※この作品はR-18です。

日本の村に眠る淫習を訪ねて、柳沢研究室レポート 今に残る日本の村のエロ風習 ⭐︎各話読み切り 新作はイラスト付き   作:みなぽん

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今回はちょっと都市伝説に寄り道です。番外編なので普段とテイストが違うのはお許しください。
皆さんに喜んでいただけたら、この番外編もちょこちょこ書いていきたいと思っています。


番外編 日本の怪異を訪ねて 岩手県K村 邪視 姉川美奈子メス堕ち

柳沢昇教授と姉川美奈子の「邪視」調査記

1 山村調査の始まり

 民俗学者という生き物は、得てして冬の寒さの中でこそ活きる。

 雪に沈む山村ほど、古い伝承は澱のように濃く残り、そこに息づく人々の不安や敬畏すら、白い呼気のようにはっきりと見えてくるからだ。

 

 私は大東亜文化大学で民俗学を教える柳沢昇――いわゆる「怪談」好きな素人ではない。学者だ。

 だが民族学と怪異譚は本来、同じ場所から生まれる。未知への畏れ。

 柳田國男が『一つ目小僧その他』で指摘したように、山に棲む怪異には

 眇(片目)・片足・白い肌

 という特徴が、全国どこを巡っても符合する。

 

 今回、私が調査に訪れた山間の村・川後(かわご)も、まさにその系譜に連なる噂を持っていた。

 

 「柳沢先生❤️雪……静かですね」

 

 同行しているゼミ生、姉川美奈子が吐く息は細く、白い。

 彼女は黒髪を揺らしながら、私の横にぴたりと立っていた。

 眼鏡越しの視線は、いつも私を神か何かのように見つめてくる。

 それが時にくすぐったく、そして危うく感じるほどに真っすぐだ。

 

 

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 「ここは、夜は決して裏山に入るなと言われているそうです」

 

 「言うね。どうしてかな?」

 

 「……村の人、誰も詳しいことは……教えてくれませんでした」

 

 美奈子の小さな声が震えた。

 恐怖ではなく――私に役立たぬ自分を恥じているように。

 

 私は微笑し、彼女の頭を軽く撫でた。

 

 「いいんだ。知ろうとする意志があれば、それだけで充分だよ」

 

 途端に美奈子の耳が赤く染まる。

 だが、その微笑みが後に、私自身の理性を支える最後の光になるとは――

 このとき私は知る由もなかった

 

2 裏山の白影

 調査初日の夕刻。

 私は村の古老から、ぽつりとこんな忠告を受けた。

 「教授さんよ……裏山だけは、覗き見なさるな」

 覗き見なさるな――。

 見る、という行為そのものへの警告は、民俗学的に非常に興味深い。

 古来より「見る」ことには力が伴う。

 見れば祟る。見れば狂う。見れば死ぬ。

 

 その言葉の意味を、私はまもなく身をもって知ることになる。

 

 夜。

 宿にしている古民家の二階。

 私は古い双眼鏡を手に、裏山の斜面を眺めていた。

 「教授……? そんな、暗いのに……」

 美奈子が不安げに袖をつまんでくる。

 「月明かりがある。山の影は意外とよく見えるんだ」

 

 その瞬間だった。

 

 雪の斜面の中――

 白い、人影が立っていた。

 

 いや、人影……ではない。

 白い肌。異様に長い手足。裸。

 その手には、光を吸うような黒い鎌。

 

 そして、踊っていた。

 ゆらり、くねり、捩じれながら、

 踊りというよりは、何かを呼びかけるように。

 

 私は研究者としての興奮が先立ち、さらに双眼鏡を近づけ――

 

 その“もの”と目が合った。

 

3 希死念慮の奔流

 瞬間、

 私の頭の奥に、氷を流し込まれたような衝撃が走った。

 死ね。

 声ではない。

 だが、私の全身がそう命じられた感覚。

 跳び降りろ。凍死しろ。息を止めろ。

 なぜ生きている。

 お前は、生きていてはいけない。

 

