オーバーロード~至高のインキュバスが逝く、エロエロ珍道中~ 作:田 中太郎
熱い飛沫が奥底で弾けた。
深緑の狭間で、跳ね上がるは猫の如きしなやかな肢体。艶色に染まる嬌声と共に、女戦士の視界に火花が飛び散った。脳天まで穿つ果てしない悦びの嵐が、彼女の内側で吹き荒れる。
クレマンティーヌは思わず、覆い被さる青年の頭を、その豊満な乳房に掻き抱いた。
刹那、ツンッとした刺激が雌芯を苛む。愛すべき男の端正な素顔が、己の双山へと溺れていく感触。それは、恐ろしいほどの快感と興奮をクレマンティーヌへもたらすのだ。
あぁ、堪らない。
そう言わんばかりに桜色に上気する肢体が、陽光の下で艶めかしくうごめいた。珠のような汗を張り付かせ、濃厚な発情臭を撒き散らしていく女体。際限なく高まっていく甘美な陶酔のうねりに、女戦士はエクスタシーの予感を思い抱く。
ぐいッと胸元からせり上がる昂ぶりを、抑え込む事あたわず。
本能のまま、喉奥より獣が絶息するかのような唸り声を解き放つ。押し寄せる快美感の津波。森林へと響き渡る淫靡な悲鳴。余りにも大きな衝動に彼女は激しく首を振りたくって、その瞳から涙を流す。
同時に二つの頂より、純白の噴火が発生した。
絶頂に跳ね上がる身体に合わせて、勢い良く白色の液体が吹き出す。一方の蕾は青年の口腔で弄ばれ、もう一方は繊細な手つきで摘まれていた。
あぁ、飲んでる。私のおっぱい、飲まれちゃってる。
己が体液を嚥下する旋律にクレマンティーヌは悶絶した。
胸の奥底から湧き上がってくるのはただ単なる快楽ばかりでは無い。己が乳を吸う、まるで乳飲み子の如き仕草に、果てしない愛おしさを。胸内に抱き締める温かさに、頬を緩ませてしまう程の充足感を。
そして————
「あッ、んんッ……ね、ねぇ」
零れてしまう喘ぎ声をどうにか抑え込んで、彼女は青年へ声を掛ける。
その声色は自身でも驚いてしまう程、穏やかであった。彼の瞳がこちらを向く。真っ赤な双眸と視線が交わり————クレマンティーヌは息を詰まらせた。
上目遣い、それは精悍な容貌を一気に幼くしてしまう魔性の美。
目尻が穏やかな曲線を描く事によって生まれる新しい一面。光の加減がそう見せているのだろうか。潤みを見せる瞳とそこへ移る無垢な色彩に、彼女は心を奪われてしまった。
鼓動は激しく律動を奏でる。
熱い、苦しい、胸が締め付けられる。声にならぬ声を上げ、ぱくぱくと口を開け閉めする事、数度。内から湧き上がる衝動に抗え切れず、夜の帳が如き黒髪へ鼻先を埋めた。
鼻腔に広がる彼の香り。
汗の匂いが入り混じったソレを嗅いだ瞬間、女体には快楽電流が駆け巡る。気管を通り、胸を抜け、下腹部へ直撃する甘い痺れ。肺はおろか内側全を彼で満たしたクレマンティーヌはゆっくりと、情感に満ちた吐息を零す。
あぁ、もう堪らない。
情欲の熱で思考が定まらない中、彼女は多幸感によって染め上げられていく。
青年の髪に顔を埋めながら自然と蕩けた笑みが浮かぶ。肉体的にも精神的にも、充実しているとはこういう事を指すのだろうか。
広大な自然の中、生まれたままの姿で、愛おしき人を胸に掻き抱く。
甘く、背徳的でありながらも、心地良い。なんとも病みつきになってしまうような感覚に震えが止まらない。そんな一時を噛み締めながら、彼女は言の葉を紡いだ。
「わ、私の……私のおっぱい、おいしい?」
舌足らずな声。
まるで子猫が親猫に甘えるかの如き響きで彼へと問う言葉。答えは単純明快な反応だった。水気たっぷりな吸引音と共に、柔丘の隆起が痺れを伝える。大輪の花が開いたかのように面積を広げ、小高く膨らむ乳輪。そこへと遣わされた舌が、桜色の円輪を突く。
度重なる刺激を受け成長した突起、その先端から迸る疼きにも似た悦楽。
尖り切って彼の口内で存在感を増す蕾には、甘く歯先を押し当てられているようだ。ツンッと固い切っ先が当たる度、快感が全身を隈なく駆け巡る。
あッ、と声が上がった。
