※この作品はR-18です。

DepraviA~とある提督の悪夢奔走記(トラウマウォーカー)~   作:八意 颯人

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第8話「勇人の正体、ラファエルの目的」

「フフフ……こんな簡単に息子が産まれるなんて……」

 

フリックは『勇人のクローン(以後 『闇勇人』)』を歓迎するかの様に北叟微笑みながら言うと闇勇人はフリックの言葉に首を傾げながら聞いた。

 

「息子?つまり貴女が俺の母親?」

 

フリックは闇勇人の質問に「ええ。そうよ」と微笑みながら答え、続けて言った。

 

「自己紹介が遅れたわね。私は貴女の母『フリック』よ。宜しくね」

 

「『フリック』って……もっとマシな名前が無かったのか?」

 

「そう言わないで。『サリエル様(あの御方)』が名付けてくれたんだから……」

 

フリックは闇勇人の言葉に苦笑しながら答えると闇勇人は呆れながらフリックに聞いた。

 

「まぁ母さんが良いのなら別に良いが……所で俺の名前は?記憶が無いんだ」

 

闇勇人はフリックに首を傾げながら聞くとフリックは微笑みながら名付けた。

 

「記憶が無いのは当然よ。産まれたばかりだからね……そうねぇ……名前は……『ハルバード』よ」

 

フリックは闇勇人に『ハルバード』と名付けると闇勇人は不満そうに答えた。

 

「……却下だ。それ以外の名前を頼む」

 

「……ワガママねぇ……なら『オリジナル』と同じ名前を付けてあげるわ」

 

「そうか……ん?オリジナル?俺は『そいつのクローン』なのか?」

 

闇勇人はフリックが呟いた言葉を予想し、自身が『勇人のクローン』だと結論付け、神妙な表情で聞き返すとフリックは闇勇人もとい『闇勇人のオリジナル』である『勇人』の『高い推理力』が闇勇人にまで備わっている事に感服し、微笑みながら答えた。

 

「あら?頭の回転の速さまで、オリジナルと同じとは……そうよ。貴方は大罪人『上城 勇人』またの名を『博霊 飛龍』の『クローン』よ」

 

「大罪人……上城……勇人……ソイツが俺の『オリジナル』か……なら俺は奴の『もう1つの名』を名乗ろう……『博霊 飛龍』とな」

 

闇勇人は勇人の『もう1つの本名』である『博霊 飛龍』を自身の名前として名乗る事にするとフリックは『闇勇人』こと『博霊』の発言に北叟微笑みながら言った。

 

「博霊飛龍……あの男の『裏の名前』をねぇ……良いわ。今日から貴方の名前は『飛龍』よ。覚えておきなさい。さて、そろそろ行きましょ……私の可愛い息子よ」

 

「ああ。宜しくな『母さん』……後、服が欲しいんだが……」

 

「後で『あの男』に言っておくわ」

 

フリックと博霊は互いを親子と認め、それを示すかの様に握手し、その場を後にした。

 

 

場所は変わり、デプラビアの世界のとある山中にて……

 

「……此処を拠点とするか……此処は川や森も汚染されて無ぇからな……ハァ……身体を洗いたいな……」

 

勇人は先程のガブリエル戦によってガブリエルの返り血が混ざった愛液塗れになった身体に強い不快感を顕にし、愚痴を零すとセレニアはラファエルと共に『ラファエル持参のテント』を建てながら勇人に一喝した。

 

「ハヤト!愚痴を零す暇があるのなら手伝え!男手がいるんだ!」

 

「そうだったな。分かった……」

 

勇人はセレニアの一喝に我に返り、急いでセレニアに近付くとラファエルは慌てながらセレニアに一喝した。

 

「ッ!?オイ!勇人『様』だろ?言葉には気を付けろセレニア!勇人様は此処で休んで下さい……此処は僕達が建てますので……」

 

ラファエルはセレニアに一喝すると勇人は微笑みながら答えた。

 

「だから、そんなに畏まらなくて良いんだぞ『うぇい』……それに、お前も人手が欲しいんだろ?」

 

「で……ですが……それだと貴方様の威厳が……」

 

「『ソッチの威厳』は必要無ぇよ。何せ、元は『人間』だからな……それに彼女は記憶喪失だ。多少の事は目を瞑れ」

 

「勇人様が、そう仰るのでしたら……なら、このブルーシートを天井に……」

 

ラファエルは勇人に窘められた事に困惑しているとセレニアは首を傾げながらテント設営に勤しんでいる勇人とラファエルに聞いた。

 

「……所でハヤトにラファエル様、御二人の関係は一体?それに何故、ハヤトの事を目上に立てるのですか?」

 

セレニアは先程までのラファエルの行動に首を傾げながら2人に聞くとラファエルは怒りを通り越して呆れるかの様な重い溜め息を零しながらセレニアの質問である『勇人とラファエルの関係』について『勇人の正体』を交えて答えた。

 

