※この作品はR-18です。

インフィニット・ストラトス ~目覚める翼~   作:コンコルド

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ラッキーオアアンラッキー

 転生当日の夜。

 

 〜教師寮〜

 

 今晩の俺(高嶺我瑠騨)の寝床は、この教師寮の空き部屋を使うことになった。教師寮と言っても、生徒寮が2人部屋に対し、教師寮は面積半分の1人部屋。しかし、それでもまだ広く感じる。そんな部屋だ。分かりやすく言えば、アニメ版の一夏の部屋の半分程の広さって感じだ。

 

 因みに俺に用意された部屋は、2階東側の1番端っこの部屋、因みにその西側、つまり左隣の部屋に真耶が、その更に左隣の部屋に千冬、ってな感じの部屋順。

 

 あ、後千冬とか真耶とか呼び捨てにしてるが、これは前世で千冬と同い年の24であるからと、半ば強引にそう呼ばせてもらわせてる。因みに真耶は22との事・・・その歳で仕事一筋って、生真面目だねぇ。

 

 コンコン

 

 椅子に座って気を休めていたところに、ふと扉からノック音がした。

 

「高嶺さん、山田です」

 

 真耶か、取り敢えず扉を開けるか。

 

 ガチャ

 

 扉を開けると、真耶が何らかの書類が入っているであろう茶封筒を体の前で丁寧に持って立っていた。

 

「何か?」

 

 まあ、何をするかは検討ついてっけど、確認の意味も込めて質問した。

 

「はい、高嶺さんに入学手続きの書類を幾つか記入して貰いたくて来ました」

 

 予想通り…か。男でISが動かせる+転生して個人データ無し=めちゃくちゃ希少(レア)で混沌《カオス》なイレギュラーって方程式がこの世界での常識なんだから。しかし、

 

「真耶、別に敬語じゃ無くても良いんだが、前世で24、現世16、確かに曖昧な感じがあるけど一応は年下、ため口でも良いんだぜ?」

 

 すると真耶は、

 

「いえ、この敬語は私が自分で決めて使っているので…その…」

 

 本当、損な程生真面目だな。

 

「ならせめて、さん付けはあまりされたくないからそれだけでもどうにか出来ねぇか?」

 

「そうですね…それでは、高嶺‘’君‘’って呼んでも良いですか?ダメですか?」

 

 そんなにウル目にならんでも怒らないって誰も。

 

「ああ、それならまだまだ構わない」

 

 その言葉を聞いて安心したのか、

 

「本当ですか、良かったぁ」

 

 ・・・あれ?何か深刻な問題が解決したかのような反応だけど、そんなに深刻か?たかが呼び方が変わるのって?

 

「話を戻すけど、取り敢えずその書類の記入事項埋めれば良いのか?」

 

 本題に軌道修正。

 

「あ、はい。そうですね。と言っても、あなたは個人データが無いので少し分からない所も有るかも知れませんが、取り敢えず分かるとこだけで良いので記入しておいて下さい」

 

 そう言うと真耶は、丁寧に両手で書類満載の茶封筒を差し出した。

 

「りょーかい」

 

 っと返事をして茶封筒を受け取った。

 

「それでは、失礼しますね」

 

 そう笑顔で言いながら、扉を閉めた。…あの笑顔、自然と出ていた感がある。前世で俺は、営業スマイルしかした事無いので、あんな自然と笑顔出せる彼女が少し羨ましかった。

 

 

 ~30分後~

 

 

 俺は真耶から預かった書類の内、氏名と"推測上の"年齢“前世での”生年月日を記入したが、他の家族構成や過去の卒業した小中学校について等は、一切空欄…てか書けねぇ…。

 

 コンコン

 

 さっきと同じ様なノック音がして、

 

「高嶺君、山田です

 と真耶の声がしたが、締め切り早くね?書けるとこは書いてあるけど。取り敢えずまた扉を開けた。すると、さっきの就業中の服とは違う、リヴァイヴと同じ様な深緑に緑のラインの入ったとジャージ上下を着ていた。

 

「あれ?もう書類提出しなきゃいけねぇのか?」

 

「いえ、ちょっと別件で…その…」

 

