DepraviA~とある提督の悪夢奔走記(トラウマウォーカー)~ 作:八意 颯人
勇人が謎の穴に落ちる数分前 異世界の上空世界『天界』にて
此処は通称『異世界の
だが、そんな世界に『類を見ない厄災』が訪れようとは……
天界内の『とある宮殿』の客間にて
客間には紫色の道士服風前掛けと白のフリルドレスそして白のキャップを着けた金髪の十代半ば頃の若い女性と紅白色の和装を身に付けている妖艶な女性が客間に置かれているソファーに座り、優雅にお茶会を興じていた
だが……
ズズッ……
「……ブフォッ!!マズッ!!一体何を入れれば『こんな味』になるのよ……しかし、アンタもよく『こんな不味い紅茶』を飲めるわね………」
和装の女性は飲んでいる紅茶の味が非常に不味かったのか、吹き出す様に吐き出し、顔を歪ませているフリルドレスの女性に聞くと、女性は紅茶の不味さに耐えているのか、身体を震わせながら言った
「も……もう慣れたわ、しかし遅いわね……」
「……ええ、客人を待たせるなんて……躾のなってない依頼主ね……後、無理しない方が良いわよ……」
「そ……そうね……依頼主には悪いけど……捨てましょ」
「ええ……」
二人は黙って不味い紅茶を部屋に飾っている花瓶に素早く捨て流し、何事も無かったかの様にソファーに座ると……
コンコンコン……
「……どうやら来たようね『真琴』」
「その様ね『紫』……どうぞ」
フリルドレスの女性改め『八雲 紫』と和装の女性『上城 真琴』は扉のノック音が聞こえると二人はノックした依頼主を招き入れ、依頼主であろう背中に白い羽を生やした金髪の女性が入り、頭を下げながら言った
「……お久し振りです、大賢者『ユカリ』様、そしてお初目に掛かれます『マコト』様……遅れて大変申し訳ごさいません……」
「客人を待たせるなんて、良い御身分ね……『大天使』って言うのは
真琴は自身を呼んだ依頼主であろう大天使に相当待たされ、挙げ句の果てに相当不味い紅茶を飲まされた事に御立腹なのか、依頼主である大天使に睨み付けながら悪態を吐くと大天使は真琴の実力を知っているのか、顔面蒼白になり、振り子の様に頭を下げながら言った
「も……大変申し訳ありません!!私達も『予期せぬ事態』が発生したので……」
「真琴、これ以上責めないで、ミカエルが可哀想だわ……所で私達が呼ばれた『事態』って?」
「くだらない内容だったら、この世界を
「ヒッ!?お……御許しを……」
「だから止めなさいって、大人気無い……後で妖夢が作った和菓子をあげるから……」
「はぁ……んで、私達に話って?」
紫は怒り心頭の真琴を窘めながら大天使『ミカエル』に聞くと、ミカエルは真琴の脅しに震えながら二人を呼んだ経緯を語った
「じ……実は……下界に悪魔が表れたのです……しかも我々の同胞が悪魔と手を組み、人間界を手中に収め次第、此方に攻めて来くるのです」
「悪魔と手を組んだ裏切り者の天使……つまり『堕天使』が率いる悪魔達を退治してくれ……と?」
ミカエルは二人に説明をすると、紫はミカエルの説明に呆れながら聞き返すとミカエルは頭を縦に振り、肯定しながら説明を続けた
「……はい、そして……もう1つは……我々の同胞が先日の悪魔との戦いで
ミカエルは『もう1つの願い』である『記憶を失っている天使』を救助したい事を二人に言うと、真琴と紫はミカエルの願いを聞き、溜め息を吐きながらソファーから立ち上がり、呆れながら言った
「……帰るわよ紫、何で貴女達の失態を私達が尻拭いをしないといけないのよ……貴女達の問題は貴女達で解決しなさい……」
「……そうね、それじゃ私達は元の世界に帰るとしますか……」
