選択双六、一巡目。
芽亜里が最初に提示したカードは六。
どのマスに進んでも白紙であれば最大限に進む、という思考は当然と言えば当然だ。
芽亜里は自分の駒を六マス進め、ついた場所の紙を表にする。
「げっ」
そこに書かれた難解な数式と“証明せよ”という一文に芽亜里は露骨に顔を顰めた。
パスを宣言し、芽亜里は早速の一回休みとなる。
「早速六分の一を引くとは、ついてないわね……」
「え、えっと……じゃあ私は五で……」
次の順番である綾女は高校どころか大学生でも難しいのではないかと思われる数式を避け、五マス進んで指示を開く。
“六のカードを消費する”と書かれた紙に従い、彼女の手持ちからは五と六のカードが消えた。
「……これ書いたのあんたでしょ」
「あら、バレました?」
案の定協力する気の無い夢子へと、芽亜里は冷ややかな視線を飛ばす。
どの指示がどのマス目に配置されるかがランダムな以上、記入する指示は清華のように自分だけが実行可能なものにするべきだ。
指定したカードを消費する指示など、そのカードを消費せずに持っているかは完全に運なのだから有利になる要素が微塵もない。
「仲間割れですか。まあ、こちらにとっては好都合ですが」
そう言って、清華は四のカードを提示。
高い数字のカードを一気に二枚消費するのを避けたのだろう。
「では指示は……は?」
そしてようやく、清華は自分の嵌った罠に気付く。
掛かれていた指示は“全ての衣服を脱衣する”だ。
「……拒否、します」
女性相手でも羞恥心があるというのに、今ここには男がいてしかもビデオカメラで撮影をされている。
完全に予想外の指示に、清華は一回休みを選択してしまった。
「じゃあ私も四で」
「なっ……?!」
伊月が四マス進み、流れるような動きで服を脱ぎだしたことで清華の喉からは驚愕の吐息が漏れる。
顔を赤く染め、恥ずかしそうに全裸を晒した伊月の姿に、清華の能面は簡単に崩れ去った。
「まあ、四かなぁ。いきなり出遅れるのもねぇ」
「そうですね、私も四で」
続くユメミと夢子も同様に服を脱ぎ、全裸になる。
羞恥心が欠けているわけでもないのに簡単に裸体を晒す様子を理解できず、清華は言葉を失ったまま震えていた。
だが清華はこの後すぐに思い知る。
服を脱ぐ程度の指示はこのゲームにおいてまだ軽いものであったのだと。
一回休みを挟み、三巡目に六のカードを提示した清華。
そこには“自慰を行い、五分以内に絶頂する”と書かれていた。
「くっ……」
流石に清華も、もう理解した。
このゲーム、マトモな指示を書いているのは自分だけだ。
既に二巡目を休んだ清華と芽亜里以外のプレイヤーは全裸を晒しゲームを進行している。
更に芽亜里とユメミの膣にはローターが挿入され、今も振動し彼女たちの顔を紅潮させていた。
時折清華の書いた指示が見えるが、所詮は六分の一。
例外の夢子を除いたとしても六分の四で性的な指示が書かれているとなると、拒否し続けていれば清華の敗北は必死だった。
「拒否、します……」
だが踏み切れない。
潔癖とまではいかなくても“お堅い”清華は、どうしても生理的な拒否感を抱いてしまう。
負ければ全てを失うとしても、その一歩がどうしても踏み出せないのだ。
「ありゃ、また脱衣指示……もう脱ぐものないんですけど」
「“バイブを挿入したまま落とさずにゲームを進行”かぁ」
そんな清華を尻目に、他のプレイヤーたちは次々と痴態を晒しながら駒を進めていく。
ローターの刺激に耐え切れず、芽亜里が絶頂する。
ローターに加えさらにバイブを挿入したユメミが、身を捩じらせながら嬌声を上げだした。
愛液の臭いが部屋に充満し、複数の嬌声が上がり続ける部屋。
慣れ親しんだはずの生徒会室が、今の清華には異世界のようにしか思えない。
清華が頭を抱え涙を流し始めた頃、三度目の絶頂と共にユメミがゴールし勝負は終わった。
マトモな人であることを捨てきれなかった結果、清華は家畜に墜ちたのだ。