それは湿り気を帯びた厭らしい声色。母なる源水が断続的に湧き出す度に、歓喜の声を上げてしまうのだ。妖しい痺れを伴う放出感は、明確な性的快感を彼女にもたらしている。それも油断すれば気をやってしまう程、深く鋭い代物。
一つ間違えれば廃人となってもおかしくない快楽の渦。
だが、そんな狂瀾の中でもクレマンティーヌは彼の頭に鼻先を擦り付け、だらしなく笑う。慣れてしまったのか、はたまた彼との性行為に適応したのか。兎にも角にも、青年との逢瀬を十二分に満喫している事は確かであった。
「ふふっ、可愛い甘えん坊さんねぇ……そんなに私のおっぱい美味しいんだぁ」
少し余裕が出て来たのであろう。
クレマンティーヌはどこか挑発じみた普段の口調で言葉を投げ掛ける。しかし、その声色は愛情という名の熱を帯び、外界へと刻み込んでいた。
リップノイズ。
次いで、先端を撫でる冷ややかな風。温かな口腔に含まれていた蕾が、解き放たれたのだ。瑞々しい唇には甘ったるい香りの残滓が色濃く残っている。姿を露わにした隆起は、先っぽから白色の液体を滴らせていた。桜色の大輪、そして紅潮した柔肌を真っ白な源泉が彩っていく。
ゾクッとした感覚が背中に這い寄る。
悪寒にも似たソレと共に雌芯から滲み出る昂ぶり。喉が鳴った。彼の音色では無い、彼女自身が無意識の内に奏でた旋律。興奮しているのだ。青年の唇を喰い入るように見詰めて、口の端から滴る母乳を視界に収めて興奮している。
艶やかな唇の端が、彼の口角が吊り上がる。
どこか悪戯っ子のような笑みを浮かべ、まるで見せ付けるかのようにして口が開き始めた。僅かに生み出された狭間より、濃厚な甘露が姿を現す。真っ赤な舌が白濁の水溜まりを泳ぎ、母乳を撹拌していく。
それはまるでワインの嗜む紳士が如く。
空気を取り入れ、より味わい、旨みを楽しむ。頬が熱い————いや、頬どころか顔全体が熱かった。歓喜と羞恥、二つの感情が胸中で入り混じり、彼女を苛む。火を噴かんばかりにクレマンティーヌは悶えていた。
十分堪能したのか、青年は口を閉じ、次いで喉を鳴らす。
全て飲み干した彼は、眩しいばかりの笑顔を見せ付け言葉を放つ。
「ごちそうさま」
「ッッ……ばか……」
どうにか出た言葉は罵倒。
面と向かい、堪能したと改めて告げられれば、流石に羞恥が勝るというものだ。屈託なき笑顔を見せる青年を正視出来ず、彼女の線が宙をさ迷う。数舜の沈黙、次いでお返しと言わんばかりに彼の額へ唇を近付る事にした。
チュッと親愛の音が響き渡る。
くすぐったそうに笑う青年は、上体を起こす。胸の上から消える温もりに、クレマンティーヌは一抹の寂しさを覚えた。今すぐ去ろうとする温もりを、再び抱き締めたい衝動に駆られる。己が願望に突き動かされるまま、腕を伸ばした。
「服、脱ぐね」
告げられた一言に彼女の手が止まる。
青年の言葉に従い、その黒衣を見やれば、悲惨な光景が広がっているではないか。まるで通り雨にでも打たれたかのような惨状。水気たっぷりの衣服からは甘ったるい香りが発せられている。どことなく白みを帯びているのは、決して気のせいでは無い。
「……ご、ごめ————」
咄嗟に出た謝罪の言葉は最後まで続かなかった。
彼の人差し指が、クレマンティーヌの口前に立てられたのだ。皆まで言わなくても良い、そんな声が聞こえてくるような気がした。そして笑みを絶やさない青年が改めて言葉を投げ掛けてくる。
「謝ること無いって、全然気にしてないからさ。むしろ……」
「む、むしろ?」
「むしろ、嬉しいというか何と言うか……可愛いなぁって」
そんな言葉と共に、彼は自身の鼻頭を掻く。
どこか照れ臭そうな、その仕草と表情。木々の狭間から降り注ぐ陽光を背景に、光り輝いているように見えた。何が嬉しいのか、どこが可愛いのか、些細な疑問は消し飛んだ。
彼の全てに胸が熱くなる。
敏感となった素肌の上に雌臭を伴う汗が浮かぶ。艶やかな乳輪がぷっくら膨らみ、二つの頂点が痛々しい程までに勃起していた。ジンジンと痛痒い疼きを生み出し、未だ乳白色の源水を染み出していく。
数舜の間に荒々しくなる呼気。
