オーバーロード~至高のインキュバスが逝く、エロエロ珍道中~ 作:田 中太郎
真っ暗闇から徐々に浮上する独特の感覚。
自身の肢体を包み込む心地良さに浸りながらも、クレマンティーヌの意識は覚醒を始めて行く。
ここは、どこだろうか。
ぼんやりとする思考で彼女は考える。温かい、そして気持ちが良い。それは、まるで風呂にでも浸かっているかのようだ。
どことなく気怠さの残る身体に取って、その温もりは堪らない。
はぁ、と一つ吐息を零す。自身を包む温かさの正体と、上下する胸が擦れてくすぐったさを生み出した。
一度、二度と深呼吸を繰り返す度に、くすぐったさは心地良さを通り越して快感へと昇華する。
むずむずと湧き上がる微かな悦楽、まるでじっくり弱火で炙られるような感覚と言えばよいだろうか。そんな感覚を前に、仰向けに寝転ぶ女体は次第に落ち着きを無くして行く。
居住まいを正そうと身体を揺すれば揺するほど、快楽の深さは増すばかり。
吐き出す呼気は徐々に湿り気を帯び始め、宙に雌の色香を漂わせていた。未だ完全に覚醒したとは言えない脳内で、彼女はこの心地良さの原因を探る。
この感触、知ってる。
クレマンティーヌは己が胸中で呟いた。そうなのだ、この肌触りを自分は知っている、と。ここに来てようやく彼女は、自身が寝台の上で寝ている事に気が付いた。
ならばおのずと、この気持ち良い肌触りの感触が何なのか思い至る。
無意識の内に、クレマンティーヌは温もりの正体である毛布を抱き寄せた。ただただ包まれているだけであった毛布との密着具合が深まっていく。
一糸まとわぬ素肌の上を、撫で回す繊細な生地。
全身をくまなく撫でて行く感触は最早彼女にとって愛撫そのもの。いつの間にか桜色に上気していた珠肌に、汗が浮かぶ。
呼気は乱れ、忙しなく上下する胸元に合わせて双丘が厭らしく波打つ。
頂点に存在する蕾は、その身を一生懸命に起立させ、いじらしい自己主張を始めた。
うっ、と彼女は息を詰まらせる。
敏感な二つの突起を、きめ細やかな生地繊維が撫でたのだ。電流の如きピリッとした鋭さが雌芯を駆け抜ける。行き着く先は恥丘の下、そこに眠る女の園。
鮮やかな二枚貝の割れ目より、トロリとした液体が一筋ばかり滴り行く。
明らかな性快感に彼女は背中を丸め、手の内に掴む温かさを掻き抱いた。一度意識してしまえば、もう無視する事は適わない。
未だ、まどろみの中にあるクレマンティーヌは、ゆったりとした法悦を享受する他なかった。
徐々に舞い上がって行く性感。ここがどこであるかも忘れて、彼女の口からは喘ぎ声が漏れ出る。甘ったるい、女の鳴き声は嫌に大きく響き渡っていた。
寝台の上で、落ち着きなく揺れ動く女体。
純白のシーツは皺を重ね、彼女の汗で染みを作る。抱え込まれた毛布は、そのきめ細やかな毛先で素肌を愛撫し、勃起した乳首をこそいだ。
度々湧き上がる色香に満ちた艶声。それに呼応して、弾力に富む乳房が卑猥に震えた。
くびれた腰は淫らかに揺すられ、肉厚の太腿同士が擦り合わされる度に粘着質な水音がこだまする。
――――あ、イキそう……
快楽によってのぼせ上った脳内で、彼女は自身の頂きを悟った。
異常な状況下で自制する筈の理性は眠ったまま。クレマンティーヌは内なる本能に従って最果てを目指す。
ゆっくりと身体が浮かび上がって行く感覚に、彼女は呻き声を上げた。
丸まっていた筈の背中は徐々に反り返り、全身で張り詰めた弓の如き弧を描き始める。
いじらしくも足の指が曲げられシーツに新たな皺を刻み込んだ。
彼女の頭髪と同じ色である金色のデルタ地帯は、水気を含み真っ白な肌にへばり付く。
高められた官能の中で、クレマンティーヌの肉鞘が隆起した。
可愛らしい小豆は毛布の繊維によってくすぐられ、悦びに打ち震える。
