~IS学園 学生寮 1206号室~
昼間の一夏の射撃訓練やISの操縦訓練が終わり、各々にクールダウンや身支度を済まし、寮の部屋に帰って行った。
時間は18時。僅かに夕陽の明かりが残るこの時間、我瑠騨達の部屋の扉がノックされた。
「はい、どちらさん?」
「メリッサでーす。入っていい?」
「ああ、いいぞ」
「えっ!ちょっ!?」
この時、シャルロットは胸部コルセットを外していたため大慌て。
「大丈夫だシャルロット。メリッサだよ」
「ヤッホー♪」
「え?あ、あ、ああ、そっか」
しかし、以前シャルロットにはイクサとメリッサが俺と同じ転生者である事と、行動に混乱を生じさせないために敢えて正体は予めバラしてあると教えていたのだ。
来訪者がメリッサと分かるや、落ち着きを取り戻す。
「メィーヒャ、クィーノ!」
だが、今度はフェンがビビって暴れ出した。
「ヤーノ!フェンフェン!ギャーギャー!ヤーノ!」
「落ち着けフェン、大丈夫だから」
「ギャーギャーギャー!!」
「ったく、しゃあない」
そう言って手をゲージの上に持っていき、何かを量子変換した。するとフェンのゲージが白い布に覆われた。
「キュ?・・・フェンフェン!」
「視界に映らなきゃ良いって・・・」
「現金ね」
「言ってやるな。んで、何か話があるんだろ?」
「そーだった。この前話してたヤマトの事なんだけどさ、来週の土日のどっちかで見学したいんだけどいい?」
「ああ、その事か。別に構わんぞ」
「やった!サンキュー♪」
「そうだ、どうせならシャルロットも見に来ないか?」
「え、いいの?」
「ああ、ただ他の面子も呼ぶつもりだ。少なくても呼んでも問題ない奴だけな」
「一夏君とか?」
「そう、あと本人に時間があれば千冬とかもな」
「成る程ね。いずれにしても楽しみ~♪」
「・・・えっと、我瑠騨?」
「ん?」
「あのヤマトって言うのは、もしかして前世の事が関係してるの?」
「察しがいいな。当たりだ。前世のアニメのタイトル並びにその作中の主役の戦艦なんだ。元々は鹿児島沖に沈んでいた戦艦大和を---」
この後、宇宙戦艦ヤマトの話をする我瑠騨とメリッサから色々聞かされたシャルロット。劇中のシーンやストーリー性を色々語り合っていた。
~IS学園 第3アリーナ~
冷たさが残る夜風の中、ラウラ・ボーデヴィッヒと名付けられたら少女は第3アリーナのビットに立っていた。
「・・・・・・」
誰かがいるわけでもなく、しかし語りかけるかのように、月を見る。今宵は満月だ。
「・・・私は」
左目を覆う眼帯に手をかけ、上にずらす様に取り外す。
「・・・私は、越えなければ。過去の私を、越えなければならない」
その目は、遠くを、映すことの出来ない程を見ているようだった。