~5月16日・08:15~
~IS学園・1年1組教室~
どうも我瑠騨です。
突然がさつで申し訳ないが、途中の話を省いて今、教室でイクサ・フォルゲートの紹介の真っ只中だ。
簡単に言うと、こっちの我が儘を押し付けて、1組に編入させて貰った。
「---と言う訳だ。こいつもこれからはこのクラスの一員となる。よし、フォルゲート、お前からも挨拶しろ」
「はい、皆さん初めまして。訳あって高嶺我瑠騨の側近にて補佐をする為に転入して来ました、イクサ・フォルゲートです。どうぞよろしくお願いします」
「・・・・・・」
(・・・あれ?なんか変な事言ったかな?)
「き---」
『一夏!イクサ!耳塞げ!!』
「「!!」」
「「「きゃーーーーーッ!!」」」
こっちはギャーーー!!だよチクショー!
とっさの
「チョーイケイケの美形!!」
「身長も高い!!」
「声も素敵!!」
「高嶺君の側近とか---ブフッ!!」
はい1人乙~。鼻血乙~。BLネタにすんな~。
腑抜けた(心の)セリフは置いといて、黙らすか。
『つーこって千冬よろしくな』
『人使いが荒いんじゃないか?』
『俺が怒鳴るとどうなる?』
『まったく・・・仕方無い』
「お前達静かにしろ!出ないと高嶺に怒鳴って貰うぞ!!」
「・・・・・・」
沈黙した。確かに沈黙した。だが---
『俺の名を出すなよ!?』
『私を利用したんだ。この程度は安いもんだろう?』
『ぐぬぬ・・・』
なんかヤラレタ感が否めない。
今更ではあるがイクサは転生後、赤ん坊から人生をスタートしたとの事。
但し直接の血縁では無く、田舎町に捨てられていたのを通りかかったお婆さんに拾われ、育てて貰ったらしい。
また、お婆さんの家系は少々特殊な事情絡みで、家業も特殊で、あまり公言出来ないとか。
「フォルゲート、お前の席は一番後ろの空いている席だ」
「はい、分かりました」
イクサは示された席へと移動し着席。
「さて、授業を始めるぞ」
~放課後~
~第3アリーナ~
休み時間にイクサに模擬戦を申し込まれ、許可申請を出して第3アリーナで向き合う形で対峙している我瑠騨とイクサ。何でもどうしても見て貰いたいものがあるらしい。
「んで、見せたいものって?」
「これです」
そう言って素早く左腕を胸の高さで水平にしながら右手をアッパーをするようにまっすぐ上にあげ、左手に当てる。この時、何時の間にか右手には、黒地に金のラインが入っていた。
『READY』
区切り区切りの機械音声が発せられ、警告音が鳴り響く。そして腹周りに幾つもの鎖が巻き付き、砕けてベルト状の何かが現れた。
また、バックルに見える前側はイクサから見て右半分が何かを取り付ける為かぽっかりと抜けている。左側には、真ん中に赤く丸い宝石の様なものがあり、上面には何かを挿入する為か四角い穴が空いている。
その機械音声の直後、右手を前に突き出し、左手を握りしめ腰の位置に持っていく。そして一声。
『変身!』
右手を胸の真ん中に持っていき、そのまま下におろしてベルトに上から滑り込ます様にセット。
『FIST・ON』
また機械音声が鳴り、バックル左側にTの字を右に90度傾けた様な金色の光が現れ、高速で回転し、イクサから少し離れながら頭程の高さでT字は逆さに止まり、そのまま鎧の様な光の輪郭を象りながらイクサに近寄り、合致した瞬間白い鎧になった。
「これが、僕の名前の由来にして、課せられた使命を全うする為の力。その名を---」
「仮面ライダー、イクサ!」
「ええ、やはり知ってましたか」
「・・・自分の事さえ言えたもんじゃ無いけど、架空のものが現実に出るとはな」
「ふふ。して、この力をあなたで試したいのですが、お手合わせ願えますか?」
「ああ、いいぜ!」
つい闘争心に火が着いて即座に俺も変身した。但し翼は展開せず、アーマーだけを展開した。この状態はどれ程の力があるのか試したいからだ。
俺自身マンツーマンの試合を出来る相手が欲しかったので、自分の力量を知り、相手の実力を知るにはこの申し出は非常に好都合だった。
イクサからは邪念は感じられず、特に疑う必要も無いからこそ、好都合なのだ。
「取り敢えずこの状態でどこまで出来るか試してみたい。俺が力を使うのはその後だ。いいか?」
「ええ、構いません。それではまずはお手柔らかに行きます!」
「おう!!」
イクサは一気にこちら目掛けダッシュし、充分近付いたところで右ストレート。防御姿勢を取りながらイクサの右側に回避するも---
「はっ!」
「ッ!!」
そのまま空気を掴むかの様に、右ストレートの姿勢から右のミドルキックが飛んできた。左腕でガードして直撃を回避。
「ふっ!」
「のっと!」
はたまた空気を操る様に右脚を軸に空中で身体を後ろ回りに回転させ、左足の正面蹴りが来る。これは左に避け、がら空きの左脇腹に右フックを喰らわす。
「ぐっ!?」
思わぬ一撃に呻き声をあげながら2メートル程飛ばされる。
「・・・ふぅ、さすがですね。今のは効きましたよ」
「そりゃどうも。ところで武器とかは使わないのか?」
「それは今回は使いません。余談ですが、本来は銃と剣が一体になった〝イクサカリバー〟に関しては銃と剣が別々で、銃はグリップ下部が飛び出ていないモデルで〝ホーリーブラスター〟と名付けられ、剣に関しては銃身部の無い〝セイントカリバー〟と名付けられています」
「随分とご丁寧に創られてるな・・・」
「さて、今日はここまで。ギャラリーが増えて来ましたから。目立つのは余り好かないので」
そう言ってバックルからイクサナックルを外し、変身を解いた。俺も物足りなさがあったが素直に変身を解き、普段の姿に戻った。
「ところでイクサ」
「はい?」
「お前、大気か重力を操れるのか?」
「察しが良いですね。確かに大気も重力も操れます。しかし、貴方程では無いです。」
「そっか、ところでもう一つ」
「何か?」
「敬語、やめてくんないか?」
「ダメですか?」
「ん、いや、ダメって訳じゃ無いけど」
「なら、このままで」
「あいよ」
「あ、僕からも良いですか?」
「何ぞ?」
「喋り方が変わりましたね・・・ってこれはいいですね。あなたは認めた相手にしか名前で呼ばせないと結構学園内で有名ですが---」
「お前は名前で呼んでくれて良い」
「えっ?」
話しを遮るように言い放った。
「俺はお前を認め、お前を信用する」
「・・・ふふ、分かりました。それでは、改めてよろしくお願いします。我瑠騨」
「ああ、よろしく頼む」
相互に握手を交わした。力強く、互いを認め合うように。
しかし遠方ではKY腐女子共がグヘヘだかなんだか妖しい笑い方をしていた事は、その辺を気にしていた我瑠騨しか知らない。