勇人の正体は……

 

「はぁ〜……お前、本当に『この御方の事』を知らないんだな……この御方は『僕達の世界の"現人神(あらびとかみ)"』つまり僕達の『幹部クラスの上司』なんだ」

 

「……は?ハヤトが私の『上司』である『神』だと?」

 

……セレニアとラファエルそしてミカエルの上司に値する立場『神』だったのだ。

 

セレニアはラファエルの発言を聞き、目をパチクリと瞬きをし、思考が止まったかの様に呆気無い声を発すると勇人はセレニアに言いたく無かったのか、嫌そうな表情になりながら自身の『もう1つの正体(かお)』を打ち明けた。

 

「……今回の任務に支障を来すから言わなかったが、俺は『人間上がりの神』通称『現人神』なんだ……この事はレベッカとジルには言わないでくれよ。物凄く面倒な事になるからな」

 

「それに勇人様も知らないと思うけど、この方の地位は、あの『ゼウス様』と同(・)格(・)の(・)地(・)位(・)を持っているんだ。だからガブリエルも臆したんだ」

 

ラファエルは勇人の説明に付け足す様にセレニアに『現人神としての勇人の地位』を説明するとセレニアは兎も角、勇人まで驚愕し、狼狽えた。

 

「………はぁ!?あ……あの……ゼウス様と同格!?」

 

「え?マジで?『オヤッサン』と同格!?『アンジェ』から何も聞いてねぇぞ!」

 

「アンジェリカから聞いてないのですか!?それにゼウス様相手に『オヤッサン呼ばわり』をするのは貴方だけですよ……」

 

セレニアは兎も角、勇人までもが驚愕するのは無理なかったのだ。

 

何故なら『ゼウス』は『全宇宙や天候を支配する天空神』であり、人類と神々双方の秩序を守護・支配する神々の王であり、創造的能力や人格的性質を持ち、全知全能だとされている『至上神』または『最高神』である。

 

ちなみに、この『キリスト教での地位関係』を『現代社会の会社』に置き換えるとセレニアが『新入社員』で、ラファエルを『中間管理職』だとすれば『ゼウス』は『社長』である。

 

そして、勇人が『社長(ゼウス)』と『同格の地位』を持っていたのだ。

 

「嘘だろ……私は……ハヤト……いえ、ハヤト様に……」

 

セレニアは勇人の正体を聞き、一気に血の気が引いたかの様に顔面蒼白になり、流れる様にスライディング土下座をし、勇人に謝罪した。

 

「も……申し訳御座いませんでしたぁぁぁぁぁ!!記憶喪失とは言え、貴方様に数々の御無礼をぉぉぉぉ!!」

 

「……あの馬鹿真面目なセレニアが『こうなる』から言いたくなかったんだよ!余計な事をしてくれたな!うぇい!!」

 

セレニアは自身の頭を地面に叩き付ける勢いで土下座をすると勇人は短い期間とは言え、セレニアの『品行方正』で『生真面目な性格』を知った上で配慮し、自身の『もう1つの正体(かお)』を隠し続けたが、ラファエルによってバラされた事に一喝するとラファエルは困惑しながらも強い口調で勇人に反論した。

 

「だからって僕に八つ当たりをしないで下さい!!貴方様が隠しても、いつか皆にバレますよ!!それに『うぇい』じゃ無くて『ラファエル』ですよ!!いい加減、覚えて下さい!」

 

ラファエルは勇人に反論するとセレニアは身体を震わせ、顔面蒼白のまま勇人に聞いた。

 

「わ……私も……ガブリエルと同じ様に……あんな『淫らな罰』を……」

 

「する訳無ぇだろ!!それはアイツが勝手にヤッただけだ!!」

 

「……それ、天使兵として『重罪』だよ……勇人様、この者に『どういった罰』を?出来れば穏便な方で御願いします」

 

「『俺が裁く事』を前提で話を進めんな!!ったく……仕方無ぇ……」

 

勇人はラファエルの意見に一喝(ツッコミ)を入れながらも仕方無しにセレニアの罰を考え、考えが纏まったのか、重い溜め息を零しながらセレニアに罰を与えた。

 

その罰とは……

 

「セレニア、お前に罰を『2つ』与えるぞ。『1つ』は俺を『現人神(お前のボス)』としては無く『1人の人間(上城勇人)』として接しろ。『2つ目』は、この事はレベッカとジルには『言うな』……分かったか?」

 

「……え?これって……『2人に黙っていれば不問とする』……と言う事ですか?ハヤト様?」

 

「そう言う事だ。分かったんなら皆でテントを設営するぞ。辺りが暗くなる……後、うぇいも呼び捨てで呼んでも構わねぇからな」

 

……セレニアにとって優し過ぎる罰だったのだ。

 

勇人は面倒臭そうに言いながらテント設営を再開し、セレニアは彼からの罰を聞き、目をパチクリと瞬きをしながら唖然としているとラファエルは苦笑しながら拍子抜けているセレニアに言った。

