蛇喰夢子は驚くほどに従順だった。
全てを賭けたギャンブルに敗北した直後だというのに、彼女は薄く微笑みながら己の意思で首輪を装着し、服を脱いだ。
「こうして殿方に裸を晒すのは、流石に恥ずかしいですね……」
口ではそんなことを言っているが、夢子の表情に羞恥や戸惑いの感情は見られない。
多少頬が赤くなっているが、恥ずかしいというよりはギャンブルの興奮が残っているだけといった様子である。
下手に反抗されるよりは話が早くて助かるのだが、これはこれで困った話だ。
彼女からは屈辱に震える様を見ることができないということなのだから。
夢子の裸体は、非常に美しい。
男として、その整った肌色の肉体を拝めるという報酬は十二分に有難い。
だが俺の心には、そんな彼女の余裕を崩したいという欲求がふつふつと沸き上がっていた。
「んっ……」
夢子の両手を頭上で組ませ、手錠で拘束する。
両足はM字に開かせたまま屈ませ、蹲踞のような姿勢を命じた。
己の両胸や秘部を見せつける姿勢になった状態で艶めかしい声を漏らす夢子を見下ろし、俺は今にも襲い掛かりたくなる欲望を必死に抑えていた。
ズボンのチャックを下ろし肉棒を露出させると、ちょうど屈んだ夢子の眼前に肉棒が突きつけられる。
咥えろ。と命令すると、夢子は微笑みを浮かべ躊躇うことなく肉棒に舌を伸ばした。
「ん、じゅっ……んぐっ……」
こういった経験は豊富ではないのか、夢子の口淫奉仕はどこかたどたどしい。
しかし未経験ゆえの躊躇や躊躇いはなく、苦し気な表情を浮かべながらもあっさりと根元まで肉棒を咥えていた。
大口をあけて顔を歪ませているのに、夢子からは余裕や落ち着きのような様子が消えることはない。
その事実が俺を苛立たせ、しかし確実に肉棒へと与えられる刺激という快楽が苛立ちを誤魔化そうとしてきている。
「――ッ!」
俺は射精の直前に夢子の後頭部を掴み、肉棒を喉奥へ押し付ける。
多量の精液は一滴も零れることなく、夢子の胃の中へと消えていった。
「ぐっ、けほっ……乱暴ですね……」
手を放し肉棒を抜き取ると夢子は口元に手を当て、苦し気に咳き込んだ。
しかしその表情が崩れることはなく、未だ微笑みすら浮かべている。
夢子のその余裕が無性に苛立ち、溜まった欲望と混ざり合う。
気づけば俺の理性は焼き切れ、彼女を衝動的に押し倒していた。
「きゃっ」
可愛らしい悲鳴はどこかわざとらしく、この場には不釣り合いだった。
欲望の赴くままに、俺は再び固さを取り戻した肉棒を一息に夢子の膣へと挿入する。
「っ……!」
そこから先の記憶は無い。
正気に戻った俺を出迎えたのは精液を膣から溢れさせる夢子の姿と、彼女の余裕に満ちた微笑みだ。
俺は夢子を家畜にし、その全てを手に入れた。
今も彼女の肉体を貪り、犯した。
だというのに、今俺が感じている感情は敗北感だ。
この女を堕とすことができなかったという負の感情が、俺の心を満たしていた。