艶めかしい細腰の動きが、何かを追い求めるように加速した。
止めどなく溢れる喘ぎは歓喜の色に彩られ、嬌声となって迸って行く。
気持ちいい。そう、ひたすらに気持ちが良いのだ。
彼女とて生娘では無い。性行為の悦楽もそれなりに知っている。だが、自分を包み込むこの官能には到底敵わない。
相手をいたぶって殺める時の愉悦ですら足元に及ばないだろう。
不思議な充足感、果てない快楽、そして――――
「んんっ」
零れ出る喘ぎ。
呼吸をする度に彼女の鼻腔を犯す濃厚な雌臭。次いで、その中に微かに混じる香しい匂い。
柑橘系を彷彿とさせる爽やかな甘い香りだ。どこかで嗅いだ覚えのある、この匂いはクレマンティーヌを夢中にさせる。
嗅げば嗅ぐほど身体は熱を帯び、快楽に深みが増す。
はっはっ、と犬の如く浅い呼吸を繰り返し、彼女は必死になってこの香りを体内へ取り込もうとした。
どこまでも続く悦楽の境地。しかし、その歓喜の時間も終わりを迎えようとしてした。
瞼の裏に走る星々のきらめき。ビリッビリッと鋭い電流が背筋を穿つ。天を舞うかのように、身体には浮遊感が与えられる。
――――あぁ、大きいのが来る……
目前にまで迫った快楽の高波。
原始的な恐怖と共に、興奮と期待が彼女の心を淫靡に染め上げていく。
クレマンティーヌは悦びの最果てへとひた駆け出した。
ガタガタと身体は震え、ひっきりなしに体液を飛び散らせる。
「あぁッ!!」
そして一際高い快楽の波が彼女を天高く押し上げた。
甘美な陶酔のうねりが肉欲の焔にくべられ、熱くも激しいエクスタシーの嬌声をこだまさせた。
「うぅッ、んんぅッ、あうぅぅッ!」
くぐもった苦悶の叫び。
しかし、苦し気なその声色は明確な喜悦によって彩られている。
女芯で爆発する快楽の嵐。仰け反った肢体は大きく波打ち、溢れ出た蜜が金色の茂みを濡らす。
身体の震えに合わせて、揺れる双山の果実。
豊満な果肉の上を、きめ細やかな毛先が走る度に、情欲の篝火はより一層燃え上がる。
それぞれの果実の頂点に存在する桜色は、痛々しいまでに腫れ上がっていた。
可憐な蕾は掻き抱いた毛布によって押し潰され、鋭い快感を持ち主へと届けゆく。
舞い上がった雌欲は中々静まろうとしない。
長らく続く肉欲の宴。クレマンティーヌは浅ましくよがり狂う。
一体どれほど続いた事であろうか。
果てしないアクメの時間にも終焉の時が近付きつつあった。
絶頂後の気怠さに身を任せながら、女戦士は荒々しく息を継ぐ。
――――気持ち良かった。
鮮烈なオーガズムに一種の満足感を覚えつつ、彼女は心中で独り言ちる。
これほど心地の良い目覚めは無いだろう。爛れてはいるが今までの人生で一番充足した時間であった。
そう、少なくとも彼女が閉じていた瞼を開けてしまうまでは、だが。
「あ……お、おはよう?」
「ふぇ?」
掛けられた声に、クレマンティーヌの口から間抜けな音色が飛び出す。
彼女の視界には一人の青年が映し出されていた。彼は自身が寝転ぶ寝台の傍らで所在無げに佇む。
その顔には気まずいと言わんばかりの感情が浮かんでいた。
彼女は理解出来なかった。半覚醒状態の脳内には様々な疑問が駆け巡っている。
彼は誰か、ここはどこなのか、何故そこに立ち竦んでいるのか。
次第に現状を理解し始めて行くにつれ、女戦士の表情は一変して行く。
艶やかな桜色だった顔色は一気に青褪め、次いで火を吹かんばかりに紅潮した。
嘘だ、嫌だ、夢だ。そんな現実否定の言葉が、次々に浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返す。
「ごめん、その、見るつもりは無かったんだけど……君が苦しそうにしてたから……」
「ぁ……ぅ……」
申し訳なさそうに謝意を示す青年。
