※この作品はR-18です。

ゴブリンスレイヤー・剣で舞う者   作:京勇樹

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勇者一行

 

 

 

重剣士に魔剣を渡して、数日後。

暦上は冬になり、少しずつ気温も寒くなってきた。

この日剣舞士は、左腕の完治を待ちながら、ギルドからの頼みで冒険者訓練所の教官役をしていた。

 

「……というように、傷の化膿止めに使うこの薬草と、こちらの毒草は非常によく似ている。色の具合と葉の裏側をよく確認し、間違いを未然に防ぐように……と、今日はここまでのようだな」

 

今日剣舞士は、訓練所で薬草の見分け方を新人達に教えていた。これもまた、生き残る為に重要な事である。

ある程度まで教えた所で、鐘が鳴った。

これで、今日の教育は終わりである。

 

『ありがとうございました!』

 

「ああ……気を付けて帰るように」

 

一斉に頭を下げた新人達にそう言って、剣舞士は教室から出た。

そして教育者達が集まる部屋に教材を置き、帰る為に外に出た。

外に出た剣舞士は、空模様を見て

 

「……近いうち、雪が降りそうだな……」

 

小さく呟いた。

暦上は冬になり、少し経った。今までは天候に恵まれて、雪が降る事は無かったものの、降りそうだった。

そうして歩いていた時

 

「む……?」

 

いきなり目の前の空間が切り裂かれ、異次元から勇者一行が姿を現した。

 

「ようやく出られたー!」

 

「貴女が気軽に、次元を斬って帰れるか試したからでしょう」

 

「……時間掛かった」

 

「あ痛」

 

勇者の言葉に、剣聖と賢者が勇者の頭を軽く叩いた。

どうやら、勇者が聖剣で次元を斬って帰れるか試した結果らしい。

とは言え、二人はそんなに怒っっている感じはしない。そんな三人に、剣舞士は近寄り

 

「……何をやっているんだ、そちらは……」

 

と声を掛けた。

 

「あれ、剣舞士さんだ」

 

「という事は、ここは西の街なのか?」

 

「正確には、近くの冒険者訓練所だ」

 

剣聖からの問い掛けに、剣舞士は端的に答えてから、冒険者訓練所の事を説明した。

 

「なるほど、新人冒険者に色々と教える施設……」

 

「それなら、新人冒険者達が死ぬ確率を減らせるね!」

 

「……王様に、訓練所の事を上申しよう」

 

「そうだね! 各地に有った方が、更に減らせるだろうし!」

 

賢者の言葉に、勇者は乗り気だった。

 

「……ここから王都まで、結構掛かるぞ」

 

「大丈夫、手段ならあるから!」

 

勇者はそう言って口笛を吹くと、何処からか一羽の小さな鳥が現れて、勇者の肩に停まった。

 

「それは……」

 

「王様が私達に授けてくれた連絡用の鳥! 呼べば、直ぐに現れる良い子なんだ!」

 

恐らく、テイムしている魔獣の類なのかもしれない。

一部の魔獣は、飼育する事が可能なのだ。

勇者が鳥に餌を与えている間に、賢者が手早く手紙を書いて、鳥の首から掛かっていた筒に入れて

 

「王様までお願いね!」

 

勇者はそう言って、鳥を見送った。

 

「さて、西の街に行って、宿取らないと……」

 

「……最近は色んな商人が来るから、宿はほぼ満員だった筈だ。ギルドの宿舎も、新人達で埋まっていると聞く……」

 

「あちゃー……」

 

剣舞士の話を聞いて、勇者は額を軽く叩いた。

 

「まあ、このような施設があるからな……仕方ないか」

 

「物資も入り用だろうしね」

 

「どうしよう、野宿するには大分寒くなってきたよね」

 

冬になってきた為、野宿には厳しいだろう。

少し考えた剣舞士は、仕方ないという様子でため息混じりに

 

「……俺の家に来るか? 部屋なら、有るからな」

 

と告げた。

それから、少しして

 

「えっ……勇者御一行!?」

 

「わあ! 初めて見ました!!」

 

監査嬢は驚き、見習い魔導具少女は目を輝かせていた。

ちなみに、魔法使い娘と戦士娘はゴブリンスレイヤー一党と依頼で街を離れている。

白髪剣姫と大妖精は西の街に居るが、今は買い物に行っているという。因みにその二人が残っているのは、剣舞士の護衛の為らしい。

そして令嬢商人は、まだ訓練所から戻っていない。

 

「ああ……次元の狭間で迷子になって、訓練所の近くに到着していた」

 

「次元の狭間で迷子……?」

 

剣舞士が説明するが、監査嬢は困惑している。まあ、無理はないのだが。

 

「すいません、今日一日泊まらせてください!」

 

「明日には王都に向かいますから」

 

「お世話になります」

 

「は、はあ……分かりました……」

 

こうして、勇者一行は剣舞士の家に泊まる事になった。

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