「んしょ……んしょ……」
梱包された荷物を運ぶバニラ。
彼が今居るのは、クチバシティの港から船で行けるナナシマと呼ばれる島の内、4の島だ。
町の北東には凍り付いた洞穴『いてだきのどうくつ』が存在しており、その他には育て屋と呼ばれるポケモンを預けることで育てて貰える施設もある。
バニラは現在、紆余曲折あって育て屋でお手伝いをしていた。
理由は、この育て屋を経営している人物にある。
「ありがとう、バニラくん。そこに置いてくれて構わないわ」
「はい!」
夕焼けのように赤い髪の美女。育て屋らしい装いことしているものの、出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいるメリハリのある体を隠しきれていない彼女は、眼鏡の奥に佇む怜悧な瞳を細めて微笑んだ。
彼女の名はカンナ。元ポケモンリーグ四天王の一人だ。
数年前まで四天王として活動していた彼女は、こおりタイプのポケモンを用い、挑戦者の悉くを氷漬けにすることから、『絶対零度の女』と畏敬を込めて呼ばれていたが、突如として現役から電撃引退してポケモンリーグから姿を消した。
この育て屋こそが理由だ。
「ふぅ……こうもたくさんポケモンが居ると大変ですね。もっと人を増やしたりは考えていないんですか?」
「それも考えてはいるんだけれど、命を預かる仕事だからね……無責任な人に集まられても困るの」
「あー……」
困ったように笑うカンナ。
以前、この育て屋を経営していた老夫婦が亡くなった。その際、4の島出身であり彼等に世話になっていたカンナは、恩返しとして四天王を引退し、この育て屋に務めるようになったという経緯がある。
元四天王が経営する育て屋とだけあって、集まるトレーナーは数知れず。
しかし、カンナとて人間だ。面倒を看ることができるポケモンの数には限りがある。
加えて、命を預かる大切な職業とあってか、妥協を許さないカンナは、彼女とお近づきになろうという邪な考えを持った者達がやって来ることを防ぐ為、今日という今日まで従業員は彼女一人だけであった。
だが、一人だけで育て屋を回すのはなにかと大変だ。
そこに颯爽と現れたのがバニラである。カントーのジムバッジを全て集め終えた彼は、自分と手持ちのポケモン達へのご褒美の意味を込め、ナナシマの観光に来ていた。
カンナとは、その途中で偶然出会い、今ではこうして育て屋の手伝いもさせてもらっている。
『貴方、筋がいいわね。ここで働いてみない?』という誘いに顔を赤らめつつ、バニラは一生懸命働いた。
多くのポケモンに囲まれての時間はとても楽しいものだ。
それに、近寄りがたいイメージを抱かせるクールビューティーなカンナが、ポケモンとふれあう時、ああも母性溢れる柔和な態度を見せるものなのかというギャップに心を撃ち抜かれた。
(やっぱりカンナさんもポケモンが大好きなんだなあ)
でなければ到底育て屋など務まらない。
感心しつつも、負けないくらいポケモンが好きなバニラも負けじとポケモンの世話をする。
そうこうしている間にも日は沈み、預けられているポケモン達は眠りに就いた。
一日中ポケモンの世話をするのは骨が折れる。
クタクタなバニラは、心底疲れた表情を浮かべてはぁ~と息を吐いた。
「つ、疲れたぁ……」
「お疲れさま。貴方のおかげで随分と助かったわ。ありがとう」
「い、いえ! ポケモン好きですから……良い経験になりました! ありがとうございました!」
礼儀正しく一礼した後、バニラは踵を返す。
だが、そんな彼をカンナが制止した。
「あら、どこへ行くのかしら?」
「どこって……ポケモンセンターに泊まりに……」
