〜ドイツ連邦共和国〜
〜日本時間 5月6日 16:00〜
〜現地時間 5月6日 09:00〜
今はドイツのサマータイムの都合で日本の時間からマイナス7時間。日本では今頃、小学生は友達と遊んだり、中学生は部活に励んでいる頃、ここドイツは、本来なら車が行き交い、朝の賑わいを見せている・・・はずだった。
「やっぱり居心地悪いな・・・・・・」
「まだ気にしているのか?君自身がそこまで気負う必要は無い」
「けどな・・・前にも言ったけど、なんもできなかったからな」
「なら、私も前にも言ったが、君のおかげで私は今こうして生きていられる」
「・・・ちゃっかりこうなると分かって備えていたろ、その言葉」
「ああ、もちろんだ」
「ったく、策略家め」
「誉め言葉として受け取らせてもらう」
ちなみに服装は、俺がバイオハザード4のレオン・S・ケネディのジャケット姿で、で、クラリッサはISスーツで、ベレー帽はかぶっていない。まだ肌寒さを感じるドイツ、彼女は平気なのか?
5日前、
で、俺は学園の休日、日本時間の現在土曜日と翌日日曜日の2日に及んで協力する事になった。ちなみに今日土曜日は、午前中の四時間はISの授業があるが、ドイツ政府がうるさいので、サボり扱いである事を回避できないが、黙らせるためにここに来た。
するとクラリッサが右手を耳にあてる。
「はい、クラリッサ・ハルフォーフ大尉。・・・はい、・・・分かりました。・・・我瑠騨、全軍撤収完了との事だ」
「了解。お前もISで撤退しとけ。まあ見ていたいなら構わないが」
「なら、そばにいさせてもらう。一人っきりは嫌だろう?」
「あんがとよ。んじゃ、やりますか」
そう言って、俺は胸の中心に菱形の光の結晶体を輝かせ、光が俺を包む。その光が消えると共に、俺の姿は、世論では《蒼騎士》と呼ばれているもうひとつの姿になった。
「これが・・・蒼騎士」
「それは世論での勝手に付けられた名称だ。この姿の俺の名は《ガルダ・イーグル》だ。」
「ガルダ・イーグルか・・・素敵な名前だ」
「ありがとう。だが、これでもまだ完全体では無いんだ」
「そうなのか」
「ああ。さて、おしゃべりは一旦区切って、作業にかかる」
「分かった」
今の説明から、自身のシルエットは初めて変身したときに比べて控え目だった。
2対の翼は1対隣、装甲も少なくなっていた。
当然理由は不明だ。
クラリッサは、愛機“シュヴァルツェア・ツヴァイク”を展開した。
基本的なシルエットは、当然だろうが《シュヴァルツェア・レーゲン》と酷似している、ただ、右側の
クラリッサが愛機を展開し終えると、俺と彼女は、空へと飛翔した。
高度が約300mに達し、その場で滞空、俺は1対の蒼い翼を大きく横に広げ、GN粒子の解放準備に入った。
「GN粒子、広範囲開放、開始。GNフェザー、展開」
GNフェザー
元はOガンダムのアビリティであるこの能力は、戦闘時には、通信・電波妨害、機動力・索敵能力の向上と言ったお得もので、今この力を使うのは、索敵能力を応用し、瓦礫に埋もれた犠牲者を探し、目印を付けるためである。
GNフェザーの光の帯が、ベルリンを包むのに約五分程かかる。GNドライヴは俺の
話が脱線したな。とにかく、現在の俺の力では時間がかかる。
〜15分後〜
「・・・・・・」
彼はまだ思い悩んでいるみたいだった。
「大丈夫か?」
「・・・・・・」
返事をすること無く、そのまま降下した。
「あっ、お、おい」
私もあとを追って降下した。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
降下した彼と私は、交わす言葉も無く、ただ黙っていた。
