※この作品はR-18です。

ゴブリンスレイヤー・剣で舞う者   作:京勇樹

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遺跡へ

ヒュドラの幼体とゴブリンライダーは、ゴブリンを倒し、策を弄する事で里から追い出す事に成功した。

その後、里の怪我人達の手当てをしてから、件の遺跡に向かった。

話によれば、その遺跡は遥か昔の要塞と目されている場所で、以前にオーガと戦った場所と似た構造なのだそうだ。

 

「あそこか……」

 

木々の間からその遺跡が見えたが、かなり高い。もしかしたら、特殊個体がボスかもしれない。

 

「……行くぞ……ゴブリン共は、皆殺しだ……!」

 

ゴブリンスレイヤーのその言葉を合図に、一党は突入を始めた。そして、入口には勿論だが見張りが居る。

 

「私がやるわ」

 

上妖精弓手はそう言って、一息で二本放って、三体を撃破した。狼は見えない為に、恐らくは川で軒並み死んだと見て良いだろう。

そうして入ると、中は静かだった。

まだ、見張りが死んだ事が伝わっていないからだ。

そして、中に入って少しすると

 

「これ、なんでしょうか……」

 

と戦士娘が、壁に見える場所に触れていた。

よく見れば、その壁には人の大きさに合わせた切れ込み等が見える。そして何より、ある場所に鍵穴があった。

 

「これは……昇降機か」

 

「昇降機……ですか?」

 

「ああ……」

 

昇降機

これは箱の中に人が入り、その箱が上下に動く事で、楽に上の階や下の階に行ける大型の道具になる。

しかし、手元には鍵が無い為に目の前の昇降機は使えない。

 

「地道に、階段を使うしかないな」

 

「あまり、見ない機構ね……」

 

「多分、王都ならあるんじゃないかしら」

 

そう会話しながら、一党は階段を探す為に移動を始めた。しかし、やはり遥か古代の遺跡だからか、全体的にかなり劣化や風化している部分が見受けられる。

恐らく、何らかの強い衝撃が伝わると、崩壊すら考えられる。

そんな時、少し広い部屋に入ったのだが

 

「待った……鉱人術士」

 

「なんじゃ?」

 

「この部屋……床が沈んでないか?」

 

「む?」

 

剣舞士の言葉に、鉱人術士がしゃがんで床をジッと見た。

 

「確かに……風剣の言う通りじゃわい……恐らく、地面沈下か何かで、床が沈んでおる……下手したら、落ちるぞ」

 

「やはりか……」

 

鉱人術士の言葉に、剣舞士は唸った。

どうやら、部屋を見た瞬間に床が沈んでいる事に気づいたらしい。しかし問題は、現状では階段は見つかっておらず、恐らくはこの部屋の先に階段がある。

もしかしたら、迂回路があるかもしれないが、まだ見つかってもない。

 

「……仕方ない……崩壊させないように、ゆっくり行くぞ」

 

ゴブリンスレイヤーのその言葉に従って、一党はゆっくりとその部屋を歩き始めた。緊張感を持ちながら、一党は進んでいた。その時、何やらズズズっという、嫌な音が聞こえた。

 

「まさか!?」

 

剣舞士は音が聞こえた方に視線を向けて、音がした原因を見つけた。それは、部屋の何ヵ所かに建てられている柱。

その内の一本の柱の真ん中あたりが、ずれてきている。

 

「走れ!」

 

剣舞士が大声を挙げた直後、一党は一気に駆け出した。それと同時に柱も崩れ、柱の根本から床が落ち始めた。

一党は次の通路を目指すが、大妖精と魔法使い娘の二人が遅れていた。それに気付いた剣舞士は

 

「間に合うか!?」

 

と二人の方に手を伸ばした。この時、既に大妖精と魔法使い娘の足下の床は崩落し、二人はジャンプしていたから、もしかしたら引っ張れると剣舞士は考えていた。

しかし、剣舞士の足下も崩落。三人は地下に落ちた。

 

「空牙!」

 

剣舞士は咄嗟に空牙を展開し、風で落下速度を低減し、何とか着地した。すると、頭上から

 

「三人共! 大丈夫!?」

 

と上妖精弓手の声が聞こえた。見上げてみれば、数m程上に上妖精弓手の顔が見える。

 

「何とか無事だ! そちらは!?」

 

「私たちも大丈夫! 今から縄を下ろすから!」

 

どうやら、冒険者ツールの縄を使って上げようと考えているようだ。だが

 

「いや、どうやらこの地下も要塞の一部分らしい。何とか上に行く通路を探す! 恐らく、今の崩落音がゴブリン共が起きた筈だ!」

 

と剣舞士は制止した。確かに、崩落音はかなり大きく、衝撃も凄まじかった。起きない方がおかしいだろう。

その時、上妖精弓手が違う方を向き

 

「そうみたいね……後で合流しましょう!」

 

「わかった!」

 

やはり、ゴブリンが起きたらしい。

上妖精弓手は走っていったようだ。

 

「さて、こちらも動くぞ」

 

「はい……」

 

「ごめんなさい……私たちのせいで……」

 

大妖精と魔法使い娘は、どうやら剣舞士も一緒に落ちた事に責任を感じているようだが、剣舞士は首を振り

 

「気にするな……どうやら、遅かれ早かれ、地下に来る必要はあったようだ」

 

と今居る場所の奥に視線を向けた。

 

「それは、どういう……」

 

「奥に、何か居ます……!」

 

大妖精は気付いたらしく、自分も含めて視野の補助を発動した。すると、通路の手前に鎧が居た。

腰に剣を差しているのと、立っている位置から間違いなく、敵と判断出来る。

 

「どうやら、あれが長老達が言っていた化け物だろうな……」

 

「三人だけですが……大丈夫でしょうか……」

 

「私が、出来る限り補助します。頑張るしかありません」

 

そして、三人の死闘が始まる。

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