僕が両儀式と対面し、彼女から全てを奪った夜から2週間ほど経過した今日。現在体育館で新入生たちの入学式が行われている。
生徒会に所属している関係で壇上の裏方に待機している僕は目立たない箇所から、並べられた椅子に座り校長先生の話に耳を傾けている新入生たちを覗き見る。
──見つけた。
皆が黒のスーツ姿の中、一人だけ桃色の着物を着ている少女。あまりに目立つ彼女こそ、僕を魅了し、暴走させた張本人。
今日、改めて彼女と接触する。そして刻み込むのだ。僕という存在を。──決して逃げられないという現実を。
◆
教員たちの長々とした話が終わり、ようやく窮屈な空間から解放された私は人混みを避けるように歩き続ける。
ここ数日、いつも以上の虚無感に苛まれていた私は、教員たちの話などまるで聞いていなかった。
全ての原因はあの夜の出来事。名前の分からない、会ったこともない男に……乱暴されたこと。忘れたくても忘れさせてくれない忌まわしい時間。
あれ以来、唯一の趣味であった深夜の散歩も控えるようになってしまった。他人に初めて恐怖を覚え、その感覚を心に刷り込まれてしまったからだ。その私の心に棲みついた呪縛をどうすれば取り除けるか、連日一人で悩み続けていた。
そういった意味では、今日の入学式には少しだけ期待していた。新しい環境に身を置くことで心を切り替えることができるのではないかと。
しかしそんな兆しは現れず。いつもと変わらない人への無関心と繋がりの煩わしさだけが心を支配している。周りの人たちが笑顔で話している中、その空間から逃げるように人気のないところまで退避する。
このまま時間ギリギリまで一人で過ごそう。そう心に決めた矢先。
「やあ。2週間ぶりだね、両儀さん」
──考えたくもなかった、最も恐れていた事態に直面した。
◆
一人になったタイミングで彼女に話しかける。
僕の姿を見た両儀さんは驚愕からか、目を大きく見開いた。
「僕のこと、覚えているかい?」
変に飾らず、フレンドリーに話しながら近寄るが、警戒心をむき出しにして睨みつけてくる両儀さんは逆に一歩後ずさった。
「貴方、何で……!」
「うん? 確か言ったと思うんだけど。“またね”って」
何でここにいるのか、という彼女の疑問を解消させるべく、話を続ける。
「自己紹介がまだだったね。僕は白純里緒。この学校の三年生だ。これからよろしくね、両儀さん」
強姦された相手にこれからよろしく、などと挨拶されて良い気はしないのだろう。彼女の目つきはさらに鋭くなり、その視線が僕を射抜く。
その視線だけで人を殺せてしまいそうな雰囲気に一瞬飲まれかけるが、自分が圧倒的に優位な立場にあることを思い出し、すぐに持ち直す。──そう。“これ”がある限り、彼女は僕に逆らえない。
「そんな怖い眼をしないでくれよ。ほら、これがどうなってもいいのかい?」
そう言って手に持っていた切り札──ビデオカメラを彼女に向ける。それは今の彼女を撮るためではない。レンズはこちらを向き、過去に録画された映像を彼女に見せるため。
「な、それ……」
彼女の口から掠れた声が漏れる。
表情に絶望の影が射し、その視線はビデオの映像に固定される。
今見せているのはあの夜の出来事。廃小屋で僕が両儀さんを犯しているときの映像を鮮明に映していた。
「よく撮れているだろう? もう十回以上は見たんだけど全然飽きないよ」
まさかあの夜に起きたことを録画されているとは思ってもいなかったのだろう。僕の言葉に反応せず、ただ茫然と、そして怯えを含んだ目で映像を見ていた。
「さて、ここから先は万が一にも人に聞かれるわけにはいかないからね。場所を移そうか。──勿論、来てくれるよね?」
そう彼女に告げて目的の場所に向かう。後ろを振り向くと距離を保ちながらも後をついてきてくれる。
向かったのは校庭の片隅にある、体育で使う機材などを保管する小さな小屋。予め鍵を開けておいたため、苦も無く中に入れた。両儀さんも警戒しながらも足を踏み入れる。
