~IS学園 第3アリーナ~
「よし、伏せ撃ちもだいぶ形は成ってきたな。次はいよいよ装弾するぞ」
「相談?誰に?」
「弾を装填するから装弾って言うんだよ馬鹿」
「あー、わりぃ」
まさかの素のボケが出て来るとは思わなかったよマジで。
「それじゃあまずは弾をマガジン、つまり弾倉に込めるところからだ。こいつには30発装填出来るから、そこの銃弾を込めて見ろ。やり方はさっき教えた通りだ」
「おう、分かった」
一夏は左手に弾倉を持ち、右手で銃弾を1発摘み、装填した。手に3、4発持ってチャッチャッと入れるのがよくあるやり方だが、初心者と言うことで安全第一で1発ずつ入れるように指示した。
「えっと、ここでこうするんだったな」
そう言って一夏は弾倉の背中側、銃弾の雷管部側を下にして手の上に軽く叩いた。これは俗に〝ジャム〟と言われるつまり装填不良を起こしにくくさせる為の処置である。
戦争映画で兵士が弾倉交換するときにヘルメットを弾倉で叩いている描写が合ったりするが、これは銃弾の先端部が弾倉で擦れないようにして、先端部の変形予防(先端が潰れると威力低下、弾道不安定を起こす)する為である。
余談だが、ヘルメットなど固いところにぶつけると弾倉が変形するから、手とか腿とかでやった方が無難。
込めては叩くを繰り返し、弾倉に30発の銃弾の装填が終わる。
「よし、次は銃にマガジンをセットしろ。そのあと姿勢を取ってからコッキングレバー(初弾装填用のレバー)を引くんだ」
「了解」
指示された通りに、一夏はマガジンをセットし、伏せ撃ちの姿勢をとり、コッキングレバーを引く。
「狙いを定めて、
「・・・よし!」
「撃てっ!」
号令に従い、一夏は発砲する。弾はエネルギーシールドで形成された
「残り29。お前のペースでいい。全弾撃て!」
次々と更新される的に弾を当てていく。一夏の集中力はなかなかで、全弾撃ち終わるまでその姿勢を崩す事はなかった。
「撃ち方止め!
号令に従って操作をして、その場に銃を寝かせる様に置いた。
「得点は150点満点中、87点だ。初めてにしてはまあまあ採れたほうだ」
「我瑠騨の指導のおかげだって」
「だが、まだやることは割と山のようにあるぞ?」
「うへぇ・・・マジかよ」
ここで機体の慣らしを終えたボーデヴィッヒが割って入った。
「当然だ。銃を使っている時は無防備となる。同じ場所に留まることや銃を過信することは文字通り命取りとなる」
「この通り、本職でさえ言うんだ。白式が格闘オンリーの機体だからって、射撃技能が無いといざって時に困るのはお前だけじゃ無いんだ。今の内に覚えるだけ覚えて、現場で活かせるようにしないとダメだ」
「分かった。それじゃあ続きを頼む」
「了解・・・と言いたいんだが、時間を見てみろ」
「え?・・・あ」
一夏はガントレットの時計を展開すると、時刻は12時を回っていた。
「昼飯を食わなきゃならねぇし、午後は他の面子の授業があるんだろ?今日の俺の指導はここまでだ」
「分かった。もう少し練習したかったんだけど、仕方ないな」
「・・・まあ、唐変木にゃ修羅場にしか感じないだろうけどな」
「ん?何か言ったか?」
「なーんも。ほら、さっさと行こうぜ」
さてと、昼飯は何にするかな?