目を伏せ、原罪を告白するかの如きその姿勢は、彼女の胸中に罪悪感を湧き上がらせる。
何か言葉を掛けなければならない。青年の落ち込んだ姿は、クレマンティーヌの胸を締め付けていた。
しかし、彼女の口から零れるのは意味を成さない小さな声。
穴があったら入りたい、まさしくその文面通りの心持ちであった。
複雑に入り乱れ、爆発する感情の連鎖反応。
だが、このまま黙ったままでは何事も進まないのは確かだ。
羞恥心を抑え込み、無理矢理に口を開けたクレマンティーヌはどうにか言葉をひり出す。
「ふ、ふぅん……ぉ、ぉお、お兄さんは、のの覗き見がっ、しゅ、趣味なんだぁ」
噛み噛みである。熱に浮かされたように呂律も回っていない。おまけにいつもの自分らしさを前面に出し過ぎた。
違う、こんな事を言いたい訳じゃないのに。心の中で頭を抱える女戦士。
しかし既に時遅し。
ハッと顔を上げ、こちらに視線を向ける青年。
その真っ赤な瞳は悲しみで彩られていた。今にも泣き出しそうな表情はクレマンティーヌの心を苛む。
「ち、違う……そんなつもりじゃ――――」
「で、でもぉ……現に私の、は、はじゅ……恥かしい姿を見たんだよねぇ」
「それは……うん……ごめん」
女戦士の指摘に、彼は言葉を詰まらせ、頷いた。
言い逃れ出来ない事実だと言わんばかりに。彼は言外に自分の罪を認め、罰を待つ咎人の如き姿勢を崩さない。
痛い、胸が痛い。
思わず己が胸を押さえてしまいそうになるほどの痛みが、クレマンティーヌに襲い掛かる。
だが、彼女の口は止まらない。止まった瞬間、羞恥の余り死んでしまいそうだから。
「ぉお、おまけにさぁ……私って今さぁ、裸なん……はだか?」
「ごめん、濡れてたから風邪引くと思って……」
ここに来て、彼女はようやく自分が一糸まとわぬ姿である事を再認識した。
そして青年から告げられる驚愕の事実。そういえば、意識を失う前の自分は何をしていたのだろうか。
思い返される鮮明な記憶。
明確な快楽の残滓に、下腹部がズグンッと疼いてしまった。かぁっと顔に熱が集中するクレマンティーヌ。最早、真っ赤を通り越して、青年の瞳のような原色の真紅に染まっていた。
彼は明確な表現を避けたが、当の本人である彼女は悟ってしまう。
青年が濡れたインナー類はおろか、びしょびしょになった己が身体も拭き清めてくれていた事を。
クレマンティーヌの意識が一瞬遠退く。
自分はなんて醜態を晒してしまったのだろうか。最早、これはどう責任を取るかの案件である。こんな事までさせてしまった彼に謝らなければ。何か贖罪をしなければ。
そんな考えがぐるぐると頭の中を巡り回る。
何かどうにかしなければ。とにかくそんな想いに駆られて彼女は再度言葉を紡いだ。
「……か、かかか弱い乙女の肌をッ、勝手にしゃわるなんてッ……へんたいねッ」
もう駄目だ、死のう。
口から飛び出した言葉は自身が抱く想いとは全く異なる代物。自分はここまで心が弱いなんて知りなくも無かった。
この苦しみから逃れようと死を覚悟するクレマンティーヌ。
だが、彼の口から放たれた言の葉が、その選択の行使を踏み止まらせる。
「いやッ、俺、そういうバイトもした事あるから! 女の人の裸とか見慣れてるから大丈夫だよ!」
「……は?」
慌てた口調で飛び出す彼の声。
何を指して大丈夫なのか、それ以前に『他の女の裸を見た事がある』『だから女の裸は見慣れている』という青年の発言に、彼女の火照りは一気に冷めた。
無意識の内にクレマンティーヌの口から零れ出た言葉はひたすら冷たく、そして鋭い響きを含んでいる。
その事実に青年はおろか彼女自身ですら気付いていない。
「いやさ、だから興奮して襲おうなんてしないよ!! やましい気持ちとか抱いてないから!!」
「……だからなに?」
