~IS学園 第3アリーナ~
試合開始時間が迫り、両チームがアリーナに入場する。一戦目でいきなり男性パイロット、それも実戦経験を持つ我瑠騨の登場に会場(特に来賓客)が歓声に包まれた。なお、相手チームはラファール・リヴァイヴ2機だ。
(・・・なんか、やりにくい環境だなぁ・・・)
我瑠騨の今までの戦闘は実戦がほとんどだった為、この様にギャラリーがいる〝見世物〟は少し苦手意識を持っていた。
(程々の加減でやるかな。余り動かなかったり、逆に動き過ぎたりすると面倒だし)
「た、高嶺君・・・」
「どうした?」
「その、武器の具現化ってどうするんだっけ?」
鷹月がここにいたってまさかのカミングアウト。まあ、操縦経験がほとんど無いのだから仕方無いだろうが。
「想像すればいいんだよ。それか、時間がかかるけどオプションメニューを開けば武器選択で具現化出来るし」
「ああ、そっか、ごめんなさい。やっぱり緊張して・・・」
「・・・やる時はしっかりやれよ?」
「ッ!は、はいっ!!」
ちょっとだけ厳しい口調で接した。実際の戦闘で相手に余裕を持たせる敵などいない。相手側も経験は浅いし、我瑠騨を相手にする事に萎縮しているのが目に見える。
『それでは第1試合、始めッ!!』
ブーーー!!とブザーが鳴る。
それと同時に我瑠騨は武器を呼び出す。最初に展開したのは『
「まずはこれで様子見させてもらう!」
銃口を相手陣に向けてトリガープル。火薬銃故の重く大きな連発音が轟く。しかし銃線は〝当たるけど避けきれる〟ようにしていた為、相手チームはこれをかわした。
「鷹月、フォローは請け負うから思うとおりに動いて良い。自分のやり方を見つけてみろ!」
「うん、ありがとう!」
鷹月は近接ブレード〝葵〟を展開し、切り込みを仕掛ける。
「えぇい!!」
思い切って上から振るう。が、案の定かわされてしまった。そこに背後から照準警告、敵僚機がアサルトカノン〝ガルム〟を展開していた。
「いただき!」
「しまっ---」
気付いた時には引き金が引かれ、弾丸が飛んでいたが途中空中で火花を盛大に散らした。
「うそっ!?」
「へっ?」
ふと我瑠騨を見ると、左にガルムによく似たライフル
「フォローは請け負うと言ったろ?」
「あ、ありがとう!」
「なによ今のチート紛いは!!」
そう言って今度は我瑠騨に照準、発砲する。しかし我瑠騨は一切動かず、また、弾丸は彼の右側を通過して地面に着弾、軽く砂埃が舞う。
「よく狙え!折角の操縦の機会だ。少しでも多く技術をモノにしろ!」
「うるさい!分かってるわよ!!」
その頃鷹月は武装をアサルトライフル〝焔備《ほむらび》〟に変えて、もう一方の相手との銃撃戦を行っていた。
余談だが、この焔備のシルエットは64式小銃をベースにしている。
「くっ!思ったほど当たらない!」
一夏の時もそうだが、素人が銃を扱うのは難しいのだ。それは相手も同じようで、なかなかお互いに当てられずにいた。
「もうっ!こうなったら!」
鷹月は距離を詰め始めた。その間、相手の攻撃を危なげに掠めたりするが、自分が当てやすい距離まで詰めて引き金を引いた。
「そこぉ!!」
「きゃあああ!!」
連発して叩きつけられる衝撃と、突進してきた時の動揺で盛大にダメージを受けた相手は、そのままエネルギーを0にさせられた。
「はあ・・・はあ・・・ふう・・・」
「お疲れさん。なかなかやるじゃねーか」
「あ、高嶺君、そっちは?」
「もう終わってる」
そう言いながら顔を後ろに向けた。
「あーー!悔しい!!!」
「一回戦目で高嶺君相手とか無理だってばぁ!!」
相手2人は、それはもう悔しさを込めて叫んだ。
『試合終了、勝者、高嶺・鷹月ペア!』
会場から歓声が上がる。フルフェイスタイプの我瑠騨はその仮面の中でこそばゆそうな顔をして、鷹月はクラスメイトのいる観客席に手を振って、ビットに戻っていった。