 私は一瞬、本当に窓を開けて外へ身を投げそうになった。

 

 「教授!!」

 

 美奈子が私の腕を掴み、泣き声で叫ぶ。

 

 「見ちゃ……だめです、教授!!」

 

 その瞬間、私は双眼鏡を落とした。

 硬い畳に当たって、乾いた音が響く。

 

 「はぁ……はぁ……」

 

 己の鼓動の音が、体の内側で雷のように鳴っている。

 

 「今の……あれは……」

 

 美奈子が青ざめた唇で呟く。

 

 「……邪視だ」

 

 声が震えた。

 民俗学者として、何百と読んできた怪異譚。

 その中でも「見たら終わり」という存在は少なくない。

 

 だが、これは明確だった。

 あれは、人が恐れ、祀り、そして忘れ、

 忘却された後に“堕ちた神”の成れの果て――。

 

 柳田國男が記したような、

 **山に潜む一つ目の“もと神”**の姿が、そこにあった。

 

4 夜の防衛戦

 私と美奈子は急いで一階に降り、厚手のカーテンを閉めた。

 

 「教授……あれ、こっちを見て……」

 

 「興味を持たれた、ということだ」

 『邪視』の説話が私の頭の中で繋がる。

 これは追跡する怪異ではない。

 興味を持たれた“対象”が、死ぬまで見続ける存在だ。

 「美奈子、サングラスを」

 「はい……持ってきました……!」

 震える手で彼女が差し出す。

 私は受け取りつつ、彼女の頭を撫でた。

 「美奈子。しばらく、私のそばから離れるな」

 「はい……教授のためなら……死ねます」

 「死ななくていい」

 

 思わず笑ってしまった。

 だが、その笑顔も次の瞬間消え去る。

 

 ――カツン。

 

 玄関の戸を、何かが叩く音。

 

 その音はゆっくり、ゆっくりと横へ移動し、

 窓の外へ、壁へ、家の外周をなぞるように続いていく。

 

 歩幅は異様に狭く、まるで片足で跳ねているような音――

 柳田民俗学が記す「片足の怪異」の特徴そのもの。

 美奈子が私の袖を掴む手は、冷たく震えていた。

 「教授……やだ……やだ……」

 「大丈夫だ。まだ、入ってこようとはしていない」

 だが、こちらを“見ている”。

 カーテンの向こうに視線が刺さるような、あの圧力。

 見られるだけで、心が崩れていく。

 私は息を呑んだ。

 

 「あれは……神だ。かつて祀られ、忘れられ、堕ちた神だ」

 

 「神様……なのに、あんな……」

 

 「忘れられた神は、妖怪となる。

  人の信が消えれば、形も心も歪む。柳田が言った通りだ」

 

 美奈子は私を見た。

 その瞳には涙と……決意が宿っていた。

 

 「教授……わたし……教授を守ります」

 

 「君が守る必要はない。私が君を――」

 

 そのとき。

 

 ――ガリッ。

 

 障子の木枠が、外側から削り取られた。

 

禁忌の供物

 

美奈子が突然立ち上がった。膝が震えているのがわかる。

「教授……私、あの化け物に……」

「待て! まさか―」

 

彼女は振り向き、涙を滲ませた瞳で微笑んだ。

「お昼に猟師のおじいさんが言ってました…呪われそうになったら…“女を差し出せ”って。邪視さまは女を欲しがると」

「馬鹿な! それは生贄だぞ!」

私は必死に腕を掴む。だが彼女の決意は鋼のように固かった。

 

「教授を死なせるくらいなら……私、犯されたっていいんです」

 

障子の向こうの異形は動きを止めていた。まるで品定めをするように。

 

彼女は襖を開けた。外は闇。雪が舞っている。

白いワンピースのような服を脱ぎ捨てると、下着のみで雪の中に降り立った。

 

「……やだ……教授、見ないでください……」

羞恥で肩が震える。月光に照らされた白い肌が儚く浮かび上がる。

 

