「んっ……」
シャワーノズルから熱い水が迸る。
本来であれば、水泳の後の冷えた体を温めると共に汚れを洗い流す為の部屋だった筈。
しかし、いざ入ってみればモンモンと湯気の立ち込める中で、一糸纏わぬ姿の男女が熱いシャワーに打たれながら絡み合っていた。
片や橙色の髪の女。
もう一人は、年端も行かない少女―――に見間違えてしまいそうな端正な顔立ちの少年だ。
暫く、浴びる水滴に劣らない熱い接吻を交わす二人であったが、少年を逃がすまいと頬に手を添えていた女が、満足気に微笑みながら唇を離した。
二人の口の間には情熱的な接吻の証だと言わんばかりに唾液の橋が架かる。
すぐさまシャワーによって洗い流されてしまったが、二人にとっては口に残る余韻だけで十分であった。
荒い息遣いがタイル床を打つ音の間に紛れている。
二人が暫く見つめ合っていると、モゾモゾと股間に屹立した可愛らしい逸物を隠すような仕草を見せる少年に、少女はずいと顔を近づけた後、歳に似合わぬ妖艶かつ淫らな笑みを浮かべつつ耳元で囁いた。
「隠さなくていいの。続き……するわよ」
「カ……カスミさん……」
「いっぱい気持ちよくしてあげるから。攻めて、攻めて、攻めまくってやるんだから」
むにゅんと押し付けられる胸に、少年の逸物が一層力強くそそり立った。
(な、なんでこんなことになっちゃったんだっけ……?)
恥ずかしさと気持ちよさでおかしくなりそうな少年『バニラ』は、目の前の女に流されるまま、情欲に塗れた行為に巻き込まれていた。
*
ポケットモンスター、縮めてポケモン。
この世界に生きる不思議な不思議な生き物の総称だ。
人間はモンスターボールにてポケモンを捕まえ、ポケモンと友情を深めつつポケモンバトルと呼ばれる勝負をする。
少年少女たちは、そのポケモンバトルの一つの到達点であるポケモンリーグチャンピオンを目指し、各地方に点在する施設『ポケモンジム』にて、ジムリーダーを打ち倒すことを目当てに旅をしていた。
彼、マサラタウンに住んでいた少年バニラもまた、その夢を追いかけるポケモントレーナーの一人だ―――と、長い前置はさておき。
故郷では同年代の女の子よりも女の子であると弄られ、年上のお姉さんにも可愛がられていたバニラは、こうしてポケモンと共に旅に出られることを大層喜んでいた。
「ボクも頑張ってチャンピオン目指すぞー、おー!」
パートナーと共にジム制覇を目指すバニラ。
道中、ミニスカートの女の子にスカートの中を見たと因縁をつけられズボンを下ろされそうになったり、おつきみ山でうろうろしていた黒い制服を着た怪しいお姉さんに襲われそうになったりしたものの、今の所これといった被害が出ることはなかった。
ルンルン気分で旅を続け、辿り着いたのはハナダシティ。
『おてんば人魚』の異名を有すジムリーダー・カスミの居る町だ。
エキスパートにしているみずタイプのポケモンを繰り出し、攻めて攻めて攻めまくることを信条にしている彼女とのバトルは熾烈を極めたが、なんとか勝利を掴み取ることはできた。
しかし、その代償と言ってはなんだか、バトルの余波で巻き上がった水を浴び、服はずぶ濡れだ。
カスミは元々競泳用の水着を着ているが、バニラはそうではない。
「うへぇ……」
「あんた大丈夫? 折角ならウチで乾かしてく?」
「お言葉に甘えて……」
ジムに用意されている乾燥機で乾かしてもらえることになったバニラは、そのまま普段はプールとしても使える施設故に存在するシャワー室を借り、熱いバトルで掻いた汗ごと体を洗うことにするのだった。
「ふぅ、気持ちいぃ~♪」
心も身体もさっぱりする。そう言わんばかりの蕩けた顔を浮かべるバニラは、『それにしても』と心の中で独白を始めた。
(マサラの皆はボクを子供扱いするんだから! ちゃんとトレーナーとして扱ってくれるカスミさんを見習ってほしいよ!)