「うふふっ。そんなことをしなくても、私の家に泊まっていけばいいわ」
「え? で、でも……」
「これは大人の面子の問題なの。たくさん手伝わせて『はい、帰れ』なんて無礼にも程があるわ。だから、貴方にたくさんお礼をさせて?」
「は、はぁ……」
ここまで言われたら断る訳にも行かず、バニラはカンナに連れられ彼女の自宅へと向かった。
一人暮らししている女性の自宅へと上がることはバニラも初めてであり、心臓がバクバクと音を立てる。
だが、待ち構えていた『お礼』は至って健全であった。一日の汗を流すべく風呂をもらった後は、カンナ手作りの料理を振舞ってもらう。料理はとても美味であり、嫁として嫁いでも恥ずかしくないレベルであったと言えよう。
こんなにしてもらってもよいものかと考えつつも、腹が膨れれば必然的に睡魔が襲ってくる。疲れもあって、今にも眠りに落ちそうだ。
そんなバニラを察してか、寝間着であるネグリジェを着ているカンナは『ベッドに案内するわ』と彼を寝室へと誘った。
そこで待ち構えていたのは、
「わぁ……ぬいぐるみがいっぱい」
部屋を埋め尽くす程のぬいぐるみ。
年季が入っているものもあれば、最近テレビCMで紹介されていたような新作のぬいぐるみまで置いてある。
ベッドの上から床の上まで所狭しとぬいぐるみが並ぶ圧巻の光景に立ち尽くして居れば、カンナは少々恥ずかしそうに頬を染めていた。
「ごめんなさい……私、ぬいぐるみが好きで、家にいっぱいあるのが分かってるのに買っちゃうの」
「いえ、その……女の人なら可愛らしいですし問題ないと……」
「あら、ありがとう」
「あの、それで、ボクはここで……?」
「ええ。ごめんなさい……ベッドはここの一つしかないから、私と添い寝することになってしまうけれど大丈夫? 大きさは問題ないだろうけれど……」
「えっ!?」
確かにぬいぐるみを数多く配置できるだけの巨大なサイズのベッドであれば、女性のカンナと子供のバニラなら、二人一緒に眠ることができるだろう。
しかし、問題はその状況にある。
絶世の美女が添い寝している状況。何も起こらない筈もなく―――といった事態に発展しかねない。
(いや、あれはほとんど向こうから来てるだけだし!)
決して自分から始めている訳ではない。
バニラはこれまでのジムリーダー達との情事を思い出し、顔を真っ赤に染めつつも、情事に発展するまでの経緯を思い返し、カンナとはその心配もないと自分に言い聞かせる。
「やっぱり抵抗があるかしら」
「だ、大丈夫でしゅ! ……たぶん」
噛みながらもカンナの誠意には応える。
「私、いつもぬいぐるみを抱いて眠っているから、もしかしたら貴方のことを抱いちゃうかもしれないわ。それでもいいの?」
「えっ!? あ、は、はい……たぶん」
こうまで可愛らしい癖が、時には凶器に発展する。
既に歯も磨いていた二人は、眠るべくベッドに早速横になった。
『おやすみなさい』とのカンナの声と共に落とされる照明。都会とは違い、8時も過ぎれば町のほとんどの照明が消える。
カーテンの隙間から差し込む仄かな月光だけが光源。
そんな中、バニラは―――
「すぴー……」
すぐさま眠りに落ちた。子供の夜は早いのだ。
疲れもあって寝落ちしてしまった彼は、余程のことが無い限り起きることはない。
だが、その余程のことが起きたのは、そう遠くない未来の出来事であった。
*
クチュッ……チュクッ……。
「……んみゅ……?」
真夜中、自身の体を揺らす振動と不自然な音に目が覚めたバニラ。
深い眠りに落ちていた為、目が覚めてすぐは意識が覚醒しておらず、朦朧とした意識の中で漠然と辺りの状況に努めていた。
グチュ……グチョ……。
(なんだろう、この音……?)
