~IS学園 第3アリーナ~
トーナメント当日。各学年事にアリーナ1つ使っての大規模イベント。しかし、イレギュラー事情により1年の観戦者数が異常に多くなっている。この為、学園側はアリーナのパンクを回避するために、各国最大2名までの人数制限を設けた。
それに伴い、記録機材の持ち込みも厳禁とした。当然反発もあったが見ることの出来ない国の人間も居るので気持ちを汲めと圧力をかけた。
「・・・我瑠騨が?」
「おう」
「太刀悪いですね」
「奴ら程じゃないからいいの」
「僕、後が不安になってきた・・・」
男性陣の待機室にて、そんな話をしていた。なお、今日に至るまで一夏にはシャルルの正体を明かさずにいた。と言うよりは、我瑠騨が明かす事を忘れていたのだ。
「そう言えば、ボーデヴィッヒって誰と組んだんだっけ?」
「確か箒さんでしたよ」
「そう言えば〝何で一夏とペアではないのだ!?〟って言ってたね」
「俺と?なんで?」
「「「・・・・・・」」」
「あれ、なんかまずいこと言ったか?」
この3人は恋愛経験者達(うち2人は現在進行形)なので、分かっていてもつい溜め息が漏れてしまった。
「しかし、すごい人数来たよな」
一夏は待機室のテレビ画面に映し出されたアリーナの映像を見て
「そりゃまあ、レアな男性パイロットの試合は如何なる結果であれど見てみたいと言う奴はいるだろうな」
「なんか、見世物みたいで少し嫌ですね」
「確かに、そこは同感だね。---ぁ」
僅かにシャルルの反応がおかしかった。それに気付いた我瑠騨が声を掛けた。
「シャルル、どうした?」
「えっ、うん・・・あれ」
シャルルの指をさした先、画面には来賓の姿が映っていて、その中の人物にはある姿があった。
「・・・
「うん、あとその隣にいる女性が本妻だよ」
移っていた2人の男女。
男の方は、黒い短髪で青い瞳、顔立ちは目立ったシワはないしっかりとした感じだ。背丈は俺と同じ位だろう。
女の方は、前髪の右側を自然にさげ、左半分を後ろに持っていき、後ろ髪と一緒に後頭部で丸めるように束ねている。
「・・・・・・」
「シャルル、思うところはあるだろうが、今は試合に集中するんだ」
「・・・うん、そうだよね」
いつもの人懐っこい笑顔を見せるシャルル。そう、今は目前の試合に意識を集中させることが大事なのだ。
---この後に告げられる真実に備えて---
~カタパルトデッキA~
最初の試合。まさかの高嶺・鷹月ペアが出ることになった。相手は2組の一般生徒ペアだ。
「き、緊張してきちゃった・・・」
「まあ、今年は俺達男子がいるからな。あまり気負わずに行けばいい」
「で、でも、どうすればいいか分からなくて・・・」
「・・・・・・」
少し考える我瑠騨。そして至った答えが---
「わっ!」
頭をなでる事にした。
「大丈夫。今回はISの操縦訓練の中間成績の確認のようなものだ。今回はフォローに付くけど、お前はお前の全力で頑張ってみ?」
「うん!ありがとう高嶺君!」
『両チーム、カタパルトより出場せよ!繰り返す。両チーム出場せよ!』
「さてと、それじゃ行こうか!」
「はい!」
鷹月は打鉄を纏って先に出場した。続く我瑠騨もカタパルトにスタンバイ。
「高嶺我瑠騨、サイファー、テイクオフ!」
カタパルトが前進し、推力を獲得した機体は軽快に飛び出していった。