ぷんぷんプンスコ!
頬をパチリスのように膨らませるバニラは大層ご立腹であった。
故郷の友達は全員自分のことを子供扱いする。何かする度に、男子も女子も何かと理由をつけて世話を焼こうとするし、年上の者―――特に女性も自分をからかおうとでもしているのか、ちょっかいをかけてくるのだ。
年々彼等の視線が怖くなってきたところで、旅に出られることができた解放感は一入である。
加えて、カスミのような著名なトレーナーに一人のポケモントレーナーとして認められるのも嬉しい。
男子の間で尽きることのない『お前の好きな女ジムリーダー誰だよ』話題においても、露出=Hという認識である年代の男子にとって、特に人気が高いのがカスミだ。
そんな彼女の生の競泳水着姿を見て、尚且つバッジを手に入れることも叶った。
もうハナダシティに思い残すことはない……そう満足気にシャワーを浴びていたバニラだったが、不意に背後から聞こえてくる足音に『ん?』と振り返った。
「お邪魔するわよ~♪」
「きゃあああ!」
言い逃れができぬ女子っぽい悲鳴に、全裸で入って来たカスミも思わず『あんた……』と呆れた様子で呟く。
それから視線は自然にバニラの股間へと向く。
「わっ、そんな可愛い顔してるのにちゃんとついてるのね」
「カ、カスミさん見ないで! 出てってください!」
「別に良いじゃない、そんな堅苦しいこと言わなくても。このジムはあたしのものなんだから、どこに出入りしても自由でしょ?」
「そういう問題じゃなくって……!」
出ていくよう訴えるバニラは、カスミを見ないように目を手で覆っているものの、やはり歳相応の好奇心からか指の間に隙間が出来ていた。
僅かな隙間から覗くは極上の女体。
水泳で鍛え上げられたカスミの体は、引き締まっていながらも女性らしい柔らかな曲線を描いている。
(ムチムチだ……!)
これが家族以外で初めて見る女性の裸だった。
すると、かつて平静を保っていた息子がみるみるうちに膨らんでいくではないか。
自身の体の一部の変化に戸惑いつつ、内股になって股間を隠すバニラ。
だが、その初々しい一連の動きを眺めていたカスミは、ニッと悪戯っ子のような笑みを浮かべ、シャワー室の隅にバニラを追いやっていく。
「ふふんっ。な~に~? いっちょ前に反応してる訳?」
「え……?」
「いいわよ。ずぶ濡れにしちゃったお詫びに……」
「ふわぁ!?」
「気持ちよくしてあげるから」
いつのまにやらボディーソープを手に取って泡立てていたカスミは、徐に泡を自身の体に満遍なく塗った後、そのままバニラへ体を擦りつけた。
引き締まりつつも弾力性に富んだカスミの柔肌は、バニラの体に沿って変幻自在に形を変える。
ぷにぷに、ふわふわ、ぬるぬる。
そんな感触が一斉に体全体に襲い掛かったバニラは、最早内股になって挟むだけでは、己の逸物を押さえることが出来なくなった。
股間の間から解放された逸物は勢い良く跳ねあがり、バニラに体を密着させていたカスミの股間に掠る。
その際、『あんっ!』と艶やかな声を漏らすカスミによって、逸物は一層雄々しく怒張するに至った。
「……ま、あんたぐらいの歳じゃそんなもんよね」
「んっ!」
泡塗れのカスミの手が逸物を握る。
それだけで快楽の電撃が脳を貫くが、カスミはそんな快楽に悶えるバニラを顔を目の当たりにするや否や、彼の逸物を優しく……それでいて激しく擦り始めたではないか。
