※この作品はR-18です。

インフィニット・ストラトス ~目覚める翼~   作:コンコルド

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WORLD OF IS

 〜IS学園職員室〜

 

 ザアアァ

 

 春先の豪雨。季節外れのこの豪雨に、私(織斑千冬)は奇妙な胸騒ぎを感じた。

 

 何かが来る。

 

 そんな胸騒ぎだ。すると、

 

「織斑先生、コーヒー淹れてきました。それにしても、すごい大雨ですね。職員寮に帰るときには止んで貰いたいですね。」

 

 窓から外を見ていた私に、後ろから山田先生が淹れたてのコーヒーを差し出してきた。

 

「ん?あぁ、すまないな。しかし、この分だと職員寮に戻るときまでに晴れる事の方が確率は低いな。」

 

 山田先生からコーヒーを受け取りながらそう言い、流し込んだ。すると、

 

「はぁ〜、これじゃ着いた時には絶対びしょ濡れですよ〜。」

 

 山田先生らしい言い分だな。そう思った次の瞬間。

 

 

 ドゴオオオオゥゥン

 

 

「キャアァァァァ!!」

 

 突然の爆音と振動。そして山田先生の悲鳴。まるで爆撃でも受けたかの様なそれは、雷だった。しかし、ただの雷なら音はともかく、ここまで大きな振動はそうそうあり得ない。窓から外の様子を確認する。すると、第三アリーナの中から蒼白い光が放たれている。ふと気付くと、さっきまで散々なまでに降っていた雨が完全にあがっていた。

 

「私の勘もまだまだ劣っていないな。」

 

 そう呟く。山田先生はさっきので爆音で酷く怯えていたが、

 

「しっかりしろ!今すぐ学園内放送をかけて、学園中の職員全員にISを装着させて第三アリーナに向かわせるんだ。出来るな。」

 

 すると、山田先生は、

 

「あ、は…はい…や…やっ…てみ…みま…す…。」

 

 涙目で震えながらも、必死で私の期待に応えようとしていた彼女に私は手を貸し、放送室まで連れていった。

 

 

 

 

 

 織斑先生に手を貸してもらい、放送室に辿り着いた私(山田真耶)は普段通りに放送器具を操作していました。すると織斑先生が

 

「私はこれから第三アリーナに向かう。山田先生は他の教職員に呼び掛けをしてくれ。」

 

「え?で…でも、織斑先生…。」

 

 突然アリーナに向かうと言い出したので物凄い不安になりました。けど織斑先生は。

 

「私の心配なら無用だ。それよりも、放送は任せる。良いな?」

 

 いつもと変わらない口調で私に指示をしました。やはり織斑先生は強い。私なんかでは絶対届かない、高嶺の花のような人。その人が大した取り柄の無い私を信用してくれてる。なら、その期待に応えたい。

 

「わかりました。織斑先生も気を付けて下さい。」

 

「分かっている。では頼むぞ。」

 

「はい!」

 

 このやり取りを終えた後、私は学園内放送をかけた。

 

『学園内にいる全員教職員は、直ちにISを装着して、第三アリーナへ向かって下さい。繰り返します。』

 

 

 

 

 

 私(織斑千冬)が放送室を後にして間も無く、

 

『学園内にいる全員教職員は、直ちにISを装着して、第三アリーナへ向かって下さい。繰り返します。』

 

 この放送の声に先程の怯えた感じは無かった。私も、普段は生徒に「廊下を走るな!」っとよく叱責している立場なのだが、今回ばかりは状況が状況、悠長な事を言っていられなかった。

 

 

 〜第三アリーナ〜

 

 

 私が第三アリーナに辿り着いた時にはあの蒼白い光は消えていた。代わりに、アリーナ中央に人が倒れていた。

 

 男だ。

 

 意識を失っているようだ。少し艶やかな蒼色より少し黒いショートヘア、弟(織斑一夏)と年が近い様にも見える幼さと大人っぽさの間の整った顔立ち。

 

 しかし、こいつの着ているものは明らか普通ではない。その黒い着衣は、ISスーツとは違う、首から下全てを覆う、分かりやすく言えばスパイスーツみたい黒いスーツだった。

 

「ん……っ!?」

 

 男は急に意識を取り戻したかと思えば、いきなり距離を取り、右腿の大型拳銃を引き抜き、こちらに向けた。

 

 

 

 

 “巨人”の光に呑まれ、俺は意識を失った。その後、気が付けば、目の前に黒い服の人が立っていた。

 

 俺は咄嗟に距離を取り、右腿の大型拳銃を引き抜き黒服の人に向けて構えた。

 

 …何故俺は銃を持っている?

