DepraviA~とある提督の悪夢奔走記(トラウマウォーカー)~ 作:八意 颯人
第1話「悪夢の始まり」
紫が強行突破を行ってから数分後 異世界 とある教会にて
「チッ……何か気味悪ぃな……それに……」
勇人は『紫の暇潰し』……もとい『ミカエルの願い』によって強制的に異界の地に降り立ったのだ
彼は紫の気紛れによる強制送還された怒りと今現在、彼が居る廃墟と化した教会特有の気味悪い雰囲気による不快感が相まって顔を顰めながら今現在の自身の状況に頭を抱えながら呟いた
そう、今現在の彼の状況は……
「………何故か
……元の世界に帰れなくなり、迷子になっていたのだ
勇人は自身の能力が何故か『弱小化』し、元の世界に帰れない事に不安感を募らせながらも辺りを物色していると彼が所持しているスマートフォンが鳴り響き、彼はスマートフォンが鳴った事により『自身の世界が此処に繋がっている事』に安堵し、鳴り響いているスマートフォンを取り出し、確認した
「……電波は繋がっている様だな……妖夢か……」
勇人はスマートフォンの画面に『妖夢』と書かれていた画像……もとい通話相手が妖夢だと知り、スマートフォンを操作し、電話に出た
「……もしもし、妖夢か」
勇人は安堵しながら妖夢の電話に出ると、妖夢は相当心配していたのか、焦りながら勇人の安否を確認した
「ッ!?勇人さん!大丈夫ですか!?お怪我は?」
「……大丈夫だ、ただ……此処に来てから能力が弱くなっているから帰れそうに無い……そっちは?」
「今、明石さんが勇人さんの位置情報を調べています!今、何処に居るのですか?」
妖夢は相当焦っているのか、少し怒鳴り声が混じった強い口調で勇人に聞くと、勇人は溜め息を吐きながら答えた
「……国までは分からないが『廃墟と化した教会』に居る」
「大雑把過ぎませんか?」
「仕方ねぇだろ、紫に何も前触れも無く飛ばされたからな……」
勇人は『今知っている限りの情報』を妖夢に伝えると、妖夢は紫を恨む様に重い溜め息を吐きながら勇人に言った
「………分かりました、何か情報が入ったら随時、報告をお願いします……では御武運を……」
「……分かった……ん?あれは……ッ!?」
勇人は電話を切り、スマートフォンを胸ポケットに入れてある煙草とライターを入れ換える様に持ち替えり、煙草を開封し、喫煙をしながら辺りを捜索し始めようとした途端、彼の足元に散らかっている瓦礫に埋もれている全裸なっている銀髪の女性を見付けた
「オイ!大丈……!?」
勇人は急いで瓦礫に埋もれている全裸の女性を救助しに瓦礫を退かし、女性の容態を確認すると女性の『ある部分』を目にし、絶句した
何故なら………
「嘘だろ……何で『翼が生えた女』が……だが幸い、怪我は無い様だな」
そう、その女性の背中には『白い翼』が生えていたのだ
勇人は女性の背中に『白い翼』が生えていた事に一瞬、動揺しだが、すぐに平常心に戻り、女性の外的損傷が無かった事に安堵し、自身の軍服を脱ぎ捨て、そのまま女性の裸体を隠す様に覆い被せると、女性は苦しそうに目が覚め、辺りを見渡しながら呟いた
「うっ……うう……
「気が付いたか……
「ッ!?
女性は勇人に気が付き、警戒しながら覆い被せている軍服を自身の裸体を隠す様に巻き付け、敵意丸出しの強い口調で勇人に睨み付けながら聞くと、勇人は女性を落ち着かせる為に落ち着いた口調で女性を窘めながら自己紹介をした
「
「
「
パチン!