 こんな態度が連続すると、なんだか、男への耐性低いのかと思ってしまう。

 

「このタイミングで来るから『書類提出して下さい。』なんて言うかと思っていたけど、別件って?」

 

「はい、あの…高嶺君は機械とかに詳しいですか?」

 

「ものによるな」

 

 当然、この世界の機械はまだ一度も触ったこと無いから出来るなんて断言出来ない。

 

「その…シャワーの蛇口が壊れてるみたいで、お湯も水も出ないんですよ。出来れば見て貰いたいんですが…」

 

 なるほど、ジャージの理由はそれか。シャワーを浴びようとしたけど出ずじまい。して、慌ててジャージ着て相談を持ち掛けて来たって訳か。

 

「見てみない事には何も解決しないから、一先ずシャワー室見てみるか」

 

 現状断る理由が無いので協力する事にした。機械違うじゃんってツッコミを我慢して。

 

「本当ですか!?ありがとうございます」

 

 このスマイル、見る度ほんと羨ましく思う。

 

  …で真耶の部屋のシャワー室の前の部屋、つまり洗面所だが、着替えの下着が転がっていた。淡いピンク色の飾り付け無しのシンプルタイプ。Eカップ用っぽいブラとパンツ…。流石の俺でも引く。せめて片付けるか、それとも無くば隠すかのどっちかをして欲しかった。慌てて目の前で隠し始めるなら…。

 

「うわぁっ!!」

 

「のぁっ!!」

 

真耶が足をつま付かせて俺目掛けてド派手にこけた。

 

もにゅ

 

ン?何かが顔に…。取り敢えずどかそう。

 

もにゅもにゅ

 

「あ…ちょっ…たかみ…ね…くん…」

 

なんだ真耶の胸か…ってちょっと待てぃぃ!!ヤバい、マジでヤバいぞこれは。ハンパ無い感触。前世で女運無かったから、このインパクト、ナパーム並みにヤバいぞ。直ぐ様真耶の胸から肩に手の位置をずらして押し上げた。…目線が合って、両頬を中心に赤面し、若干涙目になった真耶。

 

「大丈夫か?」

 

取り敢えず軌道を反らしながら、もとい誤魔化しながら平静を装い、確認した。

 

「ふぇ!?あ、はい…まあ…その…えと…大丈夫…です…」

 

誰がどう見ても動揺している。言動もそうだが、何よりまず、耳含めて顔真っ赤っか。とは言え、未だに乙女の真耶にしてみれば、覗きと同じ位に恥ずかしいんだろうな。いや、怖いの間違いか。

 

「取り敢えず元を診てみるか」

 

 そう言って眼球のナノマシンを無害の《放射線透視|X-REY》モードで、シャワーと繋がっている蛇口とハンドルを調べてみた。…成る程さんね。

 

「どうやらハンドルの内部のネジが外れてるみたいだ。これは専門業者さんに頼むしか無いな、俺でもまだ自分の力を全て掌握しきれてる訳じゃねぇから直せないね」

 

「そ、そうですか…、はぁぁ…」

 

「…職員用の大浴場とか空いていないのか?」

 

「今日はもう閉まってます…」

 

 あっちゃ~、俺か。俺のせいか。

 

「なら、千冬に頼んでシャワー借りれば「織斑先生、今ご自宅に戻ってます。」……あ、そ」

 

 だとしたら、最終安全装置解除。

 

「なら俺の仮部屋のシャワー使うか?」

 

「えええっ!?」

 

 …意識しすぎだ。この乙女は。

 

「真耶、流石に今のは耳が痛い」

 

「ご、ごめんなさい…でも…その…あぅぅ」

 

「大丈夫、不安要素には成らないでいるから」

 

「…ぜ…ぜったい…絶対に…ですよ」

 

「ああ、わかってる。とにかく準備しておけ。その間にシャワー温めとくから」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

 っとまあ、大分ギクシャクした会話だったが、3分後には、真耶はシャワーを浴び、俺は書類の見直しをしていた。そしてそこへ、

 

 コンコン

 

 今度は少し重みを感じさせるノックが扉から響いた。恐らく、いや、間違い無く、

 