 

 ふと気付くと、髪の毛の色や身に着けた覚えの無い手袋と衣服、色々有りすぎて頭がパンクしそうになったが、先ずはこの拳銃、日本ではソーコムピストルの名で知られている、《H&K MK23 Mod.0》を右腿のホルスターに収めた。そして自分が身に纏っていたスーツを見ると、それはスニーキングスーツ、しかも、メタルギアソリッドピースウォーカーのスニーキングスーツだった。

 

 再び視点を黒服の人に向けた。その人は女性だった。上下黒のビジネススーツを見事着こなし、容姿もスーツ越しでも抜群のプロポーションであることが分かる。顔立ちも、"美徳"と"威厳"のふたつが綺麗に重なる。先程からの俺の行動に顔色一つ変えて居なかった。そして、俺は今言うべき事を口にした。

 

「いきなり銃を向けてすまない。」

 

 先ずは謝る。何がどうであれ、今現在、銃を構えたって意味では、こちらが悪いことに代わりはない。

 

「いきなり現れて銃を向けるから、どんな大馬鹿者かと思ったが、それなりの礼儀は弁えているようだな。」

 

 冷静な口調で返事をしてくれた。そして、気になることが一つ。

 

「俺は我瑠騨(がるだ)、高嶺(たかみね)我瑠騨(がるだ)。あんたは?」

 

「私は織斑千冬だ。」

 

 疑問の一つ。彼女が織斑千冬で有るかどうかがこの質疑応答でわかった。そして、この世界がISの世界だと確証を得たのはその直後。

 

「織斑先生、大丈夫ですか?」

 

「あぁ、山田先生か、私は平気だ。」

 

 山田と呼ばれた女性は、フランス量産型第二世代機、原作通り深緑の塗装で、背面部に左右に一つづつ着いた大型シールドが特徴の機体《ラファール・リヴァイヴ》を纏って、他の教師数人と共に姿を現した。

 

 そして、山田先生も原作通り、童顔とそれに合わない大きめの眼鏡、そしてお約束の、巨乳…加えて言えば体自体が高校生位だから、無駄に強調されてる。本当に女性に対し無関心な奴でも無い限り、一度は、凝視してしまうだろうな……脱線しちまった。

 

「良かったぁ。…ところで彼は?」

 

「彼は高嶺我瑠騨。詳しいことはこれから聞くところだ。」

 

 ってそれは構わないが…。

 

「ならせめて、どこか屋内にして貰いたい。こちらも色々有りすぎて頭が整理しきれてないからね。」

 

「そうか、それでは付いてこい。但し、次は銃を突然向けるなよ?」

 

「分かっている。」

 

 その言葉を確認したら、山田先生含む教師部隊に向かって、

 

「よし、教師部隊は撤収しろ。撤収後は各人の持ち場に戻るように。あぁ後、山田先生はISを格納したら私と一緒に応接室に来てくれ。こいつについて色々調べるのに、少し手を貸して欲しい。」

 

「はい、分かりました。」

 

 っとまあ、色々面倒な気もするが、ISの世界だと言うこと以外俺には何も分からない。

 

 〜応接室〜

 

 

「ではまず、お前がアリーナに倒れていた理由(わけ)を聞かせて貰おうか?」

 

 …微妙に悩む、本当の事を話すか、それともカバーストーリーを今作るか。

 

「正直に話して信じて貰える確証は有るか?」

 

「現状、判断材料はお前の言葉しか無いからな。お前の名前の個人データも検索中だ。出来るだけ包み隠さず話して貰おう。無論口外にはしない。」

 

 彼女がもし、原作通りの女性なら…、そう思い、この世界に転生する直前の事件や、その後の死んでからここに跳ばされるまでの出来事“は”話した。

 

 他に話していないこと、もとい隠している事は、この世界に転生してから、幾つか自分の身体について気付いた事だった。

 

 ガンダム、マクロス、アーマードコア等のテンプレのアビリティが多かった。

 

 

 ・身体自体は一般人と変わり無いが、拳銃弾程度なら、無傷で済むほど特殊な身体をしていること

 

 ・脳内にナノマシンネットワークの構築による機械・電波・電子信号による情報直接処理や各種レーダー・スキャニング機能を備えた脳

 

 ・各種神経の強化や任意での神経機能操作

 

 

 …今のところこの程度だ。解りやすく言えば、ヒイロ・ユイ、ブレラ・スターン、強化レイブン。この3つを足して3で割った感じた。・・・いや、割れてるのか?