「寝てる最中に厭らしい事とかしてないからさ、そこんところは大丈夫だからね!」
「……ふぅん」
恐らく彼は自分を安心させるために口走ったのだろう。
その事はクレマンティーヌも理解出来た。しかし、理解するのと納得するのは別問題である。現に彼女は、心の奥底からふつふつと湧き上がるどす黒い感情に支配されつつあったのだから。
手の内にある毛布をぎゅっと握り締め、その繊維へと皺を深く刻み込んだ。
今までクレマンティーヌを苛んだ羞恥心はどこかへ吹き飛び、おぞましい負の感情が彼女を突き動かす。
ニヤリと、悪質な笑みを浮かべ、挑発するかの如く猫のような己が目を細める。
一見すれば普段通りの――――青年に出会う前のクレマンティーヌであるかのように。しかし、そんな彼女を突き動かす原動力は今までと全く異なる感情からであった。
一言で言うなれば嫉妬。
そんな想いが原動力とは露知らず、狂っている筈の女戦士は言の葉を紡ぐ。
「それじゃあ、本当に私の裸を見ても興奮しないんだぁー?」
「しない、しないよ! 初対面の相手に厭らしい事なんてする筈ないよ!」
「へぇ、じゃあ本当かどうか確かめて上げる」
そう言うや否やクレマンティーヌは毛布を放り出して、寝台から降り立った。
相対する青年から浴びせられる驚愕の視線。たわわに実った双丘、くびれた腰、肉厚の桃尻、しなやかな脚、それら全てを余す事無く彼に晒し出す。
己が肢体へと注がれる青年の視線。
誰でも無い自分だけが彼の意識を独占している、その事実が彼女の心を満たしていく。だが、まだ足りない。クレマンティーヌは挑発的な笑みを湛えながら、彼を見上げた。
再び絡み合う視線。
紅の宝玉はどこか狼狽えたような気配を醸し出している。彼女は一歩踏み出した。しなやかな脚を青年に見せ付けるようにして、大げさに、ゆっくりと。
固い床の上に足裏が着き、ひたりと着地音を鳴らす。
大きく割った内股を伝って愛液が一筋ばかり滴るが、そんなモノ関係ない。いや、むしろ見せ付けてやればいいのだ。
快楽、羞恥、嫉妬、焦り、複雑に絡み合う感情の発露を前にして女戦士の理性は消えて久しい――――元々、理性なんてあったかどうかと問われれば答えに窮してしまうのだが。
狼狽える彼との距離を詰め、真正面から上目遣いで青年を見詰める。
端整な容貌が感情によって、二転三転と変化していく様は非常に楽しく面白い。それを自身の肉体が成し得ている事実に、クレマンティーヌは充足感すら覚えていた。
「ほぉら、どうかしら? そんなに熱心に見詰めちゃって」
「ち、ちがッ――――」
「へぇ、目を逸らすって事は本心を暴かれて焦ってるのかしらぁ。やっぱり厭らしい事を考えてたんでしょ?」
「そんな訳――――」
「なら、しっかり見なさいよ。このクレマンティーヌ様が判断して上げる」
青年の言葉を遮って彼女は畳み掛ける。
ここで彼の言い分を聞いては駄目なのだ。こちらが主導権を握り、青年の良心の発露を抑え込む。そうすれば後はこちらのモノである。現に青年はクレマンティーヌの策にハマりつつあるのだ。
そっぽ向こうとした彼の視線は、ひたすら彼女へと注がれ始める。
その瞳と同じ色に染まった頬は、初心な少年の如き印象をクレマンティーヌに抱かせた。ゾクッと花園の最奥が疼く。
もっと見た事の無い彼の表情を引き出したい。自分だけのモノにしたい。
暴走を始める欲望が、彼女の身体に新たな命令を下す。クスクスと笑い声を上げながら、女戦士は豊かな肉丘に手を添えた。
次いで下から掬い上げるようにして、持ち上げて行く。
指先が柔軟性に富んだ果肉へと沈み込む。刹那、ツンッとした刺激が女芯を這い上がった。表情には出さずも、彼女は確かに感じていた。
自分は一糸まとわぬ姿で、眼前の出会ったばかりの男に、性的な仕草を見せ付けている。