「・・・・・・っ!」
?彼が何かを見つけたようだ。
「どうした、何かあったのか?・・・・・・あっ」
そこにいたのは、瀕死の子犬だった。
そして、彼はその子犬に右手を添えて、光の粒子を放った。
「・・・・・・間に合え」
彼が何を言ったのかよく聞こえなかった。が、十秒程たつと、彼は光の粒子の放出をやめた。
そして、瀕死の子犬はまるで生き返ったかのように起き上がり、しっぽを元気に振っていた。
「・・・良かった」
私は目の前の出来事にただ驚くしか出来なかった。医学用のナノマシンを用いた治療でも、致命的重傷はどんなに早くても一ヶ月近くかかるものをたった数秒で治した。
「これだけの事しか出来ない。生きていれば治せるが、死んでいれば俺には何も出来ない。・・・まだまだ非力なんだ」
ぎゅっ
「!」
「大丈夫、大丈夫だ」
私はまだ立て膝を付いたままの彼を前から抱きしめた。
私の行動が正しかったのか、彼の顔は抱きしめていて見えないが、安心したかのような呼吸が聞こえてきた。
〜独 11:30〜
〜日 18:30〜
〜ドイツ・ベルリン・西部避難民キャンプ〜
今、
そして俺は、再びガルダ・イーグルになり、避難民キャンプ上空50mの高さでGNフェザーを展開、粒子が行き届いたところで、GNリペアを発動する。
一部絶命寸前の命もあったが、GNリペアによって、総勢約150万人近い怪我人の治癒・回復に成功した。
しかし、ここで少し問題が生じた。
俺は一度降下して地に足を付け、人の姿に戻った。が、その直後、ガクッと力が抜け、その場で右膝をついてしまった。
「我瑠騨!大丈夫か!?」
すぐにクラリッサが駆け寄ってきたが心配そうに声をかけてきた。ちなみにこの時、クラリッサはすでに軍服とベレー帽を身に纏っていた。
無理も無い、今俺は、GNフェザーとGNリペアを使いに使った為、自信の体力を大幅に消耗したのだから。
「はぁはぁ、少し疲れてな」
「なら今は一旦休め。頑張りすぎだ」
「ああ、そうだな」
立ち上がろうとした俺に、クラリッサは肩を貸してくれた。そして最寄りの休憩用テントに入った。ま、着くまでに3分掛かったがな。
〜避難民キャンプ・救援部隊休憩用テント内〜
「ふぅ」
クラリッサのおかげでなんとか休憩用テントに付いた
パサッ
「こんにちは」
「!?」
誰かがテントに入ってきたかと思えば。
「えーっと、お邪魔だったかな?」
そう言いながら、左人差し指で顔をかく赤ラインの入った白いスニーカーに青いジーパン、ダークブラウンのミリタリージャケットを着た---
「あ、いや、構わないがお前は?」
「ああ、ごめん。僕はシャルル、シャルル・デュノア」
金髪の男装した女の子、シャルロット・デュノアがそこにいた。
「そうか、まあ立ちっぱてのも悪いからこっちにでも座っとけ」
「うん、お邪魔します」
そう言って隣のパイプ椅子に座るように促した。
「ところで、デュノアと名乗ったよな?確かフランスにそんな名前のIS関連の企業があったと思うが、お前はそこも関係者か?」
「うん、そう。父がそこの社長なんだ」
「ほう、んで、その父親に俺に接触してデータを採ってこいって言われて来たんだろ」
生体反応解析完了、やはり女か。
「・・・鋭いね」
「随分前から経営危機だってのは、知れた事だ。救済を求めるならまだしも、お前に男装させてまで俺のデータが欲しいなんて、ただの馬鹿だな。」
「よく僕が女だって分かったね」
「生体反応のスキャニングが、たった今終了したからね。しかし、本当にクズなんだな。お前の親父さんは」
「えっ」
「お前、最近大きな悲しみに暮れたことは?」
