※この作品はR-18です。

ゴブリンスレイヤー・剣で舞う者   作:京勇樹

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成長の証

 

 

 

西の街に帰ってきた剣舞士は、ゴブリンスレイヤー達と一緒に海辺に来ていた。依頼内容としては、海辺に現れた青ゴブリンを何とかしてほしい、というものだったのだが

 

「……亜種かなんかと思っていたが……」

 

実際には、魚人と呼ぶ存在だった。しかも魚人達は、海に来ていた人達を助けていたのだ。

魚人達から得た情報は、なんと大海蛇(シーサーペント)が現れたというもの。

 

「ゴブリンではないな……」

 

そう呟いたゴブリンスレイヤーだったが、困ってる人達を助けるのが冒険者という仕事だ。

その後一党は、大きめのボートを借りて海に出て白雪の凍結能力を使って撃破した。

その後、魚人達と海辺に住む人達の間を取り持って、今回の依頼は終了した。

そして帰還した剣舞士は、家の裏手に回り込むと

 

「……これだな」

 

と金属管を見た。

今剣舞士がやろうとしているのは、料理や洗濯に用いる水を温水に変える為の工事だ。

その理由は、昨年の秋から冬の間。料理の洗い物や洗濯をしていた少女や戦士娘達が、冷たくて手や足が悴んでいたから、それを少しでも緩和させる為だ。

ここまで間が空いたのは、水を温水にする為の魔道具が中々入手出来なかったからだ。

しかし、あの魔道具技師が割安で提供してくれた。

その理由を聞いたら、何と少女が造った中で成功作の魔道具だという。

少女が魔道具技師に弟子入りして、早くも二カ月が経っている。その間少女は、魔道具技師から様々な魔道具を教えてもらいながら造ってきたが、中々思うように稼働しなかったとか。

そんな中、初めて稼働したのが今回の魔道具だったという事だ。

しかし、一般客に売るには少々性能が心許ない。

だが、身内ならば大丈夫だろうと魔道具技師は判断。更に剣舞士が同じ魔道具を探しているという情報も有ったので、剣舞士に売る事に決めたという事だった。

 

「さて、始めるか……」

 

そう呟くと剣舞士は、作業を始めた。

まず金属管の周りと下の土を掘り、魔道具を埋められるスペースを確保。次に金属管を切り、魔道具と接続。

そこで一旦、水温を確認して微調整を行う。

この微調整を何回か繰り返し行い、適温を見つけたら微調整を終了。なお、微調整の方法は魔道具技師から教わった方法でやっている。

そして、魔道具を埋めるのだが、埋める際に盗まれないようにと別の魔道具も一緒に埋めた。

これは、強引に外そうとすると電撃を対象に放つという魔道具だ。

そうして、夜

 

「あれ……お水が、冷たくない」

 

最初に気付いたのは、料理の準備を始めた少女だった。僅かに遅れて、同じく料理の準備をしていた魔法使い娘が

 

「あら、本当に冷たくないわね」

 

と同意した。

それを聞いてか、桶に手を入れた戦士娘が

 

「本当ね……」

 

と困惑していた。そこへ、お風呂を沸かし終わった剣舞士が戻ってきて

 

「新しく、水を温める魔道具を繋げたんだ」

 

と簡単に説明した。すると少女が

 

「え、でも高いって店長さんが言ってたよ?」

 

と疑問を口にした。

因みに、例の魔道具の正規の値段は家一軒とほぼ同等である。

 

「ああ。だが、割安で入手出来てな……初めて造った魔道具なんだろ?」

 

剣舞士のその言葉で、少女は分かったらしく

 

「え!? まさか、私の!?」

 

と顔を赤くした。

 

「え、どういう事ですか?」

 

「この娘が、初めて造るのに成功した魔道具なんだ」

 

戦士娘が首を傾げていると、剣舞士が顔を隠していた少女の頭を撫でながら告げた。

すると、監査嬢が

 

「え!? 弟子入りしてから、まだ半年も経ってないですよね!? もう造れたんですか!?」

 

と驚き、戦士娘と魔法使い娘は少女を褒めていた。

少女は、魔道具技師として一歩成長したのだった。

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