だんだん明瞭になっていく視界の中、絶え間なく響いている水音に対し、バニラは怪訝そうに眉を顰める。
水音とは言っても音自体はかなりくぐもっており、大分耳を澄まさなければその音を拾うことはできない。
「はぁ……んんっ……♡」
しかも、真後ろから荒く甘い吐息が首を撫でるように吐かれている。よく今の今まで起きなかったものだと、それほど疲弊するまであくせく働いた自分に感心しつつも、自身が置かれている状況がどういったものなのか、バニラは把握し始める。
ひしりとバニラの体を抱きしめる右腕。それは間違いなくカンナの腕だ。
彼女が事前に申し出ていた癖だろうか―――などと悠長に考えられていたのも束の間のこと。
時折、ビクリと強張ったかのように腕に力が込められた際、抱き寄せられたバニラの背中にカンナの豊満な果実がこれでもかと押し付けられる。
「―――!」
恐らく今まで見てきた女性の中で最も大きい果実を実らせているカンナ。
その破壊力は凄まじく、寝間着越しに押し付けられているにも拘らず、彼女の双丘の柔らかさが余すところなく伝わるようだった。
そうこうしている内に、朝でないにも拘らず、本体同様眠っていた息子が目を覚まし、ビンビンにそそり立つ。
辛うじてカンナは後ろから抱き着いている為、怒張した逸物を彼女に押し付けてしまうという事態には陥らなかったが、ふとした瞬間に彼女の手が触れてしまう可能性は否めない。
内心ヒヤヒヤ、肉棒は熱々。
スリル満点な状況であることには間違いないバニラが置かれていた状況―――それは言わずもがな、カンナの自慰だった。
「はぁー♡ ふぅー♡ んっ、んんっ……♡ んあっ♡」
「……」
これほどまでに艶やかな嬌声を耳元で上げられれば起きない筈がない。
しかし、起きたと告げてやめさせるのも何か違う。結局バニラは一ミリも動くことができないまま、カンナの自慰が終わるのを待つことしかできなかった。
だんだん激しくなっていく水音。それは無論、彼女が自身の淫裂を指で弄っている音であるが、絶頂が近いのか、指にとどまらず腕全体の動きが激しくなる。
「はぁー♡ はぁー♡ はぁー♡ っ、んんんんんんんんんっっっ♡♡♡」
刹那、ビクリとカンナの体が強張り、その際の振動がベッド全体を揺らした。
(……こんなの絶対起きるでしょ!)
寝たふりをし続けるのも楽じゃない。(性的な意味で)肉体も精神も限界を迎えようとしているバニラは、心頭滅却し、再び心地よい眠りに落ちようと試みる。
しかし次の瞬間、バニラの体を抱きしめていたカンナの腕が、彼の股座へと移動し、屹立する肉棒をむんずと鷲掴みにした。
「あっ!」
「うふふ。起きちゃった……?」
「え……あの……」
「いいのよ、隠さなくても」
まるで最初から起きていたことを分かっていたかのような口振りのカンナは、バニラの答えを待たずして、鷲掴みにした彼の逸物を優しく……それでいて激しく揉みしだく。
「育て屋って大変でね。一日中ポケモンの面倒を看なきゃならないから、自分の時間がないの。それにここって田舎だからほとんど出会いがなくって……男日照りが続いてたの」
「んっ! そ、それがこの状況となんの関係が……あぁっ!」
「わからない? わからないなら……体に教えてあげる!」
そう告げたカンナは、自分達の体にかかっていた布団を引きはがす。
隠すものがなくなり、テントが張っている下半身を目撃されたバニラは『ひゃあ!』と悲鳴を上げて丸まるものの、すぐさまカンナに下半身の衣服を脱がされ、血管が浮き出る程に怒張した逸物を露わにされてしまった。
先ほどカンナに揉みしだかれた所為か、鈴口からは先走った液が漏れだしている。
「ああ、この雄の臭い……久しぶりだわ♡」
チロリとカンナの舌が鈴口を撫でる。
バニラの股間に顔を埋めるようにし、口淫を始めるカンナ。四つん這いになって一心不乱に肉棒に吸い付き、下品な音を立ててストロークする彼女の姿は、昼間に見せた母性溢れる姿ともギャップがあった。
「んん、おいひい……っ♡♡」
バニラに対しての上目遣いは欠かさない。
怜悧な雰囲気が漂う端正な顔立ちだった彼女が、肉棒を実に美味しそうに咥えている表情は、これまで彼女を憧れていた者達を幻滅させるのに十分すぎる破壊力がある。
しかし、男にとってはこれ以上ない程に興奮するギャップだ。
しかも、激しいディープストロークをしている一方で、カンナは自身の濡れた淫裂を未だに弄っている。
時折ヘコヘコと浮く腰使いがその証拠だ。
