相手がギャンブルを提案してきた際、その勝負を受けるのは得策ではない。
提案してきたということは勝算、あるいは必勝の策がある可能性が高いからだ。
それが慣れかイカサマかは時と場合によるが。
イカサマが入り込まない純粋な勝負であれば、相手が受ける可能性は多少上がるだろう。
故に俺が芽亜里に提案した勝負にも一切のイカサマは入り込まない。
まあ、提案する自分の立場が圧倒的に優位な今の状況を利用はするが。
「くっ……!」
ゲーム内容を理解し承諾した芽亜里は、唾でも吐き捨てるようにこちらを睨みつける。
この下種めとでも罵ってきそうな視線の強さも、この状況ではただの強がりにしか見えない。
俺は椅子に座ったままズボンを下ろし、勃起した肉棒を膝立ちになった芽亜里へ突きつける。
そしてゲーム開始の合図と共に、携帯のストップウォッチ機能をオンにした。
ゲーム内容は単純だ。
芽亜里が俺を射精させれば五百万を芽亜里に支払う。
ただし射精までにかかった時間一分につき五十万を芽亜里は俺に追加で支払う。
十分で俺を絶頂させられれば芽亜里のプラスになる計算だ。
レートもルールも、悪態こそ吐いたものの芽亜里は受け入れた。
下手にイカサマの介入するオリジナルのギャンブルで勝負するよりは勝ち目はあると考えてのことだろう。
俺の方から芽亜里には触れないという条件だけを提示してきたので、その程度ならと受けてやる。
普通に奉仕されれば十分耐えるのはキツイだろうが、相手が芽亜里であればその心配も無用だろう。
「うっ、くぅ……」
ぎこちない手つきで芽亜里は俺の肉棒に触れ、ゆっくりと扱き始めた。
予想通りこの手の経験は無いのだろう。
嫌悪感と忌避感を十全に漏らしながら、芽亜里は嫌々奉仕を行っていく。
それはそれで興奮するが、こんな刺激なら耐えるのは容易だ。
俺の肉棒は固くこそなるものの、達する気配を微塵も見せないままに二分が経過した。
「も、もう二分? う、嘘でしょ……!?」
引きつった表情で机に置いた携帯を覗き込む芽亜里。
無慈悲に刻まれる時間に、芽亜里は慌てだす。
「痛っ……!」
刺激が強くなったが、これでは痛いだけだ。
思わず漏れた声に、芽亜里は戸惑いを見せる。
「う、うぅ……」
経験が皆無で、どうすればいいのかも分からないのだろう。
意外と純情なのか、本なんかの知識にも触れてこなかったような乙女ぶりだ。
おっかなびっくり触れ扱き、芽亜里はどうしよう、どうしようと呟き続けるだけだ。
この様子では耐えるのは余裕だろうと確信しながら、俺は五分が経過したことを告げる。
「後五分でイカせられないと、借金が増えるだけだぞ」
「わ、わかってるわよ……!」
その声で決心をしたかのように、芽亜里は己の服に手をかけると一息に上着を脱いだ。
小さいながらも整った形の乳房とそれを覆う純白のブラが露になる。
ピクンと俺の肉棒が反応したのを見て、芽亜里は顔を真っ赤に染めながらも自分の行動に意味があったのだと確信した。
手で扱くだけだった動きを変え、肉棒を自分の胸へと押し付ける。
全身を使って奉仕をする芽亜里だが、悲しいかな俺の肉棒は未だ達しなかった。
相変わらずぎこちない動きで触れられる今の状況では、自慰の方が百倍気持ち良い。
「九分経過」
「ひ、ぃっ……!」
あと一分で敗北。
その現実が芽亜里を焦らせ、泥沼に引きずり込む。
一秒ごとにカウントダウンをしてやると、芽亜里の目尻からは涙が零れだした。
無理もない。
一発逆転を狙い好きでもない相手に胸を見せながら肉棒を扱くなんて屈辱を味わったのに一銭の金にもならないのだから。
「五、四、三、二、一、零。残念、十分経過だ」
「あ、あぁぁ……!」
芽亜里はその場で俯いたまま慟哭する。
どれだけ泣き喚こうが嗜虐心をそそられるだけなので一向に構わないのだが、一応告げておかねばならないだろう。
「勝負はまだ終わっていないだろ。いいのか、ぼさっとしていて」
「――へ?」
だってそうだろう、事前に決めたルールは。
芽亜里が俺に支払う金額は、射精までにかかった時間一分につき五十万。
俺が芽亜里の手で一度イカない限り、芽亜里の借金は無限に増え続ける。
「……あ、あぁぁっ!」
芽亜里は慌てて経過時間を確認した。
一分につき五十万。
一秒あたり約八千三百円の借金が今も芽亜里に積み重なっている。
「う、うぁぁっ……!」
悲鳴と慟哭、そして絶望を混ぜ合わせたような叫び声が、教室に響き渡った。
開始から一時間が経過した頃。
芽亜里は涙と鼻水を垂れ流しながら、俺に懇願していた。
「――お、お願い、許して……!」
芽亜里の負債は三千万を超えた。
仮にこの借金がそのまま生徒会に向かえば、一生家畜の未来が待っている。
恥も外聞も捨てて……捨てる立場すら消失しようとしている芽亜里は必死だ。
俺はそんな彼女へ向け、一つの選択肢を提供する。
学園の家畜になるのではなく、俺個人の奴隷となる道を。
同意するならこのギャンブルを現在時点で終了してやるという飴をぶら下げて。
芽亜里はしばらく逡巡したが、迷えるほどの余裕があるわけでもない。
どの道三千万の借金が確定している以上、家畜か奴隷かの二択を選ぶしかないのだ。
芽亜里は後者を選択し、目の前の俺に頭を下げる。
俺は最初の一人目を堕とした充足感に包まれながら、芽亜里の選択を受け入れた。