※この作品はR-18です。

インフィニット・ストラトス ~目覚める翼~   作:コンコルド

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タッグマッチトーナメント2日目 ~一夏VSラウラ~

 ~IS学園 第3アリーナ~

 

 本日の試合も特に滞りなく進んでいく中、次の対戦は転生者3人からして、気の抜けないカードの組み合わせだった。

 

 織斑ペア対ボーデヴィッヒペアの対戦だ。

 

「我瑠騨さん」

 

「ああ、分かってる。警戒は厳にしておくんだ。初期行動は避難誘導、後に制圧。いいな?」

 

「はい」

 

「メリッサも同様だ」

 

「分かったわ」

 

 この3人が警戒しているのは、もちろんラウラ・ボーデヴィッヒのシュヴァルツェア・レーゲンだ。

 

 可能性としてではあるが、VT(ヴァルキリー・トレース)システムが搭載されている事を警戒している。

 

 可能性として、の理由は俺達転生者の存在もそうだが、今まで俺達(イクサとメリッサはそれぞれ目立たないよう密かに)が戦ってきた異形達の存在。そして何よりここは〝ISが存在する世界〟である為だ。ラノベのISみたいな展開があったりなかったりである為、可能性として見ている。

 

(仮にVTシステムが搭載されていて、それが発動すれば一夏が動こうとするだろう。無いならそれに越したことは無いんだがな)

 

 そんな事を考えていると、ブザーが鳴り響き、試合が開始された。

 

 案の定一夏は素直に直進していった。対するボーデヴィッヒはアクティブ・イナーシャル・キャンセラー(AIC)を使うべく手のひらを一夏に向ける。

 

 当然の様にAICに捕まる一夏。レーゲンのレールカノンが向けられたが、直後に周辺が砂埃に呑まれた。

 

 実は相川が、誤射を懸念してガルムで2人の足元を射撃。砂埃を発生させる。

 

 マンツーマンでは実力の高いラウラだが、やはりというか、チーム戦の特性を把握出来ていないようだ。

 

 故に砂埃が舞った瞬間、意識が大きくブレてしまい結果としてAICは外れて、それに気付いた一夏が斬り込む。切っ先がレーゲンの左手の薬指と小指を斬り落とした。

 

「ちっ!油断した!」

 

 次の策を練るボーデヴィッヒだが、やはりチーム戦を意識出来ず、パートナーの存在は計算に入れてなかった。

 

 次の行動でワイヤーブレードを使うも、僚機の存在を疎かにしていた為、一夏を追う途中で僚機がワイヤーブレードに当たり軌道がずれてしまった。

 

(クソッ!何故この様な無様な事ばかり起こるのだ!?)

 

 今まで1人で物事をこなすよう育てられた---いや、彼女の場合はそう言うべきなのか曖昧な所だ。

 

 クラリッサからは、ボーデヴィッヒは試験管ベビーである事、戦うことを徹底して叩き込まれた事、IS操縦は、最初こそてんでだめだったが、千冬の指導でかなりの勢いで強くなった、という内容を訊いた。

 

 

 

 我瑠騨が思案する中、試合はラウラ・ボーデヴィッヒの不利に働く。

 

 個人の実力は確かに群を抜いて強いラウラだが、その強さは〝あくまでも戦闘手段が〟である。それが裏目に出てしまい、僚機はリタイア、織斑ペアはズタボロだが両者健在、自身もそこそこダメージを受けているため状況は五分五分だった。

 

「相川さん、状態は?」

 

「結構ボロボロ、武器の弾もほぼないよ。織斑君は?」

 

「同じかな。・・・頼めるかな?」

 

「もちろん!」

 

「じゃあ、行くぜぇ!!」

 

 一夏は相変わらずの突進ぶりを見せる。

 

「フン、馬鹿のひとつ覚えが!」

 

 再びAICによって突き刺す直前の姿勢で動きを封じられる一夏。だが、その顔は余裕を浮かべていた。

 

「だったら、あんたも同じだな」

 

「なに?ガッ!?」

 

 突然真上からの衝撃に怯む。上には相川がショットガンを腰だめに構えていた。

 

 状況が読めた直後、ボーデヴィッヒは気付いた。

 

(個人対複数・・・そうか、これほどまでに不利なのか)

 

 目の前にはAICが解けて、一夏が再び突進してきた。

 

(なんて・・・なんて、まっすぐで、力強い眼差しなのだ。まるで・・・)

 

 ---あの時の教官の様だ---

 

 雪片弐型、もとい、零落白夜をくらい、シールドエネルギーがゼロになるシュヴァルツェア・レーゲン。

 

 この時ボーデヴィッヒは、不思議と悔しい顔をせず、むしろ清々しいとでも言うかのような笑みを浮かべていた。

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