~IS学園 第3アリーナ~
「せいやぁっ!」
「ぜあっ!」
我瑠騨とメリッサは互いに右拳を打ち込み、相手の拳を相殺する。
「・・・力量は若干お前が上か」
「言っておくけど、まだ本気じゃ無いわよ?それにこれの出番もね!」
そう言ってメリッサの右手にメダルによる残像が現れ、それを握ると、シルエットが完成した。プトティラコンボの武器〝メダガブリュー〟だ。
「だろうな。なら俺も!」
『Absorb Queen』
『fusion Jack』
ラウズアブゾーバーを使い、ジャックフォームに変身する。
「おおっ!ジャックフォーム!ならばさらに抜かり無しにいくよ!」
メダガブリューを振りかぶりながら突進して来る。対する我瑠騨も突進し、互いに激突。メダガブリューとブレイラウザーの鍔迫り合いとなる。
「確かにスペックは近付いたみたいね。でも、その程度じゃ---」
「あくまでも今は楽しんでいるだけだ。現に俺が本気を出さずとも---」
我瑠騨は身体をくるんと回転させて、鍔迫り合いを止めると互いに相殺しあっていた力が無くなり、突然の事態に身体が間に合わないメリッサはバランスを崩してしまい、その隙を我瑠騨は彼女の背中に軽い裏拳を一撃お見舞いする。
「うわっ!?」
メリッサはそのまま前に倒れた。
「あたた・・・なるほど、流石に実戦経験者は違うか。でも、油断は禁物だからね?」
「っ!?」
いつの間にか足元が凍り付いていた。
「そうか、プトティラの特技だったな」
「ええ、そうよ。そしてお返し!!」
メリッサは身体を1回転させながら、尻尾で我瑠騨を吹き飛ばした。
「ぐッ!?」
ガードを試みるも、強すぎる衝撃は相殺はおろか減衰させることも出来ずに直撃する。
衝撃で足元の拘束は解かれるも、ダメージは大きい。
「ふぅ、なら、こちらの得意な戦法で行くぜ!」
我瑠騨はオリハルコンウィングを展開し、飛翔。空から奇襲にかかる。
「はっ!」
「きゃあっ!」
今度はメリッサが我瑠騨の斬撃を防ごうとメダガブリューを構えるも吹き飛ばされた。
「メリッサ、お前も飛べるだろ?」
「当然!今行くから待ってなさい!」
背中のエターナルフィンをはばたかせて空に舞う。そしてメダガブリューを振りかぶるが、我瑠騨も負けじとブレイラウザーで受け止める。
「まだまだ!」
メリッサは空いていた左手を広げ、空に伸ばす。すると手のひらから大量のセルメダルが飛び出した。
数だけで言えば千枚はありそうだった。
「ここに来て大技か!」
「ふっふん!」
我瑠騨もある試みの為に、メリッサは大技を出すために、互いに鍔迫り合いをやめ、距離を取る。
「まずはこっちから!!」
そう言ってメリッサはメダガブリューを上に上げる。すると宙に舞っていた大量のセルメダルが一気にメダガブリューのメダル装填口に、まるで吸い込まれるかの様に入っていく。
全てのメダルが入るや、彼女はメダガブリューをバズーカモードに切り換える。
「げっ!そっち!?」
「逃がさないわ!」
オーズ本編でも見たことが無いほど大きな紫色のエネルギーの球体が現れて、もはや爆発寸前、という表現が当てはまりそうだった。
「ストレインドゥーム!!」
掛け声と共にトリガーが引かれ、図太いビームが放たれた。
「・・・」
この時、我瑠騨は余りにも冷静でいた。特に逃げる事も無ければ防ごうとする気配も無い。まるで自ら直撃を受けようとしているかの様に。
刹那、光線が我瑠騨を飲み込んだ。
この時、観客席はどよめいていた。小さい悲鳴や困惑、また、我瑠騨を良からぬと思う者からは〝ざまぁみろ〟と言わんばかりに鼻で笑う者もいた。
しかし、光線が消えると我瑠騨はその場にいたのだ。しかも、先程とは違う姿で。
「流石だ。力を使いこなし、見事だ」
キングフォーム。
ディアマンテゴールドによる各所にレリーフの入った金色の鎧のその姿は、まさしく王そのものだ。
「うそ・・・」
「だからこそ、お前にその敬意を評し、この一撃を与える。その身を以て受けよ!」
『Royal Straight Flash』
その手に握られていた重醒剣キングラウザーに既に装填されていたスペードスートの10、J、Q、K、Aの5枚による必殺技「ロイヤルストレートフラッシュ」を発動。目の前に5枚のカードと同じ柄のエレメントが現れた。
「はああっ!!」
手にしていた重醒剣キングラウザーをエレメント目掛けて振るう。一番手前のエレメントに切っ先が入るや、メリッサ目掛けて金色の光線が放たれた。
「うそ!まにあわ---きゃああ!!」
一瞬焦り、完全にタイミングを逃したメリッサは光線の直撃を受けてしまった。
メリッサは重力によって力無く引かれていく。
「よっと、大丈夫か?」
我瑠騨は彼女の落下軌道に先回りし、受け止めた。
「・・・ん、あ、私・・・負けたんだ」
「そう言う事だ。だが、落ち込む事はねえさ。なかなか良い動きしてたしな」
「ふふ、ありがと。所で、そろそろ下ろしてもらっていい?ちょっと恥ずかしい」
「お、悪い」
恥ずかしいと言うのは、彼女がお姫様抱っこされていた事に対してだ。
周りからは羨ましい、または妬ましいと言わん視線が向けられているからだ。
ぐうぅぅ~
「・・・」
「・・・お腹すいちゃった☆?」
「・・・なんか表現おかしくないか?」
この時の腹の音がアリーナ中に盛大に轟いた事は、翌日の新聞部の新聞の一角に戦いのオマケ話でついてきた。