次いで早鐘を打つ心臓に応して、切なく泣き腫らす女の花園。金色の茂みの下からは淫芽がそそり立つ。肉鞘から飛び出た官能の小豆が何かを待ち侘びるかのように震えている。最早、我慢出来きる筈も無い。彼女の眼前で膝立ちのまま黒衣を解いていく青年。
クレマンティーヌは彼目掛けて飛び付いた。
半脱ぎの状態、衣服に隠された肌色を暴き出し、そのままむしゃぶりつく。わっ、と驚きの声が女戦士の頭上より響き渡った。だが、それに気を割く余裕は既に存在しない。
雄々しい硬さの胸筋。むわっと広がる男の臭気。
女体の芯が震えた。駄目だ、これは駄目だと脳内で警鐘が掻き鳴らされる。雌の本能とも言えるであろう衝動が彼女を突き動かす。細くも逞しい彼の上体へ頬を擦り寄せ、舌を這わせた。
真っ赤な軟体が肌に浮かぶ汗を掬い取り、その味を脳裏に刻み込んだ。
刹那、脳内を衝撃が襲う。ガツンッと殴られたような衝撃だ。内股が痙攣し、姿勢を保っていられない。反射的に、青年の背中へ腕を回して固定する。ギュッと近付く二人の距離。男らしい腹筋が、豊満な乳房とぶつかった。
「あッ、いやッ……あぁッ」
官能に満ちた喘ぎが飛び出した。
ゾクゾクと背筋に這い寄る妖しい痺れに雌しべが、しとどに濡れそぼる。胸に生じる快美感を求めて、彼女は上半身を揺らし、青年の肉体へとグリグリ押し付けていく。同時に一際大きな電流が背中を穿った。
思わず仰け反るクレマンティーヌ。
押し出された乳房がより一層圧迫され、彼女を淫靡な海へと導く。黄色い悲鳴が迸った。いやいやと駄々をこねるように首を振りたくり、押し寄せるエクスタシーの波に心を震わせた。
そんな女戦士の視界にこじんまりとしたニップルが映し出された。
彼女は迷わず、口内へと吸い込んだ。チュッと鳴り響くリップノイズ、今度は自分の番と言わんばかりに音を立ててしゃぶり続ける。
「ちょっ、くすぐったいって!」
そう告げる青年の声はどこか楽し気であった。
喜んでくれている、その事実がクレマンティーヌの気分を高揚させる。断続的に押し寄せる快楽電流に身を焦がしながらも、愛撫に熱を入れていった。だが、熱心な彼女の愛撫とは裏腹に、雌芯の奥底が寂しさの余りに咽び泣く。
身体中余す事無く、彼を堪能しているというのに。
いつの間にか、その猫の如き愛らしい瞳から、はらはらと涙を流していた。
寂しさと切なさが、そして解消し切れない肉欲の奔流が、彼女の最奥から溢れ出す。とうとう、クレマンティーヌは懇願の言葉を彼へと告げざるを得なかった。
彼が愛おしくて愛おしくて、最奥まで愛して欲しくて仕方が無いのだ。
「んぁッ、あッ、ね、ねぇッ、お願いッ!」
そう言うや否や、青年の手を取り己が秘処へと導いた。
粘り気を帯びた水音が控えめに奏でられた。その途端、触れた個所からジワリと広がる悦楽。砂漠に水を零したかの如く、彼女の獣欲は官能の波紋を貪っていく。
だが、僅かばかりの快感で満ち足り事は無い。
むしろ、より一層の飢餓感を抱いてしまう。美しい曲線を描く腰が勝手に動き出す。卑猥な音色が、鳴り始めた。手のひらへ艶色のラビアを擦り付けるようにして、グラインドが開始される。
「あッ、あッ、あぅッ、あぁッ」
恥肉が奏でる狂騒曲。
入り混じる甲高い声が、涼やかな風に乗ってこだまする。火照った肌は玉のような汗で飾られ、快楽中枢を直撃する刺激に、彼女の熱量は増すばかり。
花開く陰唇はめくり上がり、露わとなる肉壺が熱いベーゼを施す。
真っ赤に腫れ上がる陰核を手の皮が圧し潰す度に、目も眩む恍惚の火花が散る。時折聞こえる流水のせせらぎは恥美の潮吹きだ。
時が経つにつれ、青年の手を使った自慰はそのボルテージを上げていく。
しかし、心地良い熱波は寂寥感を癒してくれない、表層だけでは足りないのだ。気持ちいのに苦しい、せめぎ合う二つの濁流に歯が噛み合わず、ガチガチと音を鳴らす。
そんな彼女に文字通り救いの手が差し向けられた。
ツプッと陰口へと沈み込む感触、彼の指先だ。刹那、腰奥から湧き立つ快感の渦。待ち侘びた侵入者に淫肉は反射的に窄まり、歓喜の露を吹き出す。
「ひぃッ、んッ、はぁッ、あぁッ!!」
