※この作品はR-18です。

種付けおじさんVS魔法少女in神浜 ~おじさんやめて! 妊娠しちゃう!~   作:(*´ω`*)モキュおじさん

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(*´ω`*)「唐突なグルメ回だオラァァァン! (エロは)ないです、また次回ね。モキュおじラーメンそんなに詳しくないから、細かい所は見逃してクレメンス。ぶっちゃけうまけりゃ何でもいいと思うの」


第九話 ラーメン大好き少女のグルメレポート【VS夏目かこ①】

 

 

 

 

(……ラーメン、食べたくなっちゃった)

 

 それは突発的な衝動だった。

 

 魔女退治を終えた深夜の帰り道。『夏目かこ』は無性にラーメンが食べたくなってしまった。

 もしもラーメンスイッチがあるとすれば、今はバッチリとONになってしまっている。

 

(今日の魔女退治はすごく大変だったし……自分へのご褒美って事で、いいよね?)

 

 思えば、今日退治した魔女はかなりの強敵だった。

 かこは普段、盟約で結ばれた魔法少女達とチームを組んでいる。

 

 『盟約』――それはとある魔女を撃滅する為、盟主である『常盤ななか』によって結ばれた誓いだ。

 神浜に複数存在する他の魔法少女チームからは「ななか一派」や「チームななか」、あるいは「常盤組」などと呼ばれたりしている。 

 

 華心流という華道の宗家に生まれた、盟主の『常盤ななか』。

 参京院のトラブルシューター『志伸(しのぶ)あきら』。

 地域組織「蒼海幇」の娘『純美雨(ちゅんめいゆい)』。

 そして古書店「夏目書房」の一人娘である『夏目かこ』。

 

 他と比べてもかなり戦闘力の高いチームであり、かこ以外の三人はそれぞれ、居合の段位を持っていたり、空手の黒帯を持っていたり、果てはカンフーの達人だったりと、かなりの武闘派が揃っている。

 かこには格闘技の経験などなかったが、周りのサポートをしながら戦うのは得意だった。

 

 栞をモチーフにした槍状の武器で戦い、さらにチームの回復役としても活躍している。

 近距離から遠距離まで幅広くこなしており、魔法少女としての固有魔法も「再現」と非常に汎用性の高いものを得ていた。

 

 どんな強敵が相手でも、ななかが作戦を立て、あきらが弱点を看破し、美雨が翻弄して、かこがサポートする。

 そうすればななか達の誰かが決定打を与えるし、隙があればかこも魔力砲(ビーム)「煌道のページ」で魔女を撃破していた。

 

 だが他の街ならいざ知らず、神浜の魔女は別格に強い。

 調整屋による強化を施されてなお、チームでの討伐が推奨されているほど、手強い魔女がうようよしている。

 

 今日戦った魔女はその中でも特に強い個体で久しぶりの激戦となり、苦戦の末にようやく倒すことができた。

 魔力も相応に消費したが、その分は戦利品のグリーフシードによって回復している。

 

 だが魔力の回復は出来ても、消費したカロリーまでは元に戻らなかった。

 故に、かこの身体は本能的に求めてしまう。

 

 ――ラーメンを食べたいと。

 

(今の時間でも開いてるお店は……)

 

 既に日付が変わろうかという時刻。店によっては閉まっている所もある。

 かこは脳内のラーメンマップから最適な店を検索する。

 

(うーん、どこにしようかな……?)

 

 かこはラーメンの食べ歩きが趣味だった。

 古書店の娘で、かこ自身も読書が大好きなため、意外に思われる事も多い。

 

 特に隠すような趣味ではないので仲間達も周知の事であり、盟主のななかには「ラーメン大好き少女ですね!」と評されたこともある。

 確かにラーメンが一番好きだが、厳密に言えば麺類全般が好きなのだと話すと「なるほど、麺類大好き少女ですね!」と言い直されてしまった。

 

 そんなななかに、あきらは苦笑いを浮かべ、美雨は呆れた視線を送っていた。

 それは仲間内での、いつも見慣れた光景だった。

 

 そんな麺類大好き少女であるかこは、真剣な顔で思考を巡らせる。

 週末に行っているラーメンの食べ歩きでは『背脂』がここ最近のマイブーム。

 

 背脂チャッチャ系ラーメンでごてごて(背脂超多め)を頼み、中毒症状に陥った脳髄に給油する快楽に嵌っていた。

 だがいくら中毒とはいえ、行けても週に一度くらいなものだ。

 

 かこのお小遣いには限りがあるし、欲しい新刊もある。

 趣味で食べ歩くための軍資金を考えれば、それほど多く通えないのが悩ましい所だ。

 

 今回もまたこってりと背脂醤油豚骨ラーメンを頼みたい所だが、今食べてしまえば胃もたれ必至。

 いくらかこが麺類ならたくさん食べられるとはいえ、朝食を食べられなくなる事態は避けたい。

 

 ただでさえ深夜のラーメン。

 明日も学校があることを考えれば、いつも通りの注文は自殺行為だろう。

 

(ならここは、あえて初心にかえって……!)