 

「良かったな。勇人様のお許しが出て……」

 

「……本当にハヤト様……いえ、ハヤトはゼウス様が認めた現人神なんですか?何か……その……」

 

セレニアはブランク過ぎる勇人を見て、自身が思っている『神の印象』とは掛け離れている勇人の性格に戸惑いながらラファエルに聞くと、ラファエルは微笑みながらセレニアの心情を当てた。

 

「『悪』と『善』が混ざり合った『人間臭さ』を感じているんだね?」

 

「……はい。私の印象ですが神々の皆様は『人類の繁栄の為に悪は絶対許さない事』を信条にしてた気がしてましたが……ハヤトは、その『信念』を感じさせない……いえ、どちらかと言うと『人類の繁栄、平和そして自身の目的の為なら自ら剣を振るう』という『戦士(ヒト)としての強い信念』を感じ取りました」

 

セレニアは勇人の第一印象を交えてラファエルに伝えると、ラファエルはセレニアの答えに高々と笑いながら答えた。

 

「……プッ!ハハハハ!短期間で勇人様の性格を其処まで熟知していたとは……もう一層の事、勇人様と結婚すれば?」

 

ラファエルはセレニアを誂いながら冗談を言うとセレニアはラファエルの冗談を真に受けたのか一気に赤面し、慌てながら答えた。

 

「なっ!?じょ……冗談は止してくださいラファエル様!彼は『アカシ』という『妻』がいるのですよ!」

 

セレニアは勇人が『既婚者』だとラファエルに伝えると、ラファエルは勇人の事情を知ってた上で、セレニアに安堵感を与える様に微笑みながら答えた。

 

「それは明石……いや軍船(いくさぶね)を精霊化した女兵士達『艦娘(かんむす)』を更に強くさせる為の儀式『ケッコンカッコカリ』言わば『擬似的に結婚した』から、彼女達は彼の事を『夫』として慕っているんだ」

 

「擬似的に……つまり、ハヤトは『身を固めて無い』のですね」

 

「そうだよ。それどころか正式な彼女すら居ないんだ」

 

「フフッ……そうですか」

 

セレニアは勇人が独身だと知り、内心「イヨッシャァァァ!!私にも春が来たぞッ!!」と歓喜したい気持ちを抑え込む様に少しニヤけた表情で答えると、ラファエルはセレニアの心情である『勇人に対しての恋心』を察し、苦笑しながら答えた。

 

「……一応、忠告するけど、あの『容姿端麗』で『明朗闊達(めいろうかったつ)』な勇人様の心をを射止めようとする人間(モノ)や神様達だけでは無く、彼と『擬似的な結婚(ケッコンカッコカリ)』をした艦娘達が『本当の結婚(ケッコンカッコガチ)』を狙っているから早目に落としてね」

 

「……ラファエル様は『私とハヤトの恋のキューピット』に、なってくれないのですか?」

 

セレニアは少し残念そうに言うとラファエルは「……僕に『死ね』と言いたいの?」と勇人に取り巻く女達の恐ろしさを知った上でセレニアの要望を拒否すると、先程まで麻酔で眠っていたジルとレベッカが起き上がり、レベッカは眠たそうに挨拶をし、ジルもまた眠たそうにセレニアに聞いた。

 

「ふわぁぁ……おはよう御座います。セレニアさん」

 

「ふわぁぁ……あれ?『ハル』は?」

 

「気が付いたか2人共……ん?『ハル』?ジル、その『ハル』って誰?」

 

「まさか……」

 

セレニアとラファエルはレベッカに挨拶を返し、ジルが発言した『ハル』について少し嫌な予感を感じ取りつつも首を傾げながら聞くと、ジルは文字通り『恋に落ちた乙女』と表現するかの様に赤面しながらも優しく、落ち着いた笑みを零しながら答えた。

 

「何言っているのですかセレニアさん?『ハヤトさん』の愛称(こと)ですよ♡あの人は『容姿端麗(超イケメン)』でありながら悪魔に立ち向かう『勇敢さ』や、この世の真理を全て熟知している様な『知識力の高さ』そして、何より……常に私達に自信と癒やしを与える様な『朗らかで優しい性格』……正しく私の『運命の人』じゃないですか♡」

 

「……見て分かると思いますが、お姉ちゃんはハヤトさんに一目惚れしちゃった様です……」

 

「やっぱりかぁ〜……此処にも勇人様の毒牙に掛かった人がいるとは……」

 

「……マジかよ」

 

セレニアとラファエルはレベッカの発言を聞き、2人の嫌な予感である『ジルが勇人に惚れた事』に頭を抱えながら呟いた途端……

 

so strange♪煙る外の世界〜♪誰かの嘆きが聞こえる〜♪

 

「ん?勇人様!スマホが鳴っていますよぉ!」

 