「高嶺、私だ。開けてくれ」

 

割りと投げ遣り気味な頼み方するんだな…千冬。素直に思った。しかし、彼女には出来るだけ素早く反応しておかないと、その内脳みそミンチにされる。

 

ガチャッ

 

 そこには先程と同じ黒のスーツ姿の千冬がいた。そしてその左手には、手提げ紐の付いた紙袋が握られていた。

 

「よぉ、どうした?」

 

「お前の服を持って来た。とは言っても弟のなんだが、身長も同じ位だから問題はないはずだ。無いよりはましだろうし、何よりもいつまでもその格好と言う訳にもいかんだろう」

 

そう言って紙袋を差し出した。確かに、万年スニーキングスーツ着てる訳にはいかないな。てか、さっき真耶の言ってた自宅に戻った理由ってこの為だったのか。

 

「すまない。世話を掛けたな」

 

そう言って紙袋を受け取った。と同時に、後ろの洗面所の扉が開き、真耶が出てきた。して、

 

「あっ、お…織斑先生!?」

 

「…何をしてるんだ?山田君?」

 

先程のジャージ姿に加え頭にハンドタオルを乗せて髪の水っ気を拭いながら真耶が出てきた。そしてテンパった。

 

「真耶の部屋のシャワーがイカれてて、千冬がいなかったからここのシャワーを貸しただけだ」

 

 っと代弁しておいた。そうでもしないと後が面倒だと察したからだ。

 

「成る程」

 

 短く反応した。それを確認した俺は、

 

「あ、真耶。そこにさっきの書類あるから、俺に書けるような箇所は埋めてあるから、書き足りないかを後で確認してくれ。」

 

っと机の上の茶封筒を指差しながら言った。

 

「はい、わかりました」

 

 そう言って茶封筒を取りに机に向かう真耶。そして千冬は、

 

「では、私は失礼する。山田君も早く自分の部屋に戻る様にな」

 

 と言った次の瞬間。

 

「はい、わかりまし…っとわぁぁ!?」

 

 まさか!?っと察した時には既に遅く、後ろから真耶が倒れてきたのに巻き込まれた俺はバランスを崩し前に倒れ、千冬まで巻き込んだ。

 

 ドタタッ

 

 綺麗にドミノ倒しになった。

 

 むにゅ

 

 おや?何やら顔に柔らかな感触。しかも後頭部下側にも顔以上の柔らかみ。加えて2つの甘い香り。そう…千冬と真耶の胸の間にサンドされていた。

 

「ったた…え…うわぁ!!」

 

 真耶がやっとどいたのは倒れて10秒位経ってからの事。

 

 俺が顔を千冬の胸から離したとき、流石の千冬もまだ乙女、両頬を少し赤らめていた。

 

「…俺のせいでは無いが、スマン」

 

「…謝るくらいならどけ、立てないだろ」

 

 そう言われて、まずは千冬の上からどき、手を貸して立ち上がらせた。

 

「あ、あの〜、2人とも大丈夫ですか?」

 

 涙目の真耶が不安げに聞いてきた。

 

「私なら問題無い」

 

「同じく」

 

 いつも通りの千冬…なのだがやはり頬がまだ赤みを帯びてる。

 

「では、今度こそ失礼する。今日はもう遅いから2人とも早く寝ておけ。」

 

「はい、わかりました。」

 

「承知。」

 

 各々に返事をしたのを確認して、千冬部屋に戻って行った。

 

「それでは、私もこれで。それでは、失礼します。おやすみなさい。」

 

「ああ、おやすみ。」

 

 この挨拶を交わした後、真耶も自分の部屋に戻った。勿論、先程の茶封筒を持って。

 

 …ところで千冬が持って来た服って何が入っているのだろうか。……カジュアルな服一式、無地の灰色の長袖と青いジーパン、下着上下に黒の靴下、青地に白ラインのスニーカーと紺色のジャージ一式だった。用意がいいな。加えて胸も…ってちっがーう!!

 

 ともかく、今日は寝よう。明日もハチャメチャな予感がしてならないからな。

 

 …でもその前に着替えておかないとな…。

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