異常な状況下でクレマンティーヌの情欲の篝火は再び勢い良く燃え盛ろうとしていた。
「どう? 私のおっぱい」
「うっ……」
「ほら、正直に答えないと判断できないでしょ。これはお兄さんが厭らしい事を考えているかどうか測るためなのよ?」
持ち上げた乳房を見せ付ける様にして揉みしだく。
指と指の狭間より、果肉が溢れ出し彼女の細指を飲み込んで隠していった。指が沈み込む度に、切ない感覚が脳天から急直下し、雌芯を刺激する。
んっ、と漏れ出る女戦士の喘ぎに、彼の喉元が小さく動いた。
僅か一瞬の出来事、しかし彼女は見逃さない。自分の身体を見ての反応、それも明らかに性的な興奮を匂わせる所作だ。
嬉しい。
クレマンティーヌは喜びの感情を爆発させる。そして青年の視線をもっと釘付けにするべく、更に複雑に手元を動かし始めた。片側だけではなく両方で。それも乳搾りをするかの如く、根本から先端へとゆっくり指を走らせていく。
「んんッ……ど、どうかしら?」
「うっ、そ、その……」
「その? ほら、早く言わないとこんな事もしちゃうわよぉ」
するすると双丘の頂きへと登り詰めて行く指先。白い乳肌は紅潮し、汗が玉のような滴となって浮かんでいた。
その先では、大輪の花が開いたような乳輪が小高く盛り上がっている。刺激を待ち侘びていた為なのか、明らかに性的な興奮の証を示していた。
乳輪の外縁へと侵入を果たす爪先。
刹那、鋭い快楽信号が電流となってクレマンティーヌに襲い掛かる。興奮しているとは言えども、異常なまでの感度に彼女は思わず、おとがいを反らして声を上げた。
甲高い嬌声にビクッと反応する青年。
その気配を間近で捉えながらも、高まる官能に後戻りは出来ない。桜色な花弁の中央にて起立する肉突起。充血して固く尖り切ったソレを、彼女は指先で摘んだ。
「あんんぅぅッ!!」
迸る黄色い悲鳴と共に、彼女の身体が跳ね上がる。
全身へ電撃が走ったかのようにビクンッビクンッと繰り返される痙攣。女の視界に閃光が瞬き、意識が一瞬だけ遠退いた。
次いで、鮮やかなクレパスからは淫蜜が大量に噴き出す。
溢れ返った液体は内腿はおろか直接、床にまで滴り落ち、小さな水溜まりを形成していく。淫らかな水音が辺りへと響き渡る中、彼女は崩れ落ちるようにして膝をついた。
灯りの下、朱色に染まる肌が艶めかしく照らされる。
胸を揉みしだき、硬く勃起した乳首を摘んだだけで、彼女は達してしまったのだ。存外にも深いアクメにより、自ら形成した水溜まりに座り込んでしまう。
荒々しい吐息には湿り気を帯び、女体からは雌の発情臭が立ち昇っていく。
そんな艶姿にあてられたのか、青年の様子にも新たな変化が表れていた。未だ明暗を繰り返す女戦士の視界に、彼の下半身が映し出されている。
漆黒の生地によって形成されたズボン。
その一部がこんもりと盛り上がっていたのだ。そう、そこは雄の象徴が鎮座する位置。クレマンティーヌの眼はソコから外す事が出来なくなっていた。
逞しい隆起は、その下で雄槍が窮屈な思いをしている証左と言えよう。
膝立ちの状態で彼女はソコへと手を伸ばす。青年は何も言わず、何もせず、ただただ視線だけ注がれている事を、クレマンティーヌは感じ取っていた。
「ふふっ……これは、なぁにかなぁー?」
「あ、そ、ソコはっ」
「こんなに硬くしちゃって。やっぱりお兄さんは変態だったのねぇー」
青年の声は怯える幼子のように愛らしく震えていた。
女の本能が疼きを上げて、雄を求め暴れ出す。彼女も雌としての欲望に一切逆らわず、彼の逸物をズボンの生地越しに触った。
大きく硬い、そして熱い。
触れた瞬間、感じ取る男の逞しさ。熱のこもったソコは彼女の指先によってビクッビクッ、と跳ねている。はぁ、と悩ましい溜め息が思わず零れてしまった。