「一人だけ盛り上がっちゃうのは、少し悲しいかなぁ」
「あぁんッ、ご、ごめんなッ、ひぃあぁぁッ!!」
窮屈な膣壁を掘削していく指先に大きく叫んだ。
蜜壺にびっしり張り巡らされた肉ヒダの一枚一枚が、細長い異物に歓喜の涙を迸らせた。グリグリと押し進んで行く感覚に、彼女の性感は恍惚とする火花を散らす。
ゾクゾクと、鳥肌を立てて背筋を這い上がる悦楽。
得も言われぬ情感から無意識の内に背を反らし、まるで逃げるかのようにして、胸を突き出してしまう。
しかし、その行いは新たな法悦が生じる結果となった。
たわわに実る果実の先っぽ、ツンッと尖った硬いシコリが逞しき雄の肉体で強くこねられたのだ。くびれた腰は痙攣し、肉付きの良い腿は内股気味となる。言葉にならぬ悲鳴が、クレマンティーヌの可憐な口から轟いた。
そんな彼女の痴態をよそに、青年は更なる責め手を繰り出す。
クイッと指先が曲がり、淫道の天井————腹部側の壁を弄り始めたのだ。先日、開発されたソコは熟れた肉を思いっ切り収縮させ、果てしない喜びを露わにする。
即座に脳髄へと到達する鋭い官能の息吹。
針で胎内を貫かれたような快感信号にクレマンティーヌはたまらず吠えてしまった。殷々と響き渡る雌獣の遠吠えは、淫靡な色を多分に含んでいる。
「あッ、ぐうぅぅッ! そ、そこッ、だめぇッ!!」
「ここ、気持ちいい?」
「お、お願いッ、ま、待ってッ! 強いの、強すぎるのぉッ!」
「あ、ごめん……ちょっと逸ったね……それじゃ、これくらいならどう?」
「はぅッ……あッ、あぁッ! いやぁッ、ソコもだめぇッ」
爪先で肉壁をこそぐ愛撫から、指の腹で押し撫でる按摩の如き責めへ。
先程までの鋭い刺激は、ゆったりとそれでいて途方も無い大きさの波となって静かに押し寄せた。彼女の珠肌からは汗が浮かび出し、日の光に反射しキラキラと舞い散る。
周囲に振り撒かれるその匂いは熟成した雌臭。
それはまさに、ここでこの雄と性行為に及んでいる、その事実を喧伝しているかのようだった。
「あッ、あぁッ、とぶッ……飛んじゃうッ!」
最奥から這い上がってくる甘い痺れ。
ゾクゾクと肌が粟立つ感覚は紛れもないオルガスムスの前兆。断続的に到達している官能の頂よりも、更に一段と大きな前触れだ。
こんな大きい絶頂、頭がおかしくなっちゃう。
待ち受ける極楽の快感を想像し、彼女は震えた。
果たしてそれは恐怖によるものか、はたまた期待からなのか。激しくなる疼きにも似た快美感を耐えようとして、クレマンティーヌは金色の髪を振り乱す。
背中を何かが押す。いつの間にか、青年の空いた方の腕が回されていたようだ。
キュッと優しい圧力で抱きすくめられた。素肌同士の密着具合が深まる。汗に濡れ、滑り易い肌の上を桃色の乳頭が行く。
あッ、と声を上げる。
雌の内なる堤防を乗り越える艶波。次いで、厭らしい花園の中で、力強い指圧を感じた。狂おしい浮遊感が彼女を押し上げていく。そして最後のトドメと言わんばかりに、固い掌底部が芽吹いた淫核を圧し解す。
目の前が真っ白になった。
クレマンティーヌの中で熱波の飛沫は弾ける。ふわっと身体が宙を舞うような錯覚に襲われ、次いで激しいアクメの衝撃に飲み込まれた。
「い、いく……いッ、あッ、イくッ……イクうぅぅッ!!」
脳裏に閃光が瞬いた。
目が眩むような果てしないオルガスムス。彼の胸の中で己が肢体を跳ね上げさせ、強烈な快感に酔いしれる。ガクンッガクンッと痙攣する度に、くびれた腰が前後に揺れ動いだ。本能が未だ満たされる虚しさを埋めようと、自ら快楽を追い求めているのだ。
空腰を振るわれ、真っ白な桃尻が卑猥なリズムを刻み込む。
多量の淫水が叩き付けるように噴き出し、男の手へと執拗なマーキングを施される。燦々と降り注ぐ陽光の下で、浅ましい雌の本能が露呈され続けるのであった。
肉欲の極みは長らく続いた。
中々、浮遊感が晴れず、ようやく訪れた余韻の最中であっても彼女は小さなアクメに襲われていた。継続する悦楽は女戦士の思考を完全に蕩かせていく。そして、ぼんやりと靄が掛かった意識を、最後の欲望が支配する。