「この映像だけど。今はまだ僕しか見てないけど、入学祝に男の新入生たちに見せてもいいかなって考えてる」
「っ、やめて!」
入り口の扉を閉めながら、心にもないハッタリをかます。それに対し面白いぐらいに反応してくれる両儀さん。あまりに想像通りの反応で顔がにやけてしまう。
「そのお願いを聞くには条件がある。──君が僕のモノになるんだ。そうすればこれは僕たちだけの秘密にしておいてあげる」
ストレートにこちらの要望を伝える。もはやただの脅迫だが、そんなことはどうでもいい。なんとしても両儀さんを手に入れる。手段など選ばない。
「……そんなことをしたら、貴方だってただじゃ済まない」
「そうだね。いくら未成年とはいえ、強姦したとなれば数年は少年院暮らしだろう。だけど言ってしまえばたったの数年だ。けれど君は違う。一度出回ればこれから先ずっと君は好奇の目に晒される。それこそ一生ね。君にそれが耐えられるのかい?」
僕の自滅も厭わない覚悟の発言に両儀さんは悔しそうに唇を噛んだ。その反応に内心勝利を確信した。あと一押しで彼女の心は崩れ去る。
「あまり時間もないからね。あと一分で結論を出しなよ。もし決められなかったときには、君の痴態の上映会を始めなくちゃいけない」
「っ!」
傍から見ても彼女が如何に苦悩しているかがわかる。両儀さんにとってどちらを選んでも明るい未来は待っていない。どちらがより”マシ”か。それが彼女にとって唯一の秤だ。
そして待つこと数秒。
「……わかり、ました」
ついに望んだ応えが返ってきた。
「それは僕のモノになってくれるということかな?」
「……はい」
彼女の返事を聞いて胸の動悸が激しくなっていく。
あの両儀さんをついに手に入れたのだ。
すべてを失う覚悟で臨んだ甲斐があったというもの。手にした極上の戦利品を味わうべく、ビデオカメラを床に置き彼女の前に立つ。
「物分かりが良くて嬉しいよ。両儀さん」
そう言って彼女の肩に手を添える。ただそれだけで身体を震えさせる彼女は小動物を連想させる。
顔を近づけるとこれからの行為を察したのか、身体を強張らせ硬直する。そこまで身長差があるわけでもなく、彼女の唇を塞ぐのに膝を曲げる必要もなかった。
「ん、ちゅっ」
初めは啄むようなキス。彼女のぷるぷるとした唇の感触をじっくりと味わう。両儀さんはされるがまま。決して自分から求めてはこない。
「んっ、ほら、口を開けて舌を出して」
一旦唇を離しお願いをする。再びキスをするとおそるおそる彼女の口から舌が伸びてきた。それを自分の舌と絡ませ、一気に深いキスへと遷移する。
「くちゅ、んっ、じゅる」
両儀さんは涙を浮かべながら僕の愛撫に耐えている。そんな顔に嗜虐心をそそられ、彼女の身体に這わせていた右手を胸元に移動させる。
両儀さんの胸は大きい方ではないうえ、着物だとさらに膨らみが小さくなるが、それでも確かに感じられる柔らかな感触を楽しむ。その間もキスは絶え間なく続け、何度も息継ぎを繰り返す。唇がお互いの唾液で濡れて、キスだけでも想像以上に気持ちがいい。
そして手は次第に下へと向かい、着物を捲る。そして手探りで彼女の股を愛撫する。
まずは下着越しに割れ目をなぞるように指を動かす。人差し指の腹で何度も擦り、濡れるまで繰り返す。
上と下の両方を愛撫されて両儀さんの方もだいぶ気が緩んできたのか、再会直後の恐ろしい目つきは鳴りを潜め、確実に感じているようだった。その証拠に下着に次第に湿り気が帯びるようになり、時間が経つにつれてその染みも大きくなっていく。
「んっ、指、挿れるよ」
「あっ、だめ、まっ……んんっ!」
下着をずらし、一言だけ告げて両儀さんのナカに指を挿れる。何か喋ろうとしていたがキスをして問答無用で黙らせる。
まずはほぐすように優しく指を出し入れする。愛液で指がびっしょりと濡れてすべりは悪くない。
そして両儀さんも慣れてきたところで、多くの女性が感じる箇所、Gスポットを責めるようにする。
「あっ、そこ、あん、だめっ……!」
やはり両儀さんも例外ではなかったのか、露骨に感じるようになり、足も震えて今にも倒れてしまいそうなほどだ。