簡易的に作られた木製の机の上に置かれている勇人のスマホが小刻みに震え、哀しみのある曲を流しているのをラファエルが察し、その事を勇人に報告すると勇人はテントの設営が粗方終了し、今現在『簡易的なバスルーム』を建設中な為に手が離せないのか、困惑した口調でラファエルに言った。

 

「スマンが出てくれないか?今、手ぇ放せないんだ」

 

「……分かりました」

 

ラファエルは勇人か『簡易的なバスルーム』を建設しているのを見て、内心「其処までやるか?普通……」と勇人のバイタリティーの高さに圧巻しつつも勇人のスマホに出ると通話相手である『勇人の母親』である『朱里』が心配そうに言った。

 

「私よ。勇人?無事、脱出できた?」

 

「……お久しぶりです朱里様。ラファエルです……今、勇人様は負傷者達と共に脱出し、野営準備に取り掛かっています」

 

ラファエルは簡潔に報告すると朱里は勇人達が脱出した事に安堵を零しながらラファエルに聞いた。

 

「ホッ……それは良かった……所で何故、ラファエル君が、この世界に?舞鶴に居たんじゃ?」

 

朱里は何故ラファエルが『デプラビアの世界』に居る事について触れると、ラファエルは少し顔を顰めながら答えた。

 

「……ゼウス様の命令で、今回の異変に『この世界の僕』が関わっているから阻止しに来ました」

 

「『この世界のラファエル君』が?一体何故?」

 

朱里はラファエルの目的に怪奇そうに聞くとラファエルは面倒臭そうに答えた。

 

「……この世界の僕はサリエルが起こした異変に便乗し、全ての世界の人間達を滅ぼそうと企ているからです。全く……天使兵としての久々の任務が『自分殺し』とは……」

 

ラファエルは嫌そうに自身の目的を簡潔に教えると朱里はラファエルの考えを訂正するかの様に苦笑しながら答えた。

 

「『自分殺し』って……それはあくまで『最悪な手段』を取った場合の話でしょ?それでも不安ならセレニア達と相談して最善な手段を取れば良いじゃないの?」

 

「ッ!?わ……私がラファエル様の相談役を!?無理ですよ『お(・)義(・)母(・)様(・)』!!下っ端の私が、恐れ多い事を……」

 

「そうですよ『お(・)義(・)母(・)様(・)』!!只の人間である私が出来る訳無いじゃないですか!!ってか、セレニアさんも!?」

 

セレニアとジルは朱里からの急な指名に狼狽えながら断るとラファエルは2人の発言を聞き、先程までの面倒臭そうな渋い表情から一転し、顔面蒼白になりながら2人に言った。

 

「ば……馬鹿!!今すぐ訂正しろ!!今すぐにだ!!」

 

「「へ?『お(・)義(・)母(・)様(・)』の命令を『拒否した事』を……ですか?」」

 

「『ソッチ』じゃない!!あ、いや『ソッチの方』もだけど……あーもう!!兎も角、今さっき言った事『全て』を訂正してくれ!!」

 

「「わ……分かりました……『お(・)義(・)母(・)様(・)』!!この異変が終わったら、ハヤト様(さん)との交際を認めて下さい!!」」

 

「……終わった。僕の人生が……」

 

「ラファエルさん、この人がハヤトさんのお母さん……ですか?」

 

「……そうだよ。寄りによって2人が朱里様に『宣戦布告』を……」

 

ラファエルは顔面蒼白になり、かなり臆しながらレベッカの質問に答えると、朱里は2人の発言を聞き、ドスの効いた低い声を出し、2人に怒鳴った。

 

何故なら彼女は……

 

「……あぁ?アンタらが勇人を?巫山戯るのも大概にしろ!!アンタらみたいな『田舎(かっぺ)臭い女』に『勇人に欲情している馬鹿天使兵』の分際で私の『可愛い息子』をあげる訳無いだろ!!」

 

「か……かっぺ臭い!?酷過ぎますよ『お義母様』!!」

 

「欲情!?私はハヤト様に欲情なんかしてません!!」

 

……超が付く程の『親バカ』だったのだ。

 

2人は朱里の言葉に怒りながら反論すると、朱里はセレニアに追い討ちを掛ける様に更に反論した。

 

「嘘付くな。レミから聞いたぞ……お前、除霊中の勇人に後ろから抱き着いたそうじゃないか?」

 

「後ろから抱き着いた!?どういう事ですか!?セレニアさん!!」

 

ジルは朱里の発言を聞き、怒りの矛先をセレニアに向けると、セレニアは簡潔ながらも何故、勇人に抱き着いた経緯を説明した。

 

「ッ!?あれは仕方無かったんですよ!悪魔の血が入ったレベッカの子供を再度『レベッカの子供として転生させる』過程でハヤト様の霊力が無くなりそうだったので、私の聖力を与える為に行っただけです!他意はありません!!」

 

「嘘ッ!?ハヤトさんが……この子を……助ける為に……」

 