「えっと、2年前に母を病気で亡くしたことかな」
「そんとき、親父さんはお前を慰めてくれたか?」
「ううん、ちっとも。むしろ、ひどい扱いを受けた。母を亡くして2、3日位してすぐに、デュノアの家の人が迎えに来たんだけど、そのあと、デュノア社の研究施設みたいな所で色々と調べられた結果、IS適正値がランクAを割り出して、非公式だけどテストパイロットをやらされることになったんだ。他にも、父の住む本邸に呼ばれたこともあったんだけど、その時は本当にひどかったな」
淡々と、しかし必死に思いを抑えて話す彼女の口から、原作とは多少違う、衝撃の言葉を口にした。
「その本邸に父の本妻がいたんだけど、その人が『この泥棒猫の娘がッ!!』て言いながら手に触れたもの次々投げ付けてきたんだ」
「!?」
「僕はなんども『やめてっ!』って叫んだのに、ちっとも聞かなくて、使いの人が数人がかりでやっと収まったんだけど、その時僕は、頭の左前に空のワインボトルが当たって、右上腕の上側には果物ナイフが刺さってで、出血も少しひどかったかな」
「んな目に遭っていたのか!?」
俺は、この一言を絞り出すのが精一杯だった。
「うん、しかも、病院ではなく、デュノア社の研究施設まで連れて行かれてからの治療だったから、本当に死ぬんじゃないかってすごく怖かったし、手当が遅かったから傷跡も残っちゃったんだ」
そう言うと、ダークブラウンのミリタリージャケットを脱ぎ、下に着ていた白い長袖の右袖をまくり上げ、右上腕の縫った跡と、額左上の傷跡を見せた。
「ここまで大怪我しながらも、親父さんは知らんふりしてたのか?」
「うん、《商売道具としては》心配したみたい」
「・・・下衆がッ!!人の命をなんだと思ってやがんだッ!!」
「っ!?」
「・・・すまん、急に怒鳴って」
「えっ、ああ、いいよ。気にしないで」
そう言って両手を振る。
「・・・俺はな、人の命を道具の様に扱う大馬鹿野郎は、大っ嫌いでね。お前の親父さんに対して怒りを覚えたよ」
「まさか、殺すの?」
この問いかけに、その時の俺は相当な殺気を立てていた事を理解した。
「いや、殺したい気持ちはあるが、それでは何の解決にもならん。まずは、お前をどうやって親父さん所から引き離すかだ」
「それって・・・」
「ああ、お前を助ける。んで、まず第一段階として今回俺とは接触できなかったと報告をすること」
「えっと・・・」
「そして、IS学園にお前を男装させて転入させるだろうから、その転入試験にお前は合格すること」
「どうして、そこまでするの」
「IS学園に入っちまえば、あとはどうにでもなる。そして、俺も行動しやすくなる。ちなみにどうするのかはまだ言えない。だから、これはお前自身が決めろ。デュノアの看板背負って死ぬか、初対面の男を信じて生きるか。」
「・・・どうして、そこまでしてくれるの?」
「これを見ろ」
「えっ、あっ」
そう言って、彼女の額に人差し指を当てて、クラリッサ同様に、前世の出来事を直接脳に伝えた。
「こんなことが・・・」
「信じらんねぇかも知れないが事実だ」
「・・・・・・」
あとは、この子が信じるかどうかだ。
「わかりました。僕はあなたを信じます」
「本当だな?」
「はい、本当です。えっと・・・」
「我瑠騨でいい。俺は、信頼できる奴だけ名前で呼ぶことを許している。それと敬語もなしだ。現時点ではたった一歳の違いだ。そこまで敬語だと周りから変な目で見られるからな。分かったか?」
「う…うん、わかった。それじゃあ、僕の事も《シャルロット》って呼んで。せめて二人っきりの時だけでも。」
