-IS学園 学生寮1206号室-
いつもの様に朝日が登ったある日、それは発覚した。
「すぅ・・・すぅ・・・んん・・・」
ベッドに寝ていたシャルロットは、朝の日差しで目を覚ます。
「ふあぁぁ・・・ふぅ、もう朝か」
「ヒャルル、フェンフェン」
シャルロットの目覚めに気付いたフェンがおはようと言ってるようだ。
「おはようフェン---ん?・・・あれ?」
この時、既にシャルロットに異変があった。しかし、これは本人にしか解らない事だった。いや、本人でさえその正しい理由は不明だった。
(あれ?視界が、いや、色が何時もより灰色によってる様に見える)
彼女の目の色覚が異常を起こしていた。目の前の風景が灰色がかって見えるのだ。俗にグレイッシュトーンと言われる状態に。
(なんで?どうして!?)
「ただいまー」
「えっ!?あ、お、おかえり」
何時もの様に我瑠騨が朝の運動から帰ってきた。
「・・・シャルロット、どうかしたのか?」
「えっ、別に何にもないよ」
我瑠騨に迷惑を掛けまいとつい嘘をついてしまう。しかし、我瑠騨には通じなかった。
「明らかに呼吸が乱れてる。それも、悪夢に
「カルカ!ヒャルル、ギュイー!ギュイー!」
突然フェンが鳴き出す。この子もシャルロットの異変に気付いているからだ。
「フェンだって様子がおかしいと言ってる。正直に話してくれないか?」
「・・・その、実は・・・目が、おかしいんだ」
「ひとまず、医療棟の先生に見てもらおう」
---その後、シャルロットの男装事情を知っている校医に見てもらった。幸いにも、目の傷病に詳しかった為、他の先生を呼ぶ事なく診てもらえた---
「どうですか?」
黒いボブカットに細身の角眼鏡の校医の
「色の判別そのものはまだ出来るようだけど、やはり一部を間違えてるとなると、相当重傷ね」
「僕は、どうなっちゃうんですか?」
「現在分かっている事を総合的に判断するなら、過度のストレスで脳になにか障害が発生してると判断するのが妥当ね。このままだと失明の恐れもあり得るわ」
「そんな・・・」
「現状での対応はどうすればいいんだ?」
「あくまでも可能性の話だけど、これは一度精密検査をしない事には判らないわ。ひとまず、今まで通りに振る舞って様子を見てあげて」
「分かった。ありがとう三宅先生」
「ありがとうございます。ごめんね我瑠騨、迷惑をかけて」
「それを言ったら、治癒能力が曖昧な俺も不甲斐ないんだ。気にしなくていい」
「うん、ありがとう」
2人の視線が重なり合っての会話。端から見ればまるで恋人同士の会話だ。
いや、間違っちゃないけどね。
そんなやり取りを見ていた三宅先生がにやけているのに気付くや、2人は視線を逸らした。
「良いわねぇ若いって。正直羨ましいわ。そう言えば、高嶺君はこの子とあともう1人と付き合ってるのよね?」
「え?ああ、そうだけど」
「手を出すなと言った所で手遅れみたいだからこれは無しとして、ちゃんとアフターケアしてあげなきゃダメよ?女の子は女の子で結構デリケートなんだから」
「不器用ながら頑張ってはいるつもりだ」
「そうですよ。我瑠騨はすごく優しくていつも安心して身を委ねてます!」
「でも、コンドームやピルとかで避妊はしないとね」
そう言って何故か白衣の胸ポケットから錠剤を取り出した三宅先生。
「「何で持ってるんですか」」
「女の子しかいなかった環境に男の子が3人もいるんだもの。女の子を犯すのはおいとくとしても〝間違い〟は犯してはいけないからね♪」
「うまいことでも言ったつもりか!」
---しばらくあとになってから、三宅和子校医にゴムやピルを求めにくる女生徒が少数いた事を知る我瑠騨達だが、この時はまだ知る由もなかった---