しばらくはそこを重点的に責めていたが、彼女がイキそうになるのを察知したところで指を抜き、愛撫を中断する。
「はぁ、はぁ、ぁ……」
「ほら、立って。あともう少しだけ頑張ってもらわないと」
座り込んでしまった両儀さんを立たせ、体操で使うマットが敷いてあるところまで移動する。そこに彼女を仰向けに横たわらせ、愛液に塗れた下着を脱がせる。
「あぅ、待って……それだけは」
「君は僕のモノだろう? だから逆らっちゃだめだよ。それともあの映像がどうなってもいいのかな」
こちらもズボンを脱いで膨れ上がった性器を見せつけると、両儀さんが抵抗の声を上げる。やはり本番行為となるとすんなり受け入れられはしないのだろう。
しかしもう遅い。
ここまで来たらもう僕には逆らえない。
「そ、れは」
「やっぱりはっきりと自分で言わないと決心できないんじゃないかな。ほら、言って見せてよ。僕の女になるって。じゃないと本当にばら撒いちゃうよ?」
「ぁ……、私を、貴方の、お、女に、して、ください……」
彼女のそんな発言を聞いて理性を保っていられるはずもなく、股を開かせて一気に性器を膣に挿入した。愛液零れる秘所は容易に肉棒を咥え込み、絡みついてくる。
「両儀さんのナカ、最高だよ……!」
「あっ、あっ、はげ、しいっ! だめぇ……!」
彼女が着ている着物が乱れることになどお構いなしに、何度も激しく打ち付ける。彼女の股に身体を突っ込み、膣を蹂躙する。
そしてそれだけではない。
嬌声漏れる彼女の唇を再び奪い、ディープキスを強要する。舌を吸い、唾液を飲ませる。彼女の口内を余すことなく犯しつくす。
「んんっ、わ、わたし、無理、はんっ、んん!」
何度も突いていると次第に下りてきた子宮の入り口に先端が当たるようになる。壁を抉るように、そして最奥を思い切り突くように挿入を繰り返す。正直こちらの限界も近かった。
「どう、両儀さん、気持ちいいっ!?」
「はんっ! そんな、気持ちよく、あん! なんか、ないぃぃっ、んっ!」
もう完全に感じきっているのは明白だが、それでも頑なにそれを認めようとしない。そんな彼女の強情さが僕に火を点けた。
「そうか、それならこれならどうだい!」
目標を子宮口に絞り、徹底的に責め立てる。精子を欲しがっているであろうそこを苛めぬく。
「あぁっ、わたし、もう、だめ、あっ、あっ、いっ、ぁぁぁああああっ!!」
「ぐっ、出る……!」
怒涛の責めに耐えられなかったのか、両儀さんは僕の肩を掴みながら盛大にイった。そしてそれに引きずられる形で僕もついに射精した。
膣での射精はこれで二度目だが、やはりとてつもなく気持ちがいい。物理的な快感もそうだが、両儀さんへの問答無用の種付けという行為自体の快楽も凄まじい。
「はぁ、はぁ、ん、ぁ」
口をだらしなく開けたまま果てている両儀さん。本当ならこのままさらに行為に及びたいところだが、新入生は各々配属となるクラスの教室へ移動しなければならず、その時間も迫っていたため断念することにした。
そういえばもう一つ、先輩として言うべきことがあったなと偶然にも思い出した僕は、下が繋がったまま両儀さんに言った。
「入学おめでとう、両儀さん」
◆
さっき偶然にも見かけた着物の少女。
ちらっと見えた横顔が、あの雪の夜に出会った彼女と一致しており、どうにも気になって探していたのだが。
「どこに行ったんだろう。あの服装なら目立つと思うんだけどなぁ」
何故だか一向に見つからない。
もしかしてもう教室に移動してしまったのだろうか。そう考え始めたとき。
「……いた」
校庭の人気のないところを歩く着物の女の子。若干走るように近づき声をかける。
「あの」
ごく一般的な話の仕方をしたつもりだったのだが。少女はびくっと怯えたように反応し、こちらを一瞥すると何も言わずに足早に立ち去ってしまった。
「……僕、何かしたのかな」
彼女の普通じゃない反応に少し傷ついた僕は、気落ちしながら校舎へと向かった。
是非感想などを頂けると幸いです。