※この作品はR-18です。

佐倉慈先生と共依存したい。   作:朝潮

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第28話

 

 

 

「どう?由紀さんたちとは馴染めそう?」

「…はい。皆いい人たちでした。」

 

その夜。

慈は櫂へとカウンセリングのようなことをしていた。

シェルターを出ることを嫌がっていた櫂が、ストレスを感じているかもしれないと危惧しての事だ。

結果的に慈のその心配は、全くの杞憂だったのだが。

 

「正直、好意的すぎて怖いくらいです。」

「ふふ…それは櫂くんが素敵な人だからだと思うわ。だから、皆仲良くなりたいの。」

 

慈は、最早習慣なってしまっている櫂の頭を撫でる。櫂は、慈へと頭を預けた。

眠る前にこうされると、とても落ち着くのだ。

 

「それにしても、防火扉とは、よく気がついたわね。」

 

あれからたった一週間で3階にいた「彼ら」を殲滅、そして制圧してしまっていた彼女たちの行動力には驚かされる。

そして、1日でバリケードを防火扉の向こう側へ移動させてしまった事には更に驚いた。

 

「ゾンビの出てくるゲームとかで…」

 

ゲーム、か。こんな時には、そういう柔軟な発想の方が大事なのかもしれない。

慈は、昨日の夜のことを思い出す。

 

 

 

「ちょっと待て。なんだよ、これ。なんなんだよ!」

 

自分がいなくなってしまったら、この事を教える事もできなくなる。

一度死の淵を彷徨ったことにより、何も隠さないことを決めた慈。

 

精神が不安定だと思われる由紀を寝かしつけた後。

緊急避難マニュアルを、由紀を除く部員の皆に見せた。

 

「あの、胡桃さ…」

「めぐねえは…知ってたのか?」

「その…」

「胡桃。落ち着いて…」

 

慈はどうしても言葉を詰まらせてしまう。

 

──知らなかった。

 

無責任にそう言えたなら、どれだけ幸せだっただろうか。

…だが。

 

「先生が知ったのは、事件の後…ですよね?ここに書いてありますから…」

 

櫂が、開かれたマニュアルを表紙に戻して、開封指示の部分を指差す。

櫂には、慈がこの指示を破ってまで読んでいるとも思えなかった。

そして、それは他の部員たちも同じだった。

 

「! …ごめん…大声出して。」

 

胡桃は、自分が頭に血が上っている事を理解した。

そして、隣の部屋で由紀が寝ていたことを思い出して我に返る。

 

「めぐねえ。…本当の事、教えてください。」

 

悠里が、いつにも増して真剣な表情で問う。

慈は、その迫力に飲まれてしまった。

言わなければ。全て大人の…私のせいだ。

この事を知っていれば。ちゃんと見ていれば。

 

「私、こんなの…知らな…っ」

 

こんな事、言えなかった。知られたくなかった。

秘密にしている罪悪感が。痛みが。苦しさが。全てが、溢れ出してしまった。

下に、弱さは全て捨ててきた。…そう思っていたはずなのに、涙が止まらない。

なんて私は弱いんだろう。

 

「…めぐねえは、悪くないから。」

「そうだよ。誰も責めてないから。」

「うっ…うぅ…ごめんね、わたし…ぐすっ…たよりない先生だから…」

「そんなことないですよ。」

「めぐねえは、あたしたちの最高の先生だよ。な?りーさん。」

「そうね。私もそう思うわ。」

 

それでも、言い出す勇気が出たのは、櫂くんのおかげだ。

今は、勇気をくれた彼に。受け入れてくれた彼女たちに。感謝をしよう。

 

「私を許してくれて、ありがとう…」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

「先生…」

 

物思いに耽っていた慈を、櫂が現実へと呼び戻す。

 

「なあに?櫂くん。」

 

慈は、櫂の頭を慰め続ける。

由紀や櫂の頭を撫でることが、慈にとっても幸せな時間だった。

自分が、生徒たちの役に立っている事を実感できた。

 

「したいです…先生…」

「何を…あっ」

 

ふと櫂のズボンを見やると、とある場所がとても膨らんでいるのが見えた。

慈はこの中のものを思い出して、ポッと赤くなる。

 

「その。由紀さんたちが隣の部屋で寝てるから…ね?」

「でも、我慢できないんです…」

 

慈は、食事の際のスプーンによる間接的な感染だと説明していたが…

他部員は2人のキスを見たことにより、それも怪しいものだと思っている。

今櫂とおかしな事をしたら、不信は確信へと変わってしまうだろう。

 

「駄目よ…聞こえちゃう。」

 

慈はやんわりと断るが、そこまで強く拒否するつもりはなかった。

櫂をこうしてしまったのは自分だ。

だから、彼を慰めるのは自分の責任でもある。

 

…そんな言い訳をしていたが、慈はこんな事でも櫂の役に立てることが嬉しかった。

慈は、張ったズボンの上から、カリカリと肉棒をなぞる。

刺激を待ち望んでいた肉棒が、ズボンの中でヒクヒクと動いた。

この時点で、慈は櫂の処理をする事を決めていた。

 

「とってもつらそう…どうしても、我慢できない?」

 

櫂が頷いたのを確認して、慈はズボンを下ろす。

慈は、パンツの中から取り出したものを見て息を飲んだ。

 

「…これ…」

「昨日から、こんな状態なんです。多分…」

 

感染の所為。

櫂の肉棒は、皮が引き攣り、血管が浮き出ていた。

フィクションで見るような、そそりたつ大きな肉棒。

 

「多分、感染経路は…」

「私の、せい…」

 

恩人を、自分の手で殺めてしまうところだった。

慈はもう泣きそうだ。

 

「そんな事ないですよ。」

 

櫂は、慈の頬に貼られた湿布を剥がす。

その下から、櫂のものと似たものが現れる。

綺麗な慈の肌には似合わない、痛々しい傷跡。

 

「これで、佐倉先生とお揃いですね。」

 

櫂が嬉しそうに笑う。

慈にとって、1人じゃないということがどれだけのことであるのか。

慈自身も、知らなかった。こんなにも安心するなんて。

 

「…じゃあ、口で…してあげるから…」

 

そして、代替案を提案した。

慈にとっても初めてだが、知識としてはある。

口の中で慰めて、気持ちよくしてあげる行為。

これなら、声が出ることもなく、気をつければ音も小さく済む筈だ。

 

 

 




表紙にしていた挿絵を使いました。
こちらの挿絵は、えいじゃー様という絵師様に依頼したものです。
詳細は際者のページの画像一覧からどうぞ。


おまけ
学園生活部を果物で例えると

悠里、桃
言わずもがな。肉厚で美味しそう。特に赤みのさすほっぺたは本当に桃かと見紛うほど。
胡桃、ライチ
さっぱりすっきりとした性格。どこがとは言わないが、小さい。可愛い。
外はクールだが、内面は誰よりも乙女…みたいなところが完全に一致。
由紀、いちご
甘酸っぱい。小さくて元気。
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