ああ、人はここまで惨めな姿に落ちることが可能なのか―――バニラは、目の前の女性に幻滅に似たような感想を抱いたものの、それら全ては彼女の口淫の快楽を前に消え失せてしまう。
「あ、ダ、ダメです、カンナさん! もう……!」
「
「へ? はあ! そ、それはァ……!!」
たっぷりの唾液がカンナの口とバニラの逸物の間にかかっていたが、それを彼女は舌で舐め取る。
すると彼女は、そのたぷたぷと揺れている双丘でバニラの逸物を挟み込んだ。
重力に逆らい前方へと突き出ているような美しい形状の双丘。肌のハリ、弾力、柔らかさ……どれを取っても極上の胸で挟み込まれた快感は計り知れない。
それだけでも絶頂に達してしまいそうなバニラ。
だが、カンナは快楽に悶える彼の表情を前に不敵に微笑んだ後、自身の胸を腕で抑え付け、そのまま上下に動かし始めた。
所謂パイズリだ。口淫の際、たっぷりと逸物に塗布された彼女の唾液はちょうどよい潤滑油となって、この行為を円滑に進める助けとなった。
それはつまり、一層バニラの絶頂が近くなったと同義。
脳に電流が奔り、目が白黒となるバニラは息も絶え絶えとなり、今にも果てそうな雰囲気を醸し出していた。
「どう? もうイっちゃうのかしら?」
「は、はい! もう……!」
「そう。じゃあこのまま出す?」
「あ……カ、カンナさん」
「なに?」
「眼鏡つけて……ください」
「え? ……ふふっ、そう。将来が思いやられるわ♡」
絶頂直前、どう吐精したいかを問いかけたカンナに対し、バニラが返答した答えは眼鏡をかけて欲しいというもの。
眼鏡はカンナのトレードマークでもある。
それを胸で逸物を扱いている時にかけてほしいということはつまり―――。
察したカンナはキャビネットに置いていた自分の眼鏡をつけ、再び彼の逸物を胸で扱き始める。
先ほどよりも一層激しく、一層きつく。
胸に彼の逸物の型が取れてしまいかねない程に強く押しつけるカンナ。
その状態での扱きは、バニラにとって刺激が強すぎた。みるみるうちにぶら下がっている精嚢から尿道を突き進んでいく灼熱の感覚を覚えれば、瞬く間に痛い程勃起していた逸物の先から、白濁液が迸った。
「んっ♡ はぁ……♡ こんなたっぷり……前が見えない……♡」
解き放たれた子種はカンナの端麗な容姿を穢す。
特に、濁った体液は彼女のかけている眼鏡のレンズに降りかかり、彼女の視界を遮るに至った。
それほどまでにたくさんの子種をかけられたカンナは、洗っても落とせぬ雄の臭いを存分に堪能する。
「もったいない……♡」
そして眼鏡を外したかと思えば、眼鏡にかかっていた白濁液を残す所なく舐め取った。
実に美味しそうに舐め取っては、その全てを口腔に溜め、一度バニラに見せつける。新鮮でプリプリとした子種……その独特な苦みを楽しんだカンナは、吐き出すことなどせず、勢い良く天井を仰いで全て飲み干した。
「―――ぷはぁ、ごちそうさま♡」
口の端に残った精液を舐め取り、カンナは告げる。
その淫らな姿に、出したばかりのバニラの逸物は復活してしまっていた。我ながら節操のない息子だとバニラが反省したところで、その興奮状態が収まる筈もない。
何故なら、目の前で大股を開いて待ち構えるカンナの姿があったから。
「さあ……いらっしゃい♡」
「うぅ……はい」
据え膳食わぬは男の恥。
そんなありきたりな言葉で自身の性欲を正当化したバニラは、その剛直をカンナの淫裂へと突き立てた。
「ふぁ、はああっ……!」
違う、今までのモノとのどれも。
熱く、それでいて肉棒全体を包み込む柔らかい温かさが、形容し難い心地よさをバニラに覚えさせる。
ずっと
「カンナさん! カンナさん!」
「あっ♡ ああっ♡ あああっ♡ いいわよっ♡ 貴方のペースで……好きなだけ……
「っ、あああっ!!!」
「はあああああんっ……♡♡♡」
ものの数秒で二度目の絶頂に達してしまったバニラ。
カンナの膣内へと白濁液を注ぎ込むが、全てを
濡れたガーディのように切なそうな瞳でカンナを見つめるバニラ。その愛くるしい姿に心を射止められたカンナは、優しく優しく彼を抱き寄せる。
「いいのよ……♡ 貴方の気が済むだけシて……♡」
「カンナ……さん」
「たくさん思い出作って帰るのよ♡」
「は、はい!」
その日、一晩中カンナの家からは喘ぎ声とベッドの軋む音が止まなかったという。
*
後日、4の島。
「うふふっ、あの子とのがデキちゃったらどうしようかしら?」
育て屋稼業に精を出す氷の女は、時折あの全身が融けてしまいそうな熱い夜を思い出しては、ぬいぐるみを抱いて自慰に耽っていたとさ。