異形が雪の中から現れた。白く細長い肢体。片方の目が爛々と輝き、もう一方は空洞になっている。長い爪が地面を引っ掻きながら接近する。

 

「ヒィッ……!」

美奈子が短い悲鳴を上げて後ずさる。

だがすぐに踏みとどまり、両手を広げた。

 

「わたしを……慰み者にしてください……そしてどうか柳沢先生への怒りを解いてください、、お願いです……」

 

異形が彼女の前に立ちはだかる。六尺ほどの長身。風に靡く長い白髪。

片目が細く開かれると同時に、奇妙な圧迫感が漂ってきた。

見られている。全身が冷たく、痛む。

 

次の瞬間、異形が彼女の腰に腕を回し、高く持ち上げた。

「アッ……く…ぅう……」

雪原に背を押し付けられると、冷気が肌を刺した。

 

異形の顔が彼女の胸元に近づく。

無造作に下着を引き裂かれると、乳首が月光に晒された。

片目の邪視がじっと注がれている。乳房全体が火照り始めているように感じられた。

 

 

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「やっ……触らないで……ひゃ……あっ……」

異形の指が乱暴に乳房を握りしめる。

爪が食い込む痛みと同時に、電流のような快楽が走った。

「イヤァ……!」

羞恥と混乱で涙があふれる。それでも身体は異形に反応してしまう。

 

邪視が舌を伸ばした。薄紫色の舌が彼女の乳首を弄ぶ。

「ダメェ……そんなトコ舐めちゃ……あぁ……!」

くすぐったさと屈辱が混ざり合い、彼女の喉から甘い呻きが漏れた。

 

「み……美奈子……逃げろ……!」

私は必死に声を張り上げる。だが抵抗できない。邪視の片目が私の方向に向く度に全身が麻痺し、手足が鉛のように重くなる。

 

「教授……ごめんなさい……ごめんなさい……」

美奈子は懇願しながらも、次第に身体が弛緩していく。

邪視の愛撫に合わせて呼吸が深くなり、口元からは熱い吐息が漏れていた。

 

「わたし……汚されちゃう……全部見られちゃってる……」

彼女の声色が変わっていく。恐怖が高揚に変わりつつあるのを感じる。

 

邪視が彼女の下腹部に手を滑らせた。指先で秘部をなぞる仕草に、美奈子の腰がビクリと跳ねる。

 

「あっ……そこは……やぁ……」

拒絶の言葉とは裏腹に、身体が反応してしまう。彼女の最も柔らかい部分が濡れ始めているのが見て取れた。

 

「お許しください……でも……教授のために……」

謝罪の言葉を紡ぎながらも、次第に瞳が潤んでいく。清楚な表情が快楽に溶け始める様子は、あまりにも残酷だった。

 

邪視が大きく脚を拡げさせると、濡れた下着が露わになった。

羞恥で頬を染めながらも、彼女の目は妖艶な光を帯びていく。

 

「すごい……見られてる……気持ち悪いのに……なんでこんなに……」

彼女の声は掠れ、もはや懇願というより喘ぎに近くなっていた。

 

「わたしが代わりになりますから……だから……お願いします……」

涙交じりの声が月明かりに溶ける。

 

異形の股間から奇怪な肉棒が伸びてきた。歪な形状だが硬直しており、脈打っている。

それを目にした瞬間、美奈子の顔から血の気が引いた。

 

「ひっ……そんな……怖い……」

反射的に後ずさろうとするが、身体は従わない。むしろ待ち望んでいるかのように腰が動いてしまう。

 

「あぁ……教授……ごめんなさい……」

絶望と陶酔が入り混じった表情で呟く。そして自ら唇を寄せていった。

 

異形の異様なモノを咥え始めた時、私は激しい嫌悪感と共に目を逸らしたくなった。

だが逸らすことができない。まるで魅了されたように、一瞬一瞬を見届けなければいけないと感じていた。

 

「んっ……ぷっ……おっきい……」

苦しそうな呼吸とともに卑猥な音が響く。唾液と先走りの液体が混ざり合い、泡立っている。

 