指先で触れるだけであった動きは次第に熱が入り始めていく。
爪先で先端をくすぐり、手のひらで撫で擦って慈しみ、両手で包み込んで愛す。夢中になってその形を、大きさを、雄々しさを己への脳内に刻み込んで行った。
もう我慢出来ない。
クレマンティーヌは声に出さず呟いた。アクメの切っ掛けとなったニップルがジンジンと疼き、ひんやりとした室内の空気にさえ反応してしまうほどだ。
真っ白な肌は紅潮し、珠の汗を張り付かせ、濃厚な雌臭を放つ。
雄の存在を前に、肉厚な花弁は鮮やかな花を咲かせ、雌しべの奥底より粘度の高い甘蜜を垂れ流している。トロトロと滴る甘露は、張り詰めた内腿を汚し、照明によって厭らしい痕跡をきらめかせていく。
切なげに左右へ揺れる腰によって、豊満な桃の果実が波打ち、卑猥な踊りを雄に見せ付けていた。
早く、早くと言わんばかりに送られる性のアピール。下腹部の奥の存在はキュンキュンといじらしい鳴き声を上げて、その時を待つ。
丹念に行われる手淫はとうとう次の段階へ移ろうとしていた。
ベルトの留め具を素早く外し、雄を解放せんと動き出す雌の手先。何を企図したモノなのか、青年が察した時には最早手遅れであった。
衣擦れの音を派手に立てながら、厚い生地が彼の下半身を解放する。
素っ裸の女性が、男の前で跪き、ズボンを降ろす様はまさしく卑猥の一言に尽きた。痴女としか言いようの無いクレマンティーヌの所業であるが、普段から大胆な露出を経験している彼女にとっては些細な事である。
「すっごい匂い……物凄く興奮してるわねぇー」
「うっ、そ、それは……」
「うんうん、それはー、なにかなぁ?」
本来の調子を取り戻しつつあるクレマンティーヌは、ニマニマと厭らしい笑みを浮かべながら青年の回答を待つ。そう、いつも通り相手を小馬鹿にするような挑発めいた口調で。無用心にも聞いてしまったのだ。
「君が、とても魅力的だったから……」
真摯にも彼は女戦士に向き合う。
その真心のこもった言葉に、クレマンティーヌは言葉を返せなかった。今まで僅かな時間を共に過ごした彼女は、容易に想像できた筈なのに。
この青年がどれだけ清やかであるかを。
この青年がどれだけ真摯であるかを。
この青年がどれだけ何者でもない単なる『クレマンティーヌ』という人間をしっかり見ていてくれるかを。
「だから、その、申し訳ないけど止めてくれると――――」
クレマンティーヌは彼の言葉を最後まで聞かなかった。
心が逸る、歓喜・充足・そして自尊心が満たされる。もう待てなかった。その可憐な口を大きく開き、張り詰めた男の下着にしゃぶり付く。
布生地の向こう側に存在する熱源へ、彼女は夢中になって舌を送り込んだ。
鼻腔を犯す雄の臭気。決して不快ではない、むしろ香しい匂いだった。硬い幹を唇で挟み込み、裏筋を舌でなぞり上げて行く。
頭上から驚愕に満ちた声が投げ掛けられるものの、クレマンティーヌが止まる理由にはならない。
何かに急かされるようにして彼女は熱烈な愛撫を施し続けた。淫らな吸引音がこだまし、口の端から唾液が溢れて、その形の良い顎から滴り落ちる事も構わない。
立派な砲身を思う存分舐めしゃぶった後は、そのまま降って陰嚢に舌先を伸ばす。
柔らかな袋は縮こまり、精の奔流を溜めている事が分かった。ゾクッと妖しい電流が彼女の雌芯を走り抜けて行く。
先程よりも濃厚な男の匂いで肺を満たし、内に外に彼と言う存在を堪能する。
そして彼の喘ぎ声を耳にする度に、クレマンティーヌの愛撫は激しさを増して行った。そんな最中、ふと彼女は気が付く。
下着と素肌の境目で、真っ赤な穂先が頭を出しているではないか。
熱のこもった手淫と舌技に、下着がずり落ちたのだろう。充血し腫れ上がった亀頭は、赤子の握り拳はあろうかというくらいに大きく、そして立派であった。