「……おねがい」
「ん?」
「……いれて、おねがい」
熱に浮かされたように、クレマンティーヌは懇願する。
キュンキュンと切ない鳴き声を発する女芯が、雄の猛々しさを欲しているのだ。気が狂う程の欲求に彼女の手は、青年の股座へと伸びていく。
そそり立つ男の象徴。
大きな傘を張った怒涛の矛先、鋼鉄の如き硬度を保つ長大な砲身、男の性をこれでもかと詰め込む立派な弾倉。煮え立つ女の情欲を虜にして止まない代物だ。
大きく反り返って、露わとなった裏筋に彼女は己が五指を絡ませる。
熱く、固く、雄々しい。ただただ触れているだけで達してしまいそうになる。あぁ、と艶やかな吐息を一つ零す女戦士。
さっきまでの余韻で敏感なのに……まぐわったら、私はどうなっちゃうんだろ。
胸中に飛来する展望図に、彼女は異様な昂りを感じた。
ヒクッヒクッと期待に涎を垂らす淫肉を宥めつつ、クレマンティーヌは愛おしき彼へと言の葉を紡いだ。
「もう、我慢できないの……あなたと繋がりたい……」
彼の胸に抱かれながら、上目遣いでの誘い文句。
二つの真っ赤な宝玉がこちらを覗き込んでいる。優しい、温かな感情の色合い。この瞬間、男の穏やかな微笑みは自分だけに向けられた大切なモノ。
彼は何も言わず、その端正な顔を近付けて来た。
艶やかな唇の行き先に、視線を奪われてしまう。ごく自然に彼女は眼を閉じ、自身の唇を差し出した。すぐ間近に感じられる青年の呼気。柔らかな感触が女戦士の唇を塞いだ。
啄むようなバードキス。
僅かな接吻の後、彼の温もりが離れて行く。ほぅ、と息を吐くクレマンティーヌ。不思議な事にどうしようもない飢餓感が薄れている、そんな気がした。
「このまま抱き締め合ったまま、しよっか」
「うん、しよ」
胸に灯る温かさがひたすら心地良い。
穏やかに交わされる言葉にすら、精神的快感を覚える。彼が地べたへと腰を降ろす。二人の情交で出来上がった広大な水溜まり、その真ん中へと座り込んだ。
「おいで」
クレマンティーヌは胡坐を組む彼へと誘われた。
形成された胡座を跨ぎ、その上へと豊満な尻を着かせる。反り返る雄槍を挟んで相対する二人。濃厚な性臭を彼女の鼻腔が捉えた。彼女は意識しないまま生唾を飲み込む。とうとう、待ち望んだ結合が果たされた。興奮の余り身体が小刻みに震え、産毛が逆立ってさえいる。
青年の肩に手を置き、位置を調整していく女戦士。
水気で肌へと撫で付けられた陰毛の先、そこに男根が存在感を示す。発せられる熱気が、秘処を燻る。真っ赤に腫れ上がる穂先が、蜜沼の入り口を捉えた。
「あぁ……いっちゃいそう……」
「実は……俺も」
「……ふふっ、だーめ。我慢しなさいよ、男でしょ」
「えぇー……男女差別はんたーい」
「もう仕方ないわねぇ……それじゃ、こうしましょ」
「なになに?」
軽快な会話。
思わず笑いが生まれる程の小気味の良さを堪能しつつ、クレマンティーヌは彼の耳元で小さく告げた。
「私の胎内で、一番奥でいっぱい出して。それなら許してあげる」
そう告げた瞬間、彼女は腰を降ろした。
大きな亀頭が、淫口に飲み込まれていく。己が内側へ入り込む逸物の存在に、意識が酩酊する。絡む肉ヒダをゆっくり穿っていく感触が堪らなかった。
自重に従い降下を続ける女体。
進めば進む程、湧き上がる鮮烈な快感。ようやく先端が挿入出来た段階で、相当な圧迫感を覚えていた。だがしかし、その圧迫感が途轍もなく気持ち良いのだ。
あぁ、先っぽだけでこんなに気持ちいいなんて————
少しでも気を抜けば、早々にエクスタシーの渦に飲み込まれてしまう。そんな予感を抱かざるを得なかった。
「うぐッ、うッ、あぅッ……やだ、本当にいっちゃいそうッ」
「少し休憩する?」
「だめッ、ああぅッ……ぜ、全部繋がってイきたい……」
「それじゃ、ゆっくり頑張ろうか」
「うッ、んんッ、がんばるッ」
束の間の静止を経て、挿入を再開するクレマンティーヌ。
