※この作品はR-18です。

臓硯憑依もの   作:ぴんころ

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第十四話

「そろそろイリヤスフィールを脱落させに行こうか」

 

 その言葉を口にしたのは衛宮士郎を殺した翌日、セイバーの調教を済ませた時のことだった。

 俺の肉体もだいぶ「この世全ての悪」に犯されてきたようで、言峰の心臓を「この世全ての悪」が代行しているのと同じように俺の体液も移り変わってきたらしい。セイバーに射精したはずなのに実際に出たのは泥のような色をした液体であり、そしてそれに対してセイバーは苦悶と快楽が混じったような声をあげていた。

 部屋の中にいるのは裸の男女のみ。ただし男女の比率は一対三。俺一人と、アイリ、キャスター、セイバーの三名。

 

「ようやく、イリヤに会えるのね」

 

 感慨深げに言うアイリ。本来なら二度と会えないはずだったのだが会える可能性を得てから十年。その日々はあまりにも長かったことだろう。すでに彼女の倫理観は狂っている。五年近く受け入れさせた『自らの息子、娘も加えての乱交』でとろけさせることには成功したのだ。

 

「バーサーカー、ですか。今の私で倒せるでしょうか……」

 

 黒化によってこれまでの白い衣装から漆黒のワンピースドレスに変わり、そしてそれを脱いだセイバーが少しだけ自信なさげに言う。聖杯戦争開始の夜……つまりは彼女が召喚された日に一度戦っているからこその少しばかり不安が残っているのだろう。

 

「大丈夫ですよ、セイバーさん」

 

 キャスターはいつものようにニコニコと。「この世全ての悪」がどう言うものなのか、神代の魔術師である彼女だからこそそれを一番よく理解しているのだろう。その顔には不安は一切見えない。

 

 ずぶり、とセイバーの中で射精した直後の逸物を引き抜く。

 決行は今夜、アインツベルン城に進撃することで。

 

「これを使用するのも久しぶりな気がするな」

 

 目の前にあるのは蟲によって形作られた俺の爺状態の……つまりは皆が想像する間桐臓硯の姿。

 そしてその後ろに控えているのは俺が召喚したアサシン。

 

「アサシン、バーサーカーをセイバーとキャスターが倒したら即座にそのマスターを確保して連れ帰ってこい」

 

「御意」

 

 意識をそちらに移す直前にアサシンに一言だけ残して、そちらの肉体を構成する蟲を四散させて一匹一匹個別にアインツベルン城の前にて集合するようにする。それと同時、セイバーとキャスターを泥に包み一度中に戻して、俺の使い魔のような状態となっているその老人の肉体を通してそちらで顕現させる。ついでアサシンも出撃したことで、ついにアインツベルンとの戦いが始まる。

 

 

◆

 

 

「マキリ・ゾォルケン。人の家に土足で踏み込むなんて礼儀がなっていないのね」

 

「くかか、人間のふりをしているだけの小娘がよく吠えるな」

 

 アインツベルンの森の中、イリヤスフィールと相対する。今はまだアサシンをはじめとしてどのサーヴァントも現界していない。この場にあるのはイリヤスフィールの背後に佇むバーサーカーのみ。

 

「アインツベルンの小聖杯。この間桐臓硯が貰い受ける」

 

 言葉と同時に現界したのはアサシン。そして闇夜によって視界の全てが隠された森の中を縦横無尽に駆け巡り、様々な方向から暗剣ダークを放つ。

 

「■■■■■■ーーーーッ!」

 

 バーサーカーが吠える。斧剣を振るい、あるいはその肉体でイリヤスフィールの肉体に襲いかかる全てのダークを弾き、ついでと言わんばかりに俺が放った普通の蟲たちも吹き飛ばされ、体液を撒き散らしながら死んで行く。

 わかっていたことだがここまで一方的だともはや笑いたくなってくる。……仕方ない。

 

「あら、威勢はよかった割にここまで弱いなんて思わなかったわ」

 

 イリヤスフィールが何かさえずっているが、もはやどうでもいいことだ。セイバーごと巻き込むつもりで泥に落とせばそれでいいだろう。

 

「ほう、ならばこれはどうだ?」

 

