今日も、ライネス師匠は弟子を甘やかす。 作:スカーレット@エボルト憑依中
そして師匠は、甘やかす。
ある、カルデアの一室。
そこには一人の少女が静かに本を読んでいて。
静かに本を読むその少女は誰かを待っているような表情を微かに見せる。
「……師匠、ちょっと良いかな?」
ドア越しに聞こえたその声は他でもない、カルデアのマスター。
師匠と呼ばれる少女は口角を少し上げて、口を開く。
「どうかしたかい、我が弟子よ。今日も、か?」
ドアを開き、マスターの手を優しく握る少女。
身長差はあるが、少女から漂う雰囲気は大人の女性そのものだった。
「……うん、ごめん。」
「謝る事は無い。愛弟子の頼みを断る訳にはいかないからね。さ、入るといい。」
マスターの手を引き、室内に入れてはドアにロックをかける。
誰も入らないようにと厳重な鍵をかけ、師匠と呼ばれる少女は優しくマスターと呼ばれる少年を抱き締める。
「…さあ、今日も君の好きなようにしてあげようじゃないか。
このまま、抱き締めながら撫でられたい?それとも、何もかも忘れるように一緒に寝たいか?」
少女は見た目に合わないような甘い声で、マスターと呼ばれる少年に優しく話しかける。
この瞬間は少年にとって、〝マスター〟ではなく、一人の少年、人間、一般人。
〝 〟として存在している。
そして、少女───〝ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ〟という人間の擬似サーヴァントではあるが、この瞬間は司馬懿ではなく、擬似サーヴァントでもなく。
ただ一人の少女として、少年を受け入れる。
「…今日は…」
「ああすまない、言わなくても良い。
君のしたい事は分かるよ。
さ、このまま好きに甘えてくれ。
私は拒みもしないし、突き放したりもしないから。
何も言わなくてもいいから、ね。
君は君の本能に従うだけで良いんだ。」
少年が口を開くと、少女はそれを止める。
少年は強く抱き締められている為に見えないが、少女の表情は悲しみに満ちている。
長い間一緒にいた少女と少年は、いつしか心が通じ合い。
少女には少年の気持ちが語らずとも理解出来た。
苦しい、辛い、捨てないで、突き放さないで、愛して。
突き放して、愛さないで、捨てて。
少年は、自身が少女に甘え続けては少女の重荷になっていると感じていた。
心の奥底では愛してほしい、捨てないでほしい、突き放さないでほしいと感じているが、それに勝るようにどうか突き放してくれ、愛さないでくれ、捨ててくれと願っていた。
マスターである少年は、両親からの無償の愛情というものを知らない。
父はどこかへ行き、母は無償の愛情を送ること無く少年を捨てた。
そして施設に送られた少年は施設でも学校でも暴言や暴力を振るわれていた。
寄り付く人間もすぐに少年を見捨て、突き放した。
無償の愛情をくれる人間なら誰でもいいと感じる少年は、そう感じる自身を嫌っている。
少しでも、ほんの少しでも打ち明けられたなら、カルデアにいる全員は誰もが少年に対して今までよりも深く、溢れんばかりの心からの愛情を送るというのに。
少年はそれでも、打ち明ける事を拒んだ。
全員を大切に思っているからこそ、傷付くような事をしたくないから。
自身によって、全員に迷惑をかけたくはないから。
少年は矛盾に、エゴに満ちている。
そんな少年の全てを感じる事ができる少女は、少年を離す訳にはいかなかった。
決して、同情や哀れみ等ではない。
いつしか淡く抱いていた恋心が、少年の〝師匠〟である事実が、少女を動かしていた。
私が突き放したら、確実に壊れてしまうと。
少女もいつの間にか、溢れんばかりに抱いていた愛情を少年に送る事が止められなくなっていた。
だが、少年は恋をする事もしたがる事も無い。
きっと、相手を傷付けてしまうから。
期待には、応えられないから。
少女は、それをも深く理解している。
その淡い恋心を伝える事もなく、愛の言葉を囁くことも無く。
ただただ、〝師匠〟として少年の支えになる事しか選ばない。
「ほら、顔を上げてくれ。
私は君が望むまでは絶対に、君を離したりしないから。」
優しく頭を撫でながら、少年を強く抱き締める。
ゆっくりと顔を上げた少年に、少女は口付けをする。
軽く触れるように、何度も。
やがて、少女は少年の唇を貪り。
舌を入れては、絡み合わせる。
唾液を交換し、互いに飲み込み。
息が続かなくても、意識が朦朧としても。
二人の口付けは止まる事を知らず、意識が落ちる寸前まで続いた。
「……っ、は…っ…すまない、苦しかったか?」
唇を離すと、少年と少女の舌は舌と舌の間に透明な橋を作る。
少女は少年への愛情を伝えるように激しく、少年を大切にするように優しく口付けをしていた。
「…いや…大丈夫……」
「そうか、良かった。」
少女はもう一度少年を抱き締め撫でると、微かに啜り泣くような声が聞こえ始める。
その声の元はもちろん、少年から。
安心したのか、それとも溜め込んでいたストレスを爆発させたのか。
もしくは、少女への思いが限界に達したのか。
少年には上手く分からないが、少女は完璧に理解している。
だが、それが何なのかを伝えようともせず。
時間が許す限り少女は、少年を甘やかし続ける。
深夜テンションで書いたはいいもののよく分からない話になった上にライネス師匠とかの要素いるかとか感じました。(本末転倒)
マスターを甘やかす師匠が見たかったんや…ゆるして。
タグも何付ければいいか分からなかったです…。
追記
皆さんやっぱ師匠の甘やかしイチャラブックス見たいんですね…
選択肢が消えてしまっているのでこれは書くしかない…
何話か続けて投稿しようと考えていますが、その内容について。
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同じような重いマスター君と師匠の話
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毎回違う問題を持つマスターを甘やかす師匠
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感想か活動報告で内容の募集をして書く方向
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何でもいいから師匠のイチャラブックス書け