奥深く雄肉を迎えていくにつれ彼女の呼吸は浅く、そして早くなっていった。唇を噛み締め、喰い入るように視線を落とす。その先にあるのは二人の結合部。恥丘の向こう側で、強直が徐々に消えていく様は酷く卑猥だった。
否応にも無く自身の五感全てが、性感を高めるスパイスと成り果てている。
極太のカリが膣壁を巻き込んで、どんどん最奥を目指し迫り来る感触。
灼熱の幹が押し寄せる雌肉を掻き乱すのと相まって、今にも女を官能の海へ送り出そうとしていた。深まる繋がりに、か細い悲鳴が湧き起こる。
彼の下腹部へ噴き出し叩き付けられる潮の音と共に、クレマンティーヌは腰を降ろし切った。
花園の奥底、ひっそりと佇む雌の証が鈴口との口交を経る。内臓を押し上げる程の存在感に、じわじわと悦びが広がっていった。
堪らない。最早、耐え切れる筈が無い。
前に突き出たお椀型の果肉が、しなやかな肉体と重なり合う。ビュッビュッと間欠泉の如く噴出する母乳が、両者の身体を白く染め上げていった。
対面座位での交合。
抱き着き、密着し、彼の体温を感じ取ったクレマンティーヌは悟る。逃れられぬ絶頂の高波。青年の肩に顔を埋め、その時に備える他なかった。
「あッ、あッ、いくッ、おっきいの……くるッ」
背筋を駆け上がる法悦の飛沫。
両腕・両足で男の身体に縋り付き、襲い来る快感の衝撃に目を剥いた。浅ましく収縮運動を繰り返す淫肉。その動きは雄の性を求む欲望の証左。そんな彼女の熱に応じたのか、胎内に収めた逸物が大きく跳ねた。
声にならない絶叫。
男の口からも、息苦しそうな呻き声が上がっているではないか。その瞬間、ビクンッビクンッと脈打つ怒張から、何かが噴き出す感覚を捉える。
熱気を帯びた性の砲弾が、彼女の根底に直撃した。
何度も何度も、噴出する白濁汁にクレマンティーヌの意識は真っ白に染め上げられていく。呼吸すらままならない、最果てのオーガズム。穴という穴から己が体液を溢れ出させ、愛する男の肉体へと塗り込んでいった。
身体が、心が、器一杯に満たす。
充足感、多幸感、そして安堵感とも言うべき感覚で彼女の内面は彩られていく。
あぁ、なんて自分は幸福なのだろうか。
クレマンティーヌはだらしなく破顔する。彼との出会いは正しく天の導き。今まで信じもしなかった神へと、感謝の念を送ってしまう程だ。いや、むしろ彼こそが自分にとっての神なのかも知れない。
官能でぼんやりとする意識の中、そのような考えが思い浮かぶ。
すんッと鼻を鳴らす。鼻腔一杯に流れ込む彼の香り。ギュッと手足に力を込めてみる。彼の体温と自身の体温が入り混じり、境界線をあやふやにしてしまう心地良さが生まれた。
堪らない、もう本当に堪らない。
肩口に埋めていた顔を持ち上げ、圧倒的な美貌へと視線を向けた。彼もまた、こちらを見下ろしている。交わる瞳と瞳。そこにきらめくは彼女を夢中にさせる優しい感情の光。
互いに何を求めているかを理解するアイコンタクト。
二人の距離が縮まり、唇同士が深く交わっていく。クレマンティーヌは迷わず舌を突き出した。同時に、青年の方からも舌が突き出され口腔内で絡み合う。
くちゅくちゅっと口の端より漏れ出る口付けの音。
彼女は己が舌を情熱的に振るい、男の唾液を啜っていく。対する彼も嬉しそうに目を細め、女戦士の愛撫を微笑まし気に受け入れていた。
全てで、彼を感じている。クレマンティーヌは、幸せが胸から溢れ出してしまいそうだった。
身体の内外全てで、愛する者を感じているのだから仕方ないだろう。しかしその一方で、まだ足りないと囁く声が聞こえていた。
そう、まだ足りないのだ。
もっと、もっと青年の色で染め上げられたい自分がいるのだ。その欲求は時を経るごとに大きく、強く、無視出来ない力となって彼女の身体を突き動かす。
柔腰が動く。己が金色の痴毛を彼の黒毛と配合させるかの如く。
突き出した恥丘が擦れ、得も言われぬ快楽が湧き上がる。勃起したクリトリスが青年の素肌でしごかれた。背骨が解け落ちてしまうような快美感が絶え間なく襲い掛かってきた。
「んんッ、んぁッ、んぐぅッ」
喉奥からくぐもった喘ぎが奏でられた。
