~昼休み IS学園 1年1組教室~
「この鳥が昨日の女の子?」
「オカメインコだ!かわいい~!」
「ああん、私も触りたい!」
「キュイッキュイッ♪」
今朝の大脱走も無事に解決して、授業もその後滞りなく進むこともでき、昼休みに入った今、改めてオカメインコになったフェンを一目見よう、もしくは撫でてみたいなどで俺の席に人集りが出来ていた。
一方机の上のフェンも構って貰えて嬉しそうにする。
ただ、指を四方八方から差し出されて、しきりにあっち行ったりこっち行ったりと少々忙しない。
すると、赤みがかった茶髪の谷本癒子が話しかけてきた。
「ねね、高嶺君。この子ってご飯粒とかあげでもって大丈夫?」
「ご飯粒どころか、大半のものは何でも食うよ。俺と同じで何も飲み食いせずとも死なないし、楽しみで飲み食いするってかんじさ」
「へぇ、とりあえずあげても大丈夫なんだね?」
「ああ」
谷本は確認をとると、自分の弁当の米をひと粒指にのせて、フェンに近づける。
「はい、どうぞ」
「キュ?クィー?」
食べてもいいの?っと言いたそうな視線で谷本を見る。
「フェン、食べてもいいってさ」
「クィー!」
我瑠騨はフェンに声を掛ける。するとフェンは嬉しそうにご飯粒を食べる。
「かぁわいい~~~♡」
「胸キュンしてるところ悪いけど、実はこの子---鶏肉も食います・・・」
「「「え゛っ?!」」」
「夕べ焼き鳥の缶詰食っててパクられた。そして『うまい!』と言わんばかりにがっついてた」
~放課後 IS学園 第3アリーナ~
「ハァアアッ!!」
「そらぁ!!」
現在アリーナでは、我瑠騨と鈴が模擬戦を行っていた。と言うのも、お互いにまだ一度も手合わせをした事が無いからである。
鈴の甲龍は衝撃砲を正確に狙って連射している。しかし我瑠騨のサイファーは、手に取る様に回避している。
「ああ、もうっ!掠る位しなさいよ!」
「愚痴ってねぇで来いっての!」
「きゃあ!!」
我瑠騨は、右手にGNビームガンを展開、即座に構え発砲。鈴は突然の一撃を避けきれずに喰らい、怯む。
「ぜあっ!」
立て続けに左腕のレーザーブレード〝MOONLIGHT〟で突進しながら突き刺す。
「ぐっ!?あああああぁぁ!!!」
鈴は両手に持っていた青竜刀〝双天牙月〟の腹で二重の物理盾を作るも、容易く貫かれ、レーザーブレードの先端は、首から1センチ有るか無いか程に迫っていた。この時、絶対防御が発動していたが、この時はそれどころか、命の危険を察していた。
勿論、我瑠騨は殺す気は無いし、レーザーブレードも設定と出力を〝絶対防御に触れたらその先にはいかないように自動消滅する〟ように調整していたからだ。彼とて、殺しが好きな訳ではない。
甲龍のシールドエネルギーが2桁に至るや、サイファーはレーザーブレード引き抜き、少し間合いを作ってから飛び蹴りを放つ。
「きゃあああっ!?」
吹き飛ばされた鈴はアリーナの地面に激突。同時にシールドエネルギーが0となった。
「はい、おしまい」
「じゃないわよ!あんた、あたしを殺す気だったでしょ!?」
「HA、HA、HA!」
「誤魔化すなーーー!!」
~夜 IS学園学生寮 1206室~
「う~ん・・・」
我瑠騨は机で授業内容の復習、もとい、鷹月からノートを借りて、いなかった時の分のを勉強していた。
彼自身、頭が悪い訳では無いし、今の状態で機能や能力をある程度動かせば済むものだが、そこは彼のプライドが許さない。
普通の人間同様、ちゃんと勉強していたいのだ。
フェンはゲージでおとなしくしているため、そこまで頭を抱える事は無いが、知らない事や分からない事は当然あり、納得しようとしていた。
「我瑠騨ー、居るー?」
扉がノックされ、鈴の声が聞こえた。
「おー、鍵空いてっから入っていいぞー」
少々没頭気味とあってか言葉だけを返した。
「お邪魔しまーす。あ、ごめん勉強中だったんだ」
「んー、どうかしたのか?」
「いや~その・・・やっぱりいい(ぐうぅぅ~~)・・・・・・」
「・・・飯、行ってないのか?」
流石に我瑠騨も、今の腹の音を聞いて視線を鈴に向けた。
「・・・(コクン)」
「まったく・・・カップラーメンでいいか?」
「うん、ありがと」
「いいって、たまには忘れたりする事もあるさ。ちょっと待っててな」
我瑠騨は立ち上がり、簡易キッチンの下棚を開ける。
「醤油、味噌、塩、豚骨、キムチ、ちゃんぽんがあるけどどれが良い?」
「えっと、醤油」
「おいよ。ここで食うか?」
「え、いいの?」
「ああ、構わんよ」
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
我瑠騨は封を開け、ポットのお湯を注ぐ。
「ほい、どうぞ」
「ありがとう」
その後、我瑠騨は再び机に戻って勉強を再開し、鈴は気を使いながら麺をすすり、そしてフェンが鈴のすするカップラーメンに興味を示していた。