邪視が満足げに低く唸ると、彼女の頭を掴み動きを加速させる。

「んぐっ……! むっ……くぅ……!」

美奈子の目からは涙が溢れ出ていたが、その顔は恍惚としているようにも見えた。

 

唾液まみれのものを引き抜かれた後、彼女は自ら四つん這いになった。

「もう……早く済ませて……わたしのこと……壊していいですから……」

哀願とも挑発ともつかぬ声で誘う。

 

異形が背後から覆いかぶさり、一気に貫いた瞬間。

「アアァーーーッ!!」

獣のような叫び声が夜空に響く。彼女の背筋が弓なりになり、爪先までピンと伸びる。

 

「熱い……苦しい……なのに……気持ちいいなんて……最低です……わたし……」

嗚咽しながらも腰は自然に動き始めていた。

雪の上で美しい肢体が淫らに蠢く。

 

抽送が繰り返されるごとに嬌声が大きくなっていく。

「イキます……イッちゃいます……教授の前で……ごめんなさい……許して……!」

そう叫ぶと同時に身体が激しく痙攣し、絶頂を迎えたことが明らかだった。

 

しかし異形は止まらない。逆に更に激しく打ち付ける。

「もっと……もっと突いて……わたしのこと……好きにしてください……」

完全に理性を失ったのか、もはや言葉にならない喘ぎしか聞こえない。

 

彼女の内側では何かが確実に変わりつつあった。清楚な少女が、陵辱を通じて別の存在へと作り変えられていく。

汗と涙と体液でぐちゃぐちゃになりながらも、その姿は痛々しいほど美しかった。

 

私はただ無力にそれを見つめているしかない。邪視の片目が私を捉えるたび、思考は白く霞み何も考えられなくなる。

ただ唯一思うのは「守るべきだったのに」という後悔だけだ。

 

やがて異形が低く唸り、大量の白濁液を放出した。

「あぁ……温かい……いっぱい……」

虚ろな声で呟きながら、雪の上に崩れ落ちる。

邪視は1回の射精を終えても全く萎える様子はなかった。彼女の腰をつかみ、獣のように四つん這いにさせた。

 

雪の上に四つん這いになった美奈子の臀部に、白い異形が覆いかぶさる。

「やっ……まだ……ダメ……」

息も絶え絶えの抗議は届かない。剛直が再び押し込まれると、彼女の背中が弓なりに反った。

 

「んあぁっ……! こんなに深く……苦しいのに……奥が……熱くて……」

苦悶と歓喜が入り混じった声が漏れる。陵辱されているはずの肉体が勝手に反応し始める矛盾に、彼女は困惑していた。

 

異形が片手で乳房を鷲掴みにする。

「あっ……乳首引っ張らないでぇ……」

痛がるような声だが、同時に膣内の締め付けが強まった。片目の邪視がじっと彼女を見据えている。

 

「見られてる……全部……感じてるところも……イッちゃうところも……」

羞恥で涙が溢れる。だがその感覚こそが官能を増幅させていた。清純な少女が強制的に快楽を受け入れさせられる様は、残酷なまでに美しかった。

 

抽送の速度が上がり、粘膜同士が擦れる淫靡な音が響く。

「イクッ……またイッちゃう……先生の前で……ごめんなさいぃ……!」

謝罪と快楽が融合した叫び。身体が激しく痙攣し、結合部から潮が吹き出した。

 

絶頂に達しても異形は止まらない。

今度は彼女を仰向けにすると、脚を大きく広げさせた。

「恥ずかしい……こんな格好……」

月光の下で露わになる秘部を隠そうとする手を、異形が無慈悲に払い除ける。

 

「いやぁ……丸見え……」

顔を覆う彼女の指の隙間から、快楽に蕩けた瞳が覗いている。理性は未だ抵抗しようとするが、身体は既に屈服していた。

 

異形が腰を引くと、泡立った蜜液が糸を引く。

「すご……絡み付いてる……」

その様子を凝視する自分の目線に戸惑う。異形との交合を客観視することで、美奈子の中で何かが変わりつつあった。

 