セレニアは簡潔に抱き着いた経緯を説明すると朱里はセレニアの説明に納得したのか、先程までの怒り狂った口調が消え、母親らしい凛とした口調で再度セレニアに聞いた。

 

「そうだったのか……相変わらず無茶するわね……それで、その『手術』は成功したの?」

 

「その時は『翻訳用の隙間』が解除されていた為、何を言っていたかは分かりませんが……ハヤト様とユウカの表情から察するに『成功』したのかと……」

 

「全く……勇人の為とは言え、無茶するわね……あの子も……」

 

朱里はセレニアの発言を聞き、安堵を零し、微笑みながらセレニア達に言った。

 

「まぁ、皆が無事で良かったわ……何かあったら私か優花の所に連絡を頂戴ね。後、息子はやらんぞ……それじゃ」

 

朱里はセレニア達に優しく言い残し、そのまま通話を切るとセレニアと朱里の会話を聞いていたレベッカが不安そうにセレニアに聞いた。

 

「セレニアさん……本当にハヤトさんは、この子を……」

 

「……ああ、ハヤトが『霊力』……分かり易く言うと『霊媒師(シャーマン)としての体力(ちから)』を全て注ぎ込み、レベッカだけでは無く『ルシア』も救ってくれたんだ。まぁ結局、霊力が足り無かったから私の聖力も使わなざるを得なかったが……」

 

「……本当に聖力をハルに送る為に……」

 

「だから、そう言っているだろ……」

 

セレニアは簡潔に説明するとジルは何故、セレニアが抱き着いた本当の理由を知り、自身の浅はかな考えを悔やむ様に俯くとレベッカは腹部を擦り、ルシアを『普通の人間』として産ませてやれなかった『母親としての後悔の念』と勇人のお陰でルシアが『レベッカの子として再び生を受けれる様に施してくれた事』による『感謝の念』が入り混じり、泣き顔になり、声を震わせ、蹲りながら呟いた。

 

「グスッ……ゴメンね、ルシア……次は、ちゃんとした人間として産んであげるから……」

 

レベッカは蹲りながら泣いていると『簡易的なバスルーム』を建設し終えた勇人が軽い疲労感を顕にし、煙草を吸いながらセレニア達に聞いた。

 

「ふぃ〜……お前ら、バスルームが完成したから各自、入って……ん?一体どうしたん?」

 

勇人はレベッカが蹲りながら泣いている所を見て、首を傾げながら聞くとセレニアは勇人が煙草を吸っている事に顰めながら簡潔に説明した。

 

「レベッカにルシアの事を教えたんだ。後、煙草(それ)を吸うな。鼻につく」

 

「……泣けるぜ」

 

勇人はセレニアに言われ渋々、煙草の火を消し、消した吸い殻を焚火に捨てるとレベッカは泣きながら勇人に礼を言った。

 

「ハヤトさん……私達だけでは無く、ルシアまで救ってくれて……ありがとうございます!!この御恩は一生忘れません!!」

 

レベッカは泣きながら礼を言うと、勇人はレベッカを励ます為に、わざと陽気に笑いながらレベッカに言った。

 

「ハッハー♪また悪魔にヤられる様な真似は止めてくれよ。でないとルシアが怒るからな」

 

「ッ!?勿論ですよ!!せっかくハヤトさんが与えてくれた二度目のチャンス……無駄にしませんよ!!」

 

レベッカは勇人の冗談交じりの励ましに自身に喝を入れるかの様に強い口調で宣言すると勇人はラファエル達に『先程の電話の件』について聞いた。

 

「其処までガッツがあるんなら大丈夫そうだな……んで、うぇいにレベッカ……先程の電話相手は誰だったんだ?」

 

「朱里様です。まぁ内容は僕達の安否確認でしたけど……」

 

「……」

 

ラファエルとレベッカは先程の通話のやり取りを思い出し、苦笑しながら答えると勇人は2人の心情を察し、苦笑しながら答えた。

 

「……『一悶着』があったのか?何があったんだ?」

 

「セレニアとジルが……」

 

「アカリさんに……」

 

ラファエルとレベッカは苦笑しながら先程起きた『一悶着』について説明しようとした途端、ジルとセレニアは茹で蛸の様に顔を赤く染め、慌てふためきながら2人の発言を遮った。

 

「「ら……ラファエル様(さん)!!レベッカ!!」」

 

「「……こんな感じです」」

 

「……成程、大体分かった。何時もの『悪癖』が出たか……」

 

勇人はラファエルとレベッカの言葉を遮った2人の表情を見て、自身の悪癖である『天然タラシ』が発動し、そのせいで朱里と『一悶着』が起きた事を察し、困惑しながら呟きながらも話を変える為に咳払いをし、セレニア、ジルそしてレベッカに命令した。

 

「ゴホン、まぁ解決したんなら触れないで置くが……それより女性陣の3人から風呂に入ってくれないか?勿論、衣類は沸騰した大鍋に入れろよ」

 