「ほ~らほらほら♪ どう? 気持ちいいでしょ」
「あっ、か、カスミさんっ、ダメっ……!」
「何がダメなのか言ってごらん? ま、言っても止めてあげないけど」
「そんなっ……んんっ、な、なんか出ちゃう……! と、トイレに……!」
「ダ~メ! そのままイっちゃえ!」
カスミの手の中でみるみるうちに怒張する逸物。
激しく脈を打っていたソレだったが、とうとう限界を迎えた逸物の鈴口から白い液体が迸る。
尿とは違う尿道に奔った灼熱と快楽の渦に茫然自失となるバニラは、泡でヌルヌルのカスミに支えられ、辛うじて立つことができていた。
「ふぁ……あぁ……」
「気持ちよかった?」
「……はい」
「フフン♪ 当り前よ。なんたってこのあたし直々の手コキなんだから」
「てこ……?」
「いーのいーの! それより……」
謎の単語に首を傾げるバニラだったが、カスミが指さす先にそびえ立つ物体に、彼は再び赤面することとなる。
先ほどの発射で小さくなっていた筈の逸物が、またもや堂々と屹立しているではないか。
また股間から全身にムズムズとした不快感が奔る。
あの時のように白い尿のような液体を発射すれば、また元のサイズに戻り、尚且つ気持ちよくなれるのに―――。
そう言わんばかりの切ない顔で見上げてくるバニラに、カスミは背筋がゾクゾクと震えたつ感覚を覚えながら、そっと精液塗れの手を逸物に添えた。
「良いわよ……続き、しましょ?」
*
そして冒頭に戻る訳だ。
初めての射精も初めてのキスもカスミに奪われたバニラだったが、今はそんなことどうだっていいと言わんばかりに、一心不乱にカスミの唇に貪りついていた。
長すぎるファーストキス―――それもディープキスを終えたバニラは、とろんと蕩けた顔のまま、全てをカスミに委ねる。
一方でカスミはと言えば、このような可愛い男の子を自分の思いのままに
だが、寸でのところで理性がストップをかける。
相手は何も知らぬ少年。自分が好き勝手動いて初めてが嫌な思い出になってしまうのは、こちらとしても望まぬことだ。寧ろ、この記念すべき一回目を素晴らしい思い出とすることで、今後も―――などと考えている。
最近彼氏にフラれてブルーな気持ちが続いていた。
誰でも良かったのかもしれない。とは言っても、旅に出たての少年を誘惑するのはヤリ過ぎたか。
(ま、いっか♪)
他の女ジムリーダーも似たようなことをしていると言い訳し、カスミは意識を目の前の純粋な少年に向けた。
性に無知でありながら―――否、正確に言えば性の快楽だけを覚えたバニラは今、快楽を求めるだけの従順な獣と化している。
獣と呼ぶには些か可愛らしいが、それでもこちらをジッと見つめてくる瞳はカスミを視界から逃すまいと動く。
そんな彼へちょっとしたからかいついでに泡塗れの胸を押し付けたりすれば、その度に股間の逸物がピンと跳ね上がり、カスミの太腿や下腹部に擦れる。
何度か反応を楽しめば、そろそろ我慢ならぬと逸物の先から我慢汁が漏れ出し、ボディーソープとは別の粘着質な液体が、カスミの体に塗りたくられた。
頃合いか。
零れそうになる笑みをグッと我慢するカスミは、バニラの体を仰向けに倒し、そのまま股間に跨った。
「カ、カスミさん……?」
「いい? 攻めて……攻めて……攻めまくってア・ゲ・ル♡」
「んんっ!!?」
ぬるん!
