~IS学園 学生寮 食堂~
「フェヒーヤ!キヤイ!!」
「なっ!何ですのいきなり!?」
「『セシリア嫌い!!』だってさ」
放課後、今日はアリーナが使えないため一夏の訓練はお休みとなり、いつもの面子で訓練のある日より少し早めの夕食にありついた。
「確かに、あれは文字通り破壊と絶望の結晶と言ってもあながち間違っていないしね」
「メリッサ、お前普通に喰ってたよな?」
「ええ、正直言うと不味かったわ」
「そ、揃いに揃ってなんて言い草ですの!?」
「当たり前だろ!見た目ばかり重視した料理なんざ不味くなるわッ!!ちゃんと料理本の通りの作り方をすれば問題無いっての!」
「まあまあ、その位にしてあげなよ。彼女だって悪気があった訳じゃ無いんだしさ。ほら」
「ッ~~~~!!」
「・・・悪い、ムキになりすぎた」
涙目になり、顔を真っ赤にさせたセシリアを見て、熱が入り過ぎていたのに気付く。
「ふんッ!」
マズい・・・流石に言い過ぎたな。
「悪かったって」
「・・・謝るだけでは済みませんわ」
「分かったよ。俺の出来る範囲で詫びをするよ」
「・・・・・・」
つーんとそっぽ向いたまま何かを考えるセシリア。
「で、でしたら・・・その・・・」
「ん?」
「こ、今度のお休みに、ショッピングに行く予定ですの。その時に荷物持ちをして頂けるのなら、許して差し上げない事も無いですわよ」
・・・遠回しに「デートしてくれたら許す」とも聞こえかねないが、仕方ない、応えてやるか。
「分かった。今度の休みのショッピングの荷物持ちな。それなら良いぜ」
するとセシリアは、俗に言う〝ツンデレ〟な感じで---
「し、仕方ありませんわね!あなたが応えて下さると言うなら、当日その役目を全うしたら、許してあげますわ」
・・・訂正。聞こえかねない、ではなく、そう言っていた。
「頑張れ男の子♪」
「黙れウロコ娘」
「う、ウロコ?!」
最後の最後にメリッサの八つ当たりをしてしまった。
~学生寮 1206号室~
「むぅ~・・・」
「何むくれてんだよ・・・」
部屋に帰るなり、シャルロットがむくれっ面でご機嫌斜めをアピールしてきた。
「・・・あ~、そっことか」
「何さ?」
「シャルロット、いきなりだけど出掛けるぞ」
「えっ?出掛けるってどこに?」
「俺の心の中の世界さ」
「???」
「まあ良いからさ。行くぞ!」
「うわっ!ちょっと!?」
少し強引だが、彼女の手を引きフォールドとは違うワームホールを形成し通り抜ける。
~メタフィールド〝夢の心〟~
「よっと」
「うわわっ!」
空間を超えた直後、少し高い位置から落ちた為に、彼女をお姫様抱っこで着地した。
「よし、うまく行った」
「それよりここど・・・こ・・・」
シャルロットは言葉を途中で失った。我瑠騨の顔を見た直後にその後ろに、姿勢で言うなら空に目線が移ったからだ。
「き、綺麗・・・」
その空は、星満天の夜空だった。
「周りも見てごらん」
「えっ?---わぁ♪」
辺りを見回せば、片や碧く澄んだ波穏やかな海が。片や熱帯植物が絵に描いたかのように綺麗に生い茂った森が。そして足元は白い砂浜。
まさしく〝ロマンチックな星空の南の島〟と言う表現がピッタリな環境だった。
「俺の心の1つ〝夢〟を元に作り出した亜空間さ。俺専用のプライベートビーチってとこかな」
「へぇ~。本当に綺麗だね」
「その・・・シャルロットに悪いことしたから、お詫びとしては成り立たないかもしれないけど・・・」
「確かに、僕やクラリッサを置いて他の女の子とデートは感心出来ないな。でも、代わりにこんなに素敵な所に招待してくれたから、許してあげる」
「ありがとう。それじゃあ散歩しよっか」
「うん♪」
我瑠騨はシャルロットを降ろし、2人は誰もいない砂浜を散歩する事にした。