今川義元は清洲城に近い場所にある広い屋敷で生活することなった。
将軍家に連なる家柄なことも含め、冷遇したらば彼女が喚き出すことも考えての処置らしい。とはいえ明日には戦後裁判が開かれ、彼女の処遇が決められるため、最後の贅沢として多少の贅沢は目をつぶるとのこと。
そんな義元から呼び出しを食らった。理由は不明だが、側女を通じて呼び出された。
屋敷の門をくぐり、側女達から出迎えられて案内された部屋に義元はいた。彼女は義和に気づくと、上品な振る舞いで軽く一礼する。
「義和さん、お待ちしてましたわ」
桶狭間で出会った彼女とは同一人物とは思えないほどに、義元の姿は美々しかった。
なんというか、人が変わっていたのだ。今の義元は本陣で会った時の勝ち気で横柄な態度が抜き落ち、凛として清明な令嬢といったところか。
平安時代の貴族の女性を連想させる、そんな雰囲気を醸し出していた。悪い物でも食ったのか。
「つかぬことをお聞きしますが、元康さんは今どうしてますの?」
「桶狭間の合戦後、信奈が和睦の使者を遣わせた。が、まだ返答は来てないな」
「……そうですか。元康さんのことです。無駄な戦いは避けることでしょう」
「で、俺をここに呼び出した理由はなんだ?」
するとどうだろう。義元は紅潮した頬を振袖で隠し、照れくさそうにこう言った。
「わ、わたくしを抱いてくださいませ」
「……は?」
開いた口が塞がらないとはまさしくこのこと。義和の顔は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。
「何故そんなことを……」
「そ、それはですわね」
義元は頬をさらに紅くさせながらもじもじとくねらせる。
ここで義和が無神経な発言をする。
「まさか、色仕掛けか?」
『ち、違いますわ!』と激しく怒るものの、すぐに落ち着きを取り戻し、覚悟を決めたような目で全てを明らかにした。
「……惚れましたの」
「え? 今、なんと……」
「貴方に惚れましたの! 何度も言わさないでくださいまし!」
惚れた。こんな台詞聞くのはドラマの中だけと思っていたが、絶世の美女と言っても過言ではないルックスの義元からコクられれば嬉しいものだ。
「鬼神の如き戦いぶり……貴方の姿を見たとき、逃げることが出来ませんでした……。男に負けるなんてこれで二回目。屈辱的ですが、不思議と嫌ではありませんわ」
義元は自分でも気づいていないが、屈強な男が好みである。
何せ、彼女の周りにいる男達は彼女を煽てて気に入られようとへりくだった態度をとる。そんな環境で過ごし
てきたせいか、いつしか男は不甲斐ないものと思ってしまっていた。
そんな中、本陣の奥深くまで攻め込んだ義和にメロメロなのだ。ちなみに一回目の男とは彼女の育て親ともいえる太源雪斎だ。
「しかし、何故に今?」
すると義元は暗い顔を見せ、細々とした声で訳を話し始めた。
「わたくしの詮議は明日と決まりました。そして詮議では良くて島流し、悪くて斬首といったところでしょう」
「……」
そんなことはないと言い切れなかった。
織田家としては今まで今川家に侵略されてきた恨みがあるはず。それを降伏したからといって、水に流せる家臣達は何人いるだろうか。
「どうせ死ぬなら最後に好いたお方から抱かれたいと思い至ったです」
「……あい、わかった」
まさか了承してくれるとは。断れなかったことに安堵し、自然と胸を撫で下ろす。
そんな義元を一瞥すると呆れたように一つ促す。
「言っておくがやめるなら今のうちだぞ。一時の気の迷いってやつだろうからな」
「構いません。覚悟は決めましたわ」
義元は立ち上がると十二単を一つ一つ脱いでいく。一歩歩むことに一枚ずつ衣服が床に散乱し、小袖になったところで隣の部屋の襖に手を沿え開ける。
部屋には小さな行灯と一つの布団に枕が二つ。完全にそういうムードだった。
その布団に腰を下ろしたのち、小袖に手をかけた。
「脱がすぞ」
「はい……」
肉体が露出したところで義和は驚いた。意外にも義元は巨乳である。勝家や長秀を比べるとやや小さめだが、歳の割に似合わぬ果実の持ち主だった。
餅をこねるかの如く捏ね回せば柔らかな肌が手に吸い付き、波を立てつつ震え揺れる。
「ぅわっ……あっ…」
「すべすべだな。身体も美容に気をつかってるのか?」
「い、いえ。わたくしほどになれば美容に気をつかわずとも、美しさは保たれるものですわ。美とはわたくしのことであり、わたくしこそが天下一の美少女ですもの」
「そ、そうなのか」
決して曲げない自尊心はある意味尊敬に値する。
ならばその自尊に満ちた顔がこれから堕落するとどうなるものか、楽しみである。
「あっ…いや…そこはッ……!」
「綺麗なピンク色だな」
「乳頭はやめて、くださいまし……! ぁう……!」
たわわに実った乳房を鷲掴み、ぷっくりと膨らんだ乳首に舌を走らせる。
乳輪を舌でなぞり、歯で甘噛みしてやると義元の身体が仰け反った。
「ぁッ……ああ……ん…あ」
舐めて甘噛み。吸って甘噛み。そんなアメとムチを繰り返した口撫に義元はただひたすら耐えるのみだ。
まさかここまで乳首が弱いだななんて、誰も思わないだろう。ただ一人、今ここで彼女の胸を弄ぶ義和を除いて。
「ま、るで赤子のッ……ようで、すわね……」
「男はみんなおっぱいが好きなもんなんだよ」
母性の強い女性を好むのは男として普通だ。ならば、母性の象徴たる胸に執着するのも何もおかしくない。
義元は子供のような性格ながら、体つきは大人である。これに興奮しない男がいるわけない。
「…ぅふッ……ぅう"……」
声を荒げることが恥ずかしいのか、指を噛んで声を抑えようとしていた。
そんな義元の手を口から離させて、耳元でドラマチックな台詞を吐いた。
「素直になるといい。義元の美声が聞きたいんだ……」
「はうぅ……!」
義元は貴族の嗜みとして古典文学を読んでいる。その中にはエロスな描写やロマンスな台詞も綴られている。義元はそんなシーンが好きだ。もしも現代世界で生きていたなら、ラブロマンスな映画やドラマに熱中すること間違いなしである。
話がずれたが、男からこんな台詞を言われるのは義元からすれば最高のシチュエーションなのだ。
彼女が余韻に浸ってる間、こちらも裸になる。上、下と脱いだところで勃起した逸物が露になり、義元は驚嘆の声を上げた。
「な、なななんですのそれは!?」
初めて見る男の逸物に義元は思わず引いた。
経験のある側女から聞いたモノとまったく違い、大きくて逞しくグロテスクな逸物なのだ。ピクピクと震えるその様はまるで別種の生き物だ。
「殿方のはそんなに大きいものなのですか……?」
「さあ? 他人と比べたことはないからな…」
陰茎を見つめてくる義元は興味津々といったところだ。
目にハートが浮かんでいるように熱を孕んだ眼差しで見つめ、息を荒くしている。
痙攣する肉棒を恐る恐る触ってみると熱くて硬い。未知なる感触だった。
「な、なんて面妖な……!」
得体の知れないものに怖じ気づいてしまい、全身がすくんだ義元のために、こちら側から動いた。
股に手を伸ばしてみればヌルリと手が滑り、生暖かい液体がべっとりと手につく。
「そこは……!」
目をやれば僅かな陰毛に埋もれ、淫靡な秘裂が愛液でテカっていた。甘酸っぱいメスの臭いを漂わせ、今か今かと待ちわびているようだ。
準備は万端。ならばとひくつかせてる陰裂に亀頭をあてがった。
「挿入れるぞ。力をいれないほうがいい」
「はい、どうか、一思いに……うっ!」
未開発な陰部を亀頭が強引に抉じ開けるが如く、奥へ奥へと沈んでいく。苦痛を和らげるためにも乳首を苛めながら少しずつ挿入していく。途中、亀頭の侵入を遮る膜が当たったが、腰を落とすことで大した力も入れずにその膜は破れた。
「これが殿方のモノなのですね……」
苦痛の表情は見せまいと顔を強張らせるも、目元には涙を滲ませる。涙を手で拭ってやると義元の表情は綻んだ。
「お優しい御方ですわね。戦場で会った時とは大違い……」
「最初の出会いがあんな泥臭い場所で悪かったな」
とはいえ、痛いことは変わるまい。時間を置かせ、痛みが緩和されるまで待ったところで腰をゆっくりと動かしていく。
犬千代と比べると義元の膣内は膣中のヒダが肉棒全体を包み込むように締め付けてくる。
すると義元が両手で顔を捉えてきた。やや憤怒に染まった眼差しから察するにご立腹の様子。
「ちょっと! 今ほかの女子のこと考えましたわね! 顔に出てますわよ!」
義元は勘が鋭かった。ちょっと犬千代が頭に過っただけで見透かすほどの勘の良さには感服する。
「まったく……今はわたくしだけを見てください……んっ」
そう言うと己の唇で塞ぎ、決して離さまいと深いキスを交わす。
他の女など忘れてさせてやると言わんばかりの口吸いだ。初体験の少女がやるにはあまりにもディープなキスだった。
「むふっ……ぅん……んむ…んんぁ……あぁっ……!」
こちらも負けずと舌を動かし、口内を凌辱にかかる。連動するように下半身にも力を入れて膣内を蹂躙する。口と膣を攻められ、義元の表情は絶頂に浸っていた。
「ぅうあ……はんっ…んんぅ……」
ゆっくりとだが、奥深くまで突き刺すピストンに悶えつつある。
そんな時、義元が喘ぎながらその涎だらけの口を開く。
「もっと、いぅ…激しくても……構いませんので……んぅあっ!」
「仰せのままに」
挿入したまま正常位からバックへと体勢を変えた。ドリル状に蠢く肉棒に浅い快感が押し寄せたところですぐさまピストンが開始される。
「んあっ……ぃひん…ふ、深い、ですわ……ぁあっ…!」
パンパンとリズミカルな肉弾が奏でられ、その一音ごとに奥を攻められる。
さらにはカリの部分が膣内を引っ掻くようにして引き戻される。
「まるでッ……んんっ…、獣の、よう…ぅう…ですわね……っ!」
実質、獣である。乱暴に腰を打ち付け、快楽しか望まぬような行為はまぎれもなく獣の交尾だった。
しかし、だからといって止めるわけがない。只ひたすらピストンあるのみ。だが乱雑ではない。より深いところを掻き出すように腰を使って抉っていく。
「ぃうぁ……待っ、てぇ……んあぁ…、くだ、さ…ぃい…」
小ぶりなお尻にアザが出来るぐらいの腰使いだ。生娘の身には激しすぎる動きに脳がチカチカする。
「ひやぁッ! む、胸を…弄らないでぇ……!」
枝毛やアホ毛が一切ない美髪に顔を埋め、後ろから胸を揉みながら腰を早める。
二人の睦事はポルノ映画のワンシーンの如く、エロスと愛を兼ね備えたような睦事だ。
会って一日にも満たない男とこうして行為を交わすなど、情婦にも似た所業ではあるが、何故か険悪さを感じない。むしろ、今こうして抱かれていることで最大の幸福を実感していた。
こんな時間がいつまでも続けばいいのに--、と。そう思うと下半身が疼く。この人の子を産みたいと子宮が疼いていた。
奇しくも、義和もがこの女を孕ませたいという動物的な思想に支配されていた。その思惑が行為にも表れ、より一層動きに激しさが増す。
そして二人の体は限界を迎えようとしていた。
「ぐっ、射精すぞ……!」
「ど、どうか、中へッ……! ぁあっ…!!」
奥へと突いた瞬間、たがが外れたように精液が放たれた。それと同時に、義元の身体が大きく仰け反った。最大の絶頂に身をやつし、彼女の肉体は快楽に染まったことだろう。
肉棒を引き抜くと陰穴からドロッとしたモノが流れて、布団を汚していく。
「はあ……はあ……」
義元は疲れ果てたのかその場に崩れ、寝てしまった。さすがに年頃の少女には酷すぎた初体験だったようだ。
「義和さま……」
寝言を立てる義元の頬にキスしてやると安堵を得たようにより深い眠りについた。
後日のことである。
義元の処遇についての裁判は信奈の独断のみで決定したといっていい。
敵対していた家の当主となれば重罰は免れない。いくら義元が降伏したからといって、何の咎めも受けないわけがない。しかし最後の最後まで義元は今川家の人間として役目を終えようとしていた。
そんな義元に対して信奈は判決を下した。
『そうね……。政治に口出ししないってなら命まではとらないわ。とりあえず私に完全服従ね』
意外にも信奈は寛容だった。後で聞けば、まだまだ使える余地があるから生かしておいたとのことである。
かくして、今川義元は織田家預かりとなり、今川家は事実上滅亡。
領地の遠江・駿河は元康との今後の協議で決めていく所存らしい。
さて、それで現在の義元はというと……。
「義和さ~ん! 貧相な部屋で地図眺めてる暇があるなら蹴鞠でもやりませんの?」
「ちょっと! こっちはあんたの領地について話し合ってるんだからあっちに行ってなさいよ! っていうかなんで城の中を自由に歩き回ってるの!」
「あら? わたくしがどこを歩こうとわたくしの勝手でなくて?」
昨日の凛然ぶりな姿はどこへ言ったのやら、いつもの義元に戻っていた。
もしかすると、あれは酒が生んだ幻覚だったのかもしれない。そうとも、絶対にそうである。でなければ、この義元があんな風になるわけがない。
「『蹴鞠で右に出る者なし』と呼ばれたこのわたくしの妙技を間近に目に出来るなんて世界で貴方ぐらいですわよ。そうですわ、信奈さん。今度、尾張に蹴鞠大明神という神社でも建てませんこと?」
「誰が参拝するってのよそんな神社! だいたいなに!? 妙にカズにベタベタしてるじゃないの! あんた人質ってこと忘れてるんじゃないでしょうね!」
「おーほほほ! 義和さんはいずれわたくしの夫となる殿御ですの。口の聞き方に注意してあそばせ。それに同じ『義』の字を持つ二人。これは運命として決まってることですわ」
「は、はあ!? 夫!?」
いらぬ爆弾を落としていった。家臣団の目が一点、義和に向けられる。
さらには隣の犬千代の殺気がエライことになる。
「……浮気者」
「ま、待て! 違う!」
「おーほほほ! それでは皆さん、ごめんあそばせ。さっ、義和さん。いきますわよ」
義元にはこの惨状が見えていないのか、蹴鞠に誘おうと袖を引っ張って場から逃げようとする。
相変わらず、頭のネジが外れていた。今の義和の感想はそれしかなかった。