二人はミカエルの願いを拒絶するかの様にミカエルに辛辣な言葉で返し、ドアノブに手を掛けようとした途端、ミカエルは藁をすがる思いで二人に強い口調で呼び止めた
「ッ!?待ってください!!これは
「……今のは聞き捨てにならなかったわね……何故、貴女達の事件が私達の世界に関係があるのよ?」
「……訳を聞こうかしら」
真琴はミカエルの発言にドアノブから手を離し、二人は神妙な表情になりながらミカエルに聞くと、ミカエルは二人が退出しなかった事に安堵しつつも『二人の世界』と『この世界』の関連性について説明した
「……はい、堕天使は悪魔と共に
「成程……なら、私達も出なくちゃならないわね」
ミカエルは堕天使達の最終目的である『真琴達の世界を制圧する事』を伝えると、紫は納得し、真琴はミカエルの言葉に矛盾が生じ、その事を大天使に聞いた
「ちょっと待て……何故、大天使である貴女が悪魔の……いえ堕天使達の目的を
真琴はミカエルの矛盾である『堕天使の目的を把握している事』について聞くと、紫はミカエルが昔『とある行い』をしていた事を耳に入っていたのか、その事を真琴に伝えた
「実は彼女……昔『同じ様な事件』が発生した時に『とある天使』を助ける為に
「……はい、そうです大賢者様」
紫はミカエルが堕天使達の情報を得た経緯を簡潔に説明すると真琴は思考を巡らせているのか、暫く黙り混め、考えが纏まり、その事をミカエルに伝えた
「……なら私が出るわ、もし『この情報』が正しいのなら私達の世界は意図も簡単に悪魔達に侵略されるわ」
真琴はミカエルが発した『事の重大さ』に気が付き、真琴自ら戦地に赴く事を伝えると、紫とミカエルは真琴の発言に慌てながら言った
「ッ!?待って!!貴女、何馬鹿な事を言っているのよ!!只でさえ下界は悪魔と堕天使達が放った障気で充満しているのに……そんな所に行ったら貴女の能力が使えなくなるわよ!!」
「そうです!あの障気は
「じゃ、どうすれば良いのよ?何か案があるの?」
真琴は二人が発した『障気』についての解決策を聞くと、ミカエルは考えが既に纏まっているのか頭を抱え、真琴に申し訳無さそうに言った
「……解決策は『あります』が、この策は……かなり『リスク』を伴う解決策になります……」
「リスクのある解決策?それはどういう事?」
「ああ……成程ね……貴女は私達を通じて『彼』に……」
「……はい」
真琴はミカエルの解決策に首を傾げ、紫はミカエルの解決策の内容を察し、意味深な質問を問い掛けるとミカエルは紫の言葉の本質を理解し、肯定すると、真琴は二人が考えている事を理解したのか、ミカエルが発した『リスクのある解決策』に拒絶する様に狼狽えながら二人に聞いた
その『解決策』そして『それに伴うリスク』とは……
「彼?……ッ!?ま……まさか……『勇人』に!?」
「……そうです、マコト様の御令孫様である『ハヤト様』なら障気による影響は貴女と比べれば少ない筈です……ですが問題もあります、それは……」
「……彼が、この死屍累々で人間の負の感情の塊と化した世界に精神的に耐えれるかどうか……という訳ね?」
……そう、大天使の解決策とは、真琴の孫である勇人が『記憶喪失の天使』や『真琴』の代わりに悪魔と堕天使達を討伐する事と勇人が死屍累々な下界の戦況に耐えれるか否かと言う事だった
ミカエルは真琴に申し訳無さそうに俯き、紫は溜め息を吐きながらミカエルに質問をすると、ミカエルは未だ見ぬ勇人の事が心配なのか、はたまた自身の『人間への偏見』なのか、不安感が募らせる俯いた表情のまま紫の質問に答えた
「……そうです、今の
「ッ!?」
「ッ!?ミカエル!それを言うのは止めなさい!!勇人の事が心配なのは分かるけど、貴女の『人間への価値観』』そして彼を『見下す発言』は止めなさい!!今すぐ真琴に謝って!!彼女、身内に溺愛しているのよ!!特に勇人に!!」