あぁ、今すぐ口の中に咥え込んで愛したい。
うっとりと酩酊したかのような眼差しを、雄の証に向けるクレマンティーヌ。
次いで、彼女は鈴口から先走り汁が湧き上がっているのを視認する。粘着質な薄く濁る液体。精臭がツンッと嗅覚を刺激した。
刹那、体内で激情が迸る。
舐めたい、あの体液を自分の一部としたい。まるで魅了されたかの如き欲望の発露だった。彼女は抗わず、すぐさま舌先を伸ばして鈴口を舐め上げる。
粘膜同士の接触は予想外の心地良さを舌先に響かせ、クレマンティーヌの軽いオーガズムへと追い込んだ。
うっ、と息を詰まらせ、その肢体を震わせるも彼女は留まる事を知らない。器用に舌先で掬い上げた濁液を口内に取り込んで嚥下する。
彼のモノが自分の腹に収まる。
その事実だけで彼女は更なる官能を覚え、打ち震えた。次には恐ろしい程の多幸感が襲い掛かり、雌しべから間欠泉のように愛液を噴き出してしまう。
ぷしゃッぷしゃッと身体の震えに合わせて迸る絶頂の証。
激しい潮吹きは、地面の愛液溜まりを更に拡大させていた。あぁ、と喘ぎを抑え切れずに零すクレマンティーヌ。
熱い、熱いのだ。
腹の中で、熱が濁流となって暴れている。思わず腹を抑えて無様な呻き声を上げてしまう程の灼熱だ。腹に溜まった熱は一気に勢力を広げて胸を、手足を、そして大事な女の奥底を犯していく。
「あぉッ、おあぁぁぁっ!!」
獣の如き方向が喉奥より放たれた。
嫌々と首を振るも、その熱量は加減知らずに高まって行く。穴と言う穴から体液を垂れ流し、激しい絶頂に晒される女体。しかし、何故かそこには恐ろしい程の空虚感が生まれていた。
切ない、寂しい、嫌だ。
まともな思考が働かない異常な状況下で、彼女は眼前の雄しべに縋り付いた。
下着を引き裂かんばかりに降ろし、完全に露出した肉棒を咥え込む。強大な亀頭は艶やかな唇を巻き込みつつ、口内に飲み込まれていった。
じゅるッじゅるッと淫らな音色を奏でて巻き付く舌。
張り出た傘を縦横無尽に走り回る。鋭い刺激と相成ったのか、頭上から降り注ぐ呻き声は一段と高まりを見せ、口内の肉棒は脈動に合わせて跳ね上がった。
鈴口から漏れる雄汁を欲して、浅ましい吸引音が鳴り響く。
自身の頬をへこませる程の激しい吸引。しかし、漏れ出る淫水は少量に留まっていた。なんで、どうして。そんな想いが脳内を幾度も交差する。
それならばと、クレマンティーヌは鋼の如く硬い幹に手を添え上下に扱き始めた。
うっ、と青年の声が上がると同時に、湧き出る雄汁の量が増える。それを必死になって啜るクレマンティーヌだが、なお体内を占める空虚感は収まらない。
そう、この僅かな雄汁では収まらないのだ。ならばもっと濃厚な精を求める他ない。
彼女は本能的にソレを察知し、すぐさま実行へと移る。口内を占拠する穂先を喉奥へと飲み込み、新たに咥え込んだ鋼の刀身を口腔で愛撫する。
そう時間を経たずとして、その行為は激しいストロークへと昇華されていった。
じゅぽッじゅぽッと淫靡な演奏を奏でる尺八。長大な肉棒を口内に収め、引き抜く。唇で上下から強く圧迫し刺激する事も忘れない。そして空いた手で彼の玉袋を優しく愛でるのだ。
次第に喉奥を突く穂先の苦しさも、口内粘膜を犯す幹の逞しい感触も、手の内に収まる陰嚢の柔らかさも、彼女に明確な快楽を与え始めていた。
突き込まれる亀頭と同じタイミングでクレマンティーヌは達し、激しい潮を吹く。凄まじい硬度の刀身の感触は得も言われぬ悦びを生み出し、ひんやりとした陰嚢の触り心地は優しい電流を体内に流し込んで来る。
異常なまでに垂れ流される彼女の体液で、辺りは一面水溜まり状態だった。
厭らしい蜜の湖上で行われる雌の口淫。それにも終わりが近付こうとしていた。