 

そして顔に関しては、何故か.hack//G.U.のハセヲ(Vol.3の白服版)の赤いフェイスラインかなく、髪が少し黒よりの蒼で、目の色がサファイア色をしていた。何故わかったかって?鏡見れば自分の顔ぐらい見えるだろ。何でその顔だったかって?流石の俺にもわからん。ただ、ハセヲがピースウォーカーのスニーキングスーツを着てるとなると…違和感満載だな。

 

 

 

 

 

 彼(高嶺我瑠騨)が転生したと言う非常識な話を聞き終えた後、私(織斑千冬)は口を開いた。

 

 

「事情は分かった。しかし、鵜呑みに出来る話では無いな。」

 

「だろうな。」

 

 まるで帰ってきた答えが予想通りと言わんばかりの反応をした。まぁ、あんな話をすれば当然だかな。私自身、疑いの念を強く持っている。

 

 コンコン

 

「織斑先生、山田です。」

 

 山田先生が応接室の扉をノックした。

 

「入れ。」

 

「はい、失礼します。」

 

 そう言って応接室に入ってきた山田先生は難しい顔をしていた。

 

「どうした?難しい顔なんかして?」

 

「それが…彼の個人データが…何一つ見付からなかったんです。」

 

「何!?」

 

 個人データが無い…それはこの世に存在しないと言う事になる。更に、

 

「あと、先程の彼の血液検査や身体検査のデータもまとまったのですが…彼には…IS適性があることが分かりました。しかも、適性ランクは最高値のSを遥かに越えるほどのもので、測定は不可能でした。」

 

 最高ランクのSを遥かに越えているだと!?私はかつてブリュンヒルデと呼ばれていた。個人的に、そう呼ばれるのは好ましくないが、今のこいつは、適性だけで見れば、私を含む数少ないブリュンヒルデを凌ぐ存在なのか?

 

「一つ聞くが、お前は専用機を持っているのか?」

 

 その質問をすると、高嶺は無言のまま左腕を真横に伸ばすと、私の瞬きをする間にISを左腕だけ部分展開した。

 

 

 

 

 

 俺(高嶺我瑠騨)は、論より証拠と言わんばかりに左腕だけISを部分展開した。俺の専用機のデザイは、“アーマードコアネクサス”のOPに出てくる、ミラージュ社製AC“GAIA”をベースに、コアパーツをジャック・Oの“フォックスアイ”と同じものにした機体。蒼と白の機体カラーリングに、スカイブルーのセンサーアイの全身装甲(フルスキン)タイプのIS。流石の織斑千冬も一瞬だが、動じたのが分かった。そして

 

「もう一つ聞くが、実戦経験は?」

 

「全く持って無し。」

 

 即答した。すると彼女は、結構深い溜め息を吐いた。

 

「最後にもう一つ。」

 

「何かな?」

 

「そのISはどこで手に入れた?」

 

「気が付いたら、手に入れてた。少なくとも、篠ノ之束の作り出したものでは無いだろう。」

 

 そこは確証を持って言える。何となくだけど。すると織斑千冬は、何かを諦めたかの様に短い溜め息をして、

 

「…聞きたいことは山とあるが、今は一旦ここで話を区切るとしよう。」

 

 そう言って彼女は時計を見た。俺もつられて時計を見ると、十八時をまわっていた。流石に時間に関してはどうにもならん。加えて、織斑千冬も山田真耶も教師って職業だ。さっき確認した事だが、入学式が二週間後に迫っていて、かなり忙しいタイミングこの沙汰が起こった。故に話を一度切り上げる事にした。

 

最も、この先どうなるかは判らないけど、少なくともISと無縁ってことにはならんだろうな…。

 

 後、どうでも良いって程粗末にするわけでは無いが、今夜はどこで雨風凌げば良いのやら…IS以外でも、面倒な事からは逃げ切れねぇな。

 

……はぁ、桑原桑原。

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