~IS学園 学生寮 1206号室~
朝。日の光が部屋に差し込み、その眩しさで我瑠騨とシャルロットは芽を覚ました。
「う、ん・・・ふぁあ~」
「ん~・・・・・・おはよう、我瑠騨」
「おはよう、シャルロット」
互いに起きたのを確認して軽くキスをした。
「あ、お腹は大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ」
「ひとまずバスルームに行って出そうか」
「そうだね。ゆっくり動いてね?」
「善処する。行くぞ?」
「お願い」
その後、バスルームでシャルロットの子宮に流し込まれた精液を出したのだが、流石に昨夜はきつかったのだろう、終始苦しそうにしていた。
~IS学園・第3アリーナ~
タッグマッチトーナメント2日目。今日は昨日試合の出来なかったペアと、今日までに勝ったペアの試合が行われる。因みに予定では3日目に準々決勝から決勝を実施する様なのだ。
今日の最初専用機持ちのカードは、セシリアペア対鈴ペアの対決となっている。どちらも相方はライトノベルにあったようなボーデヴィッヒのフルボッコを受けた訳では無い為、是非とも観させて頂きたいと内心楽しみにしている。
遠距離重点型と中距離対応近距離型の試合。さて、どうなるかな?
『それでは、試合開始!』
アナウンスとブザーが響く。
鈴はその機体性質から前進、対するセシリアは後退し、それぞれのペアがそのアシストにつく。だが、専用機持ちとは渡り合えない事は分かっているようで、結局のところは専用機同士と僚機同士の戦闘になった。
セシリアがライフルとビットで先制攻撃。しかし鈴はそれをかわし、お返しとばかりに衝撃砲を放つ。自身が格闘に重きを置いている事を自覚しているため、射撃は抑え目にして懐に入る隙を探っている。
ビットとライフルで牽制するセシリアだが、徐々に距離を詰められていく。
遂に鈴の攻撃圏内に捉えられてしまい、青竜刀〝双天牙月〟が振るわれる。が---
「はっ!」
「うそ!」
「ほう、いい筋いってんじゃん、セシリアのやつ」
振り下ろされた双天牙月を左手に逆手持ちしたナイフ〝インターセプター〟で防いだのだ。
そして、鈴が動揺した瞬間をビットの一斉射。全弾直撃したため、シールドエネルギーが大きく削られた。
実はこの方法は我瑠騨がひっそりと教えていた、初見に限り有効なカウンターアタックなのだ。
セシリアのほぼ射撃オンリーな戦い方は余りに致命的で、本人の強い要望もあって考えたものだ。せめて距離稼ぎ程度の技術には至りたいと望んでいて、最初こそはかけ声を出しながら呼び出していたが、次第に感覚を掴んでいって現在に至る。
先程も言ったが、これはあくまで初見限りの有効性である事から、この技術は基礎にして一度きりにするよう強く言い聞かせた。
この手の動作は割と読まれやすい。それでいてこの技術に甘んじてしまえば成長も何もしなくなってしまう。
いや、セシリアの向上心や探究心はかなりの物なのだが、反面で慢心しやすいところもある。だからこそ予め慢心しないように楔を打つ必要があった。
そんな事を振り返っていると、今度は鈴が押し始めた。深追いにならない程度に衝撃砲と双天牙月を一定の感覚で交互に繰り出していた。
どうしても格闘に馴染めないセシリアが次第に押され劣勢に。ただし何もしてない訳では無いし、近距離はナイフとビット、それ以外の中距離以上はライフルで攻撃を当てている。
そうこうしているうちに、お互いのシールドエネルギーは、どちらも一撃を受けたら終わりという状態になった。
どちらもこれがラストチャンス。
「なかなかやるじゃない、セシリア」
「鈴さんこそ、あの弾幕の中を潜り抜けるなんてさすがですわ」
「でも、次で決める!」
「ええ、次で決めましょう!」
お互いに構える。
「行くわよ!!」
「掛かってらっしゃい!!」
鈴はここでイグニッション・ブーストを使用。距離を一気に詰める。対してセシリアは冷静に狙いを定める。
照準がかみ合い、セシリアはライフルを発射。しかし鈴はこれを難なく回避。そして---
「もらったあーー!!」
「今ですわ!」
なんとここでセシリアはライフルを鈴に目掛けて放り投げたのだ。
「チィッ!!」
悪態をつく鈴だが、ライフルを切り落とす。その直後、視界に映ったのは、隠し玉の2発のミサイルだった。
慌てて双天牙月の一方を楯代わりに放り投げる。ミサイルは1発はこれに当たり、もう1発はその爆発に呑まれ誘爆。
辛うじて回避したと思った矢先、爆炎の中から何かが飛び出してきた。
セシリアである。インターセプターを両手で突き出し突進してきた。
鈴が彼女を認識したとき、既にどのような行動も間に合わなかった。
「はああああ!!」
「きゃあああ!!」
もはや体当たりの特攻を防ぐ事が叶わず直撃した。ここで鈴のシールドエネルギーはそこをついた。
『試合終了!勝者、オルコットペア!!』
ブザーと共に試合終了の知らせ。実は2人が白熱している間、お互いのペアは相打ちに終わっていたのだ。
「勝った・・・勝ちましたわ!!」
歓喜の声を上げて喜ぶセシリア。そこへ鈴が近づく。
「あんたも随分無茶をするわね。でも、なかなか楽しかったわよ」
そう言って右手を差し出す。
「わたくしこそ、とても有意義な---いいえ、楽しい時間を過ごさせていただきましたわ」
セシリアはその手を握り返す。アリーナは歓喜の声に包まれた。
(セシリアも鈴も、お互いにいい経験をしたな)
まるで子供の成長を見守る親の様な事を思う我瑠騨ではあったが、それでいて自分の事のように嬉しくも思った。