佐倉慈先生と共依存したい。 作:朝潮
校門をぬけ、しばらく進んだ頃。
こんな世界になっても、二人にとっては軽いドライブ気分だった。
「目的地はどこ?」
「まずは近場のコンビニから寄っていきましょう。」
「わかったわ。」
櫂たちを乗せた車は、最寄りのコンビニへと向かう。
慈にとっては勝手知ったる道だが、そこかしこに人だったものや事故の跡で変わってしまっている。
特に、処理されていない車の事故で、通れなくなってしまう道があった。
慈のよく知る道とは全く別のもののように思えてしまうほどだ。
通行止めの道では迂回を強いられ、紆余曲折。
ようやく櫂たちはコンビニへとたどり着いた。
コンビニの敷地近くに「彼ら」はいないようだ。
「自動ドアが開かない…」
いつもの癖でドアの前に立った櫂が愚痴をこぼす。
電力が来ていないため当たり前だが、これは人力でこじ開けるしかないようだ。
「大丈夫?手伝うわ。」
「いえ、多分1人で…」
櫂は感染してしまったことで何倍にもなってしまった怪力を使い、無理やりこじ開けた。
嫌な音を上げながら開かれるガラスの扉。
どうやら中にも「彼ら」はいない様子。
「う…こりゃひどいな…」
コンビニへ入って開口一番、櫂は顔を顰めた。
続いて3歩後ろを歩いていた慈も、室内の異様な臭いに思わず鼻を手で覆った。
「彼ら」がいないためか、ガラスは綺麗に残されていて、自動ドアが閉じきり、密閉されていた室内は酷い匂いが充満していた。
生ゴミを放置していたらこれほどの匂いが発生してしまうのか。
「弁当おにぎり、パンは全滅だ。」
「わかってはいたけど、鼻が曲がりそう…」
冷蔵のコーナーからは異臭が。冷凍庫の中は変な色の水ができている。
冷凍庫から向こう側には近寄りたくない。
「食べ物は、密閉されたお菓子ならまだ大丈夫そうね。」
「お茶や水、ジュースなんかも持って帰りたいですね。ずっと水ばかりだった先輩たちも喜ぶと思います。」
「そうね。私もビール…」
櫂が驚いた顔で慈を見た。
それに気がついた慈は、慌てて手を左右に振る。
「い、今は飲まないから…っ!運転するから飲まないわよ!?」
「あ、そうじゃなくて…佐倉先生も、ビールとか飲むんだなって…」
「大人ですからっ」
世界がまだ生きていた頃。
櫂は意外と感じていたが、慈はお酒が好きな方だった。
それも、かなり重度の方で。
「折角なので、ここで一本飲んで行きませんか?」
櫂は、最奥にある冷蔵庫で慈に提案する。
そのガラス扉の奥には、1本くすねた程度では見た目で分からないくらい大量のペットボトルがずらりと並んでた。
「私たちが飲むものなら、ここで飲んでも一緒よね。」
慈は、櫂のその提案に乗った。
慈自身、久々に見る馴染みの深い飲料水たちに興味津々だった。
慈はレモンティー。櫂はファソタを手に持った。
熱気のこもった冷蔵庫を閉め、臭い匂いの漂うコンビニを脱出。
2人は仲良く駐車場のブロックの上へと腰掛けた。
そして、キャップを開け、中の飲料へと口をつける。
「…味、しないわね。」
「口の中でパチパチ弾けてる水…」
久しぶりの2人はガックリとうなだれた。
慈は、密かに楽しみにしていたビールを美味しく飲むことができないことを悟り、心の中で涙を流した。
「…櫂くん?」
慈は、手に触れた櫂の手の感触に目を見やった。
櫂は慈の手を大事そうにぎゅっと握りしめていた。
「どんなに悲しいことがあっても、先生が隣にいてくれるなら我慢できます。」
「櫂くん…ありがとう。私もよ。」
(ビールがあ…)
それにしても、慈の悲しみは大きかったようだ。
櫂たちはお菓子や飲み物などのかさばるものは後日に回すことにした。
