俺の彼女はロリ巨乳で動画配信者でクラスメイトで銀髪ツインテオッドアイで紐パンで中二病! 作:緋枝路 オシエ
そして11月。
そろそろ進路を考えておかないと行けない時期、俺は一応候補となる会社を下見して来たり、先生と面接の練習をしてはいる。
取り立てて問題は無さそう、自分でも多分就職採用して貰えそうな気がする。山も谷も無い人生だから、採用された会社で人生の転換期、巨乳な彼女と付き合ったりする事件は皆無であろう。
期待などしないでいい、今までと同じでいい、暇を潰してたって、何もやりたくなくたって、時間の流れは同じだ。
(おー、この店には中古で置いてあったや。一個しか置いてないしさっさと買おう)
休日、電車でやって来たのは、とある電気街。欲しい物が纏めて手に入るから、よく利用している場所だ。
オタクしてるつもりは無いけど、暇つぶし用のアイテムは棚や引き出しを、そろそろ埋め尽くし兼ねないから、一般人(俺よりずっと人生楽しそうな人全般)からすれば、登山家みたいなリュックサック背負って、ふーふー臭い息散らしながら冬なのに、汗水流してドシンドシン歩いてる、オタクと同種にされるんだろな。
周りは早くもクリスマスムードなので、オタクがいっぱいの電気街であっても、手を繋いでるカップルや、同じゲームをプレイしてると思われる、オタクっぽい容姿の彼氏・彼女もわりと見かける。
羨ましいとか、そうじゃなくって、『俺とは同じ世界に住んでるけど、別の世界へ自由に行き来してるんだなぁ』としか思えない。
別の世界、つまり恋人達しか入れない的なアレ。ん~~、熱願してた時期が無い訳では無いけど、やっぱり面倒だから諦めたって、今の俺に繋がるのよ。
恋人に夢中になれてるって、それだけで俺よりも誰かに必要とされているって事だから、俺が酸素吸い込んでるよりも遥かに有効活用してるでしょ。
(はーー、転生したら楽にモテて楽にヤれる世界でありますよーに)
手を伸ばし目的のゲームを取ろうとする。
このゲームは高1の冬、丁度今から一年前近くから視聴している『有名動画配信者』が、その内やりたいゲームとして掲げていた物だ。
ジャンルはフライトシム。プレイした事は無いけど、評判は良いし入門者にオススメってレビューされてたから、俺でも大丈夫でしょう。なるべく安いの見つけたから、仮にすぐ飽きてもダメージは少な――――
「ひゃッ!? す、すみませんッ~~~~~~!!」
「えっ......?」
冬なのにお熱いッスなぁ~~
ガキの癖に何千年も生きている仙人みたいな、すっかり冷め切ったセリフをゲームショップ内のカップルへと心の中で煽ってたから、斜め左から迫ってた 手 に全然意識が行ってなかった。
骨太さがない、ひたすらに柔らかい甲だった。
これは野郎じゃない、女の子...それも成人もしてない生娘っぽいこの反応、ピンチの時に発してしまいそうな高音域ボイス。
油断しまくっていた俺は反発する様に、反射的に日常で口にする事の無い低い声を出していた...かもしれない。それよりも、手を接触させてしまった女の子...身長170の俺が見下せるくらいに、随分とチマッとしてる子...へ謝ろうとしたけど――――
(――――な゙、ァァッ~~!!? 黒...ブラッ!? デジャヴだっ、どっかで見覚えのある再現映像...これって...)
ソフトフェルトハットと、マスクと、眼鏡。
芸能人か、もしくは『目から下を隠せばイケメンor美少女』な雛形から、一歩も踏み外してない分かりやすい変装(と思われる)
その眼鏡もブラジャーと同じく、どっかで見た覚えがあるフレームレス...
ベージュ色のオーバーコートに、白いパーカーと重ね着したインナーは、英語ロゴが描かれている黒いTシャツ。
ボトムスにはフロントにボタンが3つあるチェック柄ミニスカ、気持ち肌色の隙間があるオーバーニーソか。コーデを評価するには俺自身の、芸術点が不足してるから分からんが...可愛いけどシャツだけは、500円くらいで5枚セットで売ってそうな、チープさがあるな。
(ロゴがめっちゃ歪んで、飛び出て、さらに読み辛くなってるッ!!? もしかしてパーカーの前とか閉められないのかっ? 閉めても勝手に落ちていきそうな程...デッ! デッッカッ!! おっぱいデッッッカ!!)
なんたるボリュームッ! 面白みのない平均的な頭脳の総力を上げて、アナライズした結果『OPPAI DEKAINO SUKI?』と、描かれてるハズなのに、『OP I?』だけデッサンミスの如く立体感を与えすぎている!
顔とか脚とかよりも、ソッチにしか視線が行かない! 引き寄せられるぅぅぅーーー!
「……あっ! そっ、それいいんで俺は、買うの別にあるんで、それ、どうぞッ!」
ふぅ~~~……危ないっ、もう会う事はない他人だけども、おっぱい見続けてれば「視線で犯された」だの、痴漢扱いされかねない...
コミュ経験が足りてないので、突発的に人と関わる事態に弱い俺が、その場凌ぎの言い訳で買う予定のフライトシムを諦め、二歩くらい後退る。
「えっ......でっ、ではっ...ありっ、がとっ...ですッ...それではっ~~!」
ピューーーン て、オノマトペを黒いアンクルブーツから射出しながら、万引き犯な勢いでレジへ逃走。
……キモッ、とか思われたのかな? 別にもう顔を合わせる事は無いからいいけど。
(っにしても...あの背丈、胸だけに栄養を集中させた様な、あのフレームレス眼鏡も...黒レースのエッチブラ...もしっ、かして?)
――――あの子って、煉清凍依か、中二病系巨乳動画配信者の『氷獄メギド』本人? だったりすんのかな?
最近になって文字の点滅とか、拡大を憶えました