グリグリと擦り付けるような動きで女の身体が暴走を始める。二人の結合部を泡立つ愛液で染め上げ、垂れ流しの母乳が新たな配色として加わっていく。
剛直の先端がゴリゴリと音を立てんばかりに雌芯を掘削した。
粘り気を帯びた性交の曲が、静かに響き渡る。無心に、ひたすら腰を揺り動かすクレマンティーヌ。そんな彼女へ新たな快楽が襲来する事となった。
ズンッと奥底が突かれたのだ。
青年が見せた責めの一手。つんざくような刺激に、女戦士の身体は浮き上がってしまう。鮮烈な快感信号に息が詰まる。身体が跳ね上がった為か深く繋がった唇が離れ、次いで甘やかな官能の鳴き声が刻まれた。
「ふあぁッ!! あんッ! あぁぅッ! き、きもちッ……きもちいいのッ!!」
「お、俺もッ、うくぅッ、気持ちいいよッ!」
「あぁんッ! うれしい……ひぁッ! いやッ……奥とんとんしちゃだめぇッ!」
「だめ? 痛かった?」
「ち、違うのッ、そこはぁ……そこは大切な所だかッ、ひぃッ!」
最奥の入り口へ幾度と無く繰り返される刺突。
腹の中を穿たれてしまう錯覚に陥る彼女だが、それ以上の悦楽を確かに感じていた。丸みを帯びた穂先が、入り口の上を圧し解す感覚。気が狂いそうになる程の極上な衝撃を発生させていく。
矮小な身など飲み込んでしまいそうな圧倒的性感。
翻弄される女戦士は自らの動きを変化させ、尻を叩き付けるかのような上下運動を開始した。乾いた破裂音が轟く。それはまさしく獣のような交尾と言えよう。
ただひたすら快楽を追い求める様は卑しく、艶めかしい。
熱烈なピストン運動、蜜壺を穿たれ、張り出た傘に淫肉をこそぎ取られる。クレマンティーヌはおとがいを反らし快感によがり声を上げた。
腰を叩き付ける度に、大きく張り出た臀部が淫靡な形に歪む。
淫らかな破裂音と厭らしい喘ぎが掻き鳴らす協奏曲。甘美な電流をもたらす穂先が更に大きく膨れ上がった。吐精の予兆だ。それに伴い彼の腰遣いも荒々しく、最果てを目指すかのような突き上げと相成った。
「あぁッ、あふぅッ、ひぃッ! やだッ……も、もうッ、もうだめぇッ!!」
射精前の脈動に焼け爛れるような快楽を感じ取り、女戦士は限界の意を告げた。
心地良い熱波が妖艶な疼きと共にとぐろを巻きながら、じわじわと這い寄って来る。谷間にひそむ菊の花が弛緩と収縮を繰り返し、淫汁を滴らせる程の膨張感だ。
「いぐぅッ! もうッ、いぐうぅぅッ!!」
「お、俺もッ……一緒にッ」
「あうぅぅッ、きてぇッ! 一緒にきてぇッ!!」
「あぁッ、クレマンティーヌ!」
「あぐぅッ! おぉぅッ、あぅぅッ!!」
ごつごつとえぐられる子宮口に亀頭がべっとり密着した。
刹那、甘く切ない光が瞬いた。胎内から膨れ、脊椎に迸り、上昇し脳天にまで直撃するエクスタシー。流れ込む快楽に全てが弛緩し、身体がバラバラになってしまうような衝撃すら起こっていた。
一つ、二つと脈打ちながら放たれる灼熱の雄汁。
最奥を叩くその感覚に、恍惚なるアクメを幾度と無く味わう。果てしない絶頂の波に身体は凝り固まり、渦巻く悦びに身を任す他なかった。
どれほど時間が経ったのだろうか。
身体を重ね合わせ、一つに繋がった男女の間に悩まし気な吐息が零れた。快感を噛み締めるかのような響きは、幸せに満ち溢れた女戦士のモノだ。
ほぅ、と熱い息継ぎの後に彼女は青年の首筋に頬を擦り付ける。
それはまるで子猫が甘える時のような仕草。クレマンティーヌの頭上からはクスッという笑いが生まれていた。仕方が無いなぁと苦笑を浮かべる容貌が容易に想像出来る。
次いで頭に置かれる愛しき手。
ゆっくりと髪を梳かれる感触に、女戦士の顔に恍惚の笑みが浮かぶ。ならばこちらも、と言わんばかりに一層頬を擦り付けて甘えるクレマンティーヌ。
そんな時であった。
彼女の視界の端で、何か動くモノを捉える。ガサリと茂みを掻き鳴らして遠ざかる気配。意外にも近場から鳴り響いた音源に困惑の色を隠せない。本来であれば察せる気配である、しかし彼との行為に夢中で気付けなかったのだ。
どうしたものか。
