~亜空間~
「ぜあ!!」
「ふん!!」
ブレイドに変身した我瑠騨とカリスに変身したジョーカー。
互いに仕掛けては捌いて、捌いては仕掛けての繰り返しの中、先に動いたのはカリスだ。
「はっ!」
「ぐっ!?」
手にしていたカリスアローでエネルギーの矢を乱射。我瑠騨は捌ききれず、数発喰らう。
「ならこいつで!」
我瑠騨はブレイラウザーのカードの入ったオープントレイを展開。2枚を引き抜き、1枚をブレイラウザーにリード。
『Tackle』
突進攻撃をする「タックルボア」を発動。カリスに激突する。
「うぉっ!?」
突進の衝撃によろけたのを見逃す事無く、2枚をリード。
『Slash』
「スラッシュリザード」のカードの効果で、ブレイラウザーの
「うああ!!」
激しい斬撃を防げず、一方的にダメージを受けた。斬撃を終えると、電撃のブレードは消えていた。
「・・・中々の腕前だ」
「そいつはどうも」
「では、次はこちらからだ!」
カリスは、バックルを外してカリスアローに装着。右腰のカードホルダーから2枚のカードを抜き取りリード。
『Drill』
『Tornado』
『Spinning Attack』
コンボ技「スピニングアタック」が発動し、その場で風を纏って回転しながら宙に舞い、ある程度の高さで足先をこちらに向けて突撃してきた。
「はああ!!」
「ぐおっ!!」
防げずに直撃を受けて、数メートル飛ばされる。
「ゲホッ、ゲホッ・・・」
腹部に直撃して呼吸が乱れるが、すぐに態勢を立て直しカードを引き抜く。
『Kick』
『Thunder』
『Mach』
『Lightning Sonic』
ブレイドの大技の3枚コンボ「ライトニングソニック」を発動。本家ではブレイラウザーを地面に立てる様に突き刺していたが、我瑠騨はそうせずに左手に逆手に持ったまま行動に移った。
カリス目掛けて「マッハ」の効果で一気に助走を兼ねて距離を詰め、流れる様に前に跳ねる。そして右足を突き出すと、足先に「サンダー」の電撃効果が付加され、そのまま跳び蹴りとなる。
「ぜあ!」
「ぐほぉッ!!」
速度と電撃を付加した「キック」の効果の蹴りは正に絶大なダメージをカリスに与えた。
「はあ、はあ、まだだ!」
カリスはカリスアローに装着したカリスラウザーをベルトのバックル部に戻し、再びカードホルダーに手を伸ばし、1枚のカードを引く。
『Recover』
回復効果の「リカバー」が発動。ダメージを綺麗に回復させた。
「ちっ、ずりぃな。ま、いいけどさ」
回復効果のものがあるのを少し妬ましく思ったが、すぐに振り払い切りかかりに行く。
しかしカリスもやられっぱなしではなかった。
再びカードホルダーから1枚引き抜き、リード。
『Reflect』
「がっ!?」
リードされたのは「リフレクト」で、相手の攻撃を跳ね返す効果のものだ。故に我瑠騨の突き刺しはカリスには届かず、代わりに同等のダメージが自分に返ってきたのだ。
「くそっ、回復に跳ね返しときたら、割と厳しいな」
強気な発言をするも、我瑠騨は内心焦っていた。
(このままじゃ・・・負ける)
この時のこの思考は寸分違わず正当だった。
片や力を完全に使いこなしている
(だからって、引く気は無い!あの時みたいに、救えるものを救えずに終わる思いはしたくない!!)
前世では実の妹を、今世では黒ウサギ隊の隊員を、目の前で失った悲しみと、自身の不甲斐無さへの怒り。彼はどうしてもこの感情を忘れ切れないでいた。
ふと、左腕が一瞬強い光を放った。
「!?コイツは!!」
左腕の甲にはブレイドの強化アイテム「ラウズアブゾーバー」が出現していた。
「ラウズアブゾーバーだと!?」
流石にカリスも驚く。当然だ。彼はラウズアブゾーバーを用意していなかったし、ましてやこうして突如としての現れるなど、全くの予想外だからだ。
「・・・もう二度と、失わない為には---」
ブレイラウザーを左手に逆手で持ち、右手でラウズアブゾーバーのオープントレイを展開。真ん中のカテゴリーQ「アブゾーブカプリコーン」をラウズアブゾーバーに挿入。
『Absorb Queen』
「もっと強くならねぇとだめなんだよ!!」
続けて外側のカテゴリーJ「フュージョンイーグル」を引き抜き、ラウズアブゾーバーにリード。
『Fusion Jack』
目の前に翼を広げたイーグルを模した金色の光が現れた。その光が胴体部に重なった瞬間。一瞬強く光り、その光が消えるとブレイドの姿が少し変わっていた。
紺色と銀色が主体のカラーリングが、主に顔面と胴体が金色の強化装甲「ディアマンテゴールド」に変わり、胸部には鷲の紋章の刻印がされたハイグレイトシンボル、背中には6枚の翼「オリハルコンウィング」が追加され、ブレイラウザーの刃部も若干ながら延長されていた。
「この短時間で、ジャックフォームにまでなるとはな」
ジョーカーが口にした「ジャックフォーム」とは、たった今なったこの姿の事だ。
「行くぞ!!」
オリハルコンウィングを展開し、あっという間に距離を詰める。
「!?」
「はっ!」
余りの急な接近に対応出来ず、カリスは接近を許してしまった。
先程より激しく、素早い斬撃がカリスを襲う。
「うらぁ!!」
「っ!?」
跳び蹴りを喰らい、突き飛ばされるカリス。
「ぐぅ、中々のものだな」
「・・・」
静かに、ただ静かにジョーカーを見る我瑠騨。それはまるで、獲物を狙う狩人の様に。
「なら、こちらもそろそろ限界を超えよう」
「!?」
我瑠騨はこの言葉をしっかり理解した。そして、1つの予想が頭によぎり、刹那、的中した。
カリスがカードホルダーから引き抜いたのは---
『Evolution』
カテゴリーK「エボリューションパラドキサ」をリード。すると全てのカードがカリスの前で並び、1つに重なる。そしてそこからはノンカテゴリーの「ワイルド」が出現。それをカリスは手に取り、リード。
『Wild』
強い光に、一瞬視界を潰される。
光が収まった後、カリスの姿が少し変わっていた。
全身の基本色は赤、目と胸部はエメラルドグリーンになり、胸部のエメラルドグリーンの中にはカマキリを思わせる刻印、胴体や肩のアーマーは少し大きくなり、両腿には武器と思える何かが収まったホルスターがある。
「さあ、今度はこちらの番だ!!」