※この作品はR-18です。

ゴブリンスレイヤー・剣で舞う者   作:京勇樹

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位置判明

交わった翌日、令嬢商人は夢で飛び起き、そして現状を把握し終わると頭を抱えた。

 

(わ、私……何をやったの!?)

 

熱に浮かされた様に剣舞士を押し倒し、激しく交わった。それも、三回も。

 

(しかも、二回目と三回目は私から求めて!?)

 

混乱の極みと羞恥心で顔を真っ赤にし、令嬢商人は昨夜の情事を思い出した。熱に浮かされていたとはいえ、内容はほぼ正確に覚えている。

 

(凄く気持ちよかったけど……!?)

 

更に言えば、剣舞士の性格も好ましい。

言葉数は少ないが、行動で示す人物であり、実直と言える。彼女自身も助けてもらった恩義があるし、商人として行動している内に、様々な情報が集まってくる。

そうすると、ゴブリンスレイヤーもだが、剣舞士の情報も自然と集まってくる。

ゴブリンスレイヤーは西の町に住む人々の大半が、その名前の通りにゴブリンから助けてもらった事があり、剣舞士の方は鍛冶師の親方の新しい武器や防具の草案に携わり、町の衛兵達に稽古を付け、新人冒険者達に生き残る術を教えている。

 

(けど、アレのおかげで身体の疼きは収まった……冷静に考えてみたら、アレってもしかして……堕天使の薬の影響……?)

 

少しずつ冷静を取り戻しつつあった令嬢商人は、昨日の自身の身体の疼きの原因が、堕天使に有るのではないか、と思えてきた。

しかし、原因は特定出来ないので、令嬢商人は見た夢を思い出し

 

(あの光景は……なんだったのかしら……?)

 

と思った。

はっきり言ってしまうと、血で血を洗う凄惨な光景だった。

周囲には数えきれない死体が転がり、空間を死が支配していた。

その中で、一際目立っていたのは、頭に二本の角が生えた黒い巨体だった。

話に聞いたオーガより更に巨体で、見てるだけだった令嬢商人ですら生きるのを諦めた程だ。

その巨体が腕を振るう度に、人がまるでボールのように容易く飛んでいき、生き絶えていた。

それでも、赤い逆十字の意匠が特徴の一団は諦めずに突撃し、攻撃していた。

その中で、一人の幼い少年が駆けていたのを覚えている。年齢的には、同居している少女より少し年上位の少年。

そんな少年が、両手で刀を持って、巨体に突撃していた。死を恐れる様子もなく、その目に目前の巨体を倒すという意志のみを滾らせていた。

見たのはそこまでだったが、令嬢商人は隣で寝ている剣舞士を見て

 

「あの少年……彼に、似てた……」

 

と呟いた。

それから数時間後、剣舞士は教会を訪ねていた。令嬢商人の解呪もあるが、剣の乙女から呼ばれたからだ。

少しの間、剣の乙女の従者に案内された部屋で待機していると、令嬢商人と一緒に部屋に入ってきて

 

「お待たせしました……早速ですが、本題に入りましょうか」

 

と剣の乙女は、胸元から巻物状の羊皮紙の束を取り出して、机の上に置いた。それを広げると

 

「堕天使達を尋問した所、この水の都から北西にある山の麓に、闇ギルドの支部がある事が判明しました。更に、依頼人も……」

 

「……貴族か」

 

「ええ……以前に逮捕した貴族の親族が依頼した事が分かりました……たかが冒険者に逮捕された事に相当怒った挙げ句に、今回の依頼を出したようです」

 

貴族らしい、余りに身勝手な言い分だった。

幾ら貴族とはいえ、罪を犯したら罪人になるのは道理で、以前水の都に住んでいた貴族が多数の森人を奴隷のように扱い、あまつさえ生け贄にしようとした。

尚件の貴族は、あの後更に発覚した余罪も含めて裁判が行われ、極刑が言い渡されて、処刑されている。

そして親族は、処刑されたのを剣舞士のせいだと逆恨みし、闇ギルドに暗殺を依頼した。というのが、今回の顛末だという。

 

「私達教会騎士団は、例の貴族に対して動きます……申し訳ありませんが、剣舞士さんには……闇ギルド支部の殲滅をお願いしたいのです」

 

剣の乙女は申し訳なさそうに、剣舞士にそう頼んだ。

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