「私達が先に入って良いのですか!?何か、その……」

 

「……いや、お前が一番、頑張ったから先に入ってくれないか?私達は、その後で良いから」

 

「何なら、私が背中流しますよ♡」

 

レベッカは先に譲った勇人に申し訳無さそうに答え、セレニアは勇人を気遣う様に微笑みながら譲り、ジルは妖艶に微笑みながら勇人を誘うと勇人はセレニアとレベッカの『健全で健気な気遣い』とジルの『下心』を察し、苦笑しながら答えた。

 

「……遠慮しとくぜ。何せ、一番汚れているのは俺だからな……バスルームの消毒と清掃も兼ねて最後に入らせてもらうぜ」

 

「……それなら仕方無いな」

 

「確かに、これだけ汚れていると……後の人の事を考えたら……ねぇ……」

 

勇人は5人の中で一番汚れている為、最後に入る事をジルに伝えるとジルは「……残念」と肩をガックシと落し、勇人の言葉に納得したセレニアとレベッカと共にバスルームに足を運ぶとラファエルは苦笑しながら勇人に聞いた。

 

「あははは……セレニアとレベッカは兎も角、あの女、絶対に勇人様との『既成事実』をする為に誘ったに違いありませんね……」

 

「……勘弁してくれよ。只でさえ緊急事態で心身共に疲れているのに……それ以前に手ぇ出したら、佐世保が火の海になってしまうからな……『ガブリエルの件』も相まって……所で何故、お前が此処に居るんだ?『美奈』や『千川』に伝えたのか?」

 

勇人はラファエルの母親分である『舞鶴鎮守府』の『艦娘 間宮』こと『岡部(おかべ) 美奈(みな)』そして、その舞鶴鎮守府の部隊の1つ『第2前衛基地』の『司令官』であり、勇人の同期である『千川(ちかわ) 大地(だいち)』に触れながら聞くと、ラファエルは少し難しい表情になりながら答えた。

 

「まぁ、簡潔に……ですが……」

 

「アイツらに心配させんなよ。後々、面倒な事になるからな。それで、此処に来た目的は?どうせ、ゼウス(オヤッサン)の命令で来たんだろ?」

 

勇人は先程までの笑みが消え、ラファエルの考えを見透かす様な真剣な表情になりながら聞くと、ラファエルもまた先程までの笑みが消え、神妙な表情で勇人に説明した。

 

「……はい。実は……」

 

 

 

ラファエル、説明中……

 

 

 

「……と言う訳です。何か御知恵を御借りしたいのですが……」

 

ラファエルは先程、朱里に説明した内容をそのまま勇人に伝えると勇人は懐から煙草を取り出し、喫煙しながら思考を巡らせた。

 

「ふむ……『この世界のうぇい』いや『ラファエル』を止める為に……か……」

 

「……一応言っておきますけど、自ら説得しに行くのはオススメしませんよ。ガブリエルの情報では、向こうは勇人様を殺したい位、相当嫌っていますよ。何せ『只の人間』が『ゼウス様と同格の神』に成り上がったのですから……」

 

「あのマゾ変態から聞いたのかよ……しかも俺を嫌う理由が嫉妬って……本当に天使兵なのか?」

 

勇人はガブリエル経由ではあるが『この世界のラファエル』の身辺情報を聞いて呆れながら呟くとラファエルが持っている『ガブリエルが入った小さな水晶玉』からガブリエルが現れ、片膝を着きながら勇人に言った。

 

「御主人様、許可無く現れた事を御許し下さい。此処から、この私から説明させて頂きます」

 

「いきなり現われんな!ってかキャラが変わり過ぎだろ……まぁ良い、説明を頼むぞ。ガブリエル」

 

勇人は、いきなり現れたガブリエルに、しかも先程の『ド変態キャラ』を捨てたかの様な『騎士としての振る舞い』を見せる彼女に戸惑いを見せつつも『この世界のラファエル』の情報を事細かく説明する様、命令するとガブリエルは勇人の命令を従者の様に従い、説明し始めた。

 

「はっ!では説明させて頂きます。先程ラファエルが説明した通りではありますが、『この世界のラファエル』は天使兵でありながら、人(・)間(・)を(・)嫌(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)の(・)で(・)す(・)。そして今回のサリエルの企みに便乗し、愚かな人間達を私(・)を(・)含(・)め(・)悪(・)魔(・)化(・)し(・)た(・)天(・)使(・)達(・)と共に絶滅させるつもりです。そして最終的に『全ての並行世界』や『異世界』に残っている人間達やサリエル諸共を手に掛け、自身の『理想郷(ユートピア)』を作るつもりです」

 

ガブリエルは『この世界のラファエル』の『目的(企み)』である『全ての世界に人間がいない世界』である『理想郷(ユートピア)』を作る事を勇人に説明すると、勇人は『この世界のラファエル』を皮肉る様に呆れながら呟いた。

 