女性は勇人の流暢な英語に度肝を抜かれたのか、かなり動揺し、早口で勇人に問い詰めると勇人は混乱している女性を落ち着かせる為に弱体化した能力を使い始めたのか、指を鳴らし、改めて女性を窘め始めた
「これなら普段通りの言葉で通じるな……改めて言うが、俺は勇人……敵では無い、お前は誰だ?」
「ッ!?先程以上に流暢になっただと……ゴホン……私は『セレニア』……『天使兵』だ……それ以外は
「思い出せない?まさか『
勇人は翼が生えた女性もとい『天使兵 セレニア』の言葉に首を傾げ、自身の本業の一つである『軍医』の経験を生かし、この『廃墟と化した気味悪い教会』と彼女の関連性を見出だし、セレニアの容態を予想するとセレニアは勇人の説明にピンと来なかったのか、首を傾げながらも概ね正解なのか、多少の戸惑いはあるものの、勇人の質問に答えた
「……精神的なダメージによるモノかどうかは分からないが……記憶がスッポリ無くなっているんだ……ただ覚えている事は『私の名前』と『身分』しか分からないんだ……えーっと……ハヤトとか言ったな?お前は何者なんだ?」
セレニアは勇人の質問の一部を肯定しつつも彼に対しての警戒心が無くなったのか、先程までの敵意丸出しの強い口調から彼女の素の口調である『戦士らしい凛々しい口調』で勇人に問い掛けると、勇人は自身の身分をセレニアに公表した
「俺か?俺は『日本海軍』所属『佐世保鎮守府 総司令官』兼『特務軍医長』の『上城 勇人』だ……遭難した経緯は……身内の気紛れで此処に飛ばされたんだ」
「日本?
セレニアは勇人の身分そして名前を聞き、彼女にとって珍しい名前だったのか、彼を珍獣を見る様に奇妙な視線を送りながら聞くと、勇人はセレニアの質問に苦笑しつつ、自身の名前を訂正した
「逆だ、名字が『上城』で名前が『勇人』だ……それにジパングって……何時の言葉だ……」
勇人はセレニアの質問に苦笑しながら答えると、再び自身のスマートフォンが鳴り響き、セレニアは突然鳴ったスマートフォンに驚き、勇人は懐を漁りながら彼女に言った
「ッ!?何だ!?この奇妙な音楽は!?」
「……漸く位置情報を見付けたか……隙間を介して電波を飛ばして正解だったな……セレニア、少し待ってくれ……」
「あ……ああ……」
「……どうした妖夢、何か分かったのか?」
勇人は再び動揺しているセレニアを窘めながら隙間経由による電波を受診した電話に出ると、通話相手である妖夢が勇人に悪報を伝えるかの様に落ち込んだ声で勇人に報告を始めた
「……はい、勇人さんの位置情報の事なんですが……全世界調べても発見されませんでした」
「……だろうと思った、多分俺は紫に『異世界』へ飛ばされたんだ……今、
勇人は妖夢の報告とセレニアの存在に薄々、感づいていたのか溜め息を吐きながら言うと、妖夢は勇人に接触した天使について聞いた
「天使……ですか……その天使の名前は?」
「『セレニア』という女だ、彼女から情報を得ようとしたが……何かしらの出来事で記憶を失っているんだ……」
「そうでしたか………はぁ~……泣けますね……」
「ッ!?セレニア!?まさか……少尉、スマホをお借りします!」
「あっ!?ちょっと明石さん!!」
妖夢は勇人の報告を聞き、位置情報に関する情報を得られなかった事に悪態を吐くと妖夢の近く居た別の女性もとい『明石』が勇人の報告を聞き、血相を変えながら妖夢のスマートフォンを取り上げる形で電話に出て、勇人に恐る恐る質問した
「て……提督、明石です……その女性って『銀髪』に『白い翼』そして『青を基調とした騎士みたいな服装』をした人ですか?」
「……銀髪に白い翼は合っているが、接触した時は全裸になっていたぞ……何か分かったのか?」
「ッ!?」
「オイ、どうした明石?何か分かったのか?」
勇人は明石の質問である『セレニアの容姿』について簡潔に答えると、明石は「う……嘘でしょ……そんな事……」と驚愕し、自身の悪い予感が的中したかの様に狼狽えながら勇人が今居る世界について説明した
そう、勇人が今居る世界は……
「……提督、落ち着いて聞いて下さい……今、提督が居る世界は………『
………そう、天使と悪魔の闘争を題材にしたRG指定の同人ゲーム『Depravia』が
それを聞いた勇人は……
「……あのゲームか……能力が弱体化した俺が本当に生きて帰れるかな……」
……『Depravia』という同人ゲームを知っていたのか、先程までの余裕の笑みが消え、少し顔面蒼白になりながら呟いたのは言うまでもなかった……