 泥が這い出でて、そこから現れ宙に浮かんだキャスターがバーサーカーの動きを阻害するための魔術を放ち、地上に顕現したセイバーがバーサーカーに正面から切り込む。今の彼女は勝利すべき黄金の剣(カリバーン)ではなく、泥を固めて作った剣を手にしているのでバーサーカーは一撃でももらえばそれでおしまい。そこから泥が入り込み、俺の本体を探し当てるよりも先に死ぬだろう。

 

「な……!? セイバーに、キャスター!?」

 

 アサシンも含めて三騎のサーヴァントの同時使役。さらにはセイバーに関しては衛宮士郎と戦ったことを確認しているために驚きも一入だろう。

 

「終わらせろ」

 

 無言の肯定。セイバーとキャスターはバーサーカーを殺しにかかる。キャスターがステータスを下降させたバーサーカーをセイバーの持つ剣の形をした汚泥が切り裂き、その内側まで染み渡りながら彼の体を構成する魔力を食らって行く。かと言ってセイバーだけに注視すればキャスターの魔術が飛んできてバーサーカーの命は奪われる。

 どちらを狙ったとしてももう片方は確実にバーサーカーを殺す手段を備えているために、そしてキャスターとセイバーを同時に狙うことが不可能なために、バーサーカーは殺されるだけ。

 だからと言って俺を狙っても、俺のこれは蟲の集合体でしかないために意味もなく。

 

「食らいつくせ」

 

 俺を狙ったバーサーカーを二人は止めることをせず。そして俺の肉体を構成していた蟲……聖杯の泥を浴びた蟲たちがバーサーカーによって潰され、その肉体を泥で消滅させる。

 それによって俺の意識は強制的に間桐邸の本体に戻され、アインツベルン城の監視をしている蟲に、再度の視覚共有を行ってその最後を確認する。

 体が蟲喰い状態になったバーサーカーの心臓にセイバーが持っていた泥の剣が突き立てられ、その終焉を彩る。

 イリヤスフィールは一切の行動をすることができずに、アサシンによって気絶させられて連れ帰ってくることになる。

 

 視界の共有を解除して、そばに侍るアイリスフィールに視線を向ける。

 

「イリヤスフィールを捕らえることに成功したぞ」

 

 その言葉に、彼女は聖母のような笑みを浮かべていた。




そろそろ母子丼ができる……長かった……

〜〜〜ここから先は前回の士郎死亡によるタイガー道場です。見ない方はブラウザバック推奨です〜〜〜












???「はい、というわけでタイガー道場番外編スタートだよー」

???「おーっす。士郎視点でないせいで、どこの選択肢でミスったのかよくわからないあなたを地獄から救う救済の場、タイガー道場だよ!」

???「今回の死因は……あちゃー、ゾォルケンに目をつけられちゃったせいなのね」

???「そう! こっちの楽屋裏から飛び出て本編に介入している情け容赦もない認知症のおじいちゃん! 町内会では人格者で知られているあの人が簡単に手を下すことができるように行動していたせい! どうして常に遠坂さんと一緒に行動しようとしなかった! ど素人が一人で行動してどうにかなるほど甘くないのはこれまでの経験で知っていたでしょうに!」

???「師匠! そうは言っても召喚したサーヴァントがセイバーではなくてセイバー・リリィな時点で本来なら存在しないはずのデッドエンドフラグが増えすぎてて、まともにやってても一番最初のルートエンドにすらたどり着けないんです! 『これまでの経験』そのものがないんです!」

???「それは言っちゃいかんやつ!」

???「あいたぁっ!?」

???「まぁ、そういうわけで基本的には遠坂さんと行動しなさいな。そうすればこのエンドは免れるわ。代わりに桜ちゃんがちょっとまずいことにはなるけれど……」

???「まあ、そんなの軽いわよねー。わた……イリヤがこれから蟲爺に犯されるエンドにたどり着いてCG解放されるなんてことを考えたら、普通の感性を持つ人はこんなエンドを二度と体験しようとは思わないでしょうし」

???「そうよー。どうしてイリヤちゃんなの! どうして魅惑のタイガールートは解放されないの!」

???「……解放されたかったの?」

???「いや、さすがにこんなルートは嫌だ」

〜〜完〜〜
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