突然自分の逸物を包み込んだ生暖かい感触にバニラは驚いた。
だが、それ以上の快感が逸物から脊髄を通し脳へと伝わる。
先ほど以上に蕩けた顔を浮かべるバニラに対し、カスミは絶え間なく蠢動する膣内のみならず、自身が上下に揺れることでさらなる快感と刺激を彼へ与えるのだった。
美しく鍛え上げられて肢体が水滴に濡れて揺れる姿は最早芸術に等しい。
それでいて上へ下へと形を変えて揺れる仲違いした双子が、これまた煽情的であり、既に限界以上に高まっているバニラの興奮を更に煽る。
「か、かしゅみ、しゃ……!」
「どう、気持ちいい?」
「はひっ……!」
「そ♪ ならもっと攻めてあげなきゃね!」
「ふわああああ!!?」
途端に腰の動きを激しくするカスミ。
それは初体験のバニラにとっては、余りに刺激が強すぎる快感を彼へもたらした。
ならば、これから起こる事態は想像に難くない。
「もう……さっきのが……!」
「うん、出して! いっぱい出していいのよ!」
「で、出るううううう!」
「ん……あああああ!!!」
全身を痙攣させ、逸物から迸る精液をカスミの膣内へと吐き出したバニラ。
そんな彼の射精を受け止めたカスミは、しばし膣内に流れ込む灼熱の余韻を楽しんだ後、再びムクムクと起き上がる逸物にニヤリと笑った。
「な~に? まだしたい訳?」
「あ……えっと……その……」
「いいわよ。気が済むまでしてあげる!」
「カスミさん……!」
「ほらほら!」
「ああっ!」
容赦なく腰の運動を再開するカスミに、バニラはただ甘い嬌声を上げることしかできない。
何度も打ち据えられるカスミの腰には、彼女とバニラ、二人の体液が混じった汁が泡立っており、シャワー室にツンと据えた臭いが広がっていく。
しかし、それさえも興奮を高めるエッセンスにしかならぬ程に、彼等は高ぶっていた。
カスミの騎乗位によって何度も絶頂を迎えるバニラ。
一方でカスミもまた、ようやく訪れようとしている快楽の頂きの兆しに、その吐息を甘く、そして荒々しくさせていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……んっ!! あたしも……!!」
「カスミさん……カスミさん……!」
「イ、クぅぅぅううう!!!」
プシャアアア!!!
勢いよくカスミの体が弓なりに強張った瞬間、彼女の淫裂から迸った飛沫が、彼女に跨られているバニラに降りかかる。
「ふぇ? カスミさん……漏らして……?」
「違うっての」
「ふぎゅ!?」
荒い息遣いのカスミは、自分の淫汁を噴きかけたバニラへと体を傾け、そのまま口付けを交わす。
僅かな塩味を感じ取りつつも、唇を離したカスミは得意げに語る。
「あれは潮吹きっていうのよ」
「しおふき? ポケモンの技ですか?」
「ちーがーう。女の子が気持ちよくなった時に出しちゃう技のこと」
はぁ、と甘い吐息を漏らしたカスミはもう一度バニラの唇を貪る。
舌を乱暴に絡ませれば、あっという間に膣に挿さったままの逸物は元気を取り戻し、カスミの膣内を圧迫し始めた。
「まだ……ヤれるわよね?」
「は、はい!」
「うんうん。元気でよろしい!」
少年の精力を侮ることなかれ。
この後二人は、とっくに乾燥が終わった衣服の熱が冷めるまで、互いに求めあうのだった。
*
「じゃあねー! また来てもいいわよー!」
「は、はぁ……」
先ほどまでの自分達がしていた行為を思い出し、オクタンよろしく赤面して去っていくバニラ。
そんな彼の後ろ姿を見つめるカスミはと言えば、彼からもらったポケギアの番号を見る。
また機会があれば……と、バニラから強引に聞き出した番号であるが、『悪用しないでくださいよ!』と強く釘を刺されてしまっている。
しかし、カスミは悪用する気満々だ。
(他の皆にも教えてあげようっと♪)
バニラの旅は前途多難になること間違いなしだ。