「やめて……もう十分ですよね……?」

懇願しながらも脚が勝手に異形を迎え入れるように動く。

「違うの……本当は……欲しいなんて思ってないのに……」

矛盾する言葉に自分で混乱していた。

 

突然異形が動きを止め、彼女の顔を両手で包む。

「何するの……やめて……」

怯えた声とは裏腹に、目は期待に満ちていた。片目の邪視と至近距離で視線が絡み合う。

 

「見ないで……あ……だめ……また……濡れてきちゃう……」

視姦によって膣内が疼き始める。これまでの経験とは違う未知の感覚に恐怖を覚えながらも、身体は正直に反応してしまう。

 

「気持ち悪いのに……いやらしい目で見られるだけで……おかしくなりそう……」

恥辱に震えながらも、無意識に腰が揺れ始める。清楚な少女から快楽を貪る雌へと徐々に変貌していく姿に、自身も気づき始めていた。

 

「お願い……めちゃくちゃにして、犯して……」

ついに彼女の口から出た言葉に驚愕する。それが本心なのか演技なのか判別できないまま、自ら脚を更に広げていく。

 

「先生……許してください……わたし……もう我慢できません……」

涙交じりの告白を遮るように、異形が一気に最奥まで貫いた。

「アアァーーーーッ!!」

今度は謝罪も拒絶も無い。ただ純粋な歓喜の叫びだけが夜空に響いた。

 

激しい抽送が続く中、彼女は自ら腰を動かし始める。

「もっと……強く突いて……壊してほしいのぉ……」

もはや被虐的な欲望すら芽生えていた。愛する教授を救うための犠牲のはずが、いつの間にか自己完結した快楽の探求へと変わっていることに薄々気づいていた。

 

「イクッ……また来る……すごいの来ちゃう……!」

身体を捩らせながら絶頂を予感する。同時に異形も限界を迎えようとしていた。

 

「中に……出していいですか……?」

確認するような問いかけ。その意図は不明だが、彼女の中に確かな期待があった。

 

「お願いします……あなたの全部……受け止めたいです……」

懇願と共に膣内が激しく収縮する。その言葉通り、異形は最奥で熱い奔流を解き放った。

 

「あぁ……熱い……すごい量……」

胎内で広がる灼熱感に背筋が震える。初めて経験する受精の悦びに近い感覚に戸惑いながらも、彼女は全身でそれを受け止めていた。

 

行為が終わると異形はゆっくりと引き抜く。彼女の割れ目から白濁液が溢れ出てくる様子を満足げに見つめると、突如として転移するように姿を消した。

 

「終わった……の…?」

放心状態で呟く美奈子の体から力が抜け落ちる。雪の上に倒れ込みながらも、その顔には奇妙な安堵の表情が浮かんでいた。

 

遠くで見守る柳沢教授は複雑な思いで立ち尽くしていた。教え子を守れなかった後悔と同時に、美しくも哀れな彼女の姿に言い知れぬ感情を抱いていた。

雪が静かに降り積もり、全てを覆い隠していく夜更けだった。

 

 私はその場に崩れ落ちた。

 美奈子が駆け寄り、喉が詰まった声で泣いていた。

 

 「先生……怖かった……本当に……!」

 

 「美奈子……すまなかった。君を……巻き込んでしまって」

 

 彼女は涙の中で首を振る。

 

 「先生を守れるならわたし……なんでも……」

 

 なんでも――その言葉がやけに重かった。

 私は彼女の手を握り返し、静かに言った。

 

 「守られたよ。ありがとう」

 

 その瞬間、美奈子は泣きながら私の胸に顔を埋めた。

 

 裏山は明け方まで静まり返っていた。

 