今必要なものは、缶詰やレトルト食品、お米といったご飯。
娯楽品はどうしても後回しになってしまうのが現状だ。
それに、どうせ近場だ。いつでも回収にくることができる。
「ん〜。」
だが、櫂は棚を眺めながら何かを探している様子。
そのことに気がついた慈は、櫂へと問いかける。
「何を探してるの?」
「コンドームですよ。」
「こ…っ!?」
「学校にあるものだけじゃ、すぐになくなってしまうので。」
すぐになくなってしまうくらいするつもりなんだ…
慈はぽっと頬を染めた。
「佐倉先生も、一緒に探してください。コンビニにあるのは確かなんです。」
「うーん…」
慈は真剣な櫂に触発され、納得いっていないながらもコンドームの箱を探し始めた。
「…あっ…」
そして、偶然にも慈の近くにある棚にそれはあった。
0.02と書かれたその箱は、恐らく…
「…」
しかし、その箱を慈は見なかったことにして別の場所へといそいそて歩いていく。
櫂は真剣に棚とにらめっこをしていて、慈の行動には気が付いていない様子だった。
(こんなにすぐに見つけたら、もともと知ってたみたいじゃない…)
「いっぱいあってよかったですね、先生。」
「そ、そうね…」
櫂の手には、レジ袋に入ったたくさんのコンドームが抱えられていた。
物資をすべて取ってしまうと、もし生存者がいたとして、ここへ来た場合に何もないと困ってしまうだろう。
だからある程度は残しておこうと決めたのだが、コンドームは残っていても使う人間はいないだろうという判断のもと、すべてのものを持ってきていた。
こんなにたくさん持ってきて消費し切れるんだろうか、と考える慈の胸はドキドキと高鳴っていた。
慈自身が、櫂との性交を楽しみにしている証拠だった。
「これ、学校に置いてあったのとは違う種類ですね。」
「そうみたいね…」
「あの種類しか見たことがないので、少し不安ですね。」
櫂は、袋から1箱取り出してじろじろと眺める。
そのスタイリッシュな見た目は、初めは避妊具と分からなかったほどだ。
「どうせなら、ここで1つ使い心地を試していきませんか?」
「だめ!だめだめっ!こんな場所で…」
慌てて否定するも、自らのお腹が切なそうにキュンキュンと疼くのを感じた。
慈は、櫂に誘われただけで喜んでしまう体へと変わってきていた。
(私、こんな事にも興奮してる…まるで、櫂くんに調教されてるみたい…)
言葉だけで嬉しくなってしまい、それを嗜めるように心を強く持つ。
そうだ。
子供達を置いてきてまで、やらなければならない仕事があるんだ。
仕事がある。仕事がある。佐倉慈。これは仕事なのよ…
──この後、滅茶苦茶青姦した。
貧弱トマトさん。TEL博士2さん。
高評価ありがとうございました!
アンケの結果ですが…
真っ直ぐ向かう(圭救済ルート)ㅤㅤㅤㅤㅤㅤ188 / 41%
|──────────|
寄り道をする(るーちゃん救済ルート)ㅤㅤ189 / 42%
|──────────|
ラジオをつける(放送主の女性救済ルート) 77 / 17%
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うーん、これは…
読者の方が全員友達で、ちょうど同じ数を狙ったとしか思えないほどの接戦…
接戦だったのは前話からずっとそうだったんですけど、まさかこんな…
本当に、ちょうど良いところで集計を終わらせたとかじゃないですからね。
1%とか2%の差、みたいにずっとこんな感じの接戦が続いてたんです。
これ、「確かにるーちゃんの方が多いけど!」感ありますよね…
これでるーちゃんにしたら怒っちゃう?