「……『癒しを司る大天使』であるラファエルが、そんな『愚行』を……ってか、薄々分かっていたが『大天使達(お前ら)』まで関与してたとはな……」

 

勇人は物凄く呆れながらガブリエルに視線を向けると、ガブリエルは勇人の呆れ返った冷たい視線に性的絶頂(エクスタシー)を感じ、声を震わせながら懇願した。

 

「ッ!?ご……御主人様、そんな養(・)豚(・)場(・)の(・)ブ(・)タ(・)で(・)も(・)み(・)る(・)か(・)の(・)よ(・)う(・)に(・)冷(・)た(・)い(・)目(・)で私を見ないで下さい……でないと、おまんこが疼きましゅぅぅぅ♡」

 

「……うぇい、コイツで童貞を捨てれば?」

 

勇人は完全にガブリエルの性癖(扱い)に慣れたのか、先程以上に呆れ返り、冗談混じりで誂いながらラファエルに言うと、ラファエルは物凄く嫌な表情で勇人に答えた。

 

「嫌ですよ!!僕は純情を貫き通したいんですよ!!なら勇人様がヤればいいじゃないですか!!」

 

「冗談だ……戻れ、ガブリエル」

 

勇人は呆れながらガブリエルに命令するとガブリエルは「そんな殺生なぁぁぁ!!」と嘆きながら小さな水晶玉に吸われ、勇人はガブリエルが完全に水晶玉に吸収された事を確認するとバスタオル一枚だけ纏ったセレニアがバスルームから上がり、恥ずかしそうに言った。

 

「は……ハヤト……そう言えば『私達の着替え』は何処にあるんだ?流石に『この格好』で彷徨くのは……」

 

セレニアは恥ずかしそうに『着替え』を要求すると勇人は完全に失念していたのか、申し訳無さそうにスマホを弄り、優花と通話しながらセレニアに謝罪した。

 

「あ……悪い、少し待ってろ……優花か?スマンがセレニア達に着替えを貸してくれないか?今アイツらの服を煮沸消毒しているから替えが無いんだ……」

 

勇人はスマホで優花に着替えを要求すると優花は勇人の考えを先読みしていたのか、微笑みながら答えた。

 

「そうだと思って、私の『古着(お古)』と『缶飯(MRE)』を持ってきたよ」

 

「サンキュー♪では隙間開放っと……んじゃ貰うぞ」

 

勇人は隙間を開放し、優花からセレニア達の『着替え』と『大量の食料(MRE)』を受け取り、通話と共に隙間を閉じるとセレニアは優花から受け取った古着……というより妖艶な黒色の下着を見て、少し驚愕しながら言った。

 

「うわぁ……凄くエロい下着だな……着るのに勇気がいるな……」

 

「褌よりかはマシだろ。それに下着を俺に見せんな。はしたない……それより着替えて来い。風邪引くぞ」

 

「ッ!?す……すまない」

 

勇人は少し引いているセレニアに軽く一喝すると、セレニアは赤面しながらバスルームに戻り、着替えていると勇人は気を取り直しながらラファエルに言った。

 

「……まぁ、このままだと考えたって埒が明かないから……取り敢えず……」

 

「明日に備えて休みますか……」

 

ラファエルは勇人の思考を先読みをし、微笑みながら明日に備えて身体を休めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして同時刻 勇人の世界 東京内の大学『東京大学』の『とある研究室』にて……

 

「……藤岡様、此方が当時、上城勇人が軍医大に在学してた時に削除した『例のヤツのコピー』です」

 

「……ほう、これが……」

 

『優花に似た若き男性研究員』がパソコンを開きながら先程『サリエルと手を組んでいたインテリ風の若い男』であり今回の大異変の黒幕の1人である『藤岡 春(以後 『藤岡』)』に『勇人が軍医大学生時代に削除した』とされる『復元された"とある論文データ"の内容』を見せると藤岡は興味深く内容を黙読しているとパソコンを操作している研究員が北叟笑(ほくそほほえ)みながら行った。

 

「完全とは言えませんが、此処まで『復元』には苦労しましたよ……今も尚『医学界(我々)の権威を脅かす脅威』となっている上城が自身の姉を治す為に新薬を制作及び研究してた時に偶然発見した『副産物』があったとは……」

 

「まさか皮肉な事に論文(データ)上ではあるが治療薬を作るつもりが偶然にも『人類史上類を見ない地上最悪の細胞兵器』を作ってしまうなんてな……あの男が『愚行』に走る訳だ……私も『あの男の立場』なら『このデータ』を『別の発想』で遺憾無く発揮させるのにな……」

 

藤岡は口では当時の勇人に対して同情する発言をしたものの、表情は研究員と同じく勇人に並々ならぬ恨みを持っているのか、勇人に対して『切札(奥の手)』を手に入れたかの様に北叟笑みながら言うと研究員もまた新たな研究材料が増えて『研究者』として、そして『その男性研究員の個人的な目的』に近付けた事に興奮し、北叟笑みながらも勇人が嘗て『削除したデータ』の『復元作業』に取り掛かりながら。

