佐倉慈先生と共依存したい。 作:朝潮
第2話
同封されていた指示書のようなものに書いてあるの通りに処置を進める。
血管の場所を見極め、柔肌に押し当てて銀の針を突き刺す。
「うっ!ぅう!ぅあぅ…!」
注射を嫌がるかのように、慈からうめき声が上がった。
その声は普段の慈とは似ても似つかないような奇妙な声だった。
それは櫂にとって慈の死の想像と結びついてしまった。
このまま佐倉先生が死んでしまったら、と考えてしまい、瞳から勝手に涙が溢れ、視界が歪む。
ボロボロと大粒の涙を零しながら、注射液を全て注入し終わった。
後はこの薬の効き目と、慈の生命力を信じるしかない。
指示書によれば、感染した疑いのあるものは例え血清を打ったとしても隔離しておかなければならない。
だが、それは櫂にとってはとても耐えられないことだった。
1ヶ月。いや、2ヶ月か?ずっと1人シェルターの中で来るはずもない救助を待ち続けていたのだ。
折角出会うことのできた人間と、感染しかかっているとはいえ離れたくはなかった。
代わりにと手と足を救援物資の中に入っていたロープで固く縛り付けた。
これでもしゾンビになってしまっていても、動けなくできるし、最悪解かれたとしても逃げる時間くらいは稼げるだろう。
「…すみません、佐倉先生…痛くないですか?」
櫂が問いかけるが、帰ってくるのは荒い息遣いのみだった。
慈は今戦っているのだ。せめて、止血だけでもしてあげようと思い慈の肩に目を向ける。
「っ!?ひっ…!」
慈の、感染者に傷を受けたであろう肩の皮膚が爛れていた。
さっき見たときはこんなことにはなっていなかった。
感染が進んでいる。もう、慈は助からないかもしれない。
そんな考えが一瞬頭をよぎったが、櫂は思い直して傷口に包帯をぐるぐると巻きつける。
もし慈が感染してしまっていたら、もう死んでしまおう。ただ、それまでは全力で助けたい。
除菌シートで血の垂れた部分を拭い取る。
手に触れると、白くて細く、しなやかで柔らかい。女の子の腕だ。
勝手に触れてしまうことに背徳感を覚えながら、拭き残しがないよう丁寧に血の跡をなぞる。
そこまで出血はひどくないようで、2、3枚で全ての血を拭くことができた。
「ぅう…う…」
それは、血を拭くために慈の側に近付いたせいだった。
耳元で、慈の吐息が聞こえた。
ぞわり、と櫂の背筋になんともいえない感覚が走った。
緊迫した状況でここ何ヶ月も感じていなかった、
櫂は、自分の下腹部が熱く昂るのを感じた。
一度
乱れた衣服。少し捲れてしまったスカート。そこから覗く柔らかそうな肢体。
今まで櫂の目に写っていた聖母は、一瞬にして淫女へと変わってしまった。
(…何を考えてるんだ。やめろ、俺…)
そんな事を心で強く念じながらも、櫂の手は慈の体へとゆっくりと伸びていった。
(命を救ったんだし、少し触るくらい当然の権利だ。)
心の中で、甘い誘いが囁く。
(ダメだ。絶対にダメだ。バレたら人生が終わる。)
理性と本能がせめぎ合う。
(人生が終わったところで何だ。どうせこんな世界で死ぬなら、楽しんで死んだほうがマシだ。)
「…」
ごくり。と生唾を飲み込んだ。
ドッドッドッドッ!
心臓が鼓動を早め、頭の中で響いている。
「これは…心臓が動いているかの確認です…」
誰に言い訳するでもなく、櫂は小さく呟いた。彼は欲望に負けていた。
櫂は右手をゆっくりと胸に近付け、慈の胸に押し付けた。
ふに…
柔らかい。
柔らかい!
初めての感触に、感動すら覚えた。
櫂は好奇心に当てられ、両方の手をその大きな双丘を多い被せた。
慈は胸が目立たない服を着ていても大きく見える程度の巨乳の持ち主。
ここまでしても、揉んでみる勇気まではなかった。
きっと、胸を揉んでしまったら、心音を聞いてるという言い訳ができなくなってしまうから。
だから、そっと添えるだけ。押し付けて感じるだけ。
少し落ち着いて感じてみると少し硬い。きっとブラジャーのせいだ。
「…それはダメだ…なに、考えてるんだ…」
櫂は自分の恐ろしい考えに恐怖した。
そんな事をしたら、もし生きていたとしてももう一生口を聞いてくれないかもしれない。
…やめろ、やめろ、やめろ…
「こ、これは…血で汚れた服だと汚いから…それと、体に異常がないか見るため…」
櫂は手を震わせながらゆっくりと慈の服を脱がせ始めた。
結局、理性は本能に勝てなかった。
こんな特殊な状況も相まって、櫂は止まれなくなっていた。
紫色のワンピースをたくし上げる。
そんな背徳的な行為に、興奮がまた上がる。櫂の肉棒はこれまで以上に硬く膨れ上がっていた。
中から、曲線美を描く白いおみ足が現れる。それだけで心臓の鼓動が跳ね上がった。
期待に腕をぷるぷると震わせながら、もっと大きくめくり上げる。
ふくらはぎから、太ももへ。そしてその奥、太ももの付け根。
これまでで既に大きいと思っていた鼓動は更に激しく鳴り響く。
胸を叩かれているかのように強く脈打つ。
…白だった。
鼠蹊部に沿うように、可愛らしくレースがデザインされた、清廉なショーツ。
女の子の大事な部分を隠すために作られた衣服。
櫂はその一点に目線が釘付けになった。