※この作品はR-18です。

ゴブリンスレイヤー・剣で舞う者   作:京勇樹

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プレゼントと面会

エルフの里に入った一党は、上妖精弓手の案内で里を歩いていた。エルフの里は、大木をそのまま使って家にしており、何とも神秘的な雰囲気だった。

 

「凄いですね……この里……」

 

「でしょ!? 自慢なのよ!」

 

神官娘の言葉に、上妖精弓手は自慢気にしている。

確かに、自慢したくなるのも分かる。それ位に神秘的かつ、美しい光景だった。

 

「さて……まずは、姉さまに会いに行かないとね」

 

上妖精弓手はそう言って、ある大木の方に向かい始めた。それが主目的だったのだから、それが優先だろう。

どうやらその姉が居るのは、里でも奥の方の大木らしい。

その大木に付くと、中は今までで一番広い場所だった。内装から、恐らくは何らかのイベント用のホールという感じなのだろう。

一党がその大木に入ると、奥から数人のエルフが現れたのだが、先頭には純白のドレス。

ウェディングドレスを着た美しいハイエルフの女性が居た。そのハイエルフの女性の顔立ちは、上妖精弓手によく似ている。間違いなく、上妖精弓手のお姉さんだろう。

すると、上妖精弓手が嬉しそうな表情で

 

「ただいま、姉さま……結婚、おめでとう」

 

と言いながら、背負っていた雑嚢入れから装飾が施された箱を取り出して、差し出した。すると、お姉さんは微笑んで

 

「お帰りなさい。そして、ありがとう」

 

とその箱を受け取った。これで、当初の目的は達したと言えるだろう。その時、ゴブリンスレイヤーと剣舞士はお姉さんの背後に居たエルフ達に見覚えがあった。

そう、あのオーガの砦に囚われていた二人だった。

そしてゴブリンスレイヤーは、その二人の前に立ち

 

「……約束通りあの砦に居たゴブリンは、全て殺した……」

 

と伝えた。すると、その二人は涙を流した。

時は経ち、夜。一党の女性陣は、里の外れにある天然の大浴場に来ていた。

 

「はぁ……いい湯ですねぇ……」

 

「ですね、気持ちいい……」

 

優雅に入る受付嬢とのびのび入っている牛飼い娘。

その隣で、静かに入る戦士娘。

そして、僅かに距離を離して入っている上妖精弓手、神官娘、魔法使い娘の三人。

魔法使い娘は無言で自身の胸を見て、口元まで潜り

 

「貴女は、これから成長するのよね……羨ましいわ」

 

「急に何を言ってるんですか!?」

 

上妖精弓手の突然の言葉に、神官娘は顔を真っ赤にした。すると、上妖精弓手は

 

「私達エルフは、長い年月を生きるけど変わりに体の成長は緩やかというか……」

 

と言って、自身の胸を見た。

とはいえ、スタイルの差は人間と同じく個人差がある。実際、結婚するお姉さんはかなりのスタイルの良さだった。

 

「私はもう成長は期待してないけど、貴女はまだ成長するでしょ? 将来が楽しみね」

 

とそんな会話をしていると、先に体を洗っていた大妖精が入ってきた。大妖精は過去に里を出てから、かなり長期間人間の中で過ごしてきた為に人間のマナーというのにも精通している。

そして、大妖精のスタイルはかなり良い方である。

 

「何の話ですか?」

 

「あ、えっと……」

 

「まあ、その……」

 

大妖精からの問い掛けに、神官娘と上妖精弓手は話し難そうに自分たちの胸を見た。それを見て、大妖精は

 

「あまり大きくても、肩が凝りますよ? 結構大変なんですから」

 

と苦笑いを浮かべた。確かに、大妖精はお風呂に入っている時によく肩を揉んでいるし、時々だが杖で肩を叩いていた。

大妖精の言葉を聞いた魔法使い娘が、ポツリと

 

「……一度は言ってみたいわね……」

 

と呟いた。

その後、彼女達は夜空を見上げながら暫くの間、談笑を楽しんだのだった。

そして翌日、上妖精弓手の案内で里の長達が居るという一番大きい大木に向かった。

大妖精の紹介と、遺跡調査の許可を得る為だ。

 

「……まさか、大妖精様に出会えるとは……」

 

そう言ったのは、一番歳上らしいエルフの老人だった。そして剣舞士は、その里長達に一つの共通点を見つけていた。それは全員が、体の一部を欠損している事。

 

「大妖精様は石化してたんだけど、フェイヒリッターが助けてくれたのよ」

 

「は、はい! そうなんです!」

 

上妖精弓手が簡潔に説明すると、大妖精は同意するように頷いた。その様子から、嘘ではないと分かったらしく一人の長が

 

「大妖精様を助けていただき、誠に感謝します……それだけでなく、生け贄にされそうになっていたという同胞達も……剣の乙女様からの手紙に、書いてありました……」

 

剣の乙女からの手紙というのは、着いた時に戦士長に手渡していた物で、大妖精が助けられた経緯や、水の都で生け贄にされそうになっていたエルフ達の面倒を見ている事が書かれてあったのだ。

 

「俺は、自分に出来る事をしたまでだ……」

 

「そのおかげで、20人が助かりました……改めて礼を……」

 

剣舞士の言葉に、長達は深々と頭を下げた。

しかし、目的は別にある。

上妖精弓手は、床を叩き

 

「それより、何で遺跡に戦士達を送ってゴブリン共を殲滅しないのよ! 河の近くで酷い光景が出来てたわよ!?」

 

と長達に文句を切り出した。

串刺しにされていた遺体は、優に10名近くあり、更に付近には張り付けにされていた遺体もほぼ同数あった。

冒険者や商人の遺体だった。

上妖精弓手からしたら、度しがたい光景だった。

しかし、一人の長は

 

「……あの遺跡には、化け物が居る……」

 

と言って、喪われた右肩に触れた。

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