エピローグ

柳田國男『一つ目小僧その他』は、山岳部における怪異譚が

①一つ目 ②片足 ③白い肌

という特徴のいずれか、あるいは複数を帯びる点を指摘している。

私が遭遇した「邪視」も、この三点を完全に満たしていた。

• 冬枯れの尾根に立つ“ソレ”は 全身が雪のように白く

• 両眼ではなく 額にひとつだけ黒い穴のような眼窩 をもち

• そして 明らかに人間ではない動き で舞うように蠢いていた。

折しも望遠鏡越しに目が合った瞬間、私は強烈な虚無感と自殺衝動に襲われた。

あれほど理性が吹き飛ぶ経験は、人生で初めてだったと言ってよい。

そして、私を守るために、その体を差し出した美奈子は理性を吹き飛ばされ邪視の慰み者となった。最愛の人間を寝取られながら、私は何だ抵抗する術を持たなかった。

柳田が述べた「堕ちた神が妖怪となる」という視点は、この事実み不気味な説得力を与える。

人の畏れを集める“神”の座から零れ落ち、山の奥に押しやられた“元神格”――

それこそが邪視の本質なのかもしれない。

 

雪明かりの温泉宿にて

 

朝日が林の間から差し込む頃、私たちは村を後にした。助手席でうとうとと眠る美奈子の頬にはまだ涙の痕が残っていた。車のエンジン音だけが静寂を破る。

 

「先生……」

 

眠りかけの声にハッと振り向くと、彼女が小さく呟いた。

 

「もう……あの村には帰りたくない……」

 

その切実な願いに、私は何も答えられなかった。

 

 

峠を越えた先に現れたのは、鄙びた温泉宿だった。「松籟荘」と書かれた古めかしい看板が雪に半分埋もれている。運転手が突然「混浴」であることを告げた時、私の背筋が凍った。

 

「えっ……でも……」

 

美奈子が俯き加減に言う。

 

「じゃあ別の宿を探しましょう」

 

彼女は首を振った。その目には、何か強い決意が宿っていた。

 

「先生さえよければ……わたし……一緒に入りたいです」

 

その言葉に、私は絶句した。

 

---

 

湯煙が立ち込める露天風呂。檜の湯船に浸かる私の横に、タオル一枚で現れた美奈子の姿があった。雪の降る中庭に照らされた湯船の水面が微かに揺れている。

 

「先生……怖い夢ばかり見て……」

 

彼女が静かに肩まで湯に沈みながら囁いた。

 

「あの邪視に見られた時の感覚が……まだ残っていて……」

 

言葉を詰まらせる彼女の手が、水面下でそっと私の手を探す。

 

「汚された自分が……消えないんです」

 

その指先が震えていた。私は咄嗟に彼女の手を握りしめた。湯の中で溶けるような温もり。

 

「汚されてなんかいない。君は勇気のある人間だ」

 

嘘ではない本心だった。彼女が私のために自分を犠牲にしようとした事実に胸が締めつけられる。

 

「だけど……忘れられないの」

 

彼女の声は湯気に溶けるほど弱々しかった。

 

「あの醜い快感を……」

 

突然、彼女が私の腕に顔を押しつけた。

 

「先生の手で……上書きしてほしい」

 

その一言に、すべてを理解した。

 

---

 

「ここに座ってくれないか」

 

湯船の縁に座るよう促すと、美奈子は恥ずかしそうに従った。その膝が緊張で微かに震えているのを見て、私は初めて教師として彼女に接してきたことを思い知らされた。

 

「怖い?」

 

「少しだけ……でも、先生なら……大丈夫」

 

その言葉に胸が熱くなった。私は彼女の太ももにそっと手を置いた。肌理の細かい柔肌が湯で温まっている。

 

「目を閉じていいよ」

 

ゆっくりと目蓋が下りると同時に、彼女の小さな吐息が漏れた。

私はまず指先で優しく彼女の膝から鼠蹊部へと滑らせていく。

 

「んっ……」

 

彼女が小さく身をよじる。だが拒絶する様子はなかった。むしろ期待に満ちた熱っぽい息遣いが湯気の中に溶けていく。

 

「どんな風に触れられた?」

 

声が震えないよう努めながら尋ねると、

 

「乱暴で……でも不思議と……」

 