ううッと一際高い呻き声を上げる青年。
次いで今まで動きを見せなかった彼が、腰を突き出し始めたのだ。欲望に突き動かされる女戦士も、男の限界を察する。彼女の愛撫も終着地点を目指して駆け出す。
首を大きく振るストロークに、紅潮した豊満な果実がゆさゆさと揺れ動く。
勢い余って青年の太腿に、先端の尖りを擦ってしまうほどの激しさだ。限界まで勃起した乳首が、彼の表皮を擦る度に彼女は新たな絶頂を迎えていった。
最早、クレマンティーヌにまともな思考が出来る程の余力は無い。
常人ならば心臓麻痺を起こしてしまう事が確実な悦楽の嵐。しかし、彼女はアクメを迎えれば迎えるほど虚無感を抱くのだ。
半狂乱の中で女戦士は、はらはらと涙を流す。
寂しいのだ、切ないのだ。彼女の蜜壺はナニカを求めて蠢動を繰り返し、卑猥な膣壁を外界へ曝け出す。だらだらと滴る愛液は白く濁り切り、女の劣情の深さを物語る。
「あっ、駄目だッ! 射精るッ!!」
「んぶぅッ、ぎでッッ!! おねがいッ!! いっばい出じでッ!!」
唐突に放たれた青年の言の葉。
終焉を告げる声に、彼女は愛撫を止めずに答える。可憐な女性の声とは思えない濁声だが、その切実さはしかと伝わったであろう。
青年は大きく腰を突き出して、女戦士の懇願に応じたのだから。
ドンッと喉奥を穿つ雄槍。息苦しさは最早無い。あるのは果てしない快感の奔流。脳天を突き破るかの如き電撃が雌芯を貫いた。
クレマンティーヌは空いた両手を彼の臀部へと回し、抱え込んだ。
強まる圧迫感に、彼女の身体が硬直する。絶頂前の強張りなのか、女戦士の桃尻には笑窪が生まれ、肉鞘を飛び出した陰核がぷるぷると震えていた。
「あぁッ!! くうぅッ!!」
「んぐッ!! んぐうぅぅッ!!」
青年の口から苦し気な呻き声が飛ぼ出す。
次いで、ほぼ同時にクレマンティーヌの喉奥から獣のような唸り声が放たれる。ドクンッドクンッと脈動する度に、雄の鈴口から白濁とした液体が放出されていく。
濃厚で煮え詰まった精の奔流は、彼女の喉奥を染め上げ、食道を犯して体内へと至る。多量の精液と濃い性臭を前にむせる暇も無く必死に嚥下を続けるクレマンティーヌ。
白弾が砲口から吐き出され、喉奥に着弾する度に、彼女は凄まじいアクメを味わっていた。
白目を向き、意識を飛ばしながらも本能が、青年の体液を飲み込み続ける。一〇秒、二〇秒と継続する射精。それはクレマンティーヌの絶頂の時間も表している。
長らく続いた快楽の饗宴も一分を越える頃にはようやく終焉が見えて来た。
口内はおろか体内すらも青年の色に染め上げられたクレマンティーヌはゆっくりと崩れ落ちる。ちゅぽんッと、どこか間の抜けた音色と共に長大な肉棒が、口内から抜け出し外界へと姿を現す。
どうにか意識を保っている女戦士は、地べたに座り込みながら逞しい逸物を見上げた。
己の唾液でテカテカと妖しくきらめく肉棒は、未だその硬度を保ち続けているではないか。絶頂の余韻のためか、時折ビクンッと震えて穂先より精の残滓を滴らせる雄々しさから、クレマンティーヌは目を離せずにいる。
あぁ、と劣情を帯びた溜め息が吐かれ、彼女は己が下腹部に両の手を添えた。
子宮を叩く切ない疼きが堪らない。口腔に残る精液の味と匂いに酩酊としつつ、彼女は先への期待から心身を打ち震わせるのであった。
『おっかしいなぁ、なんでメッセージが繋がらないんだろう? とんでもない事を起こす前に早く戻って来て欲しいんだけど……まぁ、流石に大丈夫か。幾らあの人でも、こんな非常事態で変な騒ぎは起こさないでしょ』
本番含めたら2万字越えそうだったので1万字ちょいにて分割。
焦らしてる訳じゃなく、1万字越えると管理が難しい(何を書いてるのか自分でも分からなくなる)のでユルシテクダサイ。