※この作品はR-18です。

ゴブリンスレイヤー・剣で舞う者   作:京勇樹

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水の都

西の街から出発して、数日後。一行は、水の都に到着した。

 

「ここ、昔来たことあるから、私案内出来るわよ!」

 

馬車から降りると、上妖精弓手が朗らかにそう告げた。一体、何年前に来たのかは聞かないでおく。

 

「ここは、何が旨いのかのう」

 

「さて、拙僧も初めてでしてな。とんと……」

 

鉱人術師が様々な店を見ながら言うと、蜥蜴人僧侶は腕組みしながら首を傾げた。そこに

 

「……この街では、揚げ物が美味いそうだ。魚や野菜の揚げ物が」

 

と意外なことに、ゴブリンスレイヤーが告げた。殆どが驚いていると、神官娘が

 

「それって、あの牧場の方からですか?」

 

とゴブリンスレイヤーに問い掛けた。

 

「……そうだ。帰りに、この街の小麦粉を買ってきてほしいと頼まれた」

 

どうやら、牛飼い娘から教えてもらい、ついでに買い物も頼まれたようだ。

 

「なるほど」

 

ゴブリンスレイヤーの話を聞いて、神官娘は納得した様子で笑みを浮かべた。そして、少し歩いていると大きな神殿が見えてきた。至高神の神殿だ。各神の神殿もあるが、その神殿の中でも一際大きい。

 

「あの、ゴブリンスレイヤーさん。依頼主さんは誰ですか? 司教さんでしょうか?」

 

「……いや、大司教だ」

 

「え」

 

ゴブリンスレイヤーの言葉に、神官娘は驚いた。至高神の大司教。そうなると、一人しか居なかった。

かつて、魔神を討った伝説的パーティーの一人。

 

「剣の乙女様……?」

 

入り口でゴブリンスレイヤーが手紙を見せると、案内人が現れて、奥に案内された。そうして、広い祈りの間に一人の女性が居た。扇情的な肉体に薄い神官服を纏い、両目を布で覆っており、その手には豪華絢爛な装飾が施された天秤剣を持っていた。

その女性こそ、至高神の大司教。剣の乙女だった。

 

「あら、何方かしら?」

 

「あ、あの初めまして! 剣の乙女様! お会いできて、光栄です!」

 

「……依頼を受けてきた」

 

剣の乙女が小首を傾げると、少し緊張した様子で神官娘が前に出て、それに少し遅れてゴブリンスレイヤーが前に出た。

 

「あらあら、可愛らしい神官さんに、冒険者らしい戦士殿。それに……」

 

「拙僧達は、彼等と一党を組みし者。異教を奉じる身なれど、力になりましょう」

 

「分かりました……では、こちらへ」

 

剣の乙女はそう言って、横のドアを指し示した。

その一室で、剣の乙女は語り始めた。始まりは、今から数ヶ月程前になる。神殿から冒険者ギルドに遣いに出した少女が帰らず、翌日に無残な遺体で発見された。身ぐるみを剥がされていたことから、最初は物盗りの犯行かと思われた。しかし、被害は収まる処か拡大。街の衛兵だけでなく冒険者まで巻き込み、夜間の警備が始まった。そんなある日、衛兵の一人が女性が襲われている所に遭遇。女性を襲っていた輩を斬り倒し、確認したところ

 

「……ゴブリンだったか」

 

「はい……」

 

ゴブリンスレイヤーの言葉に、剣の乙女は頷いた。

その後、冒険者ギルドから一党が地下に派遣されたが、未だに帰らず。そこに、ゴブリンスレイヤーの詩を聞いて手紙を出したということらしい。

 

「……ここの地下は、どうなっている」

 

「何分古い場所でして……地図も、古いものしか……」

 

つまり、現状はどうなっているか分からない。そう判断したのか、ゴブリンスレイヤーは剣の乙女が机の上に広げていた地図の写しを、丸めると

 

「……マッパーは任せた」

 

と告げながら、蜥蜴人僧侶に投げ渡した。

 

「お任せあれ」

 

「さて、一度荷物を宿屋に置いたら、第一次探索(ファーストアタック)だ……」

 

「……地下への入り口は何処だ?」

 

ゴブリンスレイヤーが剣の乙女に地下への入り口を問い掛けるが、剣の乙女は何やら固まっている。

 

「……おい?」

 

「あ、すいません……こちらです」

 

ゴブリンスレイヤーが短く呼び掛けると、ようやく動きだして、一党を中庭の一角に案内した。そこには、古い金属製のドアがあり、開けると地下に降りる長い階段が見えた。地下への入り口の場所を確認した一党は、一度宿屋に荷物を置いてから再度そこに集まり、地下に入った。

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