彼女は言葉を切り、顔を赤らめた。

 

「快感を覚える瞬間があって……」

 

その告白に衝撃を受けたが、表情には出さなかった。彼女の傷に触れようとすることは、私の役目だった。

 

「でも、今は優しくしてあげる」

 

耳元で囁くと、彼女は小さく頷いた。湯気の中で肌と肌が触れるたび、二人の体温が混ざり合う。美奈子の吐息が徐々に深くなり、肩の緊張が解けていくのがわかった。

 

「あ……っ…先生……そこ……」

 

敏感な部分に指が触れた時、彼女が小さく声を上げた。私は慌てて動きを止め、「痛かった?」と訊ねる。

 

「ううん……違います……むしろ……もっと……」

 

恥ずかしそうに言う彼女の瞳は潤んでいた。

私はゆっくりと指を動かし続けた。彼女の反応を見極めながら、決して急がずに。

 

「はぁ……っ…先生の指……優しい……」

 

その言葉に私は力を込めた。邪視に与えられた暴力的な快楽を、慈しみで上書きするために。

 

「気持ちいい?」

 

「はい……すごく……んっ……!」

 

湯の中で彼女の身体が波打つ。その姿は痛々しくもあり、美しくもあった。私は彼女の腰に腕を回し、しっかりと支える。

 

「もう少し力を抜いてごらん」

 

「でも……先生の前で……こんなこと……」

 

彼女の羞恥心が垣間見える。私は額にそっと口づけをした。

 

「私はここにいる。いつだって傍にいる」

 

その言葉に彼女の肩の力が完全に抜けた。私は両手を使って彼女の緊張を解いていった。首筋から鎖骨へ、そして胸元へと。

 

「あぁ……っ…!」

 

彼女の吐息が熱くなる。指先で乳首に触れた時、彼女の腰が大きく跳ねた。

 

「ごめんなさい……声が出ちゃって……」

 

「大丈夫。全部聞かせて」

 

その言葉に安心したのか、彼女の身体が弛緩していく。

湯煙の中で私たちの影が重なり合う。私の手が彼女の全身を丁寧に撫でていくうちに、美奈子の声が徐々に切羽詰まったものへと変わっていった。

 

「先生……わたし……変になってます……」

 

「怖がらなくていい。そのまま感じてごらん」

 

私は彼女の頬に優しく口づけをした。涙の味がした。

 

「ずっと一人で抱えてきたんだろう?」

 

「はい……夜になると……思い出しちゃって……」

 

彼女の身体が小刻みに震えている。過去のトラウマを呼び起こすことなく癒すために、私はゆっくりと時間をかけた。指先で彼女の性感帯を探り当てながらも、決して強要することなく。

 

「先生……わたし……もう……」

 

美奈子の呼吸が荒くなり始めた。限界が近いことを察し、私は動きを速めた。彼女の身体が大きく震える瞬間を見計らい、

 

「イッていいよ」

 

そう囁くと同時に、彼女が甲高い声を上げた。

 

「あぁーーっ!!」

 

湯船の中で身体がしなり、水滴が飛び散る。美奈子は私の腕の中で震えていた。

 

「はぁ……っ…こんな……久しぶり……」

 

呼吸を整えながら彼女が呟く。

 

その表情には解放感と共に、何か大切なものが取り戻されたような安堵があった。

 

 

湯から上がり浴衣を纏った美奈子は、別人のように晴れやかだった。

縁側で並んで座り、雪景色を眺める。

 

「先生……ありがとう……」

 

「私の方こそ感謝したいよ。君が私を守ってくれたから」

 

彼女が頬を紅潮させる。

 

「わたし……もうあんな経験は二度とごめんですが……でも……今日のことは忘れません」

 

夜空に星が瞬く中、私たちは静かに肩を寄せ合った。邪視の呪いも記憶の一部となってしまえば、いずれ時間が解決してくれるだろう。そう信じることにした夜だった。

 

雪明かりに照らされた温泉宿の窓辺で、新たな日々の始まりを誓う私たちの姿があった。

 

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