※この作品はR-18です。

インフィニット・ストラトス ~目覚める翼~   作:コンコルド

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些細な進歩 ~人によって異なる一歩~

 ~IS学園 グラウンド~

 

「うわわっ!」

 

「落ち着け、変に慌てると転ぶぞ」

 

「で、でも、きゃあっ!!」

 

 初めてのPIC制御で、案の定転ぶ人がちょこちょこではじめた。我瑠騨の目の前でも今転んだのは、意外にも相川清香だった。

 

「大丈夫か?」

 

「難しいよ~」

 

「しゃあないだろ、車やバイクや自転車じゃないんだから」

 

「運動は得意な方なのに・・・地味にショックだよ」

 

「なら立て直して得意になればいい。まずは起き上がって、もう一度トライだ。ほら、手を貸すから立ち上がって」

 

「む~、高嶺君の鬼~」

 

 愚痴りながらも、我瑠騨の手を借り立ち上がった。

 

「あとになって出来なかったとか、事故起こしたとかそんな面倒は起こしたくないだろ?だからちょっとばかし厳し目になるんだよ」

 

「言われてみれば、確かに。分かった、私頑張る!」

 

「その意気だ。よし、まずはゴールを目指して前進だ」

 

「了解!」

 

 やる気を取り戻した相川は、よろめきながらも転倒する事無くゴールまで移動できた。

 

「よし、なんとかできた!」

 

「なかなか良い持ち直しだ。さて、次の人は前に出てきて」

 

 その後も、どのグループでも転倒こそするものの、怪我人はなく、全員無事にPIC制御を経験する事が出来た。

 

 この時、ボーデヴィッヒのグループは意外にも怯えている様な素振りのクラスメイトはいなかった。

 

 

 

 ~放課後 学生寮1206号室~

 

「---てな事があったんだが、何か思い当たる事無いか?」

 

『あのボーデヴィッヒ隊長が?』

 

「ああ、珍しく思ってな。あいつが物腰柔らかめに教えようとしてたのが」

 

 自室にてカメラ電話でクラリッサと今日のPIC制御の時間のボーデヴィッヒについて話していた。

 

『ふむ、私は特に何も話をしていないが?』

 

「となると、本人自ら行動したって事か」

 

「だとしたら、我々黒ウサギ隊(シュヴァルツェア・ハーゼ)としても喜ばしい進歩だ」

 

「あまり部隊内では印象良くなかったんだっけか?」

 

『良くないと言うよりは、隊長自らが冷たい態度で我々はおろか、軍の高官とも距離をとる様な素振りをよく見せつけていたからな。私も部隊の皆も少々苦手意識を持ってしまっていたのだ。だからそれを聞いてどことなく嬉しく思うんだ』

 

「まるで母親の様な口振りだな」

 

『ふふ、我ながらそう思う。まあ、隊長不在の今、副隊長である私がしっかりしなくてはならないしな』

 

「まあ、余り気張るなよ」

 

『もちろんだ』

 

「ところで、今からちょっとだけそっちに行って良いか?」

 

『え、何故?』

 

「この前そっちに行ったときに渡しそびれたものがあるからさ」

 

『ふむ・・・今なら大丈夫だ』

 

「んじゃ、今から行くから一度切るぞ」

 

『ああ、待ってる』

 

 通信を切り、机の引き出しからちょっと高そうな小さな黒色の箱を取り出した。

 

「我瑠騨、それは何なの?」

 

「クラリッサへのプレゼントだ。この前渡しそびれて、今から渡しに行ってくる」

 

「もう、女の子にプレゼントを渡しそびれるなんて、それは良くないよ!」

 

「分かってるって。それじゃ行ってくる」

 

「うん、気をつけてね---ん♪」

 

 フォールドゲートを開けた我瑠騨はシャルロットのキスをほっぺにもらい、我瑠騨もお返しのキスをシャルロットの頬に返し、クラリッサの部屋に向かう。

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