「分かった。じゃあ、普段は《シャルル》、二人だけのときは《シャルロット》と呼ばせてもらう。という訳で改めてよろしくな、シャルロット」
「うん、よろしく、我瑠騨」
互いに名を呼び、互いに笑顔を向けた。
「我瑠騨!大変だ!!」
静寂を打ち破るかの様に、血相を欠いたクラリッサがテントに入ってきた。
「!?貴様、何者だッ!!」
シャルロットを見るなり、怒号で威嚇する。
「落ち着けクラリッサ。こいつはフランス救援部隊のメンバーだ。危険因子ではない!!」
「そ、そうか、すまない」
「いえ、別に気にしてませんから」
ふ~。なんとか修羅場にならなくて済んだ。
「んで?何やら外が騒がしいが、それに関係ある事で来たのか?」
「そうだ、我瑠騨、外が大変な騒ぎになっている!」
「何も知らん奴らの事だ。どうせ『この惨劇の元凶は俺にある』ってなこと言ってんだろ?」
「ああ、そうだ。・・・どうする?退路は確保してあるが?」
「いや、直接出向く」
「本気か!?」
「冗談を言う余裕はない。直接話を聞かせないと、あとが面倒だ」
俺は立ち上がり、テントを後にしようとしたとき、シャルロットに対して。
「シャルル、お前はよっぽどのことでもない限り、ここから出るな。クラリッサ、ちょっとの間、こいつを頼む」
そう言いながら、クラリッサの額に右人差し指を当てて、先程のやり取りを直接脳に伝えた。
「分かった、気を付けて」
「ああ」
その言葉を返し、外に出た。
〜避難民キャンプ・広場〜
「蒼騎士は我らの敵だーッ!!」
「私達の街を返せーッ!!」
「俺達の平和を返せーッ!!」
「家族を、失った人達を返せーッ!!」
民衆は奮起していた。当て付ける先の無い怒り、憎しみ、そして悲しみ。その矛先は、救うべくして現れた者に向けられていた。
周りには、黒ウサギ隊を含むドイツ軍が必死でなだめるも、大した効果がない。
そんな中、我瑠騨が現れた。
「あ!出てきた、出てきたぞ!!」
「いい加減この国から出て行けーッ!!」
「この侵略者めッ、とっとと失せろッ!!」
「人でなしーッ!!私の家族を返してぇッ!!」
「お前みたいな奴、今すぐ死んで償えぇッ!!」
皆、思い思いに言葉を発した。
・・・俺もそうだった。
俺も昔、テロによって双子の妹を失ったからな。だからこそ。
「みんな、俺の話を---」
ガウゥゥン!!
「ぐっ!!」
話を使用としたその直後、一発の銃声か轟いた。
凶弾は左肩を貫通、激痛が走る。
人混みの奥で、男が取り押さえられていた。
「あ・・・ああ、・・・」
後ろで小さな呻き声が聞こえたかと思えば、ひとりの黒ウサギ隊のひとりがうずくまるように倒れた。
「あ、おい!大丈夫か!」
すぐに駆け寄り、抱きかかえてスキャンする。すると、流れ弾が心臓に直撃・停止して非常に危険な状態だった。
「待ってろ、今助ける!」
早急にGNリペアで奥から弾を慎重に引き出しながら治療していく。
「・・・・・・」
黒ウサギ隊の隊員の反応が極端に薄い。
(頼む!間に合ってくれ!!)
そして、ようやく弾が体外に出てきて、最後に傷口の回復もした。
しかし---
「・・・・・・ッ!!」
寸分遅かった。
傷口は塞いだ。しかし、体力を回復させるのが間に合わなかった。
「うそ・・・そんな・・・」
「なんで・・・どうしてッ!?」
黒ウサギ隊のメンバーは、突然の仲間の死に、ただひたすら混乱するしか無かった。
さっきまで騒がしかった連中も沈黙していた。
「・・・・・・!!」
気付けば、俺は涙を流していた。
しかし、何に対して泣いているのか、余りにゴチャゴチャしていて、判らなかった。
新しく東方ネタも出しました。
お暇な際にご覧ください