 

「……全くです。この新種の細胞が艦娘や深海棲艦を含め、こんな愚行を起こした罪人達に鉄槌を下せる『良い細胞の論文(データ)』を削除するなんて……狂気の沙汰しか思えません」

 

「そうか……つまらない事を聞くが何故君は、其処まで艦娘や深海棲艦……いや軍人達を恨むんだ?」

 

藤岡は研究員の発言を聞き、興味を湧き、微笑みながら聞くと、その研究員は先程迄の北叟笑んでいた表情が消え、顔を歪ませ、如何にも『この世の全てを恨んでいる』かの様な強い憎悪感を藤岡にぶつける様に強い口調で『自身の素性』を交えて答えた。

 

「当たり前だ!!俺の両親は一年前、横須賀で深海棲艦、艦娘そして海軍の人間に見殺しにされたんだ!!しかも、その当時の艦娘達の司令官でもあり、両親を見殺した全ての元凶である『上城勇人』によって俺の両親だけではなく『桜花連合(家族)』を解体させ、挙げ句の果てには『優花(愚妹)』が、あの男の娼婦になったと言わんばかりに喜んで入隊したんだ!!家族として『全ての軍人』……特に、アイツを許す訳にはいかねぇだろ!!」

 

「ッ!?まさか!?『大本営襲撃事件』の……すみません『蓮(れん)博士』……貴女に辛い過去を思い出させる様な真似をして……」

 

藤岡は『優花似の若い男性研究員』であり『優花の双子の兄』である『桜花 蓮(れん)(以後 『蓮』)』の辛い過去を軽々しく聞いた事により、軽い罪悪感が湧き、少し俯きながら謝罪すると蓮もまた先程の醜態を藤岡に晒してしまった事による罪悪感が湧き、慌てて謝罪した。

 

「ッ!?す……スミマセン藤岡様、私とした事が……」

 

「いえいえ、誰にだって本音を零したい時だってありますよ……ですが、これで博士が何故、私と『手を組みたがる理由』が分かりました……まさか私(・)と(・)殆(・)ど(・)同(・)じ(・)理(・)由(・)だったとは……」

 

「……藤岡様も、あの男によって『回天組(家族)』を……そして身内が海軍に……」

 

蓮は藤岡の呟きを聞き、神妙な必要で消極的に聞くと、藤岡は只でさえ暗い部屋(研究室)なのに雰囲気までもが暗くなるのを阻止するかの様に苦笑しながら答えた。

 

「……はい。まぁ私の場合は『あの男』と『柏木』のせいで……ですが……博士、雑談は此処までにして、そろそろ……」

 

「……そうですね。『私達の復讐』の為に……そして『こんな愚かな軍人達に鉄槌を下す』為に……」

 

蓮は藤岡の言葉を聞き、気合いを入れ直すかの様に軽い溜め息を溢しながら勇人が削除した『論文(データ)』が入っている『新種の細胞の名前が記載されている題名(フォルダー)』をクリックし、復元に取り掛かった。

 

そして数分後、その題名(フォルダー)には、蓮花によって『削除された名前』と『細胞の効力のデータ』が復元され、藤岡は蓮の背後からデータを閲覧し、微笑みながら呟いた。

 

「これが上城が『消した細胞(人工ウイルス)』の『データ』か……」

 

藤岡は勇人が消したデータを見て北叟微笑んでいると蓮は興奮しながら『消した細胞(人工ウイルス)』の内容を藤岡に説明した。

 

「はい。まさか復元された題名に『罰』や『苦痛を与え続ける』という意味を持つ『名前』を付けるなんて、当時からイカれていたのですね……しかも、この効力は地球上にある物『全てを性質異常』させ『内側から破壊する性質』を持っており、常に『成長』そして『変異する性質』を持っていますね……この『地上最悪の新種の細胞(ウイルス)』を完全復元すれば……」

 

蓮は興奮しながら『勇人が削除したデータ』を復元していると藤岡もまた『削除したデータ』の名前を聞いて大変気に入りったのか、北叟微笑みながら『細胞(人工ウイルス)の名前』を呟いた。

 

その名は……

 

 

 

「『地球上"全て"に永遠の苦痛を与え続ける細胞』……『Punishing Virus(パニシング ウイルス)』……これを使えば……アイツは……クククッ……」

 

 

 

『Punishing Virus(パニシング ウイルス)』

 

 

それは軍医学校時代の勇人が治療薬を研究した際に作られた『偶然の副産物』である『核より恐ろしい性質を持った細胞兵器』だと知り、この世から『隠滅した細胞』であり、この世界だけでは無く、全ての平行世界や異世界に『最悪の終末(DEAD END)』を起こす『もう1つの死神』ある。

 

今、正に勇人に襲い掛かる死神が動き出そうとしている……

 

 

第1章「悪魔に喰われた村」 完

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