未だぼんやりとする思考で対処法を探るものの、僅か数舜で諦めた。
何故なら気配の主は明らかに格下、恐らく近所の村人か何かであろう。実害は無きに等しい、それよりもこの温もりが愛おしくて仕方ない。
下腹部の奥底に溜まる温かな感触に相好を崩すクレマンティーヌ。
色香に染まる脳裏は、既に不審な気配の事を忘れていた。そう、視界の端に捉えた栗毛色の事なんぞ、どうでも良かったのである。
「ねぇ……」
「うん?」
「ふふっ、呼んでみただけー」
「ふぅん、そっかぁ」
「うん……大好き」
「奇遇だね、俺も大好きだよ」
クスクスと二人分の笑い声が反響する。
森林地帯の奥深く、たった二人きりの世界で、交わし合う言の葉。晒した素肌を、穏やかな木漏れ日が照らし出す。
やはり、全てが光り輝いていた。
クレマンティーヌは心の底から笑い声を上げるのであった。
彼女がソレに遭遇したのは偶然であった。
妹と同行者、そして自分を含めた3人で出向い野草採取。その折に不思議な音色が聞こえたのだ。甲高い、澄んだ音色。誰か、こんな辺鄙な森の中で演奏に興じているのだろうか。
不規則に奏でられる旋律に興味が湧いてしまった。
切っ掛けはただそれだけ。妹を同行者に任せ、彼女は一人でこの音色の正体を突き止めるべく動き出す。まだ幼い妹を置いていくのは気が引けたが、同行者へ非常に懐いている事が幸いした。
それに、出会って間もないとは言え彼はとても律義者。
高位と思わしき魔法詠唱者がこんな野草採取にも同行してくれる程なのだ。ただ行って確認してくるだけ、そんな思いと共に彼女は音の正体を探し求めた。
ちょっとした冒険。
奏でられる音源の正体にワクワクしつつ歩を進める。徐々に大きくなる音色が、人の喘ぎ声と分かったのはどの辺りだっただろうか。それも異様に湿り気を帯びた艶声だった。
顔が熱い、頬が紅潮しているのが分かる。
しかし彼女の足は止まらない、止まってくれない。もし自分の想像とは違い、本当に誰か苦しんでいる声ならば退く訳にはいかない。そんな免罪符と共に、彼女はついに正体を明らかにする。
木漏れ日の下で、交わり合う男と女。
妖艶な雌と、魂から見惚れてしまう程の雄。上気した肌をきらめかせ、艶めかしく互いを愛しあう姿に惹かれてしまった。響き渡る喘ぎが、生々しい淫臭が、そして雄の存在が彼女をその場に縛り付ける。
熱気立ち込める睦事にあてられてしまったのだろう。
彼女の胸は僅かな衣擦れにも反応してしまい、股座はじんわりと湿り気すら帯びてしまった。ボルテージの上がる交尾を、ついつい喰い入るように見詰めてしまう。
そして一際大きな嬌声が湧き起こった時、彼女もまた酷く心地の良い痺れに襲われていた。
意識が真っ白になり、次いでその場に倒れこんでしまった。同時に大きな物音も立ててしまっている。しまった、そう思うや否や彼女は全力で踵を返す。
最後に見た光景は金色の美女がこちらに焦点を合わす姿。
もしかしたら気付かれてしまったかも知れない。得体の知れない不安に襲われながら彼女は走りに走った。
「あれ、お姉ちゃんだ。どうしたの、そんなに焦って」
「どうかしたのですか? えらく急いでいるようでしたが……」
「ううん、何でも無いの! ちょっとヘビに驚いちゃって慌てて走ってきちゃった!」
黒衣を身にまとう長身と幼き妹が揃って首を傾げる。
その様は少し滑稽であったのだが彼女は、そこに気付く余裕すら無い。咄嗟に嘘を吐いて誤魔化す。同行者はともかく、妹には事の本質————見付かったかも知れないという意識から生じた焦り、その焦りを見抜かれてしまった事も彼女の余裕を奪っていた。
流石は血を分けた家族と言うべきか。
しかしながら、荒々しい息を吐く理由までは悟られなかったようである。内に秘めた熱は未だ火照っているのだ。彼女が空元気を見せ、意気揚々と歩を進めていく。
ぐちゅりッ、と誰にも聞こえない彼女だけにしか分からない水音が響き渡った————
明けてました、おめでとうございました(過去形)
相変わらずの遅筆ですが2020年度も宜しくお願い致します。