「……え!?私は彼を見下している訳では……」
紫はミカエルの無自覚な発言を遮る様に焦りながら怒鳴り、真琴に謝罪させる様に強く命令するとミカエルは紫の言葉に自身が勇人を罵った事を知らぬのか、首を傾げながら聞き返すと真琴は先程までの狼狽えた表情から一転、ミカエルを眼力で殺す様に睨み付けながら目を見開き、眉を吊り上げ、今にも自身の
「……ミカエル、今……
「ッ!?ま……マコト様!?お……落ち着いて下さい!!私は貴女の御令孫様を罵った訳ではありまs……」
「言い訳はいいから答えろ……私の孫が
真琴はミカエルの
「いえ!!滅相もございません!!私はハヤト様の身を案じているだけです!!それに私は、ハヤト様が承諾して下さったなら、
「そうよ真琴……彼女は、
「チッ……言葉には気を付けなさいよミカエル……それで、どうやって勇人を説得させるの?今、あの子はドイツで負傷している友人を治療し終えたばかりだから本業である『海軍業務』に追われているのよ……多忙過ぎて話さえ聞いてくれないわよ」
「ッ!?そんな……彼が唯一の希望なのに……」
紫はミカエルに助け船を出す様に真琴を窘めると真琴は舌打ちをし、今現在の勇人の多忙な生活にミカエルの要求を飲める筈が無い事を伝えると、ミカエルは絶望し、紫は何かしらの案があるのか、不敵な笑みを溢しながら真琴に言った
「フフフ……なら『隙間』を使って彼を『訓練』と称じて強制的に彼方に転送させれば良いんじゃない♪そうすれば嫌でも悪魔や堕天使達を一掃してくれるわよ♪」
「ッ!?そんな強引な方法でハヤト様を……」
「……あの子が怒るわよ、そんな方法をしたら……」
ミカエルは紫の強引な方法に驚愕し、真琴は頭を抱えながら言うと、紫は笑みを崩さないまま二人に言った
「大丈夫よ♪これは彼の
紫は二人にそう言いながら隙間を展開すると、そのまま上半身だけ隙間に入り………
「ヤッホー♪貴方には悪いけど
クパァ………
「え?……………はぁぁぁぁぁぁぁ!!
ヒュゥゥゥ…………
「ッ!?勇人さぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
シュン………
「隙間閉鎖っと……お待たせ♪彼を彼方に送り付けたわよ♪」
「ほ……本当にやりがった……コイツ……」
「そ……そうですね……」
二人は隙間から勇人と妖夢の叫び声が聞こえた事に紫が本当に『強行突破』を行った事に顔を引き釣りながら言うと紫は微笑みながら言った
「だって、強行突破に出なきゃ……彼、動かないもん♪」
「それは、そうだが………」
「そ……それに今、先程『暇潰し』と言いませんでした?」
真琴は紫の説明に狼狽えながら答え、ミカエルは紫が言っていた『暇潰し』について聞くと、紫は先程の笑みが消え、神妙な表情になりながらミカエルの質問に答えた
「ええ、そう言わないと彼……
「ッ!?つまり……彼の
「そう、彼の怒りは私が全部、引き受けてあげるわよ……だから貴女は心置きなくサポートに徹しなさい……でないと本当に
紫は勇人に『暇潰し』を伝える事により、勇人の怒りを紫自身が意図的に向かせた事をミカエルに伝えると、ミカエルは頭を下げながら紫に礼を言った
「ッ!?ありがとうございます!!大賢者様!!」
「……ったく、どうなっても知らないわよ……」
ミカエルは紫に頭を下げ、真琴は勇人の実力を身を持って味わっているのか、少し
『勇人が闇落ちをするかも知れない』という不安感を募らせながら……
男が闇落ちって、誰特やろう……(^_^;)
次回は本編に入り、あの『記憶喪失の天使』もとい『オリジナルの主人公』が出ますので、お楽しみに(^_^;)