呼び出されたゴブリンスレイヤー一党は、国王からの依頼を受諾。王都と令嬢商人から、道具を仕入れた。
その時、剣の乙女が近寄ってきて
「こちらをどうぞ」
と羊皮紙の束を差し出してきた。
「……これは?」
「死の迷宮の第四層までの詳細な地図です。少し古いですが」
ゴブリンスレイヤーが問い掛けると、剣の乙女が説明した。剣の乙女は過去にあるパーティーで死の迷宮に入り、地図作成を担っていた。
死の迷宮が攻略されてからは、彼女が管理していたのを出してきたのだ。
「……マッパーは任せる」
「承知しましたぞ」
ゴブリンスレイヤーは地図を丸めると、蜥蜴人僧侶に手渡した。
「陛下の仰った通り、死の迷宮はコアが破壊され、障気は無くなり、危険度は大幅に下がっています……しかし、迷宮というのは魔物に対して有利になります……十分にお気をつけて」
「ああ……」
あるパーティーに攻略されるまでの間に、数多の冒険者達が突入し、大部分が帰ってこなかった。
その理由が、魔物だけでなく闇に染まった人間や、迷宮内で生成される罠に起因する。
宝箱に似た魔物のミミックに、壁かと思ってたら岩みたいな身体の魔物など、それは多岐にわたる。
そしてゴブリンスレイヤー一党は、死の迷宮側の門に集まったが、そこには軍も展開していた。
その先頭に立つのは、フル装備の国王だった。
そして軍が展開している理由は、死の迷宮の前に夥しい数の魔物が集まっているからだ。
それも複数種類の魔物がだ。
複数種類の魔物が殺し合う訳ではなく、明らかに人間のみを狙っている。
明らかに、魔物側に指揮を執っている存在が居る証拠である。
国王はゴブリンスレイヤー一党が集まっている事に気付き
「アレらは、我々で切り開く。貴君らは、気にせずに死の迷宮に向かえ。送り狼は一体たりとも行かせない」
と声を掛けた。
その後、軍の前で剣を抜いて高らかに掲げ
「我が勇猛果敢なる精鋭達よ! 勇敢なる冒険者達を死の迷宮に向かわせる為に、あの眼前の烏合の衆を蹴散らす! 抜剣!」
国王の号令に、軍は一斉に剣を抜いて構えた。
そして
「突撃せよ!!」
国王が最前列に立ち、軍は一斉に魔物の群に突撃した。最初に魔物を切り倒したのは、やはり国王だった。国王はオークを一刀両断し、次に狼を蹴り上げ、灰色熊を撃破した。
勿論軍も見ているだけなわけがなく、国王を攻擊しようとした他の魔物達を次々と斬殺していく。
勿論中には、魔物からの攻擊で傷付く兵士も出てくるが、同行していた神官達により治療され、直ぐに前線に復帰していく。
そして、魔法使い達が一斉に魔法を放ち、広範囲の魔物達が駆逐され、そこに兵士達が流れ込み、死の迷宮への道を作っていく。
そして開戦から数分後、死の迷宮への道が開けたのを確認し
「……一気に駆け抜ける。止まるな」
「あいよ!」
「承知しましたぞ!」
「行くわよ!」
ゴブリンスレイヤーを筆頭に、全員駆け出した。
一度止まってしまったら、最悪魔物達の圧で止められ、交戦を強いられる。
そうなれば、誘拐された王妹がどうなるか分からない。だから一党は、一切止まらずに死の迷宮まで駆け抜けた。
そして、扉に辿り着いた一党に、国王が
「頼んだぞ!!」
と声を掛け、最後尾に居た剣舞士は親指を立てて死の迷宮に入った。