わさることにより男の理性を狂わせる魔薬が完成したのかもしれない。
男の中で欲望がマグマのように煮えたぎる。
地獄のような苦しみに襲われた。
飢えた子供が助けを求めるかのように小野さんにしがみつく。
大学生の子供がいるとは思えないほどすっきりとしたお腹に顔を当て、はぁはぁと荒く呼吸する。
(なにをやってるんだ俺は!?)
「ちょっと、なにしてるんですか……」
小野さんが体をくねらせる。
薄汚いオスの情欲がふくれあがる。
やめなければと思うのに手がとまらない。
「ダメですって……」
小野さんのお尻を揉みまくる。
彼女の後ろに回していた手を前に。
(おぉ、小野さんって意外と……)
乳房に指を沈める。
柔らかな感触を味わいながら男は立ち上がった。
「小野さんがいけないんですよ、チョコの中に何か仕込んでたんでしょう?」
「……バレちゃいました?」
「え!?」
「チョコの隠し味に愛情を少々♥」
「少々ですか……残念! もっとください!! じゃなくて! 何か危険な薬物を仕込みましたね!?」
「そんなことしてません……ひどいです……人のせいにするんですね……」
「ええ、小野さんのせいです」
男は胸の高ぶるままに行動する。
小野にテーブルに手をつかせた。
胸を揉み、尻を撫で回す。
ベルトを外しジーンズを途中まで脱がせた。
小野さんのお尻があらわになる、
「エッチなパンツですね。やっぱりこういう展開を期待してたんですね」
「ち、ちがいますっ……あっ、だめぇっ……」
ショーツをずりおろされ、小野は弱々しい声をもらす。
男の暴挙をとめようと手を伸ばすが、そんなものでは止められない。
「うわっ、びちゃびちゃ。糸引いてますよ。これはもう言い逃れできませんね」
「うそっ……ひっ♥」
くちゅくちゅと音が響く。
陰部をいじくられた小野は悲鳴をあげた。
普段はおっとりとした彼女のひきつった悲鳴に嗜虐心が刺激される。
「誰か来ちゃいますよ……」
「大丈夫です。この時間はもう誰も来ません」
男は小野の中に一物をねじ込む。
「あっ♥」
「うおおっ、これは……」
ぬるっと呑み込まれた。
肉ひだが絡みついてくる。
「いつだったか肉体の年齢を測る機械を使ったことがありましたよね。そのとき小野さんは……何歳だったかな? すごい、若くでましたよね? 機械がおかしいのかと思いましたけど、そうではないみたいですね」
「どういう意味ですか……」
「それだけ小野さんの中が狭いってことです。大学生の子供がいるなんて思えない」
男根に肉ひだが絡みついてくる。
それを振りほどくようにして抜き差しする。
性器が擦れ合い快感を生む。
「子供さんに知られたらどうしますか?」
「こんなことしてるの知られたら……軽蔑されちゃいます……」
「じゃあ早く済ませないといけませんね。誰かに見つかったら大事になってしまいますから。大学生の子供さんにも伝わってしまいますよ」
にやつきながら腰を打ちつける。
半脱ぎの状態でするのも乙なものだ。
興奮してあふれだした愛液が下着に垂れている。
「最近旦那さんとはどうですか? こういうことしてますか?」
「してません……」
「旦那さんとどっちが気持ちいいですか?」
「それは……あうぅ♥言えないです……」
「もう言ってるようなものですよ、それ」
(旦那さんの方が気持ちいいって言えばいいのに。小野さんは嘘がつけない人なんだ)
男は優越感でふくれあがった興奮のままに腰を振る。
尻と腰とがぶつかり合い、パンパンパンと音を立てる。
「あっ♥ んんっ♥」
「気持ちいい……それにあったかい……サイボーグ同盟の一員だなんて信じられないな」
「サイボーグ、同盟?」
「とぼけないでください。小野さんはその一員なんですよね?」
「知りません、そんな……ぁんっ♥」
ぬぷぬぷと肉穴を拡張されながらお尻を叩かれ、小野は体をこわばらせた。
「白状してください。とぼけても無駄ですよ」
「知りません……本当にぃ……♥」
バシンバシンと手のひらで尻を打たれる。
鮮烈な痛みが広がり、振動が膣肉を越え、子宮まで震わせる。
男が小野をぎゅっと抱きしめた。
「小野さんがもしサイボーグ同盟のメンバーだとしても俺が守ります」
「え……?」
小野は思わず男の方を見た。
「やっぱり小野さんはサイボーグ同盟の……」
「ち、ちがいます……耳元で言われたから、びっくりしただけで……きゃあっ♥」
ぎゅっと抱き締められたかと思うとジーンズと下着を脱がされる。
これで下半身は丸裸。
そんな格好でテーブルの上に仰向けにされてしまった。
