~IS学園 グラウンド~
「うわわっ!」
「落ち着け、変に慌てると転ぶぞ」
「で、でも、きゃあっ!!」
初めてのPIC制御で、案の定転ぶ人がちょこちょこではじめた。我瑠騨の目の前でも今転んだのは、意外にも相川清香だった。
「大丈夫か?」
「難しいよ~」
「しゃあないだろ、車やバイクや自転車じゃないんだから」
「運動は得意な方なのに・・・地味にショックだよ」
「なら立て直して得意になればいい。まずは起き上がって、もう一度トライだ。ほら、手を貸すから立ち上がって」
「む~、高嶺君の鬼~」
愚痴りながらも、我瑠騨の手を借り立ち上がった。
「あとになって出来なかったとか、事故起こしたとかそんな面倒は起こしたくないだろ?だからちょっとばかし厳し目になるんだよ」
「言われてみれば、確かに。分かった、私頑張る!」
「その意気だ。よし、まずはゴールを目指して前進だ」
「了解!」
やる気を取り戻した相川は、よろめきながらも転倒する事無くゴールまで移動できた。
「よし、なんとかできた!」
「なかなか良い持ち直しだ。さて、次の人は前に出てきて」
その後も、どのグループでも転倒こそするものの、怪我人はなく、全員無事にPIC制御を経験する事が出来た。
この時、ボーデヴィッヒのグループは意外にも怯えている様な素振りのクラスメイトはいなかった。
~放課後 学生寮1206号室~
「---てな事があったんだが、何か思い当たる事無いか?」
『あのボーデヴィッヒ隊長が?』
「ああ、珍しく思ってな。あいつが物腰柔らかめに教えようとしてたのが」
自室にてカメラ電話でクラリッサと今日のPIC制御の時間のボーデヴィッヒについて話していた。
『ふむ、私は特に何も話をしていないが?』
「となると、本人自ら行動したって事か」
「だとしたら、我々
「あまり部隊内では印象良くなかったんだっけか?」
『良くないと言うよりは、隊長自らが冷たい態度で我々はおろか、軍の高官とも距離をとる様な素振りをよく見せつけていたからな。私も部隊の皆も少々苦手意識を持ってしまっていたのだ。だからそれを聞いてどことなく嬉しく思うんだ』
「まるで母親の様な口振りだな」
『ふふ、我ながらそう思う。まあ、隊長不在の今、副隊長である私がしっかりしなくてはならないしな』
「まあ、余り気張るなよ」
『もちろんだ』
「ところで、今からちょっとだけそっちに行って良いか?」
『え、何故?』
「この前そっちに行ったときに渡しそびれたものがあるからさ」
『ふむ・・・今なら大丈夫だ』
「んじゃ、今から行くから一度切るぞ」
『ああ、待ってる』
通信を切り、机の引き出しからちょっと高そうな小さな黒色の箱を取り出した。
「我瑠騨、それは何なの?」
「クラリッサへのプレゼントだ。この前渡しそびれて、今から渡しに行ってくる」
「もう、女の子にプレゼントを渡しそびれるなんて、それは良くないよ!」
「分かってるって。それじゃ行ってくる」
「うん、気をつけてね---ん♪」
フォールドゲートを開けた我瑠騨はシャルロットのキスをほっぺにもらい、我瑠騨もお返しのキスをシャルロットの頬に返し、クラリッサの部屋に向かう。