 

 そしてかこが選んだのは、一軒のラーメン屋。

 有名なチェーン店ではなく地域密着型の個人店だ。

 

 初めて訪れる店だったが、かこに不安はなかった。

 ここ神浜市の良い所は、魔女だけではなくラーメン店も多いところ。

 

 日夜鎬を削り、弱者は淘汰されるラーメン激戦地帯なのだ。

 そんなラーメン戦国である神浜市において、今日まで生き残っている隠れた強者(つわもの)。

 近所の口コミからも確かな実力を感じさせる地元の名店だ。 

 

 かこは既に学校の制服ではなく、私服姿へと着替えている。

 流石に補導のリスクもあるため制服姿で出歩くわけにもいかない。無論、魔法少女姿は語るまでもないが。

 

 そして辿り着いた、深夜に明かりの灯った趣きのある店構え。

 かこは怯むことなく堂々と暖簾をくぐった。

 

 その華奢で儚げな見た目から、内気で気弱な少女だと思われがちだが……かこのここぞという時の度胸は、仲間達の誰もが認めている。

 読書というインドアな趣味を持っているものの、かこはかなりアグレッシブな少女だった。

 

 店内に入ると、食欲を刺激する油と香辛料の匂いが襲い掛かる。

 溶け込むように複雑に混ざりあったそれは、まさにラーメンの香りだ。

 

 かこは店内を一瞥すると、迷わず奥のカウンター席へと向かった。

 深夜にも関わらず席はほとんど埋まっており、並ばないだけ運が良かったと考えるべきだろう。

 

 会社帰りらしきスーツ姿の中年男性が座っている席から一つ空け、壁際の席に着く。

 すると、奥からすかさずお冷とおしぼりが出された。

 

「らっしゃい、ご注文はお決まりですか?」

「ラーメン大盛り! 味玉トッピングでお願いします!」

 

 ここに来るまでの間、かこは既にメニューを決めていた。

 

 全ての基礎にして奥義。店によって個性が如実に表れるシンプルな選択『ラーメン』を注文する。

 だがそれだけでは欲望が抑え切れないかもしれないので、かこの好物である味玉を追加しておく事も忘れない。

 

 するとすぐにどんぶりが運ばれてくるが、それは隣に座ったおじさんの注文だった。

 つられて視線を向けると、丼の中には肉が山盛りになっていた。

 

(チャーシューのトッピング? すごい……何枚してるんだろう?)

 

 十や二十でこうはならない。最低でも五十枚は重なっていそうな高さだ。

 麺ならいくらでも食べられる自信のあるかこだったが、このチャーシューの山を完食できる自信はなかった。

 

「……いただきます」

 

 隣のおじさんは落ち着いた声で呟くと、チャーシューの山に箸を伸ばし、黙々と肉の山を削っていく。

 その立派な体格とふくよかな体型からはとてつもない安定感が放たれ、完食に何の不安も感じさせなかった。

 

(うぅ~……お腹空きました……)

 

 すきっ腹にチャーシューの匂いは堪える。

 かこは隣から視線を外し、水を一口飲んで空腹を紛らわせる。

 

 そうしている内に、ついに頼んだラーメンが運ばれてきた。

 時間的にはすぐだったはずだが、待ちきれない思いから「ようやく」といった気持ちになってしまう。

 

 かこの目の前にあるのは、「ラーメン」または「中華そば」と聞いて殆どの人が想像するような淡麗醤油ラーメンだ。

 海苔、メンマ、ネギ、それからナルトにチャーシュー。さらにはトッピングで注文した味玉が鮮やかな琥珀色のスープに乗っている。

 

 ちなみに「ラーメン」と「中華そば」に明確な違いはなく、時代の違いや細かなニュアンスの差で呼び分けられている。

 ただかことしては、こうした醤油ベースのあっさりとしたラーメンは、何となく「中華そば」と言った方がしっくりくるが。

 

(わあっ……最近はこってり濃厚なスープに慣れ過ぎてて、こういう淡麗系のスープが新鮮に感じるなぁ~)

 

「……いただきますっ!」

 

 スープが濁っていない、透き通った清湯(ちんたん)ラーメン。

 まずはレンゲでスープを一匙掬い、そっと口に含む。

 

 鶏ベースのスープかと思いきや、予想に反して魚介……否、これは貝だ。

 鶏の輪郭も微かに感じさせるが、圧倒的な貝の旨みが味蕾に直撃する。

 

 神浜はその名が示す通り、海に面した街だ。

 その為内地よりも魚介類が豊富であり、美味い物が多く集まる。

 その中からスープとして濃縮された旨味の暴力。

 

「~~っ!!」

 

 貝由来のコハク酸の旨味がじわりと味覚中枢に浸潤していく。

 その感動のままに箸で麺を掬い上げ、口の中へと啜る。 

 中細のストレート麺は適度なコシでスープと絡み合い、互いに更なる旨味を引き立て合う。

 

 ラーメンという一つの世界。

 丼の中における主役は誰なのか……人によって諸説あるが、かこにとってはやはり麺だ。麺しか考えられない。

 

 スープが命なら、麺は魂だ。

 パサついていたりベッタリしてしまえば、いくらスープが旨くてもラーメンとしては致命的だと少女は考える。

 

 麺を啜るという行為は、一つの物語を堪能する行為にも似ている。

 スープという一つの世界に、様々なトッピングが名脇役として彩りを加えている。

 

 麺という主人公がスープという世界観と絡み合い、脇役たるトッピング達と交流しながら口の中へと啜られていく。

 これが物語ではなく何だというのか。

 

 自らの舌で味わう壮大な物語。

 飽きが来たら自分の好みで調味して味変させる事で、ともすれば単調になりがちなストーリーに起伏を付けられるのもポイントが高い。

 

 海苔で麺を挟み、そのままかぶりつくように咀嚼する。

 海苔の風味と麺が合わさり、それは一つの山場を演出した。

 同じ故郷から別れた海苔と貝の旨味が、麺によって一つの味へと収束していく。

 

 そうやって麺を啜り、飽きる前にトッピングを摘まむ。

 メンマのシャキシャキとした歯応えを堪能し、柔らかいチャーシューから染み出る肉汁に悶えた。

 

 最近ではあまり顔を会わせる機会がなかったナルトとの再会に、ふと懐かしい思いに駆られる。

 味として強烈な個性があるわけではない。けれど見た目が楽しげで、見掛けると何だか嬉しくなってしまう。

 

「あむっ……あむっ……ずぞぞ~っ」

 

 そしてついに物語は終わりを迎え、舞台の上から役者達が退場してしまう。

 余韻を残す様に、まだ丼にはスープがそれなりに残っている。

 

 ついいつもの癖で、替え玉前提の食べ方をしてしまった。

 本当なら、このまま替え玉を頼みたい所だが……時間的にも予算的にもここは我慢すべきところだ。

 

 たかが一玉、されど一玉。

 その一玉を頼んでしまえば、何度でも頼んでしまうという予感がかこにはあった。

 

 だがこんな時の為にとっておいた味玉。

 好きな物は最後まで残しておきたい乙女心から、今の今までスープの中に沈めていた隠し玉だ。

 これを〆のデザート代わりとして、かこは自らの裡に渦巻くラーメン欲に終止符を打つつもりだった。

 

 カットされていない味玉を半分ほど口にする。

 半熟でとろりとした黄身が、濃縮された旨味の宝石となって舌の上に転がった。

 

(やっぱり好きだなぁ……ラーメンの味玉) 

 

 細かい理屈などどうでもいい。単純に好きだ。

 こういう時でないと中々食べる機会がなく、ちょっとした贅沢な気分になる。

 中に閉じ込められていた熱をはふはふと冷ましながら、残り半分を口にする。 

 

 原価などの値段を考えれば自分で作った方が安上がりだという意見もあるが、時間と手間と質を考えれば、お店の味玉を頼んだ方が無難だろう。

 そもそも味玉単品が好きなのではない。ラーメンという世界の中で輝く、宝石の如き味玉が好きなのだ。

 

 そうして一つの物語は終わりを迎え、一巻の終わりとするべく、かこは丼に手をかける。

 役者達が全ていなくなっても、まだ舞台は残っているのだから。

 

 スープを飲み干すのは塩分過多であり、体に悪い――知った事か。

 おいしいから食べるのだ。おいしいから飲み干すのだ。

 

 リスクもカロリーも承知の上で、欲するから求めるのだ。

 欲望なき人生に何の意味があろうか。

 

 ラーメンが好きだから、スープまで飲み干したいほど好きだから、そうするのだ。

 御大層な理屈や正論など、この想いの前には全くの無意味。

 

「んくっ、んくっ……ぷはぁっ」

 

 スープを全て飲み干すと、塩分を取った体が水分を求める。

 汗の浮かんだグラスを手にし、冷えた水を口にした。

 

「ごくっごくっ……はっふぅ……」

 

 ラーメンを食べた後の、一杯の水。

 それがこんなにもおいしい。

 

(ああ……美味しかったぁ……!)

 

「……ごちそうさまでした」

 

 思い存分堪能したかこは、ちょこんと手を合わせて礼をする。

 美味しく頂けたラーメンへ感謝を込めて。

 

(それじゃあ、そろそろお会計を――)

 

 そして食べ終えたのであれば長居は無用。

 かこはポケットから財布を取り出し、千円札を出そうとする。

 

 だが、なかった。

 中にあるはずの千円札が、ない。

 

「……え?」

 

 かこは思わず、顔をさっと青ざめさせてしまう。

 何度確かめても、財布の中には小銭が数枚しか入っていなかった。

 

(え、なんで……確かまだ残って――ああっ!? 新刊買っちゃったんだ!)

 

 魔女退治のごたごたですっかり忘れてしまっていた。

 昨日発売した文庫本を買ったせいで、財布の中にもうお金が残っていなかった事を。

 

(どうしよう、どうしよう……っ!?)

 

 かこは焦ってしまう。

 家に連絡して……いやいや、両親に内緒で夜ラーメンを食べに行ってたなんて知られたら、間違いなく怒られる。特にかこの母親は学校で国語の先生をしており、この手の事には厳しかった。

 仲間達に連絡して……もう寝ている頃だろうし、そんな迷惑などかけられない。

 

 ぐるぐると焦燥感に駆られるかこだったが、突如隣から声を掛けられた。

 

「……お困りかい? お嬢さん」

「ひみゃっ!?」

 

 驚いて、かこは思わず変な声を上げてしまった。

 見れば隣で同じく食べ終えたらしいあのチャーシュー山盛りのおじさんが、どこか心配そうな顔でこちらを見ていた。

 

「え……あ、その……」

 

 突然の事に、かこは何と答えたらいいのか迷ってしまう。

 そんな少女を安心させるように、おじさんは人好きのする笑みを浮かべた。

 

「驚かせてしまってすまないね。察するに、お金が足りなかったとか……そんなところかな?」

「うぅ……はい、その、ごめんなさい。実は、そうなんです……」

「ははっ、おじさんに謝らなくてもいいさ。ならここは任せてくれたまえ。すみませ~ん、お会計! この子の分もね」

「えっ、あ……そんなっ、悪いですよ!」

「いいからいいから、困った時はお互い様さ。ここはおじさんに奢らせておくれ」

 

 そしてあっという間におじさんは、かこの分も併せて会計を済ませてしまう。

 店から出て、申し訳なさや恥ずかしさのあまり何度も頭を下げるかこだったが、おじさんはそれをやんわりと制した。

 

「おじさんね、ラーメン好きな子が大好きなんだ。だからきみが美味しそうに食べてる姿に感服しててね。

 とはいえ、おじさんが若い子をじろじろ見てたというのも外聞が悪い。ここは謝罪代わりに奢らせてもらえると、おじさんも助かるな」

「えっと……すみません。では、お言葉に甘えさせていただきます」

 

 もう夜も遅いから、と家の近くまで送ってもらう事になった。

 こんな時間に出歩いてることを叱られるかと思ったが、おじさんは何も言わず親切にしてくれる。

 道中の自販機で飲み物を奢ってくれたり、軽いラーメン談義などでかこが退屈しないように気遣ってくれた。

 

 そして家の近くまで来た所で、かこはおじさんに別れを告げる。

 精一杯の感謝を込めて。

 

「今日は本当に、ありがとうございました! また今度お礼させてください!」

 

 同じラーメン好き同士、またこの神浜でいつか会えた時に恩返ししようと、かこは心に決めていた。 

 そんなかこに、おじさんは。

 

 

 

「ぐふっ、だったらお礼に――『種付けセックス』して貰おうかな?」

 

 

 

 気を付けよう、送り狼と種付けおじさん。

 食後の種付けレイプが、今始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




(*´ω`*)「かこちゃん逃げてー超逃げて―(棒)」
(*´ω`*)「大天使かこちゃんのグルメ漫画とか読みたいなって。そのうちマギレコスピンオフで出てくれまいか。マミさんの平凡なアレみたいに」
(*´ω`*)「それはそれとして、次回から種付けのお時間です(無慈悲)」
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