「小野さんはこのまま逮捕します。俺が保護しますから。逮捕するために証拠を見つけないといけませんね」
「さっきからなにを言ってるんですかっ……」
股を開かされた。
肉棒がねじこまれる。
「あっ♥ もし誰か来たらぁ……」
さっきまでは下を全部脱いでいなかった。
足音が聞こえたら、さっと衣服の乱れを整えてどうにかごまかすこともできただろう。
しかしいまの状態だと誰か来ても隠すことはできない。
「そんなに疑うなら体の隅々まで調べたらいいじゃないですか……私はサイボーグじゃありません……」
「いいんですか?」
「早く調べてください……こんなことすぐにやめないと……誰かに見られたら……」
にやける男と目があった。
男は小野の服をめくりあげた。
子宮を突き上げながら、下着をずらした。
律動に合わせて揺れる乳房をたっぷりと観察する。
サイボーグには見えない。
後ろから突いているときにお尻の穴まで見ていたが、そちもサイボーグっぽい箇所は見当たらなかった。
正面も同様
「見ないで……恥ずかしいです……」
「調べてるんですよ。小野さんが調べてって言ったんですよ?」
「そうですけど……」
男の視線が小野の体を這い回る。
羞恥で全身が火照っていく。
「見たところサイボーグではないですね」
「じゃあ……」
「でも最新のサイボーグは見た目じゃわからないんですよ。だからまだ容疑は晴れていません」
男は頑なだ。
「……よく、わからないですけど、私がもしサイボーグ同盟の一員だったら、あなたの敵なんじゃないですか? そんな私を守るなんて……」
「小野さんがもしサイボーグだったとしても悪い人ではないですから。小野さんが何者であろうと俺が守ります。絶対に――」
男はぐぅっと体重をかけた。
小野の腟内をいっぱいにして奥にある快楽スポットを亀頭でぐりぐりとマッサージする。
「ふぎっ♥」
男の腕の中で小野は身悶えする。
おっとりとした彼女らしくないあえぎ声に男の興奮は頂点に達した。
「だから正直に話してください。小野さんはサイボーグですよね?」
コリコリの子宮口を亀頭で揉みこねながら答えを迫る。
「わっ♥ 私はぁ――」
秘密を打ち明ける小野の膣内に男はドクドクと精を流し込んだ。
気づいたら布団の中にいた。
(あれ?)
小野さんの膣内に欲望をすべて吐き出し、天に昇るほどの快楽を感じたのは覚えている。
ただそのあとの記憶がまるでない。
(夢、だったのか? とんでもない夢だ……小野さんにあんなひどいことをするなんて……二日連続小野さんの夢だ……ひょっとして俺って小野さんのことが好きなのか?)
そんなことを思いながら食堂へ。
「おはようございます♥」
「お、おはようございます……」
小野さんに会う。
男は気まずすぎて目をそらした。
「どうしました?」
夢の中であなたを襲っていましたなんて言えるわけがない。
「昨日のチョコはどうでしたか?」
「ふえ? まさか……それってどんな……」
「あー、ひどい。忘れちゃったんですか? クモのチョコですよ♥」
タランチュラ。
ねっとりと囁いてくる。
ぞくっと背筋が震えた。
「夢じゃないんですか……」
「夢ということにしちゃいますか?」
小野さんが笑っている。
男の顔から血の気が引いていく。
(待てよ? たぶんあのクモのチョコを食べるところまでは現実だったんだ。で、チョコを食べた瞬間気絶してしまった。小野さんには失礼すぎるけど、初クモで耐性がなかったから……小野さんを襲う夢を見たのは小野さんにチョコをもらったのが嬉しすぎたから! きっとそう!)
男はうんうんとうなずいた。
「あーあ、残念だなぁ。私が何者であろうと守るって言われて、とっても嬉しかったのに……」
「え!? それは……」
「あれは嘘だったんですか?」
「い、いや、そんなことは……嘘なんかじゃありません、本当です」
動揺しながら返事をする。
(ま、待て、まだ大丈夫……その台詞を口にしたらしいのは確定だけど、小野さんにひどいことをしたのは確定じゃない……)
「よかった。じゃあ早速いいですか?」
「い、いいですよ? なんなりと」
精一杯格好つけて見せるが、声が震えていた。
小野さんが腕を抱いてくる。
肩に柔らかいものが当たっていた。
「クモのチョコを食べたらエッチな獣に豹変する男の人がいるんですけど、その人から私を守ってください♥」
ぎゅっとしがみついてくる。
小野さんの笑顔が男にとっては逆に怖い。
彼女の腕の中で彼は冷や汗でびっしょりになっていた。
目の前にはクモのチョコが置かれていた。