むしろ好きです。
勉強会が終わったのか、桔梗は予想通り俺の部屋まで来た。
大きい鞄の中に服やら日用品やらを入れて来たから、俺の部屋に入り浸る気満々ってことか。
「遼くーん」
俺とイチャつきたかったのか、部屋に入ってきてすぐに抱きついてきた。
わざと胸を押し付けてきて、俺を興奮させたいのだろう。
「桔梗にはお仕置きが必要だよね」
「そうだね。どんなお仕置きなのかな?」
お仕置きを期待する目をされても困るんだけど。
調教したとはいえ、良くここまでドMになったものだ。
「桔梗なんて放っておいていっぱいしよ」
抱きついている桔梗を無理矢理離してから有栖にキスをする。
「遼……くん?」
いきなり突き放されたために桔梗は悲しそうな顔をするが、俺は気にせず有栖とキスをした。
桔梗を突き放すように有栖だけを見てキスをする。
「俺の言うことを聞かない人は必要ない」
桔梗は外で絡んでくるし、一之瀬に俺のことを言うしで、勝手に動いている。
俺はそんな駒を求めているわけではない。
「そんな……」
昨日、俺が脅した時のように絶望した顔になる。
肉体的に痛みを与えても桔梗にとってはご褒美になってしまう。
だから精神的に痛みを与えることにした。
「有栖愛してるよ」
「はい。私もです」
「え⋯⋯?」
俺はまた有栖にキスをする。
「何で? 坂柳さんのことも私と同じように支配しているんじゃないの? それなのに愛してるっておかしくない?」
確かに支配しているけど、有栖は桔梗とは違う。
俺にとって有栖は本当に大切な人だ。
だから愛していると言っても何にもおかしくはない。
「桔梗もこうして欲しがったら、俺に謝って忠誠を誓って」
桔梗のコミュニケーション能力は、この後絶対に役に立つ。
だからきちんと謝ってくれるのであれば、俺の手元に置いておく。
「これが桔梗へのお仕置き。謝ってくれないのであれば、どこまでも突き放す」
外で話しかけてきたことを見ると、桔梗は俺に依存している。
そんな人には突き放すのが1番効果的だ。
でも完全に突き放すことはしない。
もし、桔梗を突き放したことで俺の悪評を流されたりしたらたまったものじゃないからな。
「有栖、学校を卒業したら結婚しようね」
「はい。必ず」
俺の言葉に飛びっきりの笑顔で答える有栖。
俺だけにしか見せない特別な顔だ。
「いや……」
桔梗が壊れ始めた。
頭を手で抑えてガタガタを震えただす。
昨日から感じていたが、桔梗は承認欲求の持ち主だ。
愛されたい、頼られたいと思われることで自分の気持ちを満たしている。
そんな桔梗は俺に特別愛されたい気持ちでいっぱいのはずだ。
だから俺が他の女に好意を示せば簡単に壊れる。
もしかしたら暴言をはくかもしれないとも思ったが、今の彼女にはそんな余裕はないようだ。
「いや、いやいやいやいや……遼くんと一緒にいたい」
いい感じに壊れてきたな。
その顔は涙が流れていて、このままでは自ら命を絶ってしまうんじゃないかと思えるほどだ。
簡単にこうなるのだから、俺に相当依存している。
だからその依存を利用させてもらう。
「忠誠を誓えないのであれば、そのチョーカーを返してもらうね」
俺は桔梗のチョーカーに触れる。
「ダメ……」
弱々しいが抵抗を見せる。
このチョーカーは桔梗にとって、俺との繋がりを表す物だ。
それを取られてしまったら、俺との関係がなくなってしまうと思っているのだろう。
もし、このチョーカーを取ってしまえば、桔梗は完全に壊れる。
「俺に愛されたいのであれば忠誠を誓って。親戚という設定にしたから外で絡むなとは言わないけど、俺の言うことだけは全部聞くこと」
「そうしたら本当に愛してくれるの?」
「ああ、約束だ」
俺は優しく桔梗の頭を撫でる。
「遼くんの言うことは何でも聞く。だから私のことを愛して」
依存って怖いな。
どんなに突き放しても、少し優しくしただけで簡単に戻ってくるのだから。
「クラスを裏切ることになっても?」
「うん。遼くんと一緒にいれなくなるのが1番嫌だ」
これで桔梗は完全に俺の駒だ。
俺と一緒にいるためにどんな命令でもきいてくれる。
「ふふ、遼くんはやっぱり凄い人です。私が勝てないわけですね」
「坂柳さんは遼くんに負けたの?」
「ええ。チェスで勝負したのですが、負けてしまいました」
まあ、チェスはホワイトルームで散々やったから、簡単には負けない。
「でも私は負けたことに後悔はしていません。こうやって遼くんと一緒にいることができるのですから」
そうだろうね。
有栖も俺に依存しているし、もう離れることはできない。
まあ、有栖に関しては絶対に離さないから、俺も有栖に依存しているのだろうな。
「じゃあ、約束通り桔梗を愛してあげる」
「うん」
さっきまでの顔が嘘みたいに飛びっきりの笑顔を見せる桔梗。
この後は3人で愛し合った。