──1995年3月。僕は彼女に出会った。
それはうちの高校の後期入試のときだった。
生徒会の仕事の関係で土曜日に登校していた僕は、休憩がてらに窓から外の景色を楽しんでいた。窓の外には試験を受けにきた中学生たちが列を成しているのが見える。それを何の気なしに眺めているとあまりに目立つ一人の女生徒に目が釘付けになった。
その子は皆が自分の学校の制服を着てくる中、なんと着物を着ていたのだ。周りの生徒たちもチラチラと彼女を見ているが、その視線にまったく意を介していないようで、表情を変えずに列を進んでいる。よく見ると、彼女自身の顔立ちもこれまた注目を浴びるであろうものだった。
この距離でも分かる整った顔立ち。やや中性的で格好によっては性別が判別できなかったかもしれない。
そんな彼女を見た瞬間、心の奥から今までに抱いたことのない感情が湧いて出たのを感じた。
彼女を自分のモノにしたい。
それは平凡な人間が持ちうる情念では決してない。しかし現実として僕はこの数秒でそんな醜い支配欲に心を埋め尽くされていた。
「つまり……僕は普通じゃなかったってことか」
その一言。たったそれだけを口にしただけで迷いが消えた。その効果はまさに言霊だった。
新しい自分、いや本来の自分を受け入れる。女を自分の所有物とする卑劣漢としての自分を。
それからの行動は早かった。試験を終えた名も知らぬ彼女の後をつける。怪しまれぬよう距離を保ちつつほかの受験者たちに混ざりながら尾行する。しかし移動距離が増えるにつれてカモフラージュに使っていた中学生たちの数も減り、彼女が竹林へ続く石造りの道へ入っていったときにはもう周りには誰もいなくなっていた。
「こんなところに住んでいるのか」
人通りのないこの一本道で後をつけたら流石に気付かれるだろう。そう判断し、その日は撤退することにした。彼女の大まかな住所を特定できたのだからまずは十分と言える。
次に僕は幸運にも生徒会に属していたことを利用し、試験担当の先生からそれとなく彼女の情報を聞き出そうとした。
あの目立つ格好もあり、話題に挙げることは簡単だった。先生の記憶にも強く残っていたらしく雑談は大いに盛り上がり、ついに一番重要な情報を聞き出すことに成功した。
「両儀、式」
それが僕を変えた、彼女の名前だった。
◆
彼女、両儀式について調べ始めてから2週間が経過した3月中旬。闇に潜みながらその時を待っていた。
調べて分かったこととして、両儀式は所謂お嬢様と呼ばれる人種であった。竹林の中にそびえる大きな武家屋敷で暮らしており、お付きの者までいるくらいだ。そんないいところのお嬢様にしては珍しく夜中に散歩する趣味を持っていた。
時間はすでに午前1時を回っている。そして今日も彼女が屋敷を出たことは確認済みだ。今までの傾向から両儀さんが出歩く経路を予想し待機すること20分。ついに着物姿の少女が下駄を鳴らしながら歩いて来るのを目に捉えた。
途端、心臓が異常に鼓動し始め、冬の夜だというのに額に汗が噴き出てきた。やはり覚悟を決めたと思ってもいざ実行に移すとなると緊張するものらしい。ただ迷いはない。それだけは自信を持って言える。
「あの、すみません」
なるべく平静を装って彼女に近づく。両儀さんは一瞬こちらに視線を向けたが、足を止めることなく無視して歩き続ける。
──まだ引き返せる。
声が聞こえる。まるでかつての平凡で善良な自分が語り掛けてくるかのように。──迷いなどあるはずもない。今更後に引けない。今の声は何かの間違いだと自分に言い聞かせて再度両儀さんに話しかける。
「すみません、道を聞きたいんですけどいいですか?」
進路を塞ぐように彼女の前に回って適当な地図が描かれた紙を差し出す。両儀さんはいかにもこちらを訝しんでいたがしぶしぶ僕の手にある紙を手に取った。その際、着物の袖が捲れ、彼女の腕が露出した瞬間を見逃さなかった。
腰に隠していた注射器を取り出して素早く彼女の腕に突き刺し中身を一気に押し込む。案の定両儀さんは腕を振り払って距離を取った。
「あなた、いきなり何を……!」
そう言う両儀さんの足元は投与したものの影響からか次第におぼつかなくなってきていた。
「安心していいよ。今打ったのはただの筋弛緩剤だから」
あくまでも彼女の動きを封じるためだけの薬でそれ以上の効果はない。そのことを告げて彼女を見守る。
1分ほど経過したころには薬の影響で立つことも困難になったようで手と膝を付いてなんとか上体を起こしている状態だった。しかしそれもついには叶わなくなり完全に道路に倒れ込んだ。そのことを確認して動けない彼女をお姫様抱っこで抱き上げ移動を開始する。
道中弱々しい力で肩を掴まれたりしたが、握力など無いに等しく、計画の妨げを生むことはなかった。
目的地は近くの廃小屋。鉄製の扉を開けて中に入ると予め点けておいた電灯の光が僕らを照らした。両儀さんの身体を下ろし扉の鍵を閉める。
「あなた、誰……。何が目的なの……!」
今まで口を閉ざしていた両儀さんが至極全うな質問をする。彼女の鋭い視線を見るに、恐怖よりも怒りの方が強いみたいだ。
「名前はまだ名乗らずにおくよ。目的だけど、この状況で分からない? それとも……分かりたくないのかな」
嗤いながら彼女との会話を楽しむ。その一方で予定していた作業も並行して進めていた。両儀さんをうつ伏せにして両手を後ろで組ませ、用意していた縄で固く結ぶ。筋弛緩剤だけでも十分身動きは封じられるが念には念を入れるべきだろう。両腕を縛り終えて仰向けに戻すと彼女の怖いくらいの眼光が突き刺さる。
けれどそんな顔もすぐにできなくなるだろう。
あまりの興奮で息が苦しい。何度も想像したこのときがついに訪れたのだ。
「それじゃあ教えてあげるよ。これから君がどうなるのかを」
そう宣言し、両儀さんの胸元を左右に大きく開く。すると予想に反して下着ではなく晒で押しつぶされた胸が現れた。
「っ、いや、やめて!」
ここにきてようやく自分に訪れる未来を察したのか。声を荒げて抵抗する。しかし今の彼女に出来るのは精々身じろぎする程度である。僕は縄と一緒に用意していたナイフで晒に切れ込みを入れる。後は力尽くでその布を引き千切り、ついに彼女の双丘がぷるんと眼前に晒された。
「綺麗だよ、両儀さん」
「いや、やめ、んっ、い、や」
衝撃で揺れる彼女の胸を掌で包み込む。若干小ぶりながらも、生まれて初めて触る女の子の胸の感触は言葉では言い表せないものだった。
強いて言うならただただ柔らかい。指の動きに合わせて形を変えるそれはあまりに魅惑的だった。
左胸を手で揉みながら右胸の乳首を舌で転がす。綺麗なピンク色の乳首を舌でなぞると両儀さんは露骨に身体を捩った。
「だ、め、ぁん、やめ、ん!」
喘ぎの混じった可愛らしい声を漏らす両儀さん。双丘を丹念に愛撫してお互いの体温が上がってきたところで次の段階へと進んだ。
標的を胸からその下へと移動する。もはや着物の帯を解くのも面倒で我慢できずに乱暴に裾を捲る。そして白のショーツを無理やり脱がせた。薬の効果で抵抗もできずに下着を脱がされ、彼女にとっては屈辱以外何ものでもないだろう。
両足を大きく開かせ、毛の生えていない秘所を舐め上げる。
「いやぁ、お願い、あっ、だ、めぇ……」
涙声で懇願する彼女の秘所を一心不乱に舐め回す。形をなぞったり、陰核を舌でつついたり。彼女を飽きさせないよう変化を持たせながら愛撫する。最初は唾液で濡らしてできるだけ痛がらないようにしていたのだが、時間が経つにつれて彼女の奥から愛液が零れるようになり、その配慮も必要なくなってきた。
「両儀さん、厭らしい汁が出てるよ。感じてるのかな?」
「あっ! は、きもち、わるい、やぁ……」
「気持ち悪い、かぁ……。それじゃあもっと良くしてあげないといけないな」
いよいよ最終段階だ。
一度立ち上がってズボンを脱ぎ捨てる。勿論下着も。彼女の乱れる姿を見てとっくに元気になっているペニスを見せつける。それを視界に捉えた両儀さんはその先に待ち受ける未来から逃れようと必死に身体を動かしていた。
「逃げちゃだめだよ両儀さん。君はこれから僕のモノになるんだから」
「いやっ、やめて! お願い、おねが、いっ、ぁぁぁ、あああああっ!!」
嫌がる彼女の腰を掴み、秘所にペニスを挿入する。しかし途中で壁に阻まれ前進が止まる。
その彼女の最後の防壁──処女膜を一気に破り最奥までペニスを捻じ込んだ。
「いた、いぃ、もう、やだ……」
目から涙を、秘所からは血を流しながら情けない声を出す両儀さん。そんな彼女を蹂躙するように腰をゆったりと前後させる。愛液がそれなりに出ていたとはいえ、やはり処女の膣はかなりきつい。それを広げるように最初は力を入れながら挿入を繰り返す。
「これが、君のなかか……最高だよ!」
「あん! や、はぁっ、やめっ、は、あ、あ、んん!」
何度もイメージした瞬間だ。彼女と繋がり、蹂躙する。興奮は最高潮に達し、腰の動きも自然と激しくなっていく。
小さな廃屋内を厭らしい水音と肉がぶつかる音が響き渡る。そしてそれは徐々に別の音に塗り替えられていった。
「あっ、あん、はぁん! あっ、あっ、んん、あん!」
最初こそ苦悶の声を漏らしていた両儀さんだったが、今となっては快楽に呑まれ嬌声を上げるまでになっている。そんな声を聞いて冷静でいられるはずもなく、最高速で腰を打ち付ける。
「あっ、あっ、だめ、私、いや、こんな、あん!」
「っ両儀さん、出すよ……!」
「あん、はぁん! だめ、だめ、私、あっ、あっ、あん、いっ、ぁぁぁぁあああああっ!!」
彼女の子宮口に先端を押し付けた瞬間、僕はすべてを吐き出した。それに呼応するかのように両儀さんは甘い声を響かせながら全身を痙攣させた。
どうやら同時に達したようだった。
子宮内に精液を放出され放心状態の両儀さん。しかし膣は彼女の意思とは無関係に僕のペニスから搾り取ろうと蠢き続けている。そのままその感触を楽しんでいたかったが、一度落ち着くために仕方なく秘所から引き抜く。
「どうだい両儀さん。初めて男と交わった気分は」
両儀さんの頬を優しく撫でながら質問をする。彼女は蕩けた表情を作りながらも目の奥に僅かばかりの反抗心を燃やしており、はっきりと自分の意思を示した。
「最、低……」
そうこちらを拒絶した。
「……そうか。なら、これで終わるわけにはいかないな」
ここから先は計画にはなかったことだが、彼女のあの表情で強気なことを言われたら感情が昂って自分でも抑えられたかった。
両儀さんの身体を反転させて再びうつ伏せの体勢を取らせる。そしてお尻だけを高く上げさせ、精液を零すさっきのところとは別の穴にペニスをあてがう。
「なに、いや、そん、な」
「処女だったんだ。当然”こっち”も初めてだよね」
あまりの展開に戸惑いの声を漏らす両儀さん。そう。今度はさっきとは別の穴──アナルにペニスを挿入し始める。
「いや、そんなところ、だめっ……!」
今更そんなことを言われても止まれるわけもなく。前の穴以上にきついそこを無理やり押し広げていく。挿れるものが愛液でたっぷりと濡れているおかげか、少しずつ前に進んでいく。
「やめ、抜い、てぇ……お願い、します……」
丁寧な口調で必死に抜くよう懇願されるが、それを無視し、押し進んでいく。そして時間を掛けながらもついにすべてが彼女のお尻に入り切った。
「それじゃあ動くよ」
「だめ、やめて、んん!」
苦労して挿れたものを引いてまた素早く再挿入する。きついことには変わりないが、やはり一度入ってしまえばかなり楽になり、腰を前後させるのもそんなに力は必要としなかった。前の穴とは違いつるつるしている壁の感触もまた楽しい。
「どうだい、お尻を犯されるのは?」
「こんな、の、う、んん、だめぇ、はん!」
ペニスの先端から汁が溢れ、アナルを犯しているのにも関わらず水音が聞こえてくる。滑りもだいぶ良くなり、スピードもどんどん速くなっていく。
「お尻でして感じるなんて、君も結構な淫乱だったんだね」
「ちがっ、ん、やん、あん、はぁん! そんなん、じゃ、ぁあん、ひゃぁ!」
言葉責めを楽しみながらアナルを突き続ける。言葉で否定はしても彼女の声を聞く限り、感じているのは間違いない。ついさっきまで処女だったとは思えないほどだ。そんな声をもっと聞きたくて、膣側の壁を抉るように擦りつける。
「だめ、はぁん、私、もう、無理……!」
「ほらイキなよ!」
「あっ、あっ、やぁ、やあん、はあん! あん、やぁぁああああっ!!」
そうして彼女は二度目の絶頂を迎えた。それに合わせて自分も再び精を爆発させる。びゅるびゅるとお尻の中で粘液を吐き出して引き抜くと、お尻の皺がひくひくと可愛らしく動いていた。
「お尻でイったね。ふふ、やっぱり君は淫乱だよ」
蕩けた女の顔をしながら果てている両儀さんに言ってやる。そして感じる充実感。
両儀さんの全てを奪ってやったのだ。
彼女を見た時から始まった妄執がついに叶ったのだ。そしてこれは始まりに過ぎない。これから彼女には時間を掛けて調教を重ねていく。それが楽しみで仕方がない。
笑みをこぼしつつ身だしなみを整えて彼女の腕を縛っていた縄をナイフで切ってやる。
「それじゃあ両儀さん。”またね”」
それだけ告げて、下半身を淫液で濡らし倒れている両儀さんを残し、僕は廃屋を出て行った。
ハーメルンでは初投稿になります。感想など送っていただけると嬉しいです。