時系列的には初Hより後ならどこでもいいかな。ネタバレは特にないです。
日曜日の昼下がり。部屋の片隅で、一組の男女が触れ合っていた。
「あんっ、そこっ。そこ、いいっ」
「……ここは?」
「ひあっ、いっ、そこもっ」
「…………というかさ」
「ん、何?」
「これ、肩を揉んでるだけだろ。なんでそんな声を上げる?」
妙に色っぽい声を上げないでほしいんだが。非常に危険だ。主に俺の理性とかが。
「だって」
対するあやせは、ニヤニヤと悪戯っぽく笑っている。全部計算づくらしい。
「恋人同士では、よくあるシチュエーションでしょ?」
「そういうものなのか?」
「そういうものなの。まあ、ちょっとベタだったかな、とは思うけど。……もしかして、暁はこういうのは嫌い?」
意地悪な質問だ。そんなの、答えは一つに決まってる。
「…………いや、嫌いじゃない」
「ならいいじゃない。久々に二人きりの時間が長く取れたんだから、少しは恋人らしいことをしたって」
「それもそうか」
ここ最近は二人とも仕事が多く、なかなか二人で過ごす時間が無かった。こうしてマッサージをしているのも、仕事で疲れた身体を癒してあげよう、という目的がある。
とはいえ、会えない期間が長いということは、当然溜まるものもあるわけで。そこにこんな形で追撃が来ると、男としては反応せざるを得ない。
「……もしかして、えっちなコト考えてない?」
俺の内心を見透かしたかのような指摘。分かりやすいとは言われる方だが……。
「顔に出てたか?」
「ううん。でも、暁ならきっと考えてるだろうと思って。だって暁、変態だもんね」
カマをかけられていたのか。しかも根拠が「変態だから」って…………引っかかる俺も俺なのだが。
「……まあ、そうだな。正直、興奮してる。さっきのアレはヤバかった」
「そう」
満面の笑み。俺の言葉がお気に召したのだろうか?
「それはよかった。ここで興奮してなかったら、浮気を疑う所だった」
そう言って腕に絡みついてくるあやせ。そういう無防備な姿を見せられると、俺としては今にも襲いたくなってしまうのだが……。
「でもダメ、まだ昼間だもん。
ご無体な! と、時代劇の登場人物なら叫んでいるかもしれない。俺もそう叫びたかった。
誘うだけ誘っておいて焦らすとは……最近、あやせの立ち回りが一枚上手になっている気がする。それとも俺が下手過ぎるだけ? あるいは、両方?
それはともかく。正直、この状態はマズい。理性で歯止めを利かせるにも限界がある。こうしている今も、あやせの胸がむにむにと腕に当たっている。あやせの、胸が……。
いや待て。これは果たしてあやせの胸と本当に言い切れるだろうか? 何故ならこのボリュームは間違いなくパッd
「ねえ。何か失礼な事を考えてるわよね、絶対そうよね」
「いやそんなことはない」
咄嗟に誤魔化してみたが、腕をつねられてしまった。思考を横道に逸らす作戦、見事に失敗。それにしても、俺の考えは読まれ過ぎではないだろうか。世の女性はこれが標準なのか?
いや、そんなことはどうでも良くて。
「とにかく、離れてくれ。これ以上は……我慢できないから」
ともすれば突き放すようにも取れる言葉。だが、あやせはとても機嫌がいい。
………………もしかして、これも計算づくなのか?
「しょうがないなぁ。なら、今晩また部屋に来て。その時は……いっぱいしよ?」
そう言って、小指を差し出してくる。俺も応じて、指を絡めた。
「指切りげんまん、嘘ついたら――」
「あ。アレをもぐのは無しだからな」
「お尻に針千本飲―ます」
「え゛!? おいちょっと待」
「指切ったっ」
そう言って指を離してしまう。いくらなんでも恐ろしすぎる。クラスで見る天使のような姿からは想像もできないだろう悪魔がここにいる。
……まあいいか。独り占めしてるみたいで、嬉しいし。
「わかった。じゃあ、今夜な。……覚悟しろよ」
そう言って、マッサージを再開した。
暁の体温を感じながら、私は内心ガッツポーズしていた。
(うんうん、完璧)
雑誌で読んだ『小悪魔系』というのを実践してみたけど、感触は良好。暁の反応もいいし、これからもっと使ってみようかしら?
…………この時の私は、暁が夜中に猛反撃してくる、なんて微塵も想像していなかったんだけど。
それは、また別の話。
ワンライです。全くネタが思いつかず、開始3分経ってなお思いつかないので、割と使い古されたシチュエーションにしてみました。
かなり振り絞った感じが強いんで、きっちりやり直してみようかなと思ってます。
エロ漫画の導入みたいな話になっちゃったし。
それではこの辺で。お読みいただきありがとうございました。
俺、リドルジョーカーではあやせが一